中小企業の資金調達において、信用保証協会は非常に重要な役
割を果たしています。しかし、金融機関によって利用できる信
用保証制度が異なる場合があるという事実をご存知でしょうか。
本コラムでは、この視点を中心に、効果的な金融機関選びのポ
イントをご紹介します。
■ 金融機関ごとの制度の違い
信用保証協会の制度は、一見すべての金融機関で同じように利
用できるように思えますが、実際にはそうではありません。例
えば、大阪信用保証協会の金融機関連携型創業関連保証(ES
保証)は、りそな銀行や池田泉州銀行などの特定の金融機関で
のみ取り扱われています。このように、金融機関によって利用
できる制度が異なる場合があります。
■ 地域による違い
信用保証協会は基本的に都道府県ごとに設立された団体である
ため、保証制度の内容も地域によって異なります。例えば、あ
る県で利用できる制度が、隣の県では提供されていないことも
あります。そのため、自社の所在地で利用可能な制度を把握す
ることが重要です。
■ 金融機関選びのポイント
1)自社のニーズを明確にする
まず、必要な資金の規模や目的を明確にしましょう。これによ
り、どの制度や金融機関が最適かを判断する基準ができます。
2)複数の金融機関に相談する
各金融機関が取り扱う信用保証制度や融資条件について情報を
収集し、比較検討することが重要です。
3)地域性を考慮する
地域に根ざした金融機関は、地元の経済状況や産業特性を理解
している可能性が高いです。
4)メインバンクの重要性を認識する
創業融資を利用した金融機関が通常メインバンクとなります。
信用保証付融資を利用する際も、メインバンクとの関係が鍵と
なることがあります。
5)長期的な関係構築を考える
単に融資を受けるだけでなく、経営改善や事業再生のサポート
も考慮に入れて選択することが望ましいです。
信用保証協会の制度を活用した金融機関選びは、中小企業の成
長戦略の一環として捉えるべきです。金融機関によって利用で
きる制度が異なる可能性があることを念頭に置き、自社のニー
ズに最も適した金融機関を選択することが重要です。また、経
営状況や事業環境の変化に応じて、定期的に金融機関との関係
を見直すことも忘れないようにしましょう。