コロナ感染症の影響により経済が後退しています。長期戦にな
る様相を呈してきました。今やるべきことを整理します。

■ 資金調達
資金があれば時間を稼ぐことができます。将来的に返済をしな
くてはならない資金ですが、今後も事業を継続するつもりであ
れば、資金の壁を高く積んでおく方が良いと考えます。今利用
できる施策は下記となります。

・日本政策金融公庫国民生活事業のコロナ関連融資
・保証協会のコロナ関連保証
・日本政策金融公庫中小企業事業のコロナ関連融資
・商工中金のコロナ関連融資

■ 助成金
赤字を出しながら無理して営業するのではなく、思い切って休
業するという選択肢もあります。休業を選択した場合、雇用調
整助成金により休業手当の最大90%の助成を受けられるため、
人件費負担の大きな会社にとっては資金流出を大幅に減らすこ
とができます。但し、先に人件費を支払わなくてはなりません
ので、融資とセットで考えましょう。

■ 補助金
国、都道府県、市町村単位で様々な補助金が打ち出されていま
す。要件は様々ですので、情報をしっかりと集め、受けられる
補助は漏れなく受けるようにしましょう。

■ 固定費の見直し、取引条件の交渉
不要な固定費の削減はもちろん、少しでも現金が手元に留まる
よう、売上金の早期回収、支払いの繰り延べ等、取引条件の交
渉も検討しましょう。

■ 新しい仕事の進め方・ビジネスモデルの構築
資金確保により一定の時間稼ぎが出来ます。時間を稼いでいる
間に、現状に適合した新しい仕事の進め方、新しいビジネスモ
デルの構築に取り組んではいかがでしょうか。

未だかつて経験したことがない出来事が起こっています。生き
残るためには、この状況に早期に適合しなくてはなりません。
リストラを含め、経営者としては辛い選択に迫られるかもしれ
ませんが、それがやるべきことであればやらなくてはなりませ
ん。まずは、生き残ることを優先してください。

…前回号からのつづきです。

本当に強い事業体は攻めてください。それ以外の事業体は、こ
の機会(資金調達をしやすい環境です)に、ぜい肉をそぎ落と
して、スリムな事業体に生まれ変わってください。
経営を【Simple化】してください。規模の縮小を意図して実行
しましょう。

■本当に強い事業体は…

(少々不謹慎ですが)本当に力のある企業は、今回のような有
事を好機ととらえ、その規模の拡大を図ります。平時では手に
入らない事業や不動産、店舗などを格安で入手できます。乗務
員を全員解雇した東京のタクシー会社や、北海道のバス会社、
破綻した旅館、好立地の物件など、その企業力を背景に物色し
ているはずです。取得原価の低い事業は事業の損益分岐点が低
いため、その後の黒字化は容易です。一部の力のある企業の典
型的な成長パターンです。残酷ですがこれが現実です。

■そうでない事業体は…

上記の様な企業はほんの一握りです。その他の事業体が行うべ
きは、コロナ終焉後の再生に向けた不採算部門の整理です。
・不採算な売上を捨ててください。
・不採算な商品は廃止してください。
・不採算な店舗、営業所は閉めてください。
・(申し上げにくいですが)不要な人材は…
幸い金融機関貸出は緩んでいます。緊急融資だけではありませ
ん。その他、助成金等も出ます。リストラするための大義も十
分すぎるほどあります。資金調達は比較的容易にでき、その使
途の自由度も大きいです。

◆例1:売上5億円の売上、内2億円は不採算、この事業を止め
る。アフターコロナは、3億円の高収益企業に生まれ変わる。

◆例2:5店舗の内3店舗は不採算、この3店舗を撤退する。ア
フターコロナは、高収益な2店舗体制で高収益企業に生まれ変
わる。

⇒良い所のみ残し、良くないところを切り離してください。

■アフターコロナの経営は…

売上が一定期間消滅しました。前代未聞の出来事です。当然借
入でしのいでも、その分の損失はバランスシート(BS)を棄損
させます。この棄損したバランスシートは将来の収益で補完す
るしか他に方法がありません。アフターコロナは、新しい収益
構造で経営に当たらねばなりません。大義が立って、資金調達
が可能なこの時期に、収支構造(PL)の見直しを行う必要があ
ります。また、可能です。

※早目に検討し、すぐ実行に移してください。(不謹慎ですが)
何でもありの好機かも知れません。いや、そう考えてみましょ
う。

※追伸:できる備えは済ませましたか?様々な資金面の支援策
が打ち出されています。ご遠慮なく当事務所までお問い合わせ
ください。

金融機関は決算書を中心に審査を行いますが、決算書に存在し
ていると融資が難しくなる勘定科目があります。「貸付金勘定」
と「仮払金勘定」です。

貸付金勘定は、会社が第三者にお金を貸し付けることで発生し
ます。「社長が個人的に使ってしまった。」「友人の会社が資
金繰りに困っていたので用立てした。」という場合等に発生し
ます。

金融機関は、融資したお金が本業以外に使われることを嫌いま
す。会社の運転資金として借りたお金を個人的に使うのはもち
ろん、他社の支援資金に回ることも資金使途違反となります。
自己資金が充実している会社であれば、銀行から借りたお金で
はなく自己資金で貸したのだと主張できますが、貸付金勘定の
発生自体がネガティブに捉えられます。

仮払金勘定は、お金の使いみちが不明な場合に発生します。宛
先や支払内容が不明な支払はとりあえず仮払金として処理され、
最後まで内容が分からなければ仮払金勘定として残ります。使
途不明金です。

金融機関はどんぶり勘定を嫌います。融資したお金が使途不明
金になっては困りますので、仮払金勘定が多い会社はネガティ
ブに捉えます。もちろん、出張費用の前渡分が未精算である等、
通常の営業活動で発生した仮払金は問題ありません。

「うちは貸付金や仮払金はないから大丈夫」と高をくくっては
危険です。会社からお金を借りた覚えもないのに、銀行から指
摘されて自社の決算書に多額の貸付金勘定や仮払金勘定がある
ことに気がついたというケースは本当に良くあります。

このような時に「税理士さんが勝手に・・・」とおっしゃる社
長様も多くいらっしゃいますが、個人的な支出、領収証がない
支出、宛先不明の支出等は、税理士さんは貸付金や仮払金とし
て処理せざるを得ません。税理士さんの本来の役目は金融機関
から資金を調達することではありませんので、社長様はそのこ
とをしっかりと理解したうえで任せる必要があります。

まずは、社長自身が、貸付金勘定や仮払金勘定が膨らむと金融
機関の評価を下げるという問題を認識し、そのうえで税理士さ
んとしっかり連携を図って対策を講じましょう。

…前回号からのつづきです。

■頑張りすぎる経営からの脱却!

目指すべきは『ダム経営』(松下幸之助先生)です。

◎以下は、『ダム経営』(松下幸之助先生)の要点です。

『ダム経営とは、経営に必要な人・モノ・金に余裕を持った経
営をする方法のことです。例えば、工場で機械が100%動い
ていなければ利益が出ないようでは、何かがあればすぐに利益
が出なくなります。そうではなく、80%稼働でも利益が出る
ようにしなければなりません。人に対しても同じです。社員の
80%が働けば利益が出るようにすることを指します。資金に
ついても、例えば、銀行から融資を受ける時にも、返済に余裕
があるようにすることです。…ダム経営とは、人・モノ・金に
余裕を持たせることです。』

◎以下、松下幸之助先生のダム経営の講演を聴いた経営者との
有名なやり取りです。

(某経営者)「うちの会社は人も金も汲々としている。松下さ
んのような大企業はダム経営ができるかもしれませんが、我々
のような小さな会社がダム経営をできるようにするにはどうす
ればいいのですか?」

(松下幸之助先生)「どうしたらダム経営ができるようになる
のか、方法論は私にもわからない。しかし、そうなりたいと強
く思うことが重要だ。」

■『ダム経営』(松下幸之助先生)を導入するためには…

◆正解は「そうなりたいと強く思うこと」(松下幸之助先生)
です。これが松下幸之助先生のよく考えられた末のご回答です。

ただし、具体論として敢えて付け加えるならば、

◆その1:余計なものを徹底的に削ぎ取る経営を行うこと、ズ
バリ経営の【単純化(絞り込み)=Simple化】です。な
ぜなら、少なくない中小企業は、過去において長期間『増収と
拡大』を第一義に経営してきました。その過程で、数多の余計
なモノと事に埋もれています。結果として、経営資源が分散さ
れ、社内のありとあらゆるものが複雑になり、動きが悪くなっ
ています。対応が遅くなり、ミスが多発し、全体にコスト高に
なっています。各商品やサービスの磨きこみも十分でなく、総
花的な品揃え、サービスを提供しており、これといった強みも
ない状況に陥っているからです。経営が散らかっているのです。

◆その2:利益を優先する経営を行うこと、ズバリ経営の【高
収益化=Profitable化】です。なぜなら、過去にお
ける長期間の『増収と拡大』一辺倒の経営は、時に利益をない
がしろにしても仕方ないとの考え方を広く社内に浸透させてし
まっているからです。『利益より売上、利益より規模の拡大』
とする無言のスローガンを社内に根付かせてしまっています。

『減収(売上減)と規模の縮小』を一定期間容認し、【単純化
(絞り込み)=Simple化】と【高収益化=Profitable
化】を具体的な施策として取り組むことで、『ダム経営』の実
現を目指すことを当面の課題とする経営に舵を切られることを
お薦めします。経営が、会社が大きく変わるはずです。

人口減少に起因する市場規模の縮小、市場の成熟化、さらには
働き方改革が急激に進む令和の時代には、過去の我武者羅に頑
張る経営では到底生き延びて行けないように感じます。今こそ、
『余力のある経営』を目指すべきではないでしょうか。

※昭和の高度成長期において、『ダム経営』を提唱された松下
幸之助先生は、まさに『経営の神様』です。改めて敬意を表し
たいとの思いで一杯です。

※追伸:できる備えは済ませましたか?様々な資金面の支援策
が打ち出されています。ご遠慮なく当事務所までお問い合わせ
ください。

新型コロナウィルスの影響がますます大きくなっています。売
上高20%減は当たり前、中には売上高が80%減の関与先様も
あります。この前代未聞の事態に対抗するための支援策として、
日本政策金融公庫や保証協会による融資が用意されていますが、
「結局は返さなくてはならない。お金は借りたくない。」とい
う声も多く耳にします。

確かに今回の借入は前向きなものではありません。赤字補填を
目的とした後ろ向きの借入ですので、今後業績が回復したとし
ても返済が重くのしかかってきます。経営者の方々は本当に悩
ましい局面に直面していらっしゃいます。

ある関与先様の事例です。経営していた4店舗のうち3店舗が閉
店することになりました。残り1店舗も大変な窮状です。社長
様も茫然自失となり、手元現金で借入を全額返済して会社を閉
めようかとおっしゃいました。正直何とお声掛けをして良いか
分かりませんでしたので、ただただお話を聞くしかありません。

財務担当者の主な役割は資金調達です。新しい店舗を出したい、
更に売上を伸ばすために仕入を増やしたい、社長様の事業意欲
があって初めて活躍の場が与えられます。こちらの社長様とも
売上が現在の半分だった時からご一緒させてもらっています。
調達した資金で店舗を増やしながら順調に業績を拡大するなど、
大変有意義な時間を共有させていただきました。

社長様に会社を閉めてどうするのかとお聞きしたところ、勤め
に出るしかないとおっしゃいます。ただ、学歴や年齢を考える
と仕事がないのではとの不安も口にされます。これまで経営者
としてやって来られた方が勤め人になる難しさもあるでしょう。
経営者が経営をやめた後のリアルな人生です。この日は方向性
を決められず面談を終わりました。

数日後、社長様から連絡があり、いろいろ考えた結果、やはり
借入をして新しい事業に挑戦したいとおっしゃいました。コロ
ナ関連融資で3,000万円程度の調達が見込まれるため、1,000万
円から1,500万円の投資規模で始められる事業を考えておいて
くださいとお伝えしました。

この判断が正しいかどうかは分かりません。ただ、経営者様に
とっては、これ以外の選択が困難であることも事実です。社長
様が事業意欲を持つ限り、財務支援を続けたいと思います。

■拡大発想からの脱皮!

○例えば、従業員数は多い方が良いのか?

力があれば、たくさんの従業員を抱え、その雇用と教育機能を
果たすことには大きな社会的意義があります。100人を雇用
する会社よりも、500人の従業員を抱える会社の方がこの意
味でははるかに立派です。ただし、力があれば、力相応の範囲
で、この条件が付帯します。
力相応を越えた部分の雇用には、会社側も、雇用される側の従
業員にも、様々は問題を内包することになります。

○例えば、店舗数は多い方が良いのか?

10店舗の高収益店舗と、5店舗の採算分岐点ギリギリの店舗
の合計15店舗を経営する飲食企業と、10店舗の高収益店舗
のみを経営する飲食企業、どちらが良い会社か?との意味です。
イメージとしては、前者は年商15億円、営業利益1億円、後
者は年商10億円、営業利益1億円になります。

少なくない中小企業経営者が、従業員が多い方、規模が大きい
方を我武者羅に目指しているように見えます。この考え方は、
時に規模拡大至上主義を招きます。

■縮小を容認する計画を!

貴社が、上記のような考え方を長期間続けていたならば、一度
発想を変えてみることをお薦めします。規模の縮小を容認する
考え方です。今が好機です。

○例えば、どんどん人を増やして売上を作りに行くよりも、仕
事を選別して増員を控える選択肢を用意することです。マネー
ジメントは、その規模が小さいほど容易になります。

○例えば、収益の見込めない分岐点ギリギリの店舗は手放して
しまう選択肢を用意することです。店舗数が減ると、マネージ
メントは容易になります。

規模の拡大には、力相応の拡大と力不相応の拡大があります。
言いかえると、自然に成長した拡大と、無理やり伸ばした拡大
があります。後者には大きなストレスが伴っているケースが多
いです。縮小を容認することで、会社に余力が生まれます。

■以下のような仮説が生まれます。

『日本の企業は規模の拡大にこだわり過ぎています。何が何で
も規模を拡大しようとすると、規模を拡大するために多くの犠
牲を払うことになります。経営上無意味な不採算事業や不採算
顧客を過度に温存することになります。規模拡大至上主義は、
分散症候群や安売り症候群を招く原因のひとつです。脱・規模
拡大至上主義、縮小を容認する経営に移行してください。』

言うまでもなく規模は重要です。規模の縮小を容認する経営を
長期間続けることは困難です。数年に一度、または、数年間に
限定して、敢えて規模の縮小を容認する経営を導入してくださ
い。今まで取り組んでいなかった会社様は、この機会に、敢え
て縮小を容認する事業計画を立案して執行してください。経営
が、会社が大きく変わります。強くなるはずです。

※追伸:できる備えは済ませましたか?様々な資金面の支援策
が打ち出されています。ご遠慮なく当事務所までお問い合わせ
ください。

ある社長様と決算対策のお打ち合わせをした際、「税金を減ら
す方策はないか?」とご相談がありました。資金調達が上手く
行かないとのことで今期よりお付き合いを始めた社長様でした
ので、「納税額を減らすこと」と「資金調達を成功させること」
のどちらを優先しますかと聞き直したところ、両方だとお答え
になられました。

納税額と資金調達はトレードオフの関係です。納税額を減らせ
ば資金調達は難しくなり、資金調達を成功させようと思えば納
税額を増やさなくてはなりません。このシンプルな原理原則に
逆らって、決算前に利益を一生懸命削り、決算後に一生懸命資
金調達に動いている社長様が多くいらっしゃいます。

先述の社長様にもご説明をし、再度どちらを優先させるかをお
聞きしたところ、「本当に利益を出せば資金調達ができるのか?
もし調達ができなかった場合は資金面で苦しくなる。不安だ。」
とおっしゃいました。

同社は増収増益で推移しており、このまま決算を迎えることが
できれば、融資を受けられる可能性は非常に高いと考えており
ましたが、社長様の不安を払拭するために、決算前に納税資金
500万円の資金調達を行いました。

その後、予定通り増収増益で決算を迎えることができ、資金調
達に動いた結果、総額で8,000万円の資金調達に成功しま
した。社長様は、「銀行の対応が全然違う。どうしてこんなに
融資をしてくれるのでしょうか?」と不思議そうでした。

多くの社長様が、「利益を出せば融資を受けられるのは何とな
く分かっていたが、思ったよりも大きな金額を調達することが
できた。」と口を揃えておっしゃいます。融資の上限は、利益
に対するレバレッジ効果が働くためです。

融資の上限はキャッシュフロー(純利益+減価償却費)に年数
をかけて算出します。キャッシュフローが100万円であれば、
7年分で700万円が融資の上限です。キャッシュフローが
500万円であれば7年分で3,500万円となります。
400万円の利益の差で、資金調達力は2,800万円違って
きます。

税金面から考えても同様です。実効税率35%と仮定した場合、
100万円の利益で35万円、500万円の利益で175万円
の税金です。140万円の税金の差で、資金調達力は
2,800万円も違ってきます。

100万円の利益の圧縮が、700万円から1,000万円の
資金調達の機会を失わせています。

新型コロナウイルス肺炎はいずれ終焉を迎えます。治療薬、予
防薬の開発時期次第でしょうか。いずれにしても、個人には何
ともしがたい状況であり、我々は、『できる限り備えをしたう
えで、できる限りやり過ごす』しか他に方法がありません。
できる備えをしたうえで、次に考えるべきことは『アフターコ
ロナ』の経営のかじ取りです。

■大きな変化が起こるはずです。

◆実店舗の売上がネットの売上に置き換わるスピードが加速し
ます。

新しいネットユーザーがこの期間にたくさん生まれたはずです。
身に着けた便利な購買習慣は継続します。実店舗離れが加速し
ます。

⇒物販店の経営者には、ネット販売の強化が求められます。

◆働き方改革が急激に進みます。

在宅勤務や時差出勤などの推奨で、新しい働き方が必然的に習
慣化しました。テレワークの本格導入についての様々な取り組
みが始まるはずです。
・テレワーク実施のための導入訓練
・テレワーク実施のためのルール化
・テレワーク実施のためのセキュリティー対策
・テレワーク時の評価制度の整備
等々、様々な課題は残りますが、生産性向上、コストダウンの
可能性を実感した経営者と、定刻に満員電車で出社する苦行を
強いられていた被雇用者側の利害も一致するはずです。

⇒テレワークが急激に進みます。

◆会議やセミナー、イベントの運営方法が大きく変わります。

「訪問して、会って、会議をしなくても、オンライン会議で十
分対応できる。」「人に集まってもらってセミナーを開催しな
くても、オンラインセミナーで代替えできる。研修も同じ。」
「これらを実施するためのインフラは廉価に提供されている。」
多くの人たちが気付いたはずです。

⇒オンラインでの会議、セミナー、研修が主流になります。

■大きな変化は外圧を起点に始まります。

新型コロナウイルス肺炎は大きな危機であり、人類にとっての
大きな外圧です。不謹慎を承知で申し上げるなら、このような
強烈な外圧は、凝り固まった過去の習慣を変えるのに有効です。
この外圧から得られるメリットは、上記の例で挙げたようなパ
ラダイムシフトを加速することでしょう。

まずは、目先の備えを済ませたうえで、アフターコロナの自社
の経営について、防空壕の中でじっくりと考えてみてください。

〇世の中がどう変わるのか?
〇自社はどう対応するのか?
〇今すぐ取り組むべきは?

※追伸:できる備えは済ませましたか?様々な資金面の支援策
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ください。

資金繰りが厳しい時は、まず資金調達に動きます。しかし、そ
の資金調達に失敗した場合はリスケを検討することになります。
営業収支が黒字で「借入の返済さえなければ資金が回る。」と
いう状況であればリスケは大変効果的です。「返済を止めても
資金は回らない。」という状況であっても、一定の時間稼ぎは
出来ますので、リスケを決断すべきです。

リスケを申し込む場合、事前に自社がどれぐらいなら返済が可
能かを把握しておく必要があります。金融機関は、「どれぐら
いなら返済出来ますか?」と必ず聞いてきますが、自社の返済
能力をしっかり把握していないと、「ではとりあえず返済額を
半分にしましょうか。」といった何の根拠もない落としどころ
に収まってしまいます。もし、自社の返済能力が実は半分も返
せない状況であったなら、またすぐに返済に詰まってしまいま
す。そうなれば、「また約束を反故にした。」という2重の信
用失墜を招く結果になります。無理な約束をしないよう、自社
がいくら返済出来るかを事前に把握しましょう。

次に、どの金融機関にどれだけ返済するかを決めますが、リス
ケにはルールがあります。例えばA行、B行、C行の3行から
融資を受けていた場合、「A行とB行には返済せず、C行だけ
に返済する。」といったリスケはできません。原則、全ての金
融機関を公平に扱う必要があります。具体的には、リスケを申
し出た時点の各金融機関の借入残高に応じて返済額を決めます。
例えば、A行50百万円、B行30百万円、C行20百万円で
あった場合、仮に毎月10万円の返済を行うとすれば、残高按
分により、A行5万円、B行3万円、C行2万円の返済が原則
になります。

資金繰りが厳しいにも関わらず、金融機関に迷惑をかけたくな
いという思いで無理して返済を続ければ、結果的に経営が立ち
行かなくなり、もっと大きな迷惑をかけることになります。事
業が予定通りにいかないことはある意味当たり前のことですの
で、困った時には、大きな迷惑をかける前にリスケを申し込む
割り切りが必要です。

リスケの申し込みは口頭ではなく、経営改善計画書の作成が必
要です。是非ご相談下さい。

■人事制度の見直しが必要です。

◆今までの働き方!評価方法!

1.できれば長期間働く。終身雇用を想定する。
2.給与の差は小さい。
3.昇給は慎重に。ただし、減給は原則行わない。
4.昇進は慎重に。ただし、降格は原則行わない。
5.働く側は、会社に忠誠心を持つ。
6.雇う側は、雇用に責任を持つ。
7.出勤して会社で働く。
8.専業で働く。副業は原則行わない。

◆今後の働き方!評価!

1.長期間働くことを想定しない。終身雇用は原則ない。
2.給与は能力に応じて大きく差をつける。
3.昇給は短期間で行う。ただし、減給も躊躇なく行う。
4.昇進も短期間で行う。ただし、降格も躊躇なく行う。
5.働く側の会社に対する忠誠心は薄い。
6.雇う側の雇用責任も軽い。
7.テレワーク等を活用して働く。
8.専業のみではなく副業も認める。

◆今後の人事制度は!(優秀な人材を囲い込むために)

1.短期間で評価する。
2.給与格差を大きくする。今までの数倍程度に。
3.短期間で昇給または減給する。
4.短期間で昇進または降格させる。
5.働く側に過度の忠誠心を求めない。
6.雇う側も過度の雇用責任を負わない。
7.テレワーク環境を整備する。ルールやインフラを整備する。
8.テレワーク時の評価制度を整備する。
9.副業を可とし、その前提で評価制度に織り込む。

働き方が変わりました。「終身雇用は維持できない。」経済界
の重鎮が言及しました。大企業においても終身雇用が終焉しま
す。新型コロナ肺炎ウイルスの影響で、一気にテレワーク等が
進みます。個人で生きるフリーランスが増えます。副業も解禁
されます。

優秀な人材ほどこの流れにうまく乗ってきます。優秀な人材を
企業として囲い込むためには、上記の様な人事制度の整備が必
要です。