以下は、昨年の11月17日から18日にかけて渋谷ヒカリエで開催されたTechCrunch Tokyo 2016のレポート記事より引用させていただきました。「 」内は引用です。

「…そもそもスタートアップに投資するお金、つまりベンチャーキャピタルファンドに流れるお金はどのように推移しているのか。最近ではスタートアップの大型調達のリリースを耳にする機会も増えているので、ベンチャーキャピタルの資金も増えているはずだ。1年間のベンチャーキャピタルファンドの組成額は、ここ数年2000億円付近を推移している。ピークと言われる2006年は3500億円に達していたが、その後2008年のリーマンショックから続く金融危機の影響を受け、2009年、2010年は250~300億円と10分の1まで落ち込んだ。そのような時期を経て、やっと回復してきているという。村田祐介氏(インキュベイトファンド代表パートナー)の調べによると、2016年上半期の組成額はすでに2500~2600億円程で、今年度は3500億円に達するのではと予想する。…」

ベンチャー企業向けの投資用のファンドがどんどん組成されています。ベンチャーキャピタルの投資が活発です。投資する際の企業価値評価も、総じてポジティブ、一部は株価が高騰していると言われています。

事業を積極的に仕掛けて、飛躍させたいと考えておられる社長様は、エクイティーによる資金調達にも挑戦してください。

※銀行借り入れなどによる調達をデッドと呼びます。これは借入れです。元金に金利を乗せて返済します。一方、エクイティーとは、自社の株式を新たに発行、買い取ってもらうことで資金を調達します。返済義務はありませんが、投資家は株主として議決権を行使します。
デッドとエクイティーの中間的な転換社債や、議決権を抑えて、配当を優先する、または、近未来の業績に応じて株価が変動する…様々な種類株もあります。会社側と投資家の利害を調整する手法も進化してきました。

■エクイティー資金の投資を受けられる会社様の条件を整理します。

◆1:事業性
○会社を成長させて事業を世に問う、近未来に株式公開などを目指すことが条件になります。一定以上の社会性を有することも条件です。

◆2:経営者の考え方
○資本を他人から受けて、言いかえると、第三者を株主に迎え入れて経営ができることが条件になります。経営が変わります。
この決意が必要です。

◆3:将来の収益性
○5年~7年以内に株式公開基準をクリアーできる事業性が必要です。例外を除いて、5~7年以内に数億円程度の純利益を継続的かつ、増益基調で計上できる収益性が必要になります。

◆4:足元の実績または、経営者の実績・経歴
○一定の事業実績が必要になります。
・5年後に売上高20億円、営業利益4億円を計画、実績は、前々期の売上高が1億円で営業利益が▲1,000万円、前期の売上高が2億円で営業利益が2,000万円、今期は半期で売上高が2億円、営業利益2,000万円、これならわかり易いですね。
・収益が伴っていなくても、例えば会員組織を作って将来利益を見込める蓋然性が高い、この場合などでは、その会員数の推移が実績になります。確実に組織が構築されていて、将来的に利益を計上できる合理性があればポジティブです。

○実績が少なければ、経営者の経歴と事業性を評価します。
すごい人が、その経験に沿ったすごいことをやる、これに近いほど投資評価はポジティブになります。業績の裏付けがなければ、経営者の経歴と事業性が重要になります。ただ、事業実績無しの立ち上げ時に投資を受けるのは難解です。ほぼ無理です。

※エクイティー資金の調達は、金融機関借入に比して容易ではありません。

■投資家へのアクションは…
投資家側も事業を探しています。投資に値する事業を見つけるのに躍起です。

◆1:説明資料を準備してください。
・経営者の経歴・経験、今の事業に至った経緯・理由
・事業の有望性と自社が取り組める理由
・中期計画概要、短期的な攻めどころと資金需要(何にお金が必要か?)
・足元の業績

◆2:投資家を探してください。
・ベンチャーキャピタルの所在を探すことは容易です。ホームページで検索すれば出てきます。直接電話をして話せば対応してくれます。投資家側も事業を探しています。
・ご縁があれば紹介を受けてください。ポイントは、エクイティーに縁深い一社・一人を見つけることです。エクイティーの世界は、横のつながりが深く、一社・一人が多くの仲間を紹介してくれます。

■投資を受ける際には、よく理解してください。

◆1:投資家も納得する事業計画が必要です。

◆2:それに沿った資本政策が必要です。あわせて株価も決まります。

これらは、投資家と協議をしながら決めることになります。注意すべきは、名のあるベンチャーキャピタルは総じて紳士ではありますが、それでも株価は安い方が良い、一方、会社側は株価を高くしたい、この利害が存在します。
また、企業価値=純資産+将来利益、この将来利益に会計上の正解は存在せず、売り手と買い手の目論見で決まります。会社側も専門家の助言を受けた方がよいでしょう。

エクイティーに対する知見は、多岐にわたる複雑な内容です。
すべてを理解することは容易ではありませんが、要点だけでも留め置きください。

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

1991年のバブル崩壊を機に、金融機関にも暗黒の時代が訪れました。不良債権問題が顕在化し、新規貸出目標がマイナス、すなわち回収目標が課せられるような異常な時代が続きました。

この異常な状況を収めるために、金融庁が制定したのが「金融庁マニュアル」です。金融庁マニュアルは、銀行の不良債権を炙り出して処理を迫ることに一定の成果を上げました。

そしてあれから20年、不良債権処理も終わり、銀行は以前のように高い収益を上げられるようになりました。金融庁マニュアルもその役目を終えたといえます。

このような状況下、金融庁も方針をこれまでと大きく転換させようとしています。金融庁マニュアルの廃止です。

金融庁マニュアルは、不良債権処理に役立った一方で、銀行の審査を形骸化させる要因にもなってしまいました。過去の財務数値をマニュアルに当てはめるだけの機械的な作業は、社長や社員の人間性、お客様や取引先からの評判、事業の新規性など、財務数値に表れない企業の価値から将来の返済能力を推し量る力を銀行から失わせました。

金融庁は、地銀・信金等の地域金融機関に対して、地元回帰、事業性評価を取り入れた新しい審査の枠組みを提示し始めています。もちろん、金融機関側の反発もあると思いますので、すぐに現場レベルで運用がスタートするとは考えにくいのですが、間違いなく今年はその方向に前進すると感じます。

では、金融新時代に適合するために企業側はどのような準備をしておくべきでしょうか。私はビジネスモデルの整理だと考えています。これからは財務面だけでなく、非財務面も見られるようになります。

「貴社が、他社との競争に勝ち、5年後、10年後に生き残っていると考える理由は何ですか?」

この質問に胸を張って答えられるようになることを、今年の目標のひとつにしてはいかがでしょうか。

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

大変不透明な時代が続きます。経済や政治動向などを正確に予測できる人はいません。それだけ世の中が複雑で難解な時代になってしまったのでしょうか。一方、それらの動きに一喜一憂するよりも、自社の経営について、しっかりと考え続けましょう。
本年も、皆さま方のお役に立てそうな情報を配信させていただきます。少しでも、貴社の経営に役立てれば幸いです。

年初に当たって、もう一度、経営の基本指針について言及させていただきます。一つの考え方としてご確認ください。

■単純(Simple)な経営を目指してください。
…分散してはいけません。複雑にしてはいけません。絞り込んで単純に仕上げてください。

ビジネスモデルはできるだけ単純にしましょう。事業体の仕組み自体も単純になります。集中できて強くなります。業務が効率的になり、ミスも減ります。高品質のサービス・商品を生み出し、高い収益力を持つことができます。
分散と複雑化は、経営における諸悪の根源です。

■高収益(Profitable)な企業作りを目指してください。
…安売りは絶対にNGです。経営の難易度を著しく高め、かつ、創造力を奪います。

売れた時には、大きな利益を出せる収益構造を当初から設計しましょう。高めの粗利益率の設定、高めの値付けを心掛けてください。値決めを外すなら高めに外してください。ビジネスとして完成した時点での営業利益率は20%以上で設計してください。
安売り戦略は、経営の難易度を高め、事業体の創造力を奪い去る原因になります。

■手持ち資金を潤沢(Ample)に維持してください。
…資金余力は企業経営の余裕代、時間を提供してくれます。財務機能を持ってください。

資金は可能な限り潤沢に持ち続けましょう。借入れの金利負担よりも、資金に困るリスクの方がはるかに深刻であることを認識してください。また、借入れのタイミングは、自社が資金を必要とするタイミング(借り手の都合)ではなく、金融機関が融資できるタイミング(貸し手の論理)に沿うことが重要です。
総じて貸し手の方が強いからです。
資金余力がもたらす経営者の心の余裕と、増加分の金利負担を、天秤にかけて比較してください。

■変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体を維持してください。
…計画のずれを想定した経営を行ってください。

計画(売上の達成)が遅れることを想定しながら経営してください。「コントロールできない売上を、コントロールできる売上以外の経費の執行で調整する」、これが経営管理です。経費の執行をワンテンポ遅らせる…これが不透明な時代に、企業体力が十分でない事業体が選択すべき経営のコツです。また、遅れを許容するための資金余力を持てる財務戦略が重要です。

■経営判断を明確(Clearly)にしてください。
…感覚に頼らず、数字を基準にした論理的な経営を行ってください。

曖昧な経営判断、お人好しな対応を止めましょう。
経営は、感覚や概念ではなく、数字で管理してください。感覚や概念を基準に考えると、判断が曖昧になりがちです。数字基準での判断は、その判断の精度を各段に向上させます。
経営が締まります。

経営の判断基準は何か?永遠のテーマです。
経営の判断基準は無限にあります。逆にも真あり、敢えて真逆を攻めることで成功することもあります。
それでも、王道をお薦めいたします。王道とは、多くの偉人が語り続けた経営の道です。
上記の方針は、偉人が語る経営の道に近似しているはずです。
当然です、偉人の言葉を借りているからです。
経営者の皆さま方が、理詰めで考えて、腑に落ちた部分については、今後の指針として、深く、深く…心に刻んでください。

本年度、皆さま方の更なるご発展とご健勝を心より祈念いたします。
感謝・合掌

事業計画書は、自身の経営の羅針盤として、従業員と方針を共有する資料として、金融機関に提出する資料として、作成されます。作成する目的はそれぞれ違いますので、内容もそれぞれ違っていて問題ありません。

■ 経営の羅針盤として作成する計画書
事業計画書は、社長自身の経営の羅針盤として、会社の経営戦略や目標をまとめるために作成されるケースが最も多いです。
この場合、読み手は自分自身ですので、自分が実現したい計画を目標レベルで作成します。しかし、計画書を完成させることより、自社の未来を思慮深く検討することに価値がありますので、様々なケースを想定して、幾通りも計画を立てましょう。
また、一度立てた計画に固執するのではなく、現実にあわせてこまめに塗り替えていくことをおすすめします。

■ 従業員と方針を共有する資料として作成する計画書
総じて、経営者のビジョンが明確で、かつ従業員とビジョンが共有されている組織は強いです。事業計画書は、経営者と従業員の間で目標を共有するためのツールとして作成されることもあります。社員一丸となって頑張ることが目的ですので、目標数値はやや高めに設定します。一度立てた計画は、会社の決算に合わせて1年間は固定し、年度ごとに見直すのが一般的です。

■ 金融機関に提出する資料として作成する計画書
金融機関からも事業計画書を求められます。金融機関が計画書を求める理由は、貸したお金が返ってくるかどうかを検証するためです。従業員のモチベーションを上げるために作成した超ポジティブな計画は、確かに潤沢な利益が出るため、机上では返済が容易になりますが、肝心の金融機関からは、実現可能性
が低いという評価を受けます。金融機関に対しては、大きな利益が出る計画より、最低限返済が可能な保守的な計画を提出する方が喜ばれます。但し、金融機関といっても、上場益を狙っているベンチャーキャピタルに保守的な計画書を提出しても相手にされません。相手のニーズによって計画書は変わります。

計画書をいくつも作ることを良くないことと考える経営者様もいらっしゃいますが、1,000万円の資金を使う前提で立てる計画と、1億円の資金を使う前提で立てる計画は違って当然です。

自身のための計画書は現実的な目標数値で作成する・・・
従業員と共有するなら努力目標の数値で作成する・・・
銀行に提出するなら保守的な数値で作成する・・・

商品やサービスと同様、相手のニーズを汲み取った計画書が評価されるようです。

いよいよ年の瀬です。
一年を締めくくり、良い新年をお迎えください。

■一年という時間は、長くもあり、短くもあり、頃合いの時間です。大きな何かを成し遂げるには短過ぎます。一方、真剣に取り組めば、相当のことが出来る時間です。ひとつのステージに目途を付けるのに頃合いの長さです。

○年初に何かを決めたとしましょう。一生懸命に取り組めば、年末には何か手応えを実感できるはずです。
○さらに、翌年には次のステージを目指してスタートします。年末には、確かな実感を感じ取れるでしょう。
○そして、三年目には、成果の断片を手中にできるでしょう。
○これを十年続けることが出来たなら、大きな功績を残せるはずです。

■一ヶ月という時間は、長くもあり、短くもあり、頃合いの時間です。大きな何かを成し遂げることはできませんが、仮説と検証をワンサイクル以上回せる時間です。仮説をランクアップさせるのに頃合いの長さです。

○月始めに立てた仮説を実行に移して、月末には結果を検証します。
○仮説と検証のワンサイクル(デミングサークル)を一巡できます。
○これを十二回回せる期間が一年です。一年という時間は、相当な時間です。

■一年を総括してみましょう。

○まず総括が重要です。
・今年一年の軌跡を振り返りましょう。どんな風に考えて、どんな風に行動し、その結果どうなったのかを丁寧に整理してください。
・良かった点、改善すべき点を洗い出し、来年の指針にしましょう。
○総括が十分でなければ、同じ過ちを繰り返します。
・人は間違えます。しかし、間違えから学ぶことが出来れば、それは成功の糧になります。一方、間違えを総括できなければ、間違えを繰り返します。
・間違えを、確実に「糧」にしましょう。
○年初に立てた今年一年の目標を思い出してください。
・そもそも明確な目標を持っていなければ、来年は、明確な目標を持ってみませんか。目標を置けば、その目標がより明確であればあるほど、実現の可能性は高くなります。目標作りから始めてください。
・年初目標の達成率が低ければ、そもそも目標が明確であったかどうかを検証してください。来年の目標は、より明確に描いてください。
また、目標の進捗確認が出来ていましたか。年初の目標は、出来れば一ヶ月毎、最低でも三ヶ月毎の進捗確認と修正が必要です。
・目標の達成率が高ければ、来年は、もっと大きな、届きそうもない目標を立ててみませんか。自分を過小評価せず、自分の潜在能力を引き出すぐらいの目標を立案してください。

■いずれにしても、前向きに考えましょう。

・今年あった良くないことに焦点を当てて悔やむのを止めましょう。どうせなら、今年あった良いことだけを取り出して喜びましょう。
・むかついた相手のことを思い出して恨むのはよしましょう。どうせなら、良くしてくれた人を思い出して感謝しましょう。
・うまく行かなかったビジネスシーンを嘆くのもやめましょう。どうせなら、成功した体験を記憶から取り出しましょう。

人は考え方次第でその人生が変わります。
恨み・憎しみ・後悔・嘆き…このようなネガティブな言葉は、除夜の鐘と共に記憶から消し去りましょう。
愛・感謝・喜び・笑顔…来年からはポジティブな言葉とだけ付き合っていきましょう。

来年はもっと積極的に生きましょう。
来年はもっと明るく笑顔で生きましょう。
来年はもっと感謝して生きましょう。
来年はもっとビジネスを成功させましょう。
そして、来年はもっともっと幸せになりましょう。
こんなことを自身が考え、そして、こんなことを考えている人達とお付き合いしましょう。
こんな決意と共に新しい年を迎えてください。

一年間お世話になりました。感謝・合掌。

中小企業経営における優先事項は「営業」や「マネージメント」ですので、「税務」や「財務」について、深く意識する機会は殆どないと思います。何となく一括りで語られることが多い「税務」と「財務」ですが、実は明確に違います。そして、自社に「財務」の機能が備わっていないことを認識している企業様は、案外少ないと感じます。

■ 先日ご相談に来られた社長様の談話です。
・現在決算作業中であるが、ある不動産の取引について、銀行に見栄えの悪い会計処理をされた。
・税理士さんに処理方法の変更を依頼したが「出来ない」と言われた。
・「出来ないはずはない」と感じたため、複数の知人を頼って知恵をもらったところ、可能な処理であることが分かった。
・税理士さんにその結果をお伝えしたらようやく変更してもらえた。
・税理士さんはプロだと思って任せているが、なぜこのようなことを会社側が気にしなくてはならないのか?本来は税理士さんの方から提案してくるべきことではないのか?

当事務所にご相談に来られる社長様が必ず口にされるセリフは、「今の税理士さんは少しも〇〇なアドバイスをくれない。」というものです。〇〇に入る内容は概ね財務に関することですが、当事務所では、「先生は何も間違っていませんよ。」といつもお答えしています。

税理士さんは、その名の通り税務のプロであり、今回の処理も税務上は全く正しい処理です。社長様が税理士さんに、税務面だけでなく財務面もコンサルティングして欲しいと依頼しているならば別ですが、そうでなければ税理士さんはしっかりと責務を果たしています。問題は、税理士さんに依頼しているのは税務面のアドバイスであるにも関わらず、財務面も任せていると会社側が錯覚してしまっていることです。

先述の社長様は鋭い感覚をお持ちでしたので、結果的に財務目線でも評価される決算処理を行うことができましたが、財務面も見てもらっていると思い込んで、税務目線だけで作成された決算書を金融機関に提出している企業様が殆どです。このことで不利な融資判定をされたケースもゼロではないはずです。

先述の社長様から、「税務と財務の違いは理解できたが、会社側に財務の知識もないのに今後はどのように対処すべきか?」とご質問がありました。

中堅企業以上には財務部長がいます。しかし、中小企業で財務に明るい人材を置いている企業は殆どありません。まさに、社長様のご質問こそが中小企業が抱える大きな課題です。銀行融資プランナー協会は、財務も任せていただける税理士事務所のネットワークです。中小企業の財務の課題を解決するために、「財務部長の代行サービス」をご用意しています。このサービスが財務の課題解決に貢献できると考えています。

言われてみれば「なるほど」と納得できることは少なくありません。「もっと早く知っておれば…」と後悔します。
「知らないことがたくさんある、いや、我々は世の中のことの大半を知らない」、この境地こそ「無知の知」(=自分が無知であることを自覚する。)で、この考え方にたどり着いた時にはじめて、人は成長のためのスタートラインに立てる…ある偉人の名言です。

『ピーターの法則』、ご存知でしたか?

■よくあるマネージメントの愚行です。

「第一線の営業マンとして頭角を現したA君、主任に昇進させてチームを持たせたら、途端に覇気を無くしてしまった。将来の幹部候補生として期待していたが、係長への昇進も見込めない。それでも不得手な主任に留めています。」

「営業部長として営業の中核部門を背負ってくれていたB部長、営業成績を長期間維持、向上させた功績で取締役に昇進させて経営陣に加えたが、経営者としての手腕は発揮されない。平の取締役で生涯を終えてもらうことになりそうだ。それでも不得手な経営陣に留めています。」

第一線の営業マンとして優秀であったA君を、不得手なマネージャーに昇進させたうえで放置する愚行を行っています。
敏腕営業部長を、不得手な経営陣に昇進させたうえで放置する愚行を行っています。

■ピーターの法則〔ウィキペディアより引用〕により、上記の愚行が提唱されています。
〔南カリフォルニア大学教授の教育学者ローレンス・J・ピーター(Laurence J. Peter)によりレイモンド・ハル(Raymond Hull)との共著 THE PETER PRINCIPLE の中で提唱された。日本では1969年、『ピーターの法則―〈創造的〉無能のすすめ(ローレンス・J・ピーター/レイモンド・ハル 田中融二氏訳)』がダイヤモンド社より出版された(2003年再版の新訳は渡辺伸也氏)。〕

1.能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平(ひら)構成員も無能な中間管理職になる。

2.時が経つにつれて人間はみな出世していく。無能な平構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人間で埋め尽くされる。

3.その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。

■解決方法として、以下を提唱されておられます。

「この問題を回避するために組織がとりうる手段として、次の段階の仕事をこなせる技術と仕事のやり方を身につけるまで人材の昇進を控える方法が挙げられる。例えば、管理能力を示さない限りは部下を管理する地位に昇進させない、などである。

◆第1の帰結は、現在の仕事に専念している者は昇進させず、代わりに昇給させるべきである。

◆第2の帰結は、新たな地位に対して、十分な訓練を受けた場合にだけ、その者を昇進させるべきである。これにより、昇進の(後ではなく)前に管理能力に欠ける者を発見することができる。」

今後のマネージメントや、自身のキャリア構成に大変役立つ知識です。頭の引き出しに、所番地を決めて保存してください。

先日、中小機構の方から新連携事業支援制度を積極的に活用して欲しいとのご提案がありました。新しい制度ではありませんが、知らない方も多いと思いますので、ご案内いたします。新商品や新サービスの開発、新たな販路の開拓に活用できるかもしれません。

■新連携とは
新連携とは、事業分野を異にする複数の中小企業が有機的に連携し、その経営資源を組み合わせて、新事業活動を行うことにより、新たな事業分野の開拓を図ることです。

例えば
・システム開発が得意な企業と、介護施設を経営している企業が連携して、介護事業者向けの新サービスを開発するなど。

■新連携に対する国の支援
新たな事業活動に取り組もうとする異分野の中小企業者(2者以上)が、事業計画を作成し、国の認定を受けると、国の補助金や政府系金融機関による低利融資など、さまざまな支援を受けることができます。

例えば
・限度額3,000万円の補助金(今年の募集は終了)
・政府系金融機関による低利融資
・信用保証協会の別枠設定
・特許料の減免など

■対象
下記に取り組む異分野の中小企業者2者以上(共同)
・新商品の開発又は生産
・新役務の開発又は提供
・商品の新たな生産又は販売方式の導入
・役務の新たな提供の方式の導入、その他の新たな事業活動

■要件
異分野の中小企業者2者以上がそれぞれの経営資源を持ち寄り取り組む事業であること
・新事業分野の開拓であること
・相当程度の需要が開拓されること
・新事業活動により一定の利益を上げられること

新商品の開発等は、ものづくり補助金が有名ですが、ケースによっては新連携事業の補助金も狙うことができます。事業拡大のための施策として、使える制度はしっかり使うことも大変重要な財務戦略です。

■創業者~中小企業まで、その過半は財務機能を有していません。また、間違えた考え方を鵜呑みにしておられる経営者も少なくありません。

○資金調達のための与信力が低いにもかかわらず、資金のダムを作って備えようとしません。
○(日傘しかない)金融機関に、資金が不足した時に融資を受けに(雨傘を借りに)行こうと考えています。
○利益は納税額だけではなく、今後の資金調達力を決めることになる、これを理解せず、目先の過度な節税を目指します。

※借入れ(融資)可能額は、簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を基準にその概算が判定されます。これらの財務無知から来る財務無策は、『お金に苦労する経営』という結果を招くことになります。

■この様に、財務に対する備えが希薄、または、間違えた考えを持っている経営体を【財務無策症候群】と呼びます。【財務無策症候群】の経営体には、以下のような症状が現れます。

□1.金融機関との継続的な関係を築けていない。必要な時のみ頼る。
□2.資金繰りに苦労をしても、借入れは少ない方がよいと考えている。
□3.資金繰りの余裕が少ない。
□4.支払金利に(過度に)敏感である。
□5.継続的に資金繰りを管理する仕組みを持ち合わせていない。
□6.そもそも『財務』の概念を知らない。

いかがでしょうか?

■病名:【財務無策症候群】を整理します。

○財務戦略がないために、お金に苦労する経営体に甘んじる病です。
○原因
財務無知、または、財務無策が原因です。
○症状
手持ち資金が極小であっても、資金繰りに苦労しても、とにかく借入れを減らして(行わずに)経営を続けようとします。また、貸し手である金融機関の都合を理解できず、自社の都合、必要な時に必要な金額だけ貸して欲しいとの借り手の都合で行動します。少しでも歯車が狂えば、途端に危機的な状況に陥ってしまいます。早期の治療が必要です。

■『財務無策症候群』への対応は、財務の機能を持つことです。
中堅以上の企業には、必ずこの機能があります。

○対策
・金利を気にせずに『借りられる時に借りられるだけ借りる。』
・『貸し手の論理』(借り手の論理ではなく)に沿って資金調達を継続する。
・納税を恐れずに利益をだす。自己資本の充実と簡易キャッシュフローの最大化を図る。
・精度の高い6カ月~1年先までの資金繰り計画を持ち続ける。
・金融機関との継続的な関係を構築する。

■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。

◆病名1:分散症候群  …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:前のめり症候群…有病率30%
◆病名4:お人好し症候群…有病率60%
◆病名5:財務無策症候群…有病率70%

◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。

【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体を維持すること。
◆第4条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。
◆第5条:手持ち資金を潤沢に(Ample)に維持すること。

 

現状よりも業績を拡大しようとする時や、何か新しい事業を始めようとする時、3年から5年先までの事業計画を立てることをおすすめします。但し、事業計画の立て方を間違えると、致命的なダメージを受ける可能性があります。本日は、正しい事業計画の立て方について解説します。

◆売上計画を最初に立ててはいけません。
計画を立てるとき、まずは売上の計画から立てる方が圧倒的に多いのではないでしょうか。しかし、計画の中で最も思い通りにいかないのが売上高です。思い通りにいかない売上高を基準にした計画に取り組むのは大変危険です。

例えば、初年度で5,000万円の売上高が見込めると計画したとします。5,000万円売れれば、原価を2,500万円、人件費を1,000万円、広告宣伝費を500万円かけても、計画上は1,000万円残ります。よって、計画通りに5,000万円の売上高を見込んだ仕入、人材雇用や広告宣伝を行うと…
費用は計画通りだが、売上高が計画通りにいかず、たちまち資金繰りが逼迫する、という事態に陥ります。

◆投資をするからリターンがあります。
売上高は結果です。仕入、営業マンの雇用、設備の投入などが原因となって、売上高という結果が生まれます。損益計算書は、結果である売上高が先に来ていますので勘違いしがちですが、実際は費用が先行し、後から売上が立ってきます。計画を立てる際に、「リターンがこれぐらい見込めるから、これだけ投資をしよう。」と考えるのではなく、「現実的に投資できる金額はこれぐらいだから、リターンはこれぐらい見込めるのではないか。」と考える方が現実的です。「投資をするからそれに見合ったリターンがある。」というシンプルな原理原則を忘れてはなりません。

◆いくら投資できるか?どこに投資すべきか?を考える。
計画を立てる時に最初に考えるべきことは、「自社はどれぐらいの金額を投資に回すことができるのか?」ということです。
たとえ、3年目の売上高が10億円、費用が8億円で利益が2億円となる計画を立てても、8億円の費用を費やす実力が自社に備わっていなければ単なる空想です。資金調達力も含めて、自社の投資能力を正確に把握する必要があります。次に、その資金をどこに投資すれば一番効率よく利益をあげられるか、について考えましょう。

◆具体的な計画の立て方。
1.自社が投資可能な金額を把握する。
2.1の金額を、「何に」「誰に」使えば最も有効かを考える。
3.1の金額を設備投資と6か月程度の費用に振り分ける。
4.3の金額を費やした時、6か月以内に損益分岐点売上高を達成できるかどうかを検証する。
5.自信がなければ投資金額を小さくして損益分岐点を下げ、再度検証する。(繰り返し。)

妄想の売上計画から計画を立て始めるのではなく、現実的な投資可能額から計画を立て始めてください。致命的なダメージを受けるリスクが小さくなります。