…前回からのつづきです。
自社の経営をより良くするためには、今のビジネスモデルに新
しいアイデアを付加することが一つの道です。そのためには、
様々な経営の法則を一つでも多く頭に入れてください。
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほ
んの一部を紹介します。
■ベンチャーキャピタルから投資を受けられる会社の条件は!
(SP経営協会)
◆1.事業性…
会社を成長させて事業を世に問う、近未来に株式公開などを目
指すことが条件になります。一定以上の社会性を有することも
条件です。
◆2.経営者の考え方…
資本を他人から受けて、言いかえると、第三者を株主に迎え入
れて経営ができることが条件になります。経営が変わります。
この決意が必要です。
◆3.将来の収益性…
5年~7年以内に株式公開基準をクリアーできる事業性が必要
です。例外を除いて、5~7年以内に数億円程度の純利益を継
続的かつ、増益基調で計上できる収益性が必要になります。
◆4.足元の実績または、経営者の実績・経歴
○一定の事業実績が必要になります。
・5年後に売上高20億円、営業利益4億円を計画、実績は、前
々期の売上高が1億円で営業利益が▲1,000万円、前期の売上
高が2億円で営業利益が2,000万円、今期は半期で売上高が2億
円、営業利益2,000万円、これならわかり易いですね。
・収益が伴っていなくても、例えば会員組織を作って将来利益
を見込める蓋然性が高い、この場合などでは、その会員数の推
移が実績になります。確実に組織が構築されていて、将来的に
利益を計上できる合理性があればポジティブです。
○一方、実績が少なければ、経営者の経歴と事業性を評価しま
す。すごい人が、その経験に沿ったすごいことをやる、これに
近いほど投資評価はポジティブになります。業績の裏付けがな
ければ、経営者の経歴と事業性が重要になります。ただ、事業
実績無しの立ち上げ時に投資を受けるのは難解です。ほぼ無理
です。
■「優秀な人材の離職を阻止するために!日本の企業は早い選
抜に変われ!」(東京大学社会科学研究所・大湾秀雄教授)
日本の企業は、諸外国に比べて、その昇進スピードが遅いとさ
れています。
◆昇進年齢(平均)
課長昇進 部長昇進
米国 34.6歳 37.2歳
インド 29.2歳 29.8歳
中国 28.5歳 29.8歳
タイ 30.0歳 32.0歳
日本 38.6歳 44.0歳
〔出所:リクルートワークス研究所〕
◎提言『日本の企業は早い選抜に変われ!まずは、研修内容を
全体の底上げを目的としたものから、リーダー育成の選抜的な
ものに変えよ!…同質的な社員を前提とした組織では厳しい競
争を戦っていけません。…ではどうしたらいいか。まずは「遅
い昇進」を改める必要があります。一足飛びに早い昇進に移行
するのは難しくても、「早い選抜」は可能です。…有能な従業
員に会社の期待を早く開示すれば、 成長への意欲を高めるこ
とになる。…』と解説されています。
※週刊東洋経済、2015年9月12日号、大湾秀雄教授の記
事から引用させていただきました。
■企業経営の成否を決める重要な3つの因子(SP経営協会)
企業経営の成否を決める重要な因子が存在します。経営者は常
に自問自答してください。
◎分散せず集中できているか?
◎値決めは適正か?安売りしていないか?
◎資金余力は十分か?もっと資金余力を持てないか?財務機能
を持ち合わせているか?
様々な経営診断手法が存在します。ただ、それらの多くは結果
の分析であり、将来の結果を求めるものです。行動の指針に成
り得ていない分析手法も少なくありません。
一方、以下は行動の指針です。
◆1:集中度合い…絞って集中すること。⇒Simpleに!
◆2:値決め…安売りしない、値上げすること。⇒Profitable
に!
◆3:資金力…できるだけ潤沢に資金を持つ、財務機能を持つ
こと。⇒Ampleに!
これらの因子を認識して適正化を図ることこそ経営を上手に進
めるコツです。この機会にご一考いただければ幸いです。
…次回につづく