長く経営を続けていると綺麗ごとでは片づけられない問題に直面することもあるでしょう。

やむを得ず、粉飾をしてしまった経営者様もいらっしゃると思います。

一方で、金融機関にとっても、粉飾決算に騙されることは死活問題ですので、

大いに神経をとがらせています。金融機関は、粉飾決算に騙されないよう

以下のポイントを見ています。

 

1.売上高の前倒し計上、架空計上を行っているケース

売上高を増やすことで利益を増やす手法ですが、複式簿記では「売上高」だけを

増やすことは出来ません。相手勘定となる「売掛金」の残高を検証することで

粉飾を見破っています。

具体的には「売上債権回転期間」で売上高とのバランスを見ています。

 

2.仕入債務を過小に計上しているケース

買掛に計上している仕入を消すことで利益を増やす手法です。

しかし、この手法も「買入債務回転期間」が極端に短くなるため粉飾が疑われます。

 

3.在庫を過大に計上しているケース

架空在庫を計上して利益を増やす手法です。

最も多く見られる粉飾の手法ですが、「棚卸資産回転期間」が極端に長くなるため

粉飾が疑われます。

 

4.費用を過小に計上しているケース

実際にかかった経費を消して利益を増やす手法です。

相手勘定の「現金」が異常に膨らみますので粉飾が疑われます。

 

実際にキャッシュを投入して、掛け勘定を使用せずに利益操作をされると、

粉飾決算を見破るのは難しくなりますが、勘定科目だけを操作して行う粉飾決算は、

簡単に見破ることができます。

金融機関は気づいていても、「粉飾ですね。」等とは絶対に言いません。

許容できる間は騙されたふりをして融資を続けていても、看過できないところに

達したら融資は止まります。

 

しかし、それ以上に粉飾が怖いのは、赤字に対する経営者様の問題意識が

薄れてしまう点です。実際は赤字であっても、粉飾決算で資金が調達できれば、

何となく経営が上手く行っている錯覚に陥ります。

よって、一度粉飾をしてしまった企業は、翌年以降もずるずると粉飾を繰り返してしまい、

その額が少しずつ膨らむ傾向があります。粉飾額が大きくなる前に、粉飾のサイクルから

脱却する決断が求められます。

まずは粉飾で分からなくなった本当の利益を洗い出すところからスタートします。

 

粉飾からの脱却をお考えの経営者様は、是非、ご相談ください。

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