金融機関の普遍的な融資の可否判断は、「返済してもらえるか
どうか」ですが、審査の仕方は、金融機関毎に若干違っていま
す。主に決算書だけで判断をする金融機関もあれば、個人や家
族のことまで詳細に聞きとりをする金融機関もあります。それ
ぞれの金融機関の特性を知ることで、余計なストレスを感じる
ことなく対処できます。

金融機関の種類を大きく分けると、メガバンク、地方銀行、信
金信組、政府系金融機関になります。いずれの金融機関も商品
は融資(お金)ですが、金融機関ごとに価格(金利)と審査の
方法は異なります。

総じて価格(金利)が安いのは、メガバンクと政府系金融機関
です。同じ商品であれば、当然価格が安いところにお客様は集
まりますので、メガバンクは多くの見込み客の中から融資先を
選定することができます。よって、メガバンクは、数多くの見
込み客の中から、無理をせず、信用力の高い企業とだけお付き
合いをしようとします。

一方、仕入れコストが高い信金信組は、価格(金利)でメガバ
ンクに勝てません。メガバンクから低い金利で融資を受けられ
る大手企業が、わざわざ高い金利で融資は受けませんので、信
金信組は、メガバンクが融資をしない小規模企業の中から融資
先を探すことになります。

企業の信用力が違えば審査の方法は変わります。信用力の高い
大手企業を中心に融資を行っているメガバンクの審査はシンプ
ルです。決算書を見て、一定の企業規模があり、業績や財務内
容が良ければ融資をします。一定の企業規模がない、もしくは
決算書の内容が悪い場合はお断りします。

一方、一定の規模がない、もしくは決算書の内容が超優良では
ない小規模企業を主な顧客とする信金信組の審査方法は、メガ
バンクとは違います。メガバンクのように、決算書だけで審査
をしていては、融資をする先がいつまでも見つかりません。よ
って、社長個人、配偶者や子息の資産状況等も調べ、融資出来
る材料を踏み込んで探し出そうとします。

個人的な家族構成や資産状況等を詳細に聞かれるのは、気持ち
が悪いと感じるかもしれません。中には、金融機関に情報を与
えすぎるのは良くないと考え、あえて虚偽の申告をする方もお
られます。しかし、このような背景が分かっていれば、「今ま
で一度も個人資産のことなど聞かれたことなどない!」と怒る
ことはなくなるのではないでしょうか。

金融機関のカラーは、規模の大小だけでなく、同じ規模の金融
機関同士でも違います。各金融機関の特性を理解することで、
上手に金融機関と付き合えるようになります。現在、金融機関
に対してストレスを感じておられる方は、是非、当事務所にご
相談ください。

人が辞める、人が採れない、思うように人が動いてくれない…
経営者の人に対する悩みは尽きないはずです。ただ、自分自身
すら完全にコントロールできない人間が、他人を自分(自社)
の思い通りにすることなどそもそも不可能であることを認識し
なければなりません。もっと優秀な人が欲しい、もっと頑張っ
て欲しい…無いもの・できないことを求めるのを止めることで、
人に対する悩みは激減するはずです。悲観論ではなく、現実論
として受け入れることから始めてください。
この前提で、考え方を整理しながら、できることを順番に実施
する事しか他に方法はありません。
以下、人事の指針について24項目を掲げました。すべてに○
が付くように心がけてください。

■第1章:人事の基本!
1.□すべての従業員に対して公正であるよう努めている。
2.□従業員に対して愛と鞭を兼ね備えている。
3.□従業員に対して威張っていない。
4.□従業員に対して媚びていない。

■第2章:最適化(バランス)の検証!
5.□【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】はバラン
スしている。
6.□【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】
はバランスしている。
7.□【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】はバラ
ンスしている。
8.□よくできる人材を、薄給を承知で便利に使い続けていな
い。
9.□道理を越えた高給を支払って雇用したり、慰留したりし
ていない。
10.□薄給で採用して高度な仕事を求めていない。
11.□ただただ高給を訴求して人を採用しようとしていない。

■第3章:無いもの・できないことを求めない!
12.□能力の低い人に、(精神論として)高度な仕事を任せ
ようとしていない。
13.□薄給で優秀な人材を雇用しようとしていない。
14.□分不相応な従業員を採用しようとしていない。
15.□グレートカンパニーと普通の会社の違いを認識してい
る。

■第4章:人事制度・業務分掌の整備!
16.□会社の業務を整理・整頓している。
17.□その業務に必要なスキルを有する従業員を求めている。
18.□その業務の市場価値を計り、適正な給与を支払ってい
る。
19.□業務上必要なルールを整備することに努めている。
20.□整備したルールは厳守してもらうよう徹底している。
21.□ルールが守られない時は、注意喚起を徹底し、時に罰
を課している。放置していない。

■第5章:教育・訓練の実施!
22.□新たな地位に対して、十分な訓練を受けさせずに、そ
の者を昇進させたりしていない。
23.□現在の仕事に専念している者は昇進させず、代わりに
昇給させる、この選択肢を用意している。
24.□昇進後であっても、不適格と判断すれば戻す措置(再
教育を含む)を講じている。

●最後に…
1.「人事は公正に」、容易ではありませんが経営者の努力目
標です。
2.良い会社になった時に、優秀な従業員が入社します。良い
従業員が集まるから良い会社になるのではありません。
3.「ルールを決めて厳守してもらう」、マネージメントの一
丁目一番地です。
4.「従業員に好かれようとしない。」(「心に一匹の鬼を忍
ばせる。〔稲盛和夫氏〕」)
5.人に対して無いものネダリをしない。

人事制度を整備する時には、人事に対する指針が必要です。指
針無き人事制度は機能しません。自社としてどうしたいのか?
百社百様のオリジナリティーも必要ですが、共通のセオリーも
存在します。
上記のチェック項目も参考にしていただいて、貴社オリジナル
の人事制度を構築してください。
貴社の人事制度構築の一助となれば幸いです。

中小企業庁のホームページには、様々な調査の報告や統計が公
表されており、経営のヒントにしたいものも多くあります。今
回は平成30年2月15日に公表された「原因別の倒産状況」
について財務面から見ていきます。

◆中小企業庁ホームページより
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/tousan/index.htm

統計を見ると、平成30年1月の倒産の件数は635件となっ
ており、原因の内訳は以下のとおりです。

1位:販売不振 451件
2位:既往のしわよせ 72件
3位:連鎖倒産 31件
4位:過小資本 24件
5位:放漫経営 20件
6位:売掛金回収難等その他 37件

最も多い倒産の原因は販売不振です。最後まで顧客のニーズを
満たせる商品やサービスを提供できなければ、倒産は免れませ
んが、資金調達により時間を稼ぐことはできます。もう少し時
間があれば上手くいったかもしれない・・・となる前に、可能
な限りの資金調達をしておくことをおすすめします。

次に多い倒産の原因は既往のしわよせです。過去からの不振が
徐々に積みあがって倒産に至ったというケースです。事業のラ
イフサイクルが衰退期に入ると、徐々に売上高や利益が減少し
始めます。急激に落ち込めば切実な問題として認識できますが、
単年度の落ち込みが数%程度だと、「来年こそは頑張ろう!」
で終わらせてしまいがちです。数%の落ち込みでも、それが5
年続けば数十%になりますので、気がついた時には対処のしよ
うがない状況になっています。事業のライフサイクルによる落
ち込みは、分かっていても対処が難しい問題ですが、財務分析
等により、自社の状況を的確に把握しておけば、早い段階から
切実な問題として認識することができます。

原因の4位となっている過小資本も、財務が貢献できる可能性
があります。過小資本の問題は、やろうとしている事業と必要
な資金の読み違えです。事業を軌道に乗せるために必要な資金
を読み違えたり、自社の資金調達力を読み違えたりすると、必
ず途中で資金ショートを起こします。財務の知識があれば、読
み違える幅は必ず小さくできます。

一定の売上が立っているにも関わらず、財務面の不足により倒
産に至っているケースは少なくないように感じます。社長様が
考えておられる事業計画を財務面から検証させていただきます。
是非、ご相談ください。

■「ルールを決めて厳守してもらう」、マネージメントの一丁
目一番地です。

極めて高度なクリエーターの集団であるグーグルでは、できる
だけルールを少なくして、自由に考え行動できるようにしてい
るそうです。突出したビジネスモデルと収益力を背景にしたブ
ランド力で、極めて優秀な人材を選別できる企業体にのみ許さ
れるマネージメントの理想形です。少しでも近づけたいもので
す。
一方、普通の人々が働く一般の職場で、このような自由奔放が
通るはずありません。一部のメンバーを除いて、一定のルール
に沿って、ルール通り執行してもらわないと会社はうまく回り
ません。
であるにもかかわらず、普通の人々が働く普通の職場である中
小企業においては、必要なルールが不明瞭で、かつ、少ないル
ールも厳守されていないのが実態です。
必要なルールを整備して、整備したルールは厳守してもらう…
マネージメントの一丁目一番地です。掃除を徹底することを推
奨されるコンサルティングファームなどは、目に見える掃除を
切り口にして、ルールの徹底を促そうとしているようです。的
を射た提案です。

◎必要なルールを整備する。
◎整備したルールは厳守してもらう。
このマネージメントの一丁目一番地を徹底してください。

■「従業員に好かれようとしない。」
(「心に一匹の鬼を忍ばせる。〔稲盛和夫氏〕」)

◎大きな成功を収めておられる社長は、従業員から尊敬されて
います。
◎小さな成功を収めておられる社長は、従業員から嫌われ、恐
れられています。
◎一方、従業員から好かれている社長は、概ね経営が上手く行
っていません。

従業員に尊敬される社長になりたいものです。異論はないはず
です。尊敬されるとは、「その人の人格を尊いものと認めてう
やまわれること。その人の行為・業績などがすぐれたものと認
められること。」です。
尊敬されたいがために好かれようとする社長がいますが、この
発想は、明らかに間違えです。従業員に対して、耳触りのよい
言葉を多用する社長がいます。従業員の過ちに対して、寛容す
ぎる社長がいます。叱咤しません。従業員と仲良くなりすぎる
社長がいます。この様に優しい社長は、人としては善人であっ
ても、ビジネスを率いるリーダーとしては失格です。「好かれ
たい」この発想は捨ててください。
一方、嫌われている社長がいます。従業員に対して、耳触りの
悪い言葉を多用する社長がいます。従業員の過ちに対して、厳
しく対処する社長がいます。従業員とは距離を取っています。
理不尽なことも多いのでしょう。仕方ないのではないでしょう
か。少なくとも好かれている社長よりはましです。ただし、嫌
われるよりは、恐れられる社長になりたいものです。
恐れられる社長がいます。嫌われ&恐れられない=なめられる
社長は最悪です。嫌われ&恐れられる社長の方が、なめられる
社長よりははるかにましです。
貴社がスーパーマンの集合体の組織(例、グーグル)でないな
ら、社長として従業員に言うべきことはたくさんあるはずです。
指示しても実行されないことも少なくないでしょう。この時、
社長として厳しく対処しなくてはなりません。嫌ごとを山のよ
うに吐かねばなりません。嫌われますが、これも社長の仕事で
す。
好かれようと思っている社長にはこれができません。なめられ
ていては、従業員は指示に従いません。尊敬されているか、ま
たは、恐れられているか、どちらかの場合のみに指示が通りま
す。

■「人に対して無いものネダリをしない。」

◎良い会社になった時に、優秀な従業員が入社します。良い従
業員が集まるから良い会社になるのではありません。

力不相応の人材を求めてもうまくいきません。達観が必要です。
まずは(今の)力相応の従業員を求めましょう。優秀な人材が
集まらないと嘆く社長様も少なくありません。自社や自分の現
状を棚にあげて、優秀な人材を求める社長様がいますが、これ
は無いものネダリです。無いものを求め続けることほど無駄な
ことはありません。

■「3つの最適化」は人事の要諦です。

最後にもう一度申し上げますが、人事の要諦は以下の3つの最
適化です。
1.【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】
2.【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】
3.【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】

すべてにおいて最適化のポイントを求め続けることこそ人事担
当者の仕事です。中小零細企業では社長の仕事です。最適化が
なされておれば、人は概ね辞めません。採用もできます。離職
率が極端に高いのは、人が採用できないのは、最適化できてい
ないからです。

この機会に、貴社の人事についてご一考いただければ幸いです。

先日資金調達のお手伝いをさせていただいたAさんの事例です。
勤めている会社を退職し、株式会社を設立して、店舗を作りた
いというご相談でした。

■ 創業プランは以下のとおりです

事業内容:一般消費者向けの小売業態
総投資額:6,800万円(設備6,000万円+運転800万円)
調達内訳:自己資金800万円、勤務していたメーカーからの
借入3,000万円、金融機関からの借入3,000万円

勤務していたメーカーから3,000万円の資金支援を受けられる
予定ですが、総投資額が大きいため、金融機関からも3,000万
円の調達が必要です。創業資金の最も有力な調達先は日本政策
金融公庫ですので、今回も日本政策金融公庫からの調達を主と
して調達の計画を立てました。

■ 公庫の創業融資のポイントは以下のとおりです。

【自己資金】
創業融資審査における最も重要なポイントは自己資金です。自
己資金は多ければ多いほど良いのですが、日本政策金融公庫は、
最低でも総投資額の10分の1以上の自己資金を求めています。
今回の総投資額は6,800万円で、自己資金は800万円ですので、
自己資金の要件は何とかクリアしています。ただ、800万円と
いう金額は、資本金として事業に費やす資金であり、800万円
の他にも、世帯の貯蓄として500万円程度を有していました。

【キャリア】
次に重要なポイントはキャリアです。創業する事業に対する経
験や実績が重視されます。Aさんはメーカーに勤務していまし
たが、小売店の販売を指導する職務に従事していました。数多
くの店舗の状況を把握しており、ビジネスとして採算が合うこ
とを確信したうえで、今回小売店として独立するため、キャリ
アは十分です。

【総投資額】
融資審査で最も大きな懸念点となったのは総投資額です。申し
込み要件には明確には記されていませんが、最初は1,000万円
程度までの小さな投資から始めることが安全だと考えられて
いますので、6,800万円という初期投資額が問題となりました。

調達金額が大きい場合の対処法は次が有効です。

1.公庫の単独ではなく、民間の金融機関からも資金を調達す
る協調融資で案件を組み立てると、公庫のリスクが軽減される
ため、希望通りの金額を調達できる可能性が高くなります。

2.融資制度のひとつである「経営力強化資金」で申し込むと
希望通りの金額を調達できる可能性が高くなります。経営力強
化資金を利用するためには、認定支援機関の助言を受けて作成
した事業計画書を提出する必要があります。

本件も、公庫経営力強化資金2,000万円、民間金融機関保証付
き融資1,000万円で案件を構築し、満額の資金調達ができまし
た。

最後に金融機関の担当者にお話を聞いたところ、「金額が大き
く難しい案件だったが、自己資金とキャリアがしっかりしてい
たことに加え、計画書類が充実していたこと、個人資産の開示
等に協力的であったことが決めてとなった。」とおっしゃって
いました。

初期投資の大きな事業で創業予定の方は、是非、参考にしてく
ださい。

前週号で、人が辞める理由の一つにあげた、【従業員の能力】
と【その従業員に求める業務】のミスマッチに関連して、
「ピーターの法則」をご紹介します。

■「ピーターの法則」〔その組織の仕事は、まだ出世の余地の
ある、無能レベルに達していない人間によってのみ遂行されて
いる。〕、言われてみれば「なるほど」と納得できることは少
なくありません。「もっと早く知っておれば…」と後悔します。
「知らないことがたくさんある、いや、我々は世の中のことの
大半を知らない」、この境地こそ「無知の知」(=自分が無知
であることを自覚する。)で、この考え方にたどり着いた時に
はじめて、人は成長のためのスタートラインに立てる…ある偉
人の言葉です。

■『ピーターの法則』、ご存知でしたか?以下は、よくあるマ
ネージメントの愚行です。

○「第一線の営業マンとして頭角を現したA君、主任に昇進さ
せてチームを持たせたら、途端に覇気を無くしてしまった。将
来の幹部候補生として期待していたが、係長への昇進も見込め
ない。それでも不得手な主任に留めています。」

○「営業部長として営業の中核部門を背負ってくれていたB部
長、営業成績を長期間維持、向上させた功績で取締役に昇進さ
せて経営陣に加えたが、経営者としての手腕は発揮されない。
平の取締役で生涯を終えてもらうことになりそうだ。それでも
不得手な経営陣に留めています。」

第一線の営業マンとして優秀であったA君を、不得手なマネー
ジャーに昇進させたうえで放置する愚行を行っています。敏腕
営業部長を、不得手な経営陣に昇進させたうえで放置する愚行
を行っています。

■ピーターの法則〔ウィキペディアより引用〕により、上記の
愚行が提唱されています。

〔南カリフォルニア大学教授の教育学者ローレンス・J・ピー
ター(Laurence J. Peter)によりレイモンド・ハル(Raymond
Hull)との共著 THE PETER PRINCIPLE の中で提唱された。日
本では1969年、『ピーターの法則―〈創造的〉無能のすすめ(
ローレンス・J・ピーター/レイモンド・ハル 田中融二氏訳)』
がダイヤモンド社より出版された(2003年再版の新訳は渡辺伸
也氏)。〕

1.能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。
すると有能な平(ひら)構成員も無能な中間管理職になる。
2.時が経つにつれて人間はみな出世していく。無能な平構成
員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員
は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層
は無能な人間で埋め尽くされる。
3.その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに
達していない人間によって遂行される。

■解決方法として、以下を提唱されておられます。

「この問題を回避するために組織がとりうる手段として、次の
段階の仕事をこなせる技術と仕事のやり方を身につけるまで人
材の昇進を控える方法が挙げられる。例えば、管理能力を示さ
ない限りは部下を管理する地位に昇進させない、などである。
◆第1の帰結は、現在の仕事に専念している者は昇進させず、
代わりに昇給させるべきである。
◆第2の帰結は、新たな地位に対して、十分な訓練を受けた場
合にだけ、その者を昇進させるべきである。これにより、昇
進の(後ではなく)前に管理能力に欠ける者を発見すること
ができる。」

今後のマネージメントや、自身のキャリア形成に大変役立つ知
識です。頭の引き出しに、所番地を決めて保存してください。

■3つの最適化、このバランスが崩れた時に人は退職します。
在籍中であれば、経営的にも不合理な状態です。

1.【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】のミスマッチ
2.【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】の
ミスマッチ
3.【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】のミスマッチ

「ピーターの法則」は、3つ目の【従業員の能力】と【その従
業員に求める業務】のミスマッチについて言及されているとも
解釈できます。また、その解として、
●「現在の仕事に専念している者は昇進させず、代わりに昇給
させる。」
●「新たな地位に対して、十分な訓練を受けた場合にだけ、そ
の者を昇進させる。」
を提言されています。

貴社におかれましても、この機会にご検証ください。

借入が必要になりそうだと分かっていても、日々の業務に忙殺
されて後回しになり、いよいよ資金が切れそうなタイミングで
金融機関に駆け込む・・・ご経験のある社長様も多いのではな
いでしょうか。

本来、資金調達業務は、資金が不足した時だけ行う業務ではあ
りません。どれぐらいの資金が、何のために、いつ頃必要なの
かを事前に把握し、どれぐらいの資金を、どこから、どのよう
にして調達するかを戦略的に進めていく業務です。財務業務を
戦略的に進めるためには、財務に関する知識や経験が必要です。
まずは貴社の財務レベルをチェックしてみましょう。

□今期、どれくらいの資金調達が必要か分かっている。
□公庫、信金、地銀、メガバンク、ベンチャーキャピタル・・・
各金融機関の特性を熟知しており、どの金融機関から調達す
るのが最善か分かっている。
□短期借入、長期借入、社債、リース、出資・・・借入の種類
と特徴を熟知しており、どの方法で調達するのが最善か分か
っている。
□金融機関の考え方を熟知しており、金融機関が評価するポイ
ントが分かっている。
□融資を受けやすくするために必要な資料が何か分かっている。

いかがでしょうか。チェックの数が少ない場合は財務レベルに
改善の余地があります。業績が落ち込めば、途端に資金調達が
難しくなる可能性がありますので、次にご提案する財務戦略を
実践してみてはどうでしょうか。

■ 小規模企業に適した財務戦略

1.調達目標額を決める
仮に業績が落ち込んだ時、金融機関は助けになりません。自分
の身は自分で守らなくてはならないため、有事に備えて、「借
りられるだけ借りておく」ことを目標にしてはいかがでしょう
か。

2.取引金融機関(調達先)を選定する
小規模企業の調達先の選定基準は、「最も安い金利の金融機関
ではなく、最も多く貸してくれる金融機関」です。銀行の知名
度や、多少の金利差に惑わされず、積極的に融資をしてくれる
金融機関を選びましょう。年商3億円未満の企業の場合は、信
用金庫(組合)→地銀→メガバンクの順であたるのがセオリー
です。

3.金融機関と良好な関係を構築する
最大限の調達を行うためには、金融機関を味方につけることが
必須です。金融機関が好むのは、ディスクローズをしっかりと
行える企業です。試算表や資金繰り表をリアルタイムで作成し、
定期的に提出することで、金融機関からの信頼は大きく高まり
ます。

この程度の財務戦略を実践するだけでも金融機関の反応は大き
く変わるはずです。資金調達は一発勝負ではありません。お金
を借りる時だけ対処するのではなく、戦略を持ち、日頃から資
金調達に備えておくと安心です。

○銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、
『貴社の財務部長代行』を廉価でお引き受けいたします。

○金融機関対応に関するご相談は、銀行融資プランナー協会
正会員事務所である当事務所にて承っております。
お気軽にご相談ください。

■お問い合わせ先
【 吉川和良税理士事務所 yoshikawa@mas-cpta.com 】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ お役立ち情報
『生涯現役起業支援助成金について』
…40歳以上の方の起業を支援してくれる助成金です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「生涯現役起業支援助成金」は中高年齢者(40歳以上)が、
起業する場合に、事業運営のために必要となる従業員(中高年
齢者等)の雇入れを行う際に要した、募集・採用や教育訓練の
実施にかかる費用の一部を助成してくれるものです。
平成30年4月からは、この助成金の支給を受けた事業主が新
たに生産性要件に該当した場合に、すでに支給された助成金額
の25%の額を追加で支給することも予定されています。
起業をお考えの方はご検討ください。

概要をみておきましょう。

■対象者
起業(いわゆるベンチャー企業の創業)を行う中高年齢者(起
業日の年齢が40歳以上)が対象です。

■支給要件
(1)起業者が起業した法人または個人事業の業務に専ら従事
すること。
(2)起業基準日から起算して11か月以内に「雇用創出等の
措置に係る計画書」を提出し、都道府県労働局長の認定
を受けていること。
※認定にあたっては、公的機関等の実施する創業支援を受けて
いること、当該事業分野において一定年数以上の職務経験を
有していることなど、事業継続性の確認があります。
(3)計画書で定めた計画期間内(12か月以内)に、対象労
働者を一定数以上新たに雇い入れること。

【雇入れ基準】
次のいずれかの基準を満たすことが要件です。
◇60歳以上の対象労働者を1人以上
◇40歳以上60歳未満の対象労働者を2人以上
◇40歳未満の対象労働者を3人(40歳以上の対象労働者を
1人雇用する場合は2人)以上

■対象経費
募集及び採用並びに教育訓練に係る経費(人件費を除く。)が
対象となります。

■助成金額
(1)起業者が60歳以上の場合
募集及び採用並びに教育訓練に係る経費の2/3以内で上限
200万円が支給されます。

(2)起業者が40歳以上60歳未満の場合
募集及び採用並びに教育訓練に係る経費の1/2以内で上限
150万円が支給されます。

詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115906.html

■大企業と中小零細企業では背景が違います。

大企業は、従業員や就職希望者に対して、自社に対する愛社精
神、忠誠心、帰属意識等のブランドロイヤリティーを提供でき
ます。相応のBIGカンパニーや著名なベンチャー企業は、社
長個人の魅力ではなく、このブランドロイヤリティーが、継続
的な就業や就職動機として機能します。
一方、中小企業、まして零細企業にブランドロイヤリティーは
存在しません。社長個人がこの役目を果たさねばなりません。
言いかえると、「社長自身の器量やポテンシャルを越える人材
は採用できない、仮に採用できても辞めてしまう」、というこ
とです。故に、より優秀な人材を採用したいのなら、社長自身
が自らの器量やポテンシャルを高めていく努力を続けていくし
か方法がありません。
悲観論ではなく、事実として認識してください。人事はこの認
識から始めなくてはなりません。この前提条件を踏まえて、以
下のテクニカルな話に言及します。

■雇用の安定のための人事における3つの最適化とは…

◆人事業務で一番大切なことは、最適化です。
すべてにおいて最適化のポイントを求め続けることこそ人事担
当者の仕事です。中小零細企業では社長の仕事です。最適化が
なされておれば、人は概ね辞めません。採用もできます。離職
率が極端に高いのは、人が採用できないのは、最適化できてい
ないからです。
離職率が高いからレクリエーションを充実させる…間違えでは
ありませんが、本筋ではありません。採用できないから上手な
キャッチコピーを考える、採用媒体を見直す…間違えではあり
ませんが、本筋ではありません。

◆最適化とは…
1.【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】
2.【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】
3.【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】
の三つをバランスさせることです。

1.給与はその従業員の市場価値に適合させることが重要です。
給与はその人の市場価値に対して、安すぎても、高すぎてもい
けません。

○優秀な従業員を安く使えている、これは長続きしません。ど
こかで辞表がでます。
○割高な給与を支払っている、これも長続きしません。どこか
で社長のストレスが爆発します。辞めさせる羽目になります。

2.求める業務に応じた給与を支払ってください。
給与は求める業務に対して、安すぎても、高すぎてもいけませ
ん。

○難解な業務を、薄給の人に求めてはいけません。どこかで辞
表がでます。
○安易な業務を、高給の人に割り当ててはいけません。どこか
で社長のストレスが爆発します。辞めさせる羽目になります。

3.従業員の能力に合わせて業務を割り当ててください。
割り当てる業務は、従業員の能力に対して、難しすぎても容易
過ぎてもいけません。

○能力の低い人に、難解な業務を背負わせてはいけません。ど
こかで辞表がでます。
○能力の高い人には、それ相応の業務を担ってもらいましょう。
有効に活用しましょう。

言うは易く行うは難し…ですが、事業体の人事の肝は上記です。
(程度加減の)正解はだれにもわかりませんが、そのゴールの
無い道をきわめることが人事です。
社長にとって大切なことは、上記の理屈を理解して、程度加減
を是正しながら判断・行動することです。

◆絶対にやってはいけないこと…
○よくできる人材を、薄給を承知で便利に使い続けること
ある日突然辞表がでます。適正な給与(地位)の是正を実施し
なかったことが原因です。

○道理を越えた高給を支払って雇用する、慰留すること
長続きしません。社長の、組織内のアンバランスが限度を超え
た時、辞めさせる羽目になります。そして、大きな罪を作りま
す。その人の人生を歪めてしまいます。

○能力の低い人に、(精神論として)高度な仕事を任せること
訓練の機会・期間を設けずに、業務を何段階もステップアップ
させること、これに耐え得るのはほんの少数です。大半の人は
挫折します。訓練の機会・期間を経ずにやってはいけません。

同様の理屈で…
○薄給で優秀な人材を求めること
○薄給で採用して高度な仕事を求めること
○ただただ高給を訴求して人を採用すること

■最後に二つ…

1.人事をある程度適正に行えば、人はそれ程辞めません。
小さな会社で人が次々に入れ替わるのであれば、それは人事が
なされていないからです。是正が必要です。一方、それでも一
定の比率で人は辞めます。会社への不満とか?ではありません。
人それぞれです。可能な限り円満に送り出してあげることが得
策です。

2.力不相応の人材を求めてもうまくいきません。
これも達観が必要です。まずは(今の)力相応の従業員を求め
ましょう。優秀な人材が集まらないと嘆く社長様も少なくあり
ません。自社や自分の現状を棚にあげて、優秀な人材を求める
社長様がいますが、これも無いものネダリです。

◎良い会社になった時に、優秀な従業員が入社します。良い従
業員が集まるから良い会社になるのではありません。
◎今の実力相応の従業員が入社してきます。鏡の原理です。
◎まれに、将来性に賭けて入社してくれる人もいます。(今の)
力不相応な従業員の雇用は、社長自身が一本釣りするしかあ
りません。これをやってください。できなければあきらめま
しょう。

貴社の人事に対する考え方を、この機会にご一考ください。