今年の夏も大雨や台風等の自然災害がありました。突発的な災
害により業績に悪影響を受けた企業様もあるかと思いますが、
セーフティネット保証制度を利用できるかもしれません。

セーフティネット保証と言えば、業況が悪化した場合に利用で
きる5号保証制度が有名ですが、突発的災害(自然災害等)の
発生に起因して売上高等が減少している場合に利用できる4号
保証制度もあります。

■ 4号:突発的災害(自然災害等) とは
災害等(指定を受けた災害)が原因で、最近1か月間の売上高が
前年同月比20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含
む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少するこ
とが見込まれる場合に利用できます。

■ 現在の指定案件
・令和元年8月の前線に伴う大雨による災害
・令和元年山形県沖を震源とする地震に係る災害
・平成30年7月豪雨による災害
・平成30年台風第21号による災害
・平成30年大阪府北部を震源とする地震
・平成30年北海道胆振地方中東部を震源とする地震
・平成28年熊本地震

■ 手続きの流れ
対象となる中小企業の方は、本店等(個人事業主の方は主たる
事業所)所在地の市町村(または特別区)の商工担当課等の窓
口に認定申請書2通を提出(その事実を証明する書面等があれ
ば添付)し、認定を受け、希望の金融機関または所在地の信用
保証協会に認定書を持参のうえ、保証付き融資を申し込みます。

災害により直接的な被害を受けた場合はもちろんですが、直接
的な被害を受けていなくても、「災害によりインバウンド観光
客が減少し売上高が落ちた」場合等でも利用できた実績があり
ます。

指定案件は随時更新されますので、現在指定案件に該当しない
場合も定期的にチェックしてみてください。

■ほとんどの事業計画(未来に向かっての計画)は、過去・現
在からの延長線上に立案されています。現事業をどのように守
って育てるのか?もちろん極めて重要な事項ではありますが、
過去・現在からの延長線上の事業計画に縛られすぎると、新し
い事業や発想は生まれてきません。今とは違う事業、今とは違
うやり方…過去・現在の延長線上にこれらの解が存在しないか
らです。

●新しい事業立地を探す、新しいルールを自社で創造する…
●より上位でニッチなマーケットを狙う…
●社長自身の新しい社長像・生き方を模索する…
●価格や商品構成を抜本的に見直す…
等々です。

■また、ほとんどの事業計画(未来に向かっての計画)は、増
収・増益をその目標に置いています。その戦略や戦術が不明瞭
であっても、売上を伸ばし利益を増やす計画になっています。
机上の計算では、売上をプラスして、粗利益率を少しずつ改善
し、販管費の増加を粗利益額の増加よりも少なめにして数字を
走らせれば、計画上の営業利益は簡単に増えます。売上げを毎
年3%増やし、粗利益率を毎年1%改善し、販管費の増加を年
率3%増で抑えれば、5年後には売上高は16%増、営業利益
率は5%以上増えます。机上では簡単ですし、特定の状況下・
ステージでは実現できますが、すべての企業に当てはまるわけ
ではありません。

■事業計画には様々な種類があります。

1.増収・増益を狙う計画
2.減収・増益を狙う計画
3.売上横這い・増益を狙う計画
4.減収・減益を狙う計画
5.細かい数値計画を伴わない計画
…等々です。

◆減収・減益を狙う計画とは…

長期間成長を続けてきて、成長疲れをしているステージにある
会社様は、状況が許せば、減収・減益になる計画、場合によっ
ては赤字転落する計画を立案してもよいかも知れません。成長
疲れとは、力以上の売上、客数…を取るための、力以上の商品
構成や業務を抱えてしまっている状況のことです。クレームや
トラブル、離職が極端に多い企業様には、この成長疲れという
企業病を患っているケースが多いです。思い切って1期でもク
ールダウンしてみるのも一つの選択肢です。この期間に徹底的
に選別と絞り込みを行ってください。思いのほか収支は悪化し
ません。案外…との結果がほとんどです。

◆細かい数値計画を伴わない計画とは…

新規事業の計画などはこの部類に入ります。3年~5年で次の
柱を構築したい、そのために先行投資をして事業を創る、こん
なケースです。
・3年~5年後には□□位の売上と利益を作る。
または、…の状況を作り上げる。
・最大〇千万円までの先行投資(累積赤字)は想定する。
・上記のイメージと予算をもって、一つ一つ考えながら都度判
断して行動する。
予見不可能なことに無理やり細かい数字を与えても、そのこと
から生まれる利はありません。良い意味で行き当たりばったり
に取り組む…賛否両論があるでしょうが、これも一つの選択肢
です。

事業計画には様々な種類があります。事業計画を作るときには、
その種類を検討してください。もちろん増収・増益計画がベス
トです。減収の計画を長期間続けるわけにはいきません。企業
の存在価値が減じます。減益の計画、ましてや赤字の計画を長
期間続ければ破綻します。当然です。それでもあえて申し上げ
るならば、増収・増益を継続できる企業はそう多くありません。
また、増収を狙って減収する場合と、減収を見込んで減収する
場合では、その利益に与えるダメージは大きく違います。前者
が甚大で、後者は軽微です。

中小企業には伸ばし疲れの(伸ばそうとして疲れる)企業を少
なからず見受けます。企業体としても、時には一休み、リフレ
ッシュも必要ではないでしょうか。
事業計画には様々な種類があります。
ご一考いただければ幸いです。

様々なところで「経営者は数字に強くなくてはならない!」等
と言われます。そもそも、「数字に強い」とはどういう意味で
しょうか。「計算が速い」、「多種多様な公式を操ることがで
きる」、といった「計算する力」ではなさそうです。

高度な数学の知識がなくても、特段経営に支障はないはずです。
暗算が苦手ならば電卓があります。帳簿づけが苦手ならば経理
の担当者が、給与計算が苦手ならば社労士さんが、税金の計算
が苦手ならば税理士さんがサポートしてくれます。経営者自ら
が計算しなくても、文明の利器や人材を上手に活用して、経営
に必要な情報を収集する事は可能です。大切なのは計算する力
ではなく、正しい経営判断を下すために、収集した数字の情報
を読み解く力です。

「数字に強い」とは、「数字を読み解く力」の事を指していま
す。算数ではなく国語です。経営者は財務諸表を作れなくても
問題はありませんが、出来上がった財務諸表を読み解く力は絶
対に必要です。財務諸表の読み方を覚えることは、スポーツを
始める時にルールを覚えるのと同じぐらい基本的なことです。

ただ、本当に重要なのはその次です。同じ財務諸表でも、税務
署、銀行、経営者は、それぞれの立場によって全く違った見方
をします。基礎的な読解力は当然のこととして、税務(税務署)、
財務(銀行)、経営の3つの目線で決算書を読み取れなくては
なりません。その「深み」が分かれば、よりバランスの取れた
経営判断を下すことができます。

しかし、3つの目線で財務諸表を読めるようになるには、実際
に税務調査を経験したり、銀行からお金を借りたり、経営者と
してのキャリアを積み重ねたり、といった経験と実績が少なか
らず必要です。書籍に頼っても、この「深み」についての記述
があるものは殆ど存在しません。

では、「財務諸表の深みを読み取れるようになるまでに何年も
時間をかけてはいられない。」という経営者様はどうすれば良
いのでしょうか。簡単ではありませんが、適切な人材を探して
任せるしかありません。教科書的に財務諸表を読み語れる人材
は星の数ほどいますが、中小零細規模企業の財務諸表の深みを
読み語れる人材は本当に希少ですので、次のポイントに留意さ
れてはいかがでしょうか。

1.経営者や実務担当者として、実際に税務調査を受けた経験
があるか。
2.経営者や実務担当者として、実際に金融機関から資金の調
達を行った経験はあるか。
3.これらの経験や実績は、自社と同程度の規模の会社で培っ
たものか。

的確な経営判断を下すために、社内外を問わず、財務諸表の深
みを読み取れる機能を有してください。

人が辞める、人が採れない、思うように人が動いてくれない…
経営者の人に対する悩みは尽きないはずです。ただ、自分自身
すら完全にコントロールできない人間が、他人を自分(自社)
の思い通りにすることなどそもそも不可能であることを認識し
なければなりません。もっと優秀な人が欲しい、もっと頑張っ
て欲しい…無いもの・できないことを求めるのを止めることで、
人に対する悩みは激減するはずです。悲観論ではなく、現実論
として受け入れることから始めてください。
この前提で、考え方を整理しながら、できることを順番に実施
する事しか他に方法はありません。
以下、人事の指針について24項目を掲げました。すべてに○
が付くように心がけてください。

■第1章:人事の基本!

□ 1.すべての従業員に対して公正であるよう努めている。
□ 2.従業員に対して愛と鞭を兼ね備えている。
□ 3.従業員に対して威張っていない。
□ 4.従業員に対して媚びていない。

■第2章:最適化(バランス)の検証!

□ 5.【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】はバラ
ンスしている。
□ 6.【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】
はバランスしている。
□ 7.【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】はバ
ランスしている。
□ 8.よくできる人材を、薄給を承知で便利に使い続けてい
ない。
□ 9.道理を越えた高給を支払って雇用したり、慰留したり
していない。
□10.薄給で採用して高度な仕事を求めていない。
□11.ただただ高給を訴求して人を採用しようとしていない。

■第3章:無いもの・できないことを求めない!

□12.能力の低い人に、(精神論として)高度な仕事を任せ
ようとしていない。
□13.薄給で優秀な人材を雇用しようとしていない。
□14.分不相応な従業員を採用しようとしていない。
□15.グレートカンパニーと普通の会社の違いを認識してい
る。

■第4章:人事制度・業務分掌の整備!

□16.会社の業務を整理・整頓している。
□17.その業務に必要なスキルを有する従業員を求めている。
□18.その業務の市場価値を計り、適正な給与を支払ってい
る。
□19.業務上必要なルールを整備することに努めている。
□20.整備したルールは厳守してもらうよう徹底している。
□21.ルールが守られない時は、注意喚起を徹底し、時に罰
を科している。放置していない。

■第5章:教育・訓練の実施!

□22.新たな地位に対して、十分な訓練を受けさせずに、そ
の者を昇進させたりしていない。
□23.現在の仕事に専念している者は昇進させず、代わりに
昇給させる、この選択肢を用意している。
□24.昇進後であっても、不適格と判断すれば戻す措置(再
教育を含む)を講じている。

●最後に…

1.「人事は公正に」、容易ではありませんが経営者の努力目
標です。
2.良い会社になった時に、優秀な従業員が入社します。良い
従業員が集まるから良い会社になるのではありません。
3.「ルールを決めて厳守してもらう」、マネージメントの一
丁目一番地です。
4.「従業員に好かれようとしない。」
(「心に一匹の鬼を忍ばせる。〔稲盛和夫氏〕」)
5.人に対して無いものネダリをしない。

人事制度を整備する時には、人事に対する指針が必要です。指
針無き人事制度は機能しません。自社としてどうしたいのか?
百社百様のオリジナリティーも必要ですが、共通のセオリーも
存在します。
上記のチェック項目も参考にしていただいて、貴社オリジナル
な人事制度を構築してください。

貴社の人事制度構築の一助となれば幸いです。

「財務戦略」とは、「資金の調達と運用」を「戦略的」に行う
ことです。最も効率良く利益を増やすために、いつ、どこから
資金を調達して、どこに資金を費やせば良いかを検討すること
です。

中小企業こそ、攻めの財務戦略が必要です。資金ニーズが発生
してから資金調達を考えるのではなく、資金ニーズが発生する
ことを予測して、もしくは資金ニーズを自ら作り出して、資金
調達を積極的に行うことが「攻めの財務戦略」です。

◆ 財務戦略が無い場合・・・
・月末の資金が不足することが直前にならないと分かりません。
・「機械が壊れる」等の突発的な支出の対応に苦慮します。
・余裕資金が無いため、急なビジネスチャンスに対応できませ
ん。
行き当たりばったりの経営で有事への対応力が弱く、安定した
経営が難しい状況です。また、投資に対する効果という概念が
ないため、結果的に無駄遣いが多くなってしまいます。

◆ 保守的な財務戦略の場合・・・
・「新しいことは何もしない」という硬直化した企業体質に陥
ってしまいます。
・自社の事業の投資効果が薄れていても、気づかないまま事業
を継続してしまいます。
・視野が狭くなり新しいビジネスチャンスを見逃してしまいま
す。
比較的財務内容が良い中小企業でも、近年、10年安泰な事業
はそれ程多くはありません。一定のリスクを冒して攻めなけれ
ば、成長することはもちろん、生き残ることすら難しい時代です。

◆ 攻めの財務戦略の場合・・・
・資金調達を積極的に行い、キャッシュポジションを常に高く
維持しています。
・資金繰りが安定し、落ち着いて経営が出来ます。
・ビジネスチャンスがあれば、スピーディに対応できます。
・機械の買い替えなど、投資計画を立てることにより計画的に
資金調達ができます
・自社の事業モデルの進化発展を、常に考えるようになります。
しっかりと計画を立て、先回りをして資金調達に動きます。資
金に余裕を持つことで経営の選択肢が広がります。

大企業でさえ、成長分野を探して資金を投下し、事業モデルを
変化させながら生き残りを図っています。大企業よりも小回り
の利く中小企業にこそ、攻めの財務戦略が必要ではないでしょ
うか。

■大企業と中小零細企業では背景が違います。

大企業は、従業員や就職希望者に対して、自社に対する愛社精
神、忠誠心、帰属意識等のブランドロイヤリティーを提供でき
ます。相応のBIGカンパニーや著名なベンチャー企業は、社
長個人の魅力ではなく、このブランドロイヤリティーが、継続
的な就業や就職動機として機能します。
一方、中小企業、まして零細企業にブランドロイヤリティーは
存在しません。社長個人がこの役目を果たさねばなりません。
言いかえると、「社長自身の器量やポテンシャルを越える人材
は採用できない、仮に採用できても辞めてしまう」、というこ
とです。故に、より優秀な人材を採用したいのなら、社長自身
が自らの器量やポテンシャルを高めていく努力を続けていくし
か方法がありません。
悲観論ではなく、事実として認識してください。人事はこの認
識から始めなくてはなりません。この前提条件を踏まえて、以
下のテクニカルな話に言及します。

■雇用の安定のための人事における3つの最適化とは…

◆人事業務で一番大切なことは、最適化です。
すべてにおいて最適化のポイントを求め続けることこそ人事担
当者の仕事です。中小零細企業では社長の仕事です。最適化が
なされておれば、人は概ね辞めません。採用もできます。離職
率が極端に高いのは、人が採用できないのは、最適化できてい
ないからです。
離職率が高いからレクリエーションを充実させる…間違えでは
ありませんが、本筋ではありません。採用できないから上手な
キャッチコピーを考える、採用媒体を見直す…間違えではあり
ませんが、本筋ではありません。

◆最適化とは…
1.【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】
2.【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】
3.【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】
の三つをバランスさせることです。

1.給与はその従業員の市場価値に適合させることが重要です。
給与はその人の市場価値に対して、安すぎても、高すぎてもい
けません。

・優秀な従業員を安く使えている、これは長続きしません。
どこかで辞表がでます。
・割高な給与を支払っている、これも長続きしません。どこか
で社長のストレスが爆発します。辞めさせる羽目になります。

2.求める業務に応じた給与を支払ってください。
給与は求める業務に対して、安すぎても、高すぎてもいけませ
ん。

・難解な業務を、薄給の人に求めてはいけません。どこかで辞
表がでます。
・安易な業務を、高給の人に割り当ててはいけません。どこか
で社長のストレスが爆発します。辞めさせる羽目になります。

3.従業員の能力に合わせて業務を割り当ててください。
割り当てる業務は、従業員の能力に対して、難しすぎても容易
過ぎてもいけません。

・能力の低い人に、難解な業務を背負わせてはいけません。
どこかで辞表がでます。
・能力の高い人には、それ相応の業務を担ってもらいましょう。
有効に活用しましょう。

言うは易く行うは難し…ですが、事業体の人事の肝は上記です。
(程度加減の)正解はだれにもわかりませんが、そのゴールの
無い道をきわめることが人事です。
社長にとって大切なことは、上記の理屈を理解して、程度加減
を是正しながら判断・行動することです。

◆絶対にやってはいけないこと…

○よくできる人材を、薄給を承知で便利に使い続けること
ある日突然辞表がでます。適正な給与(地位)の是正を実施し
なかったことが原因です。
○道理を越えた高給を支払って雇用する、慰留すること
長続きしません。社長の、組織内のアンバランスが限度を超え
た時、辞めさせる羽目になります。そして、大きな罪を作りま
す。その人の人生を歪めてしまいます。
○能力の低い人に、(精神論として)高度な仕事を任せること
訓練の機会・期間を設けずに、業務を何段階もステップアップ
させること、これに耐え得るのはほんの少数です。大半の人は
挫折します。訓練の機会・期間を経ずにやってはいけません。
同様の理屈で…
○薄給で優秀な人材を求めること
○薄給で採用して高度な仕事を求めること
○ただただ高給を訴求して人を採用すること

■最後に二つ…

1.人事をある程度適正に行えば、人はそれ程辞めません。
小さな会社で人が次々に入れ替わるのであれば、それは人事が
なされていないからです。是正が必要です。一方、それでも一
定の比率で人は辞めます。会社への不満とか?ではありません。
人それぞれです。可能な限り円満に送り出してあげることが得
策です。

2.力不相応の人材を求めてもうまくいきません。
これも達観が必要です。まずは(今の)力相応の従業員を求め
ましょう。優秀な人材が集まらないと嘆く社長様も少なくあり
ません。自社や自分の現状を棚にあげて、優秀な人材を求める
社長様がいますが、これも無いものネダリです。

◎良い会社になった時に、優秀な従業員が入社します。良い従
業員が集まるから良い会社になるのではありません。
◎今の実力相応の従業員が入社してきます。鏡の原理です。
◎まれに、将来性に賭けて入社してくれる人もいます。
(今の)力不相応な従業員の雇用は、社長自身が一本釣りする
しかありません。これをやってください。できなければあきら
めましょう。

貴社の人事に対する考え方を、この機会にご一考ください。

ある建設業の社長様から、「資金繰りが厳しいが銀行に融資を
申し込んでも相手にしてもらえない。」とのご相談がありまし
た。銀行に対してどのようにアプローチしているのかをお聞き
したところ、「1億円の資金が必要なことをお伝えし、決算書
と試算表を提出した。」とおっしゃいます。1億円を5年返済
で借りた場合、年間2,000万円の返済が必要になります。
同社の決算書では500万円程度のキャッシュフローしかあり
ませんので、決算書や試算表だけでは、逆に「返せない」こと
を銀行に伝えたことになります。

まず1億円が必要な理由をお聞きしたところ、1.5億円の大
型案件を受注したことにより、先出しになる原価部分がおおよ
そ1億円であるという回答でした。しかし、一方で回収条件を
お聞きしたところ、工期は約1年で、着手時30%、中間で
30%、完工時に40%とのことです。おおよその外注費の支
払時期と入金時期を擦り合わせたところ、5,000万円の資
金があれば十分にキャッシュが回ることが分かりました。

■ 社長のお話をお聞きしたうえで次の資料を弊所にて作成し
ました。

・当該案件の原価の額や割合を明確にした売上原価表
・5,000万円の資金を借入し、中間時に2,500万円、
完工時に2,500万円を返済する資金繰計画表

■ 社長と一緒に銀行に訪問し資料を提出しました。
売上原価表と資金繰計画表をお見せして、5,000万円が必
要な理由を説明し、回収条件が明記されている契約書をお渡し
して返済の確実性を示しました。

最終結果は、当方の申し出どおり、融資金額5,000万円、
6ヶ月後に2,500万円、1年後に2,500万円という
返済条件で承認を得ることができました。

本件のように、売上や利益と比較して大きな資金を借入する
場合は、資金の使い道や金額の根拠、返済の方法や根拠を、
必ず書面に落とし込んで説明することが重要です。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。前回
に続いて、一部をご紹介させていただきます。

■Q13「売上が安定しない。いつも不安がつきまとう。」

◆A13
「売上が安定しない。いつも不安がつきまとう。」創業当初か
ら順調に業績を伸ばされ、初年度から2億円近い売上(税引き
前利益は700万円超です。)を計上された社長様からのご相
談です。順調な立ち上がりですが、300万円の資本金と、創
業融資700万円、売上の割には小資本です。

○「再来月の売上が読めない。万が一、売上が急激に減少すれ
ば倒産するのではないか?日々不安だ。」とおっしゃっておら
れます。

・売掛金の回収サイトを、買掛金の支払いサイトよりも早く設
定することで、増加の運転資金を伴わない成長を実現されてい
ます。

・月末の現預金残高は多いように見えますが、月中は極小にな
っています。不安なはずです。

○近未来の資金繰りシミュレーションを当事務所で実施しまし
た。
※この「近未来の資金繰りシミュレーション」については、随
時対応させていただきます。ご相談ください。社長様の安心材
料になります。または、問題点が確認できます。

・最悪な状況、売上高が前年比で通年20%ダウン(社長様コ
メント)した時の近未来の資金繰り状況は?
〈結果〉赤字転落しますが、一年以内に資金繰りが切れること
はない。

・粗利益率が2%上がった(当事務所提示)時の資金繰り状況
は?
〈結果〉社長様の想定以上に資金繰り・利益が増えることの気
付き。

・当事務所より、資金調達計画を提示して、即刻資金調達でき
る(可能性大)旨を伝えて、この資金調達計画を資金繰り計画
に織り込みます。
〈結果〉社長様の不安の払しょくと、成長への確信を持たれる。

・新規の雇用計画、固定費増を織り込んで、近未来の資金繰り
計画を立案しました。
〈結果〉売上10%増、粗利益率2%増、固定費1,000万
円増…、資金調達3,000万円

○資金調達と継続的なフォローが重要です。

・上記計画に対する進捗管理を毎月行います。計画にずれがあ
れば、都度社長様と対応を協議します。

・必要な資金調達に関しては、当事務所が窓口になって適時行
います。

・資金のダムを作って、そのダムの高さを維持し続けています。
常に、月商の数か月分の資金を有しています。

・トラブルで、受注が一定期間滞った期間がありましたが、資
金余力があったために、慌てずに対応することができました。

◎当事務所は、上記の様なサービスをご提供できます。税務に
付加して、金融機関対応を含む財務の機能を提供する「資金繰
り円滑化サービス=財務部長の代行業務」です。貴社も是非導
入してください。

■Q14
「資金繰りに時間が取られる。いつも気を使っている。」

◆A14
余裕資金をほとんど持ち合わせていないために、月中の資金繰
りを行っておられます。10日の入金を15日の支払いに…、
日々の資金残高を気にしながらやりくりされておられます。
当事務所で診断した結果、借入れ余力は十分にあります。

○借入れ余力があるにもかかわらず、手持ち資金を極小にして、
その結果資金繰りに時間と神経を使っておられる社長様は少な
くありません。

・借入れに対する過度の嫌悪感がそうさせているのでしょうか?
・資金繰りを行うことも社長の仕事だと考えておられるのでし
ょうか?
・金利のコストが、社長の手間暇、社長が神経をすり減らすこ
とより高いと考えておられるのでしょうか?
・何かが起これば、最悪倒産の危機を迎えます。このリスクを
どう回避するのでしょうか?

◎月商の2か月分程度の資金を、通年を通して持ち続ける資金
計画を作成し、運転資金の調達、継続管理、借換えの継続実施
を当事務所が行っています。今では、「常に資金繰りを気にし
ながら生きてきた…早くこうすべきだった。」(社長様)とお
っしゃっておられます。 税務に付加して、金融機関対応を含む
財務の機能を提供する「資金繰り円滑化サービス=財務部長の
代行業務」です。貴社も是非導入してください。