2024年3月15日、経済産業省は金融庁・財務省との連携の下、
「経営者保証改革プログラム」の一環として、新しい信用保証
制度を発表しました。この制度は、中小企業経営者にとって重
要な資金調達手段となるものであり、以下にその概要を示しま
す。
■法人である中小企業が、一定の要件を満たすことで、保証料
率の上乗せを条件に経営者保証を提供しなくてもよくなります。
【要件】
1)過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、
その期間)において 決算書等を申込金融機関の求めに応じて
提出していること。
2)直近の決算において代表者への貸付金等がなく、かつ、代
表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められ
る額を超えていないこと。
3)直近の決算において債務超過でない(純資産の額がゼロ以
上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利
益が連続して赤字でないこと。
4)上記1)及び2)については継続的に充足することを誓約
する書面を提出していること。
5)中小企業者が、保証料率の上乗せにより保証人の保証を提
供しないことを希望していること。
【保証料率】
・上記の3)の要件の両方を満たす場合:
信用保証協会所定の保証料率に0.25%上乗せ
・上記の3)の要件のいずれか一方を満たす場合又は法人の設
立後2事業年度の決算がない場合:
信用保証協会所定の保証料率に0.45%上乗せ
■事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度の概要
この制度の活用を促進するために、時限措置として保証料率の
一部を国が補助する特別保証制度が設けられます。
【保証料補助】
保証申込日に応じて、次の補助率に相当する額を国が補助しま
す。
・2024年3月15日~2025年3月31日の保証申込分
補助率 0.15%
・2025年4月1日~2026年3月31日の保証申込分
補助率 0.10%
・2026年4月1日~2027年3月31日保証申込分
補助率 0.05%
■プロパー融資借換特別保証制度の概要
経営者保証を求めない取組による信用収縮を防止し、民間金融
機関における取組浸透を促すために、例外的に、既往のプロパ
ー融資(経営者保証あり)から信用保証付き融資(経営者保証
なし)への借換を認める保証制度を時限的に創設します。
【概要】
・保証限度額:2億8,000万円
・保証期間:10年以内
・保証料率:0.45%~1.9%
・取扱期間:2027年3月31日まで
新しい信用保証制度の導入により、より柔軟な資金調達が可能
となり、経営の安定と成長が期待されます。経営者は、自社の
状況に応じて制度を活用することで、資金調達のリスクを軽減
し、事業の発展に向けた取り組みを加速させることができるで
しょう。