飲食店経営者様からの代表的な質問に対してご回答いたします。
■Q1:首都圏で飲食店を3店舗経営しています。年商は3店
舗合計で約2億円です。(営業利益で1千万円程度です。)コ
ロナの影響で大変厳しい状況です。緊急融資を3,000万円受け
られましたが、先行きを考えると、持ちこたえる自信がありま
せん。
□A1:コロナの影響は一定期間続くと考える方が安全です。
緊急事態宣言が終わっても、厳しめの自粛、ゆるやかな自粛、
これを繰り返すでしょう。大きな第二波が来るかもしれません。
いずれにしても、元の状態に戻るまでには相当な時間が掛かり
そうです。もし、大きな不安を感じておられるならば、良い店
を一つ残して2店舗を撤退する、今回借り入れた資金をこの再
編に利用したらいかがでしょうか。良い店舗一つに絞って守り
切る、その他の店舗は撤退する、現実的な対応だと思います。
⇒全体の事業規模を維持できないと思ったら、規模を最小単位
まで縮小して、その最小単位を守り抜いてください。店舗ビジ
ネス以外でもこの考え方は有効です。
■Q2:飲食店を経営しています。3密対策として席数を半数
程度に間引いて営業しています。席数が半分の営業では当然売
上が大幅に下がってしまいます。その他何か方法はないでしょ
うか。
□A2:できれば透明のアクリル板で席毎に敷居を設けること
を考えてください。席を間引くよりは、はるかに効率(コスパ)
が良いはずです。
参考:〔株式会社ワークス Works Inc様のホームページから引
用させていただきました。〕
https://www.tenpokagushop.com/wism/special/acrylic.html
また、「調理・接客時のマスク・手袋着用」「従業員の検温の
実施」等の店舗側の対策をSNSで配信して下さい。入口にも大き
く表示しましょう。「お客様の検温を実施」する飲食店やホテ
ルもあります。ユニクロも入り口での検温を行っています。
⇒可能な脱3密対策と衛生対策を実施してください。併せて、
しっかり表示・告知してください。そもそも3密を是とする店
作りになっています。新しい設計思想の導入が必要です。
■Q3:(高級な)飲食店向けに●●食材を卸しています。対
象店舗の売上が激減する中、コンシューマー向けに直接販売す
る事業を始めようと考えています。直近の年商は約1億円、収
支はトントン、資金余力はありませんが、緊急融資で2,000万
円調達できました。赤字補填(生き残り費用)に半分、この新
規事業に半分投資しようと考えています。
□A3:新しい商品を開発して、新しい販路を開発することは
大変すばらしいことですが、取り組むテーマに対して、準備で
きる資金が少なすぎるように感じます。特にコンシューマー向
けのB2C販路の開発には相応の時間と費用を要します。今は
既存事業の強化(今の販路に新商品を投入)に資金を充てるべ
きではないでしょうか。
⇒新規事業の創造は継続的に実施すべき重要な事柄です。ただ、
力不相応の新規事業をこの時期に始めることは、新しいリスク
を追加で抱えることになります。力相応かどうか?よく見極め
て進めてください。
■Q4:店舗売上の減少を補うために、テイクアウトや宅配を
始めていますが、思うような利益が上がりません。このまま続
けるべきか悩んでいます。
□A4:急遽始めたテイクアウトや宅配事業が、すぐに成果を
上げている店は稀です。これらの事業にはそれ相応の商品開発
と運営上のノウハウが必要なはずです。この事業を続けるなら
商品やオペレーションの改善を続けてください。また、価格を
安くしすぎているお店も少なくありません。売れた時には十分
な利ザヤを稼げる値決めを行ってください。また、食中毒にも
十分気を付けてください。
⇒少しでも売上が欲しい、この気持ちは理解できますが、間違
えた方法で取組むと、忙しいだけで損を増幅することになりか
ねません。取り組むならしっかり採算を確保してください。繰
り返しますが、食中毒には注意してください。
※追伸:できる備えは済ませましたか?様々な資金面の支援策
が打ち出されています。ご遠慮なく当事務所までお問い合わせ
ください。