事業体の収益性や拡張性は、事業立地(誰に何を売るのか?)
とビジネスモデルで大半が決まります。
マネージメントやマーケティングの上手下手は、それらの下位
の概念です。マネージメントやマーケティングを考える前に、
事業立地(誰に何を売るのか?)やビジネスモデルに着眼して
ください。
※時間が経過するほど、事業立地(誰に何を売るのか?)とビ
ジネスモデルの差が顕在化します。

●貴社は…

1.受注型ですか?…
2.プロダクト型ですか?…
3.ストアー型ですか?…
4.プラットフォーム型を狙っていますか?…

◆受注型とは…

建設業などの請負業、下請けと呼ばれる製造業、個別事案ごと
に対応するコンサルタント業等、顧客の要望を受けて個別に製
品やサービスを提供するビジネスの型です。

○突出した技術やスキル、または対応能力(キャパシティー)
を有している企業は、価格競争に巻き込まれにくく、大きな収
益を上げています。

△一方、顧客ごとの対応が必要になり、ビジネスとしての定型
化が難しい、また、売上が発注先の意向に左右されやすいため
に、ビジネスとしての拡張性に難があると言われています。

△突出した技術やスキル、または対応能力(キャパシティー)
を有している企業以外は、発注元の意向に沿った納期・価格が
設定されてしまい、価格主導権を握れません。

◎ボリュームの大きい(単価の高い)建設業等を除いては、
BIGカンパニーになりにくいビジネスモデルです。

◆プロダクト型とは…

自らのサービスを商品化・定型化して、顧客に採用(購入)の
可否を選択してもらうビジネス形態をプロダクト型と言います。
もちろん、提供する商品やサービスが選ばれるに値する価値を
有していなくてはなりません。故に、徹底的に磨き込まれた強
い商品・サービスでなければなりません。一点特化・絞り込み
が必要です。

○徹底的に磨き込まれた強い商品・サービスを自らの意志で開
発し販売するこの型は、経営が効率的で、収益性と拡張性を担
保できます。何より、価格主導権を自社が握ることになります。

◎エクセレント企業の多くは、(配下に多くの受注型企業を抱
えた)このビジネスモデルです。

●一般論として、事業体は受注型からプロダクト型に進化して
いきます。
・受注生産から自社ブランドの製品開発・販売への移行は正統
派の戦略です。受注型の建売建設業から自社ブランドのハウス
メーカーへの移行例は多くみられます。
・個別対応のコンサルタント会社は、ノウハウを商品化してプ
ロダクト型に移行します。

◆ストアー型とは…

プロダクト型の横への拡張型をストアー型と呼びます。プロダ
クトで成功した事業体は、規模の拡大のために、総じて横展開
を始めます。力があれば、その業容を拡大できますが、力が無
ければ、あれも、これも…総花的で、弱い商品・サービスの集
合体になり下がります。商品・サービスの品ぞろえは、自社の
実力との兼ね合い、力相応でなければなりません。総じて力以
上に幅を広げすぎるケースが多いように感じます。

◎規模の拡大と共に、収益力の低下が懸念されるビジネスモデ
ルです。

●私見ですが、『選択と集中』とは、ストアー型をプロダクト
型に戻すと解釈しています。

◆プラットフォーム型とは…

プラットフォームとは『自社が創った場に他社を引き込んで取
引を製造する場所』のことを指します。精鋭の経営者は、この
プラットフォーム型を狙っています。フェイスブック、楽天、
アマゾン、アップル…すべてプラットフォーム型です。
容易ではありませんが、自社の極めてニッチな分野に限定すれ
ば、実現できる可能性はあります。狙ってみましょう。

事業体の収益性や拡張性は、事業立地(誰に何を売るのか?)
とビジネスモデルで大半が決まります。マネージメントやマー
ケティングの上手下手は、それらの下位の概念です。
マネージメントやマーケティングを考える前に、自社の事業立
地(誰に何を売るのか?)やビジネスモデルを検証してくださ
い。

創業当初からお付き合いさせていただいているA社の事例です。
5期目の決算が終わったところですが、売上高が約7億円と順
調に成長しています。

A社の特徴的な点は、外部からの借入が無く、代表者個人から
の借入金1億円で資金を繰り回している点です。創業時に創業
融資をおすすめしましたが、「自己資金で対応するので借入れ
はしない。」という経営方針であったため、これまでは税務顧
問のみのお付き合いとなっていました。

毎期順調に売上高を伸ばしてきましたが、それと同時に役員借
入金の額も増加し続け、ついに役員借入金が1億円を超えた時
点で、社長より次の主旨のお電話がありました。

・いよいよ自己資金も尽きてきたので借入を考えたい。
・金額は、今後事業をさらに伸ばすための資金で1億円、個人
で貸している分を返してもらうために1億円、あわせて2億
円を調達したい。
・預金取引をしている信用金庫に行って融資を依頼したが、短
期で1,000万円しか融資ができないと言われた。
・税務だけでなく資金調達を含めた財務面も見てもらえないか。

どこの金融機関も新規取引は慎重になります。A社は金融機関
との融資取引が全くありませんので、すぐに2億円を調達する
のは簡単ではありません。まずは、今期中に1億円、次の決算
後に1億円を調達する計画で資金調達を開始しました。

まず、今後の業績見込みとそれに伴う1億円の資金計画を作成
し、I地銀に保証協会とプロパー融資の打診をしました。I地
銀は保証協会から無担保枠一杯の8,000万円の事前承認を
取り付けてくださいましたが、「プロパーは来期の決算後に・
・・」という回答でした。保証協会の8,000万円だけで終
わりとなっては困るため、I地銀には、5,000万円だけ保
証付融資を申し込み、3,000万円の枠を残すことにしまし
た。

次にBメガバンクに保証協会とプロパーの打診をしました。保
証協会で3,000万円の承認がおりている旨をご説明してプ
ロパーの積み上げを依頼したところ、保証協会3,000万円
とプロパー2,000万円で提案をいただきました。

2行で目標額1億円の調達は完了しましたが、日本政策金融公
庫の無担保枠2,000万円も利用できると考えて打診しまし
た。事業計画は1億円の調達目標であるが、本来は2億円の調
達をしたい旨をご説明したところ、「通常は2,000万円が
無担保枠の上限だが、制度融資によって4,800万円まで利
用できるものがある。そちらを利用して4,000万円でどう
か。」という提案をいただきました。

続いて商工中金、中小企業事業にも打診を考えており、順調に
いけば今期中に2億円の調達が見えてきました。

本来は1億円以上の調達が可能な実力があるにも関わらず、社
長様が自身で信用金庫に行くと1,000万円の短期融資しか
できないと言われたのはなぜでしょうか。答えは単なる説明不
足です。

A社は、売上高は順調に推移してきたものの、利益が出始めた
のは2期前からであり、表面は債務超過です。実質自己資本と
見做せる代表者からの借入金が1億円ありますが、30代で1
億円の個人資産を持っているのは逆に不審に思われることもあ
ります。

弊所は、社長の略歴、企業の沿革、資金繰りの状況と計画、利
益の状況と計画を整理して、金融機関に説明しただけです。決
して金融機関と特別なパイプがある訳ではありません。説明の
仕方ひとつで結果がこれだけ変わることがあります。

容易ではありませんが、適正な価格設定を目指したいものです。
「値決め」は、安すぎても、高すぎても経営の足を引っ張りま
す。それぞれ弊害をもたらします。
また、客層を含む生きる世界観、経営観は「値決め」で決まり
ます。経営の起点は「値決め」です。

以下の4つについて言及します。
◆1.真の適正価格を探求する!
◆2.安すぎる「値決め」の弊害!
◆3.高すぎる「値決め」の弊害!
◆4.値決め力を養うためには!

◆1.真の適正価格を探求する!

◎『値決めこそ経営』(稲盛和夫先生)
◎『松下電器は相当大きくなるまで私が値決めをしていた』
(松下幸之助先生)
多くの偉人が「値決め」の重要性について強く語っておられま
す。多分、我々凡人が想像する以上に「値決め」の経営に与え
るインパクトは大きいのでしょう。

◆2.安すぎる「値決め」の弊害!

●弊害1:安いのでたくさん売れる。
繁盛貧乏に陥り身動きが取れなくなっている事業者様は少なく
ありません。頑張っていて、評価されている?(繁盛している)
のに利益が出ない、この状況は経営者や従業員を疲弊させます。
安すぎる「値決め」が招く弊害の一つ目です。

●弊害2:安すぎて信頼されない。
「安くてよいものは存在しない」と考える人は安さを疑います。
安すぎる「値決め」は、一定の割合で存在する安さを嫌う優良
客を排除してしまいます。これは致命的な弊害です。

◆3.高すぎる「値決め」の弊害!

●弊害1:高いので売れない。
売れないので閑散貧乏状態になります。ただ、売れない時は暇
なので見直しの方向に是正されます。この点が繁盛貧乏状態と
の違いです。高い価格に向かって価値を積み上げるのか、価格
を下げて適正化を図るのか、どちらかの方向に向かいます。

●弊害2:高すぎるが上手に売る。
高すぎるモノやサービスを営業力で売り切る、一見良さそうで
すが本当は間違えです。売る側は、高すぎるモノを売り続ける
ことに疲弊します。買った側には時間とともに不満が蓄積しま
す。長期間の安定した経営は望めません。上手すぎる営業の弊
害です。営業は少し下手位がちょうど良いようです。

◆4.値決め力を養うために。

経営者には、様々なモノやサービスを購入する体験を積み上げ
ることで、幅広い価値観を理解できる知見を磨くことが求めら
れます。例えば、客単価3千円の飲食店オーナーも、客単価数
万円までの会食を定期的に体験することで、自店の相対的・絶
対的価値を確認することができます。できているのでしょうか?
値決め力を磨き養う継続的な投資は重要です。

客層を含む生きる世界観、経営観は値決めで決まります。起点
は値決めです。安くしようとすると、生きる世界が落ちて行く、
客層も悪くなります。高くしようとすると、生きる世界が上が
る、客層も良くなります。ただし、高く上手に売りすぎると客
離れを起こします。自分の畑が枯れる、自分が疲弊します。

だから…
◎『値決めこそ経営』(稲盛和夫先生)
◎『松下電器は相当大きくなるまで私が値決めをしていた』
(松下幸之助先生)
でしょうか。

WITHコロナは利益にこだわる経営を行いましょう。

家賃支援給付金の申請受付が始まりました。コロナ感染症拡大
により売上に大きな影響を受けている事業者に最大600万円が
給付される制度ですのでご確認ください。

■ 給付対象要件の確認
下記1)及び2)に該当していることが要件となります。

1)2020年5月以降のいずれか1か月の売上が前年同月の売上
より50%以上減少している。もしくは、2020年5月以降
の連続する3か月の売上高が前年同期間の売上高より30%
以上減少している場合。
2)他人から土地や建物を借りて事業活動を行っている場合。

決算書ファイルに綴られている「法人事業概況説明書」に前年
度の月別売上高が記載されていますので、上記1)のいずれか
に該当しているか確認してください。2)につきましては、
次の場合は対象外となりますので気をつけてください。

【対象外となる例】
・申請に係る土地や建物を他社に転貸している場合
・申請に係る土地や建物の所有者が自己である場合
・申請に係る土地や建物の所有者が配偶者または一親等以内の
親族である場合

■ 必要書類の準備
申請には下記資料が必要になります。webサイトから申請しま
すので、最終的にはPDFにしたり写真を撮ったりするなどして
デジタルデータに変換する必要があります。
1.確定申告書別表一(1枚)
2.法人事業概況説明書(2枚)
3.法人税及び地方法人税のメール詳細(1枚)
⇒1~3は通常決算書ファイルに綴られています。但し、3は確
定申告書に税務署の受付印が無い場合(電子申告の場合)
のみ必要となります。確定申告書に受付印がある場合は不要
です。
4.売上が減少している月の証拠資料
⇒経理ソフトから出力した売上元帳、エクセルで作成した売上
データ、手書きの売上帳などで問題ありません。但し、何年
何月の売上高であるか明確に分かるようにしておきましょう。
5.賃貸契約書
6.直前3か月間の賃料の支払い実績を証明する振込明細書や
領収証等
7.通帳の表面と見開き1,2ページ面のコピー

■ 申請方法
専用のホームページにアクセスし申請フォームから申請します。
https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/index.html

賃料は固定費の中でも大きな割合を占める費用です。賃料が75
万円以下の場合、賃料の3分の2の金額の6か月分が給付されま
すので大変助かる制度です。該当する場合は必ず申請してくだ
さい。

WITHコロナは利益にこだわる経営を行いましょう。利益につ
いて再考いただくための切り口を解説いたします。ご確認くだ
さい。

◆1.利益を百%肯定する!

ビジネスの必要条件は利益を出すことです。利益を心の底から
肯定して求めましょう。十分条件は利益を出してから考えまし
ょう。

◆2.納税を百%受け入れる!

納税したくないは、利益を出したくないと同義です。納税の否
定は利益の否定です。高収益を目指すためには、納税を心底か
ら肯定する考え方を持ってください。また、金融機関からの借
入枠、資金調達力は簡易キャッシュフローの倍数で決まります。
簡易キャッシュフローとは税引き後利益と減価償却費の合計額
です。利益が減ると調達可能額は大きく減ります。

◆3.顧客を選ばしてもらう!

僭越ですが、顧客を選ばしてもらいましょう。利益は優良顧客
からしか生まれません。そのためにも、より良い物やサービス
を開発して提供しましょう。一方、自社の提供する付加価値を
理解いただけない顧客とは距離を置きましょう。顧客を選別す
るための最善策は値上げです。

◆4.アッパーニッチを攻める!

中以上の顧客に合った商品とサービスを開発して提供しましょ
う。低価格帯のマス市場ではなく、高価格帯のニッチ市場を狙
ってください。

◆5.事業立地を再考する!

事業立地、何屋さんをやるか?も再考しましょう。以下の言葉
を再度ご確認ください。容易ではありませんが、中長期のテー
マとしてご認識ください。

『…(高収益企業の研究を通じて)成功例に共通している点は
一目瞭然だった。「事業立地(ポジショニング)」がよいとい
うことだ。仕事の仕方の工夫や製品開発ではなく、そもそも
「何屋さんをやるか」の選び方が優れている。…』
〔三品和広教授(高収益企業研究の第一人者)〕

『…覚えておきたいのは、「一にも、二にも、三にも人」では
ない。一貫してうまくいく有効な解答は、「一にも、二にも、
三にも(事業の)ポジショニング」だ。…』
〔リチャード・コッチ氏(大成功を納めた投資家)〕

◆6.マネタイズ方法を再考する!

お金のもらい方、マネタイズ方法についても考えてください。
労働集約型の役務を非労働集約型に転換する、売切りを継続課
金・サブスクに転換する、リアルからデジタルへの転換を図る
等々たくさんあります。

◆儲からない6つのキーワード!

最後に、以下は儲からないキーワードです。ご確認ください。
〇「低価格帯」「低粗利益率」の商品・サービス、ビジネスモ
デル!
〇「どこにでもある」商品・サービス、ビジネス!
〇「大量生産・大量販売」を目指すビジネス!
〇「マス市場」「飽和市場」を攻めるビジネス!

WITHコロナは利益にこだわる経営を行いましょう。

経営者によってその経営スタンスはそれぞれです。家族を養え
る範囲で・・・従業員を養える範囲で・・・100年続く企業を
目指して・・・上場企業を目指して・・・日本を代表するグロ
ーバルな企業を目指して・・・どのスタンスで経営するかは自
由であり全てが正解です。ただ、規模の拡大を追求するのであ
れば、ファイナンス(資金調達)を上手に活用しなければなり
ません。

単純な話ですが、仮に自己資金を300万円持っていた場合、商
品を300万円分仕入れて売るよりも、さらに300万円を借りて
きて、600万円分の商品を仕入れて売った方が、より大きな売
上を創出することができます。社長様が600万円分の商品を販
売する営業力を有しているのであれば、迷わずファイナンスを
活用すべきです。

売上だけではありません。専門的には財務レバレッジと呼びま
すが、自己資本だけで経営するよりも他人資本を取り入れた方
が自己資本の効率が高まるという事実があります。利益がマイ
ナスに振れた時には、逆に資本効率が大きく低下するというデ
メリットもありますが、社長様が利益を出せる経営力を有して
いるならば、迷わずファイナンスを活用すべきです。

一般的に1代で大きな企業を作った経営者は、ファイナンスを
巧みに活用して積極的な拡大戦略をとっています。決して大企
業だけの話ではなく、数億円規模の中小企業においても、資本
主義社会においては資金力が大きい方が有利です。ファイナン
スが重要な経営技術のひとつとされる理由はそこにあります。

また、成長志向の経営者様だけでなく、景気が大きく振れた時
などもファイナンスを上手に活用しなくてはなりません。好景
気の際にチャンスを逃したり、不景気の際に資金ショートを起
こしたりしてしまいます。

ただ、ファイナンスは経営技術であると述べたとおり、誰にで
も簡単に扱えるものではありません。思ったように調達出来な
いこともあるでしょうし、場合によっては大きな負担になるこ
ともあります。

中小企業経営には、ファイナンスについて相談できるパートナ
ーが役に立つはずです。是非、当事務所にご相談ください。

いつ起こるかわからない有事(まさか)に備えて、平時からお
金に余裕を持つ経営を行ってください。そのために、財務に対
する知見を深め、併せて、財務力を強化してください。創業か
ら中小企業こそ、財務力強化が必要です。

貴社は〈財務無策症候群〉を患っていませんか?
これは、財務戦略がないために、お金に苦労する経営体に甘ん
じる病です。

■創業者~中小企業まで、その過半は財務機能を有していませ
ん。また、間違えた考え方を鵜呑みにしておられる経営者も少
なくありません。

○資金調達のための与信力が低いにもかかわらず、資金のダム
を作って備えようとしません。
○(日傘しかない)金融機関に、資金が不足した時に融資を受
けに(雨傘を借りに)行こうと考えています。
○利益は納税額だけではなく、今後の資金調達力を決めること
になる、これを理解せず、目先の過度な節税を目指します。

※借入れ(融資)可能額は、簡易キャッシュフロー(税引き後
利益+減価償却費)を基準にその概算が判定されます。これら
の財務無知から来る財務無策は、『お金に苦労する経営』とい
う結果を招くことになります。

■この様に、財務に対する備えが希薄、または、間違えた考え
を持っている経営体を『財務無策症候群』と呼びます。

『財務無策症候群』の経営体には、以下のような症状が現れま
す。
1.金融機関との継続的な関係を築けていない。必要な時のみ
頼る。
2.資金繰りに苦労をしても、借入れは少ない方がよいと考え
ている。
3.資金繰りの余裕が少ない。
4.支払金利に(過度に)敏感である。
5.継続的に資金繰りを管理する仕組みを持ち合わせていない。
6.そもそも『財務』の概念を知らない。
いかがでしょうか?

■病名:『財務無策症候群』(推定有病率70%)を整理します。

○財務戦略がないために、お金に苦労する経営体に甘んじる病
です。
○原因は、財務無知、または、財務無策です。
○症状は、手持ち資金が極小であっても、資金繰りに苦労して
も、とにかく借入れを減らして(行わずに)経営を続けようと
します。また、貸し手である金融機関の都合を理解できず、自
社の都合、必要な時に必要な金額だけ貸して欲しいとの借り手
の都合で行動します。少しでも歯車が狂えば、途端に危機的な
状況に陥ってしまいます。早期の治療が必要です。

■『財務無策症候群』への対応は、財務の機能を持つことです。
中堅以上の企業には、必ずこの機能があります。

○対策は、資金を可能な限り潤沢(=Ample)に維持すること
です。
・金利を気にせずに『借りられる時に借りられるだけ借りる。』
・『貸し手の論理』(借り手の論理ではなく)に沿って資金調
達を継続する。
・納税を恐れずに利益をだす。自己資本の充実と簡易キャッシ
ュフローの最大化を図る。
・精度の高い6カ月~1年先までの資金繰り計画を持ち続ける。
・金融機関との継続的な関係を構築する。

■当事務所の『新・税理士』は、上記【財務無策症候群】の専
門医です。その予防と対策に尽力いたします。

当事務所が取組む財務支援業務は…

1.スポット業務として行う資金調達支援(だけ)ではありま
せん。
⇒(正)継続的な財務機能の充足、財務部長の代行業務です。

2.資金に困った企業様の救済支援(が本質)ではありません。
⇒(正)成長企業の財務部長としての伴走です。

3.資金調達などの金融機関対応を必要とする時にのみ、クラ
イアントに同行して説明補助を行うことではありません。
⇒(正)財務部長の代行者として、主体的に金融機関と関わり
ます。

これらの業務が『資金繰り円滑化サービス(財務部長の代行業
務)』です。また、この業務の目的は「お金に困らない経営を
目指すこと」です。
早めの導入をご検討ください。社長様のお金に関する心配と煩
わしさの多くを取り除くことができます。

日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援
資本強化特別貸付制度<仮称>」の概要が発表されています。

■ 目的
新型コロナウイルス感染症の影響により、キャッシュフローが
不足するスタートアップ企業や、一時的に財務状況が悪化し企
業再建に取り組む持続可能な企業に対して、長期間元本返済が
なく、民間金融機関が自己資本とみなすことができる資本性ロ
ーンを供給することで、民間金融機関や投資家からの円滑な金
融支援を促しつつ、事業の成長・継続を支援。

■ 融資限度額
【中小企業事業】1 社あたり 7.2億円(別枠)
【国民生活事業】1 社あたり 7,200 万円(別枠)

■ 融資期間
20 年・10 年・5年1ヵ月(期限一括償還)

■ 貸付利率
融資後当初3年間は一律 0.5%又は 1.05%、4 年目以降は直近
決算の業績に応じた利率を適用(最低0.50%~最大4.80%)

■ 担保・保証人
無担保・無保証人

■ その他
本制度による債務については、法的倒産手続きの開始決定が裁
判所によってなされた場合、全ての債務(償還順位が同等以下
とされているものを除く)に劣後します。

新型コロナウィルス関連融資で一息つけたものの今後の返済に
ついて不安がある企業様も多いのではないかと思います。今回
の新型コロナウィルスは中小企業の経済活動への影響が大きい
ことから、元本返済のない劣後ローンで資金繰りを下支えしよ
うという動きが政府系の金融機関だけでなく、民間の金融機関
でも出ています。

劣後ローンは借入ですが財務内容が改善される借入ですので上
手に活用すれば大変有益です。是非、ご相談ください。

■多くの事業体にとって、デジタルシフトは共通のテーマです。

以下の4つについて整理いたします。
1.デジタルとリアル、その選別を!
2.売り方と業務のデジタルシフト!
3.働き方・雇い方のデジタルシフト!
4.デジタルシフト、このルールチェンジに乗り遅れないため
に!

●1.デジタルとリアル、その選別を!

最大限デジタルにシフトして、残りのリアルは高付加価値化を
図る、リアルはVIP&VVIPに限定して高付加価値化を図りまし
ょう。平等主義から脱却しましょう。この選択肢が主流になり
そうです。

(例)コンサート
廉価でオンライン配信、リアルは人数限定で高価で最高の環境
を提供する。
(例)プロ野球
廉価でオンライン配信(TVは無料)、リアルは人数限定で高
価で最高の環境を提供する。
(例)アパレル
オンラインで販売、リアルでは最大のおもてなしを行う。
(例)セミナー
廉価でオンライン配信、リアルは人数限定で高価で最高のサポ
ートを行う。

●2.売り方と業務のデジタルシフト!

自社媒体による直販体制(D2Cモデル)を構築しましょう。

〇デジタルの販売比率の向上を図る!
〇紙媒体からテキスト媒体、さらに音声・動画媒体への転換を
図る!
〇対面業務・営業からオンライン業務・営業への転換を図る!
(オンライン業務・営業が許容される環境が整いました。)

●3.働き方・雇い方のデジタルシフト

紙情報、決済(印鑑)等のボトルネックを無くしましょう。

〇紙情報をクラウド上のデータへ移す!(アクセス可能な環境
整備)
〇出社しての勤務からテレワークへ転換を図る!
〇総合型業務からジョブ型業務への転換を図る!
〇人事制度(雇用形態や評価制度)を大きく見直す!

●4.デジタルシフト、このルールチェンジに乗り遅れないた
めに!

デジタルシフトを大きな経営目標に掲げてください!

〇元に戻そうとする敗者の行動パターンを模倣しない!
〇できない理由ではなく、やり切る決意を持つ!
〇同業種上位20%以内のデジタルシフトを実現する!

近い将来、あの時(コロナショック、令和2年春)が自社の転
換点であったことに気づかれるはずです。多くの事業体にとっ
て、デジタルシフトは喫緊の重要な経営課題です。元に戻そう
とする敗者の行動パターンを模倣することなく、信念を持って
取り組んでください。

従来は、会社の借入に対して経営者個人が保証をするのは当た
り前とされてきました。しかし、平成26年2月に「経営者保証
に関するガイドライン」が発表されて以降、少しずつ経営者保
証をつけない借入が増加しています。

中小企業が利用する機会の多い保証協会の対応について、東京
信用保証協会の例を見てみましょう。

※以下東京信用保証協会のホームページより抜粋
■ 経営者保証を不要とする保証の取扱いについて

1)保証時の取扱い
次のア~ウのいずれかに該当する法人の場合、経営者保証を不
要とする保証の取扱いをすることができます。

ア.金融機関連携型
取扱金融機関がプロパー融資について経営者保証を不要とし、
担保による保全が図られていない場合であって、財務要件
(「直近決算期において債務超過でないこと」かつ「直近2期
の決算期において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこ
と」)を満たすほか、法人と経営者の一体性解消等を図ってい
る(または図ろうとしている)こと。

イ.財務要件型
直近決算期において特定社債保証制度(私募債)と同様の財務
要件を満たしていること。

ウ.担保充足型
申込人または代表者本人等が所有する不動産の担保提供があり、
十分な保全が図られること。

まとめますと、「民間金融機関のプロパー融資が無保証である」
かつ「財務内容と業績が良い」もしくは「担保価格が融資額を
上回っている」ことが絶対条件となっています。そのうえで、
「会社のお金と個人のお金をしっかり分けている」もしくは
「分けようと努力している」ことが説明できれば保証を外す交
渉が可能です。

個人の保証債務は相続にも大きく影響します。
是非、ご相談ください。