会社(経営)の健康状態を診断してみましょう。

※毎年この時期にお願いしています。

人間には病気を確認する健康診断と、病気を治療する医療の仕組みがあります。

一方、会社に同様の仕組みはありません。病気になっても気付かず、治療することもできません。

そもそも会社の患う病と言う概念すらありません。企業の病と治療法について検証してみましょう。

 

■企業の患う代表的な病は、以下の4つです。

◆病名1:分散症候群  …有病率50%

◆病名2:安売り症候群 …有病率50%

◆病名3:前のめり症候群…有病率30%

◆病名4:お人好し症候群…有病率60%

 

以下に、会社の患う4大疾病の自己診断チェックシートを提示します。該当する項目に○を付けてください。

■会社の患う4大疾病症状診断19項目

1.社内の動きが悪いと感じる。〔  〕

2.オペレーションのミスが多いように感じる。〔  〕

3.経営コストが割高になっている。〔  〕

4.商品、サービスが総花的で特徴がない。〔  〕

5.頑張っているのに儲からない。〔  〕

6.新しい商品、サービスを創造できていない。〔  〕

7.利益は出なくて良い、と思うことがある。〔  〕

8.値上げをしたいと思っていてもできない。〔  〕

9.ぎりぎりの経営をしていると感じる。〔  〕

10.毎日が緊張の連続で疲れる。〔  〕

11.少し売上が落ちるとすぐに経営が厳しくなる。〔  〕

12.資金繰りに追われている。〔  〕

13.攻めすぎているかも、と感じることがある。〔  〕

14.攻めすぎたと反省している。〔  〕

15.自分はお人好しだと思う。〔  〕

16.自分は従業員に甘いと思う。〔  〕

17.自分の判断は、どちらかと言うと甘いと思う。〔  〕

18.自分の判断は、どちらかと言うと曖昧だと思う。〔  〕

19.自分はNOと言いにくい性格だ。〔  〕

 

◆病名1:分散症候群(診断項目1.~4.に該当)

○商品やサービスの幅を広げ過ぎて、マーケティングが曖昧になる病です。

『誰に』『何を』売るかがぼやけてしまっています。

○原因

商品の品揃えやサービスの幅を持たないと売れないとの思い込みが原因です。

企業は何もないところから始まります。このステージでは品揃えや幅の強化が必要です。

しかし、一定のレベルを越えたあたりから、商品の品揃え、サービスの幅、事業領域を絞りながら

成長を遂げるべきです。拡大は面を広げることではなく、面を狭めて深堀することです。

このあたりが誤解されています。だからこの病気が蔓延するのでしょう。

○症状

経営資源が分散され、社内のありとあらゆるものが複雑になるため、動きが悪くなります。

対応が遅くなり、ミスが多発し、全体にコスト高になります。

各商品やサービスの磨きこみも十分でなく、総花的な品揃え、サービスを提供しており、

これと言った強みもありません。

○対策

すべてを単純(Simple)にしてください。

・減らしてください。絞り込んでください。

・自社の強み(ツキ)を探して特化してください。

経営者は事業の幅を広げ過ぎる傾向にあります。絞ることが重要です。

また、会社の仕組みは自然と複雑になりがちです。

単純(Simple)化が必要です。

 

◆病名2:安売り症候群(診断項目5.~8.に該当)

○値決めに対する姿勢が弱気で、利益管理も曖昧になる病です。

○原因

安くないと売れないとの思い込みが原因です。良いものは相応の値段を、それなりのものは

それなりの値段を付けてください。良いものを安く売る必要はありません。

原価が上がれば価格を見直す、この当たり前の企業行動を取らなければ、利益がどんどん減ります。

利益が薄くなればなるほど、良いものを作ろうとする知恵や創造力を失います。

最後は、薄利は善、利益は悪の心境に陥ります。こうなると末期です。

○症状

二つのレベルに分かれます。繁盛貧乏のレベルが第一段階です。

このレベルは頑張っているのに値決めを間違えていて儲からない状況です。

この段階では価格の見直しを行えば容易に治癒できます。第一のレベルを続けていると、

頑張っても儲からないと思い込み、頑張る意欲、より良いものを創造しようとする力を失くしてしまいます。

最後には、儲からない自分を正当化するために、儲けは悪、儲からないことが善、ビジネスそのものを

否定するようになります。

○対策

高収益(Profitable)な企業作りを目指してください。

・付加価値の向上を目指してください。

・利益管理を徹底してください。

・コストを抑えてください。

・値決めを再考ください。

事業は付加価値の向上を求めつづけることでのみ継続できます。値決めは重要な経営判断です。

安売りは悪です。利益を計り、利益を求めてください。また、コストは自然に膨らみます。

意識して抑え込んでください。高収益(Profitable)な企業体作りを強く意識してください。

 

…次回に続きます。

金融機関にとって、決算後が追加融資の絶好のチャンスです。

決算内容が良ければ、他行に先駆けて融資を提案しようと決算書を待っています。

先日、ある関与先様の決算書を各金融機関に提出したところ、

提出してすぐにA銀行から2,000万円の提案がありました。

さらに数日後、B行から3,000万円の提案です。

しかし、C銀行とD銀行からは何の提案もありませんでした。

 

金融機関はどこも同じように見えますが、実はそれぞれ戦略が違います。

C銀行とD銀行から提案がなかったのは、関与先様の問題ではなく、

金融機関側の戦略の問題です。金融機関の戦略の一例をご紹介します。

 

ある信用金庫は、返済に苦しんではいるが一定のキャッシュフローがあり

かつ不動産を持っている企業に対して、返済期間10年超の超長期貸出を

戦略的に行っています。

金融庁のルールに則ると「要注意先」となるため、他の金融機関が新規融資を

敬遠する企業を敢えて狙っています。

 

競合が全くいないため、担保が充足していて、かつ返済可能なキャッシュフローのある

企業に対して、この信用金庫は3~4%台の高金利で融資をしています。

まさにブルーオーシャンです。

 

この戦略は徹底しており、他行から融資を受けられる状況にまで業績が

回復したからと言って、金利を引き下げる交渉をしても、基本的には応じてくれません。

金利競争をするぐらいなら他行に行ってください、というスタンスです。

そのかわり、また業績が悪化した時に備えて、1,000万円程度の取引は

残しておいた方が良いのではないですか?と注文をつけてきます。

もちろん金利は3~4%です。

 

ある地方銀行は業界を絞っています。

その業界の中心的な企業に行員を数年間出向させ、業界のことを学ばせたうえで

銀行に戻し、審査部に据えるという徹底ぶりです。

決算書にあらわれない情報を持っていますので、貸し倒れが少ないのはもちろん、

決算書だけで判断している他行が融資できない先に融資をすることもできます。

 

他にも、保証協会との提携商品だけをひたすら提案し続けている信用組合など、

良く知れば、金融機関ごとに違った個性や戦略を持っていることが分かります。

貴社がどれ程立派な企業でも、全ての金融機関に好かれることはありません。

各金融機関の戦略を良く理解して、自社に合った金融機関を選びましょう。

会計は、人類が作り出した偉大な発明の一つです。

会社の財産や収益の状況を、詳細にわかり易く表現してくれる英知の結集です。

自社の経営の場面においては、その状況を継続的に把握することで、

経営の成果の確認や、次の判断の礎になります。

また、金融機関や株主などのステークホルダー(利害関係者)に対しては、

経営の進捗を示す指標になります。

会計とは、たいへん有益で興味深いものです。

経営者は、少しずつでも、会計への理解を深める必要があります。

理解した方が得です。また、会社には、会計を行う機能、財務機能が必要です。

中堅規模以上の会社には必ずあって、創業から小規模企業・個人事業者様にない機能が

この財務機能です。

財務機能は、会社の規模が小さいから不要、というわけではありません。

この機能の欠落、財務無策は、創業から小規模企業・個人事業者様が

破たんする主因の一つです。

 

Q1:利益が出ているのに現預金がない。

大変不思議に感じられる方も多いようですが、これはよくある事象です。

 

A1:「利益は、現金以外に形を変えている。」のが原因です。

・今月売れた商品のお金の回収が来月である時、決算期末が今月なら、

決算書には未回収のお金が売掛金として計上されます。

今月売れて来月回収できるなら、それは今月の売上です。

お金の回収は来月であっても、売上は今月上がります。

故にお金には変わっていませんが、利益には加算されます。

この売掛金が大きく、お金に変わる期間が長い時など、利益は出ているが

お金はありません。

・来月以降売れる商品を事前にたくさん作って(または、仕入れて)持っている場合など、

同様の結果になりがちです。

・資産を購入した場合なども、同様の結果になりがちです。

黒字倒産は、上記に対する財務無策が原因です。

会計を理解しておれば、絶対に起こりえない悲劇が黒字倒産です。

 

Q2:利益は出ていないのに、現預金は潤沢だ。

 

A2:多くはありませんが、上記の逆のケースで起こります。

ただし、次の売上が止まった瞬間に急激に資金繰りも悪化します。

お金があるから油断していますが、まさかが起きれば途端に破たんします。

会計を理解しておれば、事前に打てる手もあります。

 

Q3:借入れは最小限にとどめたい。

 

A3:心情的にはわかりますが、正解ではありません。

借入れは適正に行う、さらに、経営基盤が弱く、金融機関の評価が高くない時は、

多めに現預金残高を確保することをお薦めしています。

経営基盤が強くなるにつれて、徐々に多めから適正に近づけて行く方法が現実的です。

総じて経営基盤の強くない、創業から小規模企業・個人事業者様には、

「借りられる時に借りられるだけ借りる。」と申し上げているのはこのためです。

 

Q4:今月・来月末までに資金が必要だ。

 

A4:「遅い」のです。間に合わないケースも少なくありません。

「遅い」とは二つの意味があります。

1.手続き的に間に合わないケースが一つ目です。

資金調達はできそうですが、時間的に厳しいケースです。

2.手続きの時間ではなく、今は調達できない、この意味で遅いケースが二つ目です。

過去の適正なタイミングで資金調達すべきでした。

または、もっと早い段階で返済猶予を受けるべきでした。

この様なケースは少なくありません。とにかくお金に関する備えが遅い、備えを怠る

創業から小規模企業・個人事業者様に多く見られる財務無策の典型です。

 

財務に対する施策は、会計を理解した上で、適時・継続的に行うべき事柄です。

資金が必要な時に、お金に困った時に、スポットで行う事柄ではありません。

 

創業から小規模企業・個人事業者様に対して、継続的な財務機能を廉価で

ご提供する用意があります。税務顧問業務と併せて行うことで、

また、必要なスペックのみに限定することで、極めて廉価にご提供できます。

お金に困っていない社長様も、お金に困りそうな予感がする社長様も、

「遅い」とならない内に、ご相談ください。

 

少なくない小規模企業様が、財務無策による破たんに陥っている事実を

重く受け止め備えてください。

事業規模を拡大するためには、営業力に加えて資金力が必要です。

しかし、金融機関は、今現在の事業規模に見合った融資を原則としていますので、

将来のための成長資金を獲得するのは、少しハードルが高くなります。

 

もちろん、成長資金の融資を全く行わない訳ではありません。

新店舗を出したいと言えば、計画を精査して融資をしてくれますし、

月商1,000万円の企業が、月商1,500万円を目指すための

増加運転資金も融資してくれます。

しかし、3店舗分をまとめて融資することはありませんし、

月商1,000万円の企業に対して、月商5,000万円を目指すための

増加運転資金を融資することもありません。

 

銀行が成長資金を少しずつ提供する理由は、スピードよりも着実に成長することを

好むためです。しかし、経営者は、銀行の想定しているスピードよりも早く成長したいと

考える方が多いため、銀行の姿勢に苛立ちを感じてしまいます。

銀行から成長資金を多めに獲得するためのポイントは、以下になります。

 

1.小さくても良いので黒字の実績を作る。

2.自社のビジネスモデルを銀行に良く理解してもらう。

3.自社のお金の流れを銀行に良く理解してもらう。

4.手元資金が増えれば、自社の売上、利益、資金がどのように増えるかを

資金繰り表などで具体的に示す。

5.目指している将来像を銀行に良く理解してもらう。

6.上記の活動を複数行に対して行う。

 

決算書と試算表を持参して普通に融資を申し込んでも、現在の実績に応じた融資しか

実施してくれません。

上記のポイントに沿って説明し、成長の意志を明確にしてください。

また、1行よりも複数行に説明を行うことで、健全な競争原理が働き、

結果として自社の事業規模よりも、少し多めの資金を手にすることができます。

 

弊所が財務部長の代行を行っている企業様の例ですが、創業後3年間で、

累計約1億円の調達を行った企業が複数あります。

資金を調達して業績を伸ばし、さらに大きな資金を調達してさらに大きく業績を伸ばす、

好循環経営を実現しています。

■社長に必要な資質をひとつだけあげるなら、私は当事者意識を選びます。

社長には強烈な当事者意識、例え何が起きても、それが不条理や不運であっても、

その運命も含めて100%自分の責任と瞬時に思えるそれが必要です。

 

◆うまく行かない時、それはすべて社長ひとりの責任です。

100%です。

・例え約束していた取引を急に断られても…

・例え約束していた融資を突然反故にされても…

・例えたくさん売れると謳った広告の商品が全く売れなくても…

・例え信頼していた部下が勝手な都合で突然辞めると言ってきても…

・例え頭上から隕石が降ってきて当たっても…

・例えよくできた詐欺に引っかかっても…

(※詐欺の場合、法的な対応を別次元で検討ください。)

これが社長の立場です。

 

◆理由は簡単です。

・約束していた取引を急に断られた時は、恨むより先にやるべきことを考えねばなりません。

・融資を突然反故にされた時は、恨むより先に資金の目途を付けねばなりません。

・全く売れなければ、恨むより先に次の売上を作らねばなりません。

犯人探しに浪費する時間は無駄です。次の手を考えることが先です。

この時必要なのは、誰が悪いかではなく、何をすべきか…です。

次に再発防止を考えますが、相手が悪い、自分は悪くない、この前提条件から

自分自身の反省、総括はできません。

他人に責任を転嫁する人は、総じて間違えを繰り返します。

 

◆別の理由もあります。

上手く行かなかった責任を、他人や他社に転嫁しようとする社長を世間は嫌います。

経営の結果責任を負うのが社長の立場です。原因なんて本当はどうでもいいのです。

要は、上手く行かなかった、ということです。

他人や他社への責任云々の言動に賛同する人は、(少なくとも一流人の中には)

一人もいません。

 

■以下、アメリカの著名な牧師、ロバート・シュラー氏の言葉を著書から引用します。

・もしこれが駄目なら、他にどんな方法があるかを検討しよう。

すべての可能性を調査しよう。

・自分のゴールまでの道、あるいはもう一つの残された道や可能性を自分で決定しよう。

・自分の決断に責任をもとう。

・自分の運命に責任をもとう。

・自分はあやつり人形ではない。単なるスーパーコンピューターをはるかに越える魂をもった

生き物が、己の意志で判断する、これが人間というものだ。そして、これがリーダーシップだ。

自分のことは自分で考えよう。

・必要があれば、自分の精神構造や情緒パターンも積極的に変えていこう。

・リーダーシップを、他人やほかの権力に売り渡すのはやめよう。

・消極的な思考に負けて、自己決断の責任を放棄するのはやめよう。

・いちばん先頭に立とう。自分の人生のリーダーは自分なのだ。

・権力におびえて、逃げ出すのはやめよう。

・いつまでも自分の魂の航海のキャプテンでいよう。席を離れたすきに、誰かが舵を奪い取って、

あなたの肉体や心や永遠の魂まであやつってしまうことのないように注意しよう。

(引用終わり。)

 

■決断したのは社長自身です。

・急に断られるような取引をあてにしたのは自分です。

・突然反故にされるような融資に期待したのは自分です。

・たくさん売れるという広告を信じ契約したのは自分です。

・突然辞めると言い出す部下を(辞めないと)信頼したのは自分です。

・落ちてくる隕石の下を歩いていたのは自分です。

・詐欺に引っかかったのは自分です。

 

■強烈な当事者意識は社長に必要な資質の一つ目です。

景気のせいで…不況業種だから…△△に騙されて…上手く行かない、

このような言葉を発する社長も残念ながら少なくありません。

すべて自分の力不足です。その運命まで含めて受け入れた時に、

幸運が待ち構えている、と偉人たちはおっしゃっています。

 

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様々なところで「経営者は数字に強くなくてはならない!」等と言われます。

そもそも、「数字に強い」とはどういう意味でしょうか。

「計算が速い」、「多種多様な公式を操ることができる」、といった

「計算能力」を指しているのでしょうか。

 

高度な数学の知識がなくても、特段経営に支障はないはずです。

暗算が苦手ならば電卓が素早く答えを出してくれますし、

取引の仕訳が苦手ならば経理の担当者が、給与計算が苦手ならば社労士さんが、

税金の計算が苦手ならば税理士さんがサポートしてくれます。

経営者自らが計算しなくても、文明の利器や人材を上手に活用して、

経営に必要な情報を収集する事は可能です。

大切なのは、計算する力ではなく、正しい経営判断を下すために、

収集した数字の情報を読み解く力です。

 

「数字に強い」とは、「数字を読み解く力」の事を指しています。

算数ではなく国語です。

経営者は、財務諸表を作れなくても問題はありませんが、

出来上がった財務諸表を読み解く力は絶対に必要です。

財務諸表の読み方を覚えることは、スポーツを始める時に

ルールを覚えるのと同じぐらい基本的なことです。

 

ただ、本当に重要なのはその次です。同じ財務諸表でも、

]税務署、銀行、経営者は、それぞれの立場によって、全く違った見方をします。

基礎的な読解力は当然のこととして、3つの目線(「税務(税務署)」、「財務(銀行)」、

「経営」)から決算書を読み取れなくてはなりません。

その「深み」が分かれば、よりバランスの取れた経営判断を下すことができます。

 

しかし、3つの目線で財務諸表を読めるようになるためには、

実際に税務調査を経験したり、銀行からお金を借りたり、経営者としての

キャリアを積み重ねたり、といった経験と実績が少なからず必要です。

書籍に頼っても、この「深み」についての記述があるものは、殆どないと感じます。

 

では、「財務諸表の深みを読み取ることに何年も時間をかけていられない。」という

経営者様はどうすれば良いのでしょうか。

簡単ではありませんが、人材を探して任せるしかありません。

教科書的に財務諸表を読み語れる人材は星の数ほどいますが、

中小零細規模企業の財務諸表の深みを読み語れる人材は本当に

希少ですので、以下のポイントを良く見極めて依頼してください。

 

・経営者や実務担当者として、実際に企業運営に関わる資金繰り管理を行った

経験がある。

・経営者や実務担当者として、実際に金融機関から資金調達を行った経験はもちろん、

相当数の調達の実績がある。

・経営者や実務担当者として、実際に税務調査を受けた経験がある。

・これらの経験や実績は、自社と同程度の規模の会社で行ったものである。

 

ビジネスの世界は知識だけでは不十分なようです。

必ず経験と実績を確認してください。

創業したら、早めに以下の4つを実行してください。

1.モデルとする事業体を見つけてベンチマークする。

2.偉大な「師」を見つけて、考え方や生き方の指針とする。

3.身近な「師」を見つけて、時には叱咤激励を受ける。

4.志を同じにする「友」を見つけて励ましあう。

 

■モデル事業を見つけて研究を続けてください。

最終的にはオリジナルな経営体を構築したいでしょうが、

スタート時は模倣から始めることが現実的です。

「守・破・離」の「守」、真似ることから始めてください。

真似る対象となるモデル企業を探してください。

同業でなくても、真似るべきポイントを限定すれば、学ぶべき点は

多くありますが、最初は同業・類似業種が良いでしょう。

 

○コンシューマー向けの事業、例えば、飲食店や物販店、ネット通販などでは、

自らが顧客となってサービスを受けることができます。

利用者目線での研究も可能です。

○モデル企業が上場企業であれば、経営実態が公開されています。

有価証券報告書を読み込めば、決算内容・収益構造まですべて読み取れます。

○未上場企業でも、帝国データバンクなどで大まかな経営実態がわかることもあります。

○ホームページも、仮説を持って詳細に読み込めば、相当量の情報を得ることができます。

○SNSで社長のコメントを継続してみていくと、勉強になります。

 

■学べる経営者を見つけて「師」と仰いでください。

社長とは、その大小にかかわらず上司の存在しない、自分ですべてを決めて、

その責任をすべて一人で背負うトップの立場です。

誰も教えてくれない環境下でも、考え方や生き方を継続して学ぶためにも

「師」が必要です。

 

○偉大な「師」を探しましょう。「松下幸之助先生」「稲盛和夫先生」「大前研一先生」

「船井幸雄先生」等々、書籍を読み漁ってください。

自分自身が一番受け入れやすい先生を探して、心の「師」と仰ぎましょう。

このクラスの「師」は、書籍・CD・セミナー等々のコンテンツも豊富です。

勝手に弟子になって勉強できます。

○身近な「師」を探しましょう。自社の事、自分の事、具体的に親身になって

相談に乗ってくれる人、時には厳しく叱ってくれる人…容易ではありませんが、

求め続けましょう。

 

■志を同じくする「友」を見つけましょう。

競合関係にない同業・類似業種の同年代の「友」が理想的です。

志や考え方レベルが同程度でないとうまく行きません。仲の良い遊び仲間とは違います。

○大きな「師」を仰ぐ勉強会

○大手のコンサルタント会社が主催する業種別勉強会

○筋の良い経営者交流会

○事業を営む学友

等々、求めておれば見つかります。

自社の経営に対するすべての最終責任は、社長が一人で背負うことになります。

「師」も「友」も「コンサルタントの先生」も…誰にも代わってもらえません。

意見を求めることは出来ても判断を求めることは出来ません。

故に、社長は孤独です。

だからこそ、社長は孤立してはいけません。

 

孤立しないために、意図的に外部に対して、様々な心のバイパスを準備してください。

そのために「師」と「友」は大切です。

 

◆モデル企業のベンチマーク、ITインフラを活用して最大限行ってください。

◆「師」と「友」作りに励んでください。

 

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成長段階にある経営者様との会話で良く出るのが、「No2の採用」に関する話題です。

自分の右腕になる人材がいないというのは、多くの経営者様が抱える課題ではないでしょうか。

しかし、一口にNo2と言っても様々なタイプがあります。

自身がどのようなタイプの人材を求めているのか、案外明確でない方も多いようです。

 

先日のある経営者様との会話です。

No2を探しているとのことでしたので、どのような役割を期待しているかをお聞きしたところ、

「粗い情報を投げるだけで書類作成などを行ってくれるような人が欲しい。」とおっしゃいました。

イメージは分かりますが、家族ですらそのようなサポートを受けられるか怪しいものです。

一番困っているものは何かと絞り込んでいくと、結果は「銀行対応(資金調達)」となりました。

 

一般的に営業を得意分野とする経営者様が多いためか、世間でNo2と呼ばれている方は、

経営企画や財務などを得意分野としていることが多いように感じます。

先述の社長様についても、望んでおられるNo2のイメージ像は、

世間一般でいう財務部長に近いイメージでした。

よって、財務部長を雇用すれば解決するのではと提案したところ、

「もちろん財務部長という役職は聞いたことがあるが、

実際どのような仕事をしている人かピンと来ない。」と打ち明けられました。

確かに財務部長がいる中小企業は多くありませんので、

財務部長の役割を明確にイメージできる方は少ないかもしれません。

 

財務と経理は混同されがちですが少し違います。

経理の役割は日々の取引を記録することですが、財務の役割は、

経理が記録した数値を分析して、資金調達等のアクションを起こすことです。

財務部長には、財務諸表を見て会社の状態を把握するスキルはもちろん、

金融機関の考え方を熟知したうえで、的確な資料を作成するスキルも求められます。

財務部長は、番頭さん、金庫番、参謀などと呼ばれることもあります。

 

経営者様によって思い描くNo2のイメージはそれぞれです。

現場を任すことができる営業部長、戦略を描くことができる経営企画部長、

人心掌握に長けた人事部長、資金の管理や調達を行う財務部長等です。

 

中堅規模以上の会社には、財務部長もしくはそれに準ずる方が必ずおり、

社長は営業に専念し、財務部長が資金調達を行うという役割分担ができています。

 

社長様が探しているNo2は、実は財務部長のことかもしれません。

■創業時に必要な会社の設立や諸手続きなどのスキル、これは少しのお金で解決できます。

廉価で手伝ってくれる専門家も星の数ほどおられます。当事務所でもお手伝いします。

書籍を購入して自分で進めるか、専門家に依頼するか、いずれにしても大した問題ではありません。

 

■大切なのは、今から始めようとする事業が立ち上がるかどうかです。

創業から一定期間経過した時に、

○「イメージ通り順調に立ち上がった」社長もおられます。全体の10%ぐらいでしょうか。

レアな幸運と実力の持ち主です。

○「紆余曲折を経て、何とか無事に立ち上がった」社長もおられます。

全体の30%ぐらいでしょうか。

成功者の大半はこのパターンです。

この結果は、今貴殿が想定しておられる『仮説』通りに事業は立ち上がらないと

いうことを示しています。

○「何とかやっているが、当初の目論見には程遠い状況だ」とおっしゃる社長もおられます。

全体の30%ぐらいでしょうか。

「独立しない方がよかったかも」との声も聞こえます。

○「廃業、又は、清算すべき状況」の社長もおられます。全体の30%ぐらいでしょうか。

※上記の比率は感覚的な数値です。ご容赦ください。

 

■成功の確立を高くするためには、社長として、経営に対する考え方をしっかり持つことが

重要です。スキルではなく考え方です。

 

1.最初に『大きな成功』のイメージを漠然とでも持ちましょう。

事業がうまく行った暁には、このようなことが実現する、

顧客は…、従業員は…、自分は…こうなる、

大きなイメージ・夢を持ってください。楽しい想像です。

精一杯イメージを膨らませてください。

・N年後、貴社は、どんな風になっていますか?

・どんな顧客が、どんな風に喜んでおられますか?

・会社の規模はどれぐらいですか?年商は?利益は?従業員の数は?支店は?等々

 

2.次に『大きな成功』の途上の『創業の成功(デスバレーを越える)』ポイントを

明確に定義しましょう。

併せて、『創業の成功』のための『仮説1』を立案しましょう。

・損益分岐点を最初に超える時の、月次損益を想定しましょう。

売上高、粗利益率、販管費はいくらですか?

・損益分岐点を超えるまでに、どれくらいの時間と、どれぐらいの資金が必要ですか?

・そのために、何から始めて、どの程度実行しますか?

・上記が、今の自分の力に対して力相応ですか?検証しましょう。

※上記の1.と2.を区分してください。まずは目先の目標である2.を念頭に置いて

経営してください。

1.を想定すると間違えます。また、創業の計画は2.です。1.ではありません。

創業融資計画書に1.を書くのは間違えです。

 

3.『仮説1』が立案できたら事業を開始しますが、『仮説1』を鵜呑みにしないこと、

これを忘れないでください。

・『仮説1』に沿って事業を開始しますが、『創業の成功』収める時には、

『仮説10』程度に進化しているはずです。

・『仮説1』を確実に執行しながらも、『仮説1』に執着し過ぎない、

常に『仮説2』を探し求めることがコツです。

※短命な創業社長は、創業時に立案した『仮説1』を進化させることが

できなかったケースがほとんどです。

そもそも創業時に、創業後のすべてを想定した『仮説』を立てることは不可能です。

やりながら変化させる、これが『仮説』です。

 

4.『仮説』を立てるために、『仮説』を執行するために、社長にはたくさんの知見が必要です。

知見は多い方がよい、当然です。そのためには、勉強と、それを学び受け入れるための謙虚さが必要です。

・「無知の知(自分が知らないことを自覚すること)」、これが謙虚さの本質です。

・「無知の無知(自分が知らないことを自覚しないこと)」、上手く行きません。

※どんなに優秀な人生を送ってきたとしても、創業社長は社長としては若葉マークです。

また、少しぐらい成功しても、世の中にすごい人は大勢います。

乾いたスポンジのように、世の中からどんどん吸収していきたいものですね。

 

■創業者様の成功を祈念しています。

『大きな成功』のイメージをお聞きします。大いに語ってください。

『大きな成功』の途上の『創業の成功(デスバレーを越える)』ポイントを具体的に模索しましょう。

『仮説1』を数値計画に落とし込みましょう。『仮説』の検証をお手伝いします。

我々の持ち合わせている『財務の知見』を最大限ご提供します。活用ください。

今貴殿が想定しておられる『仮説』通りに事業は立ち上がらないということを想定してください。

「紆余曲折を経て、何とか無事に立ち上がった」成功者の大半はこのパターンです。

紆余曲折は成功のために通過する必要なプロセスです。

 

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銀行融資プランナー協会が推奨する中小零細規模企業の財務方針に、

「銀行融資は借りられる時に借りられるだけ借りておく」というものがあります。

この方針について、関与先様から「借入が増えると銀行からの評価が下がるのでは?」という

ご質問を度々頂戴します。

本質問について、関与先様の実例に沿って解説致します。

 

■ A社の事例

業歴6期の卸売業を営むA社の事例です。年商4億円、経常利益5百万円、

借入残高4千万円の時に関与を開始しました。

売掛期間、在庫期間が長く、運転資金の確保に苦慮していましたので、

弊所が関与して4千万円の資金調達を行いました。

当然ながら決算時には、前期の決算に比べて借入額が倍増しています。

また、業績も僅かながら減収減益となっていました。

しかし、そのような決算書を銀行に提出したにも関わらず、

すぐに複数行から新たな融資の提案をもらいました。

 

このような事例はA社だけでなく、多くの関与先様で日常的に起きています。

このことから、借入の増加が、その後の資金調達に直接的な悪影響を及ぼさないことが

分かります。但し、次の点もあわせてお伝えしなくてはなりません。

 

A社の借入増加が資金調達に悪い影響を及ぼさなかった理由は、

まず、増加した借入金の使途が収益弁済を必要としない運転資金であったこと、

次に、借入の大部分が預金に滞留していたことにあります。

さらに付け加えるならば、今期の増収を見込む事業プランを示して、

増加運転資金のニーズもお伝えしていたことです。

「借入が増えたら銀行の評価が下がる」というのは、一瞬説得力があるようにも感じますが、

借入の中身や使い道の議論を取っ払った非常に雑な考え方です。

 

もちろん、財務内容によって各企業の借入可能額は決まっていますので、

際限なく借入ができる訳ではありません。

A社の調達余力も、借入の増加に伴って小さくなっていきます。

但し、これは銀行からの評価が下がったのではなく、実力相応、

最大限の調達ができていると考える方が健全です。

 

銀行対応については、正確な情報が少ないがゆえに、誤った情報や、

浅い議論に基づいて銀行対応を実践しているケースを散見します。

間違った銀行対応は、貴社の成長の芽を摘むだけでなく、

取り返しのつかない結果を招く危険性もあります。

銀行対応にまつわる話は、感覚的に受け入れるのではなく、

実証的な話かどうかを判断基準にしてはいかがでしょうか。

 

銀行融資プランナー協会が推奨する、

「銀行融資は借りられる時に借りられるだけ借りておく」という財務戦略は、

多くの中小零細規模企業様にとって、有益であることが実証されている財務戦略です。

銀行の評価を下げるどころか、追加融資の提案を受けやすくなっているのが実情です。

ご安心ください。