前回号のつづきです。

言い古された言葉ですが、時代は大きく変わっています。特に
1995年以降のIT革命は、ビジネスのルールそのものを変えて
しまいました。であるにもかかわらず、多くの中小企業は昭和
中期の考え方で、ビジネスモデルで経営を続けています。

日本の一人当たり労働生産性がOECD加盟38カ国中28位(IMF
は、2022年は30位に下がると予測)にまで落ちてしまった大
きな原因の一つには、これが挙げられるはずです。

新しいビジネスのルールに適合させること、時流・トレンドを
捉えること、言い換えると、そのためのイノベーションに励む
ことが急務です。

以下、時流・トレンドに適合して、イノベーションを起こすた
めの8つのヒントについて言及します。

◆1.デジタルシフト!

〇デジタルが主、リアルが補完する、パワーバランスが変化す
る!
※試着(現物確認)・リサーチ専門店の出現!
※基本はデジタル、リアルは限定的に!

◆2.中間流通、小売業の衰退!

〇中間事業者はニューミドル(販売代理⇒購買代理)の立ち位
置を確保!
〇メーカー(サプライヤー)はD2C(C2M)マイチャンネ
ルの構築!
〇プラットフォーマーと共存!

◆3.マネタイズ、投資思想、顧客との関係性の変化!

〇売り切りからサブスク(継続課金)への転換を図る!
〇フリービジネスの更なる台頭!マネタイズポイントの変化!

◆4.商品・サービス提供からソリューションの提供へ!

〇もの・こと提供者からソリューション提供企業への転換!
※ブリヂストンはタイヤメーカーからソリューション提供企業
へ!

◆5.業界分類の崩壊!

〇現業界にこだわらない事業展開!業界の壁の破壊!事業立地
の変更!
※アマゾンは、物販⇒クラウド⇒金融⇒…

◆6.持たざる経営、保有のデメリットが顕在化!

〇日本のBIGカンパニーは保有のデメリットと戦う!
※人・ハード…余剰整理との戦い!

◆7.経済の効率化が進む!

〇本格的な人余りの時代が到来する!
〇大企業は余剰人員・余剰設備の削減と戦う!
〇ベーシックインカムの検討・導入?

◆8.格差が拡大する!

〇中小企業はアッパーニッチで自社領域の確保を目指す!
※ロアマスに生きる余地は少ない!

絶対に逆らってはいけない相手は時流・トレンドです。時流と
いう強烈なうねりに適合しながら、自社の経営をより良いもの
に作り込んで行きましょう。

店舗型の事業を営む方から、新規出店資金の調達が上手くいか
ないというご相談がありました。既に施設を3店舗有しており、
今回は4店舗目の出店を計画しているそうです。

財務内容を拝見すると、確かに借入水準はやや高い状態ですが、
一定のキャッシュフローは出ており、また、見合いの固定資産
も有しているため、全く話を聞いてもらえないレベルではない
と感じました。

今回、社長様と経理の担当者で来社されたのですが、社長様は
とにかく新しい店舗を矢継ぎ早に出店したい、経理担当者は社
長に振り回されて資金調達に奔走しているという印象を受けま
した。

経理担当者に、融資申し込み時に提出した資料を見せて欲しい
と依頼すると、決算書と試算表だけだとおっしゃいます。金融
機関に、4店舗目を出店する話もしていないそうです。

これまでの資金調達についても、実際には店舗の出店資金であ
ったが、計画書類を提出したことがなく、全て運転資金として
融資を受けてきたとおっしゃいます。借入の中身を見たところ、
確かにコロナ融資が過半数を占めています。

業種・業態によって、運転資金の融資上限額はある程度決まっ
ています。一方、設備資金は個別の計画を検証したうえで、総
合的に判断されますので、上限額が最初から決まっている訳で
はありません。

よって、今回も運転資金として融資を申し込んだ場合、過去の
融資が実際は設備資金にあてられたとしても、「運転資金は十
分に貸しているでしょ。」となるのは当然です。

経理担当者は、「元々財務の知識がある訳ではないし、資金繰
りも厳しいので、運転資金でお金が必要なのか、設備資金でお
金が必要なのか区別が出来ていなかった。」とおっしゃってい
ました。

運転資金の方が提出書類も少なく、申込が簡単ではありますが、
借入額に上限があります。使い道が設備であれば、設備資金と
して個別に調達をすることで、運転資金の枠を残すことが出来
ます。

設備資金は見積書や計画書等の提出が必要になりますが、丁寧
にひも付きにすることで、調達の総額を増やすことができます。
○金融機関対応に関するご相談は、銀行融資プランナー協会
正会員事務所にて承っております。お気軽にご相談ください。

前回号のつづきです。

■低生産性の原因と対策は…

◆低生産性は現場の問題ではなく、マネージメント(経営)の
問題です。

低生産性の解決策を、個人の仕事のスピードアップや業務効率
の改善に求めるのではなく、会社全体のシステムの問題として
とらえるべきでしょう。低生産性の原因は、現場ではなくマネ
ージメントの問題です。この認識が必要です。

◆生産性向上のための対策は…

1.ビジネスモデルを転換する、効果は◎です。

容易ではありませんが、より単純(Simple)で高収益(Profitable)
なビジネスモデルに転換出来れば、その生産性は格段に向上し
ます。これこそ社長の仕事です。惜しみない勉強が必要です。

2.業務を減らす、効果は○です。

仕事を棚卸してください。思い切って業務を20%やめましょう。
業務を減らせば仕事は減ります。業務を減らすためには、業務
そのものを棚卸するだけでなく、過剰な品質になっていないか
どうか、業務内容も検討してください。業務が過剰品質になっ
ているケースも少なくありません。
※やめることを探してください。上手にやろうとするのではな
く、思い切ってやめる、この決断が必要です。

3.その他、あらゆるものを減らす、効果は○です。

提供するサービスや商品、不採算顧客等、あらゆるものを棚卸
する必要があります。聖域を設けずにあらゆるものを対象にし
て、選別して減らすことを考えてみましょう。
※不要なモノがたくさん混在しています。悪の根源はこれらの
不要なモノです。

4.値上げする、効果は○です。

単価を5%上げることができれば、生産性は5%向上します。
一律の値上げは乱暴ですが、不採算商品や不採算顧客に対する
値上げは有効です。減収の覚悟も必要ですが、案外値上げが通
ることもあります。重い判断になりますが、選択肢として排除
すべきではありません。

5.過度なサービスをやめる、効果は○です。

メニュー表にない+αのサービスを、しかも無償で担当者が提
供し続けているケースは少なくありません。これも棚卸して顕
在化させてください。サービスの必要性を担当者個人の裁量に
委ねるのではなく、経営として判断してください。必要なら正
式に行う、不要なら会社としてやめる…判断してください。
※無償サービスを会社として容認し続けるロスは、担当者個人
の負担として、その担当者を直撃します。退職につながるケー
スが多いです。

6.生産性を管理する、効果は○です。

部門ごと、出来れば担当者ごとに、その生産性を把握できる指
標を設けて管理してください。部門、出来れば担当者ごとの実
績を把握し、目標を決めて、継続的に管理することは大変有効
です。
※担当者個人を責めるための管理ではありません。生産性を改
善させるため・個人の負担を軽減させるための管理です。

7.業務のスピードを上げる、効果は△です。

同じことを10%早くやれば、確かに生産性は10%向上します。
確かに重要ですが、精神論・根性論に終焉しがちです。マネー
ジメントとしての対策(上記の1~6)を進めながら、並行し
て取り組んでください。

◎1~6はすべてマネージメント(経営)の問題です。低生産
性の原因は、現場の問題ではなく、すべて経営、言い換えると
(中小企業では)社長一人の問題なのです。

日本政策金融公庫及び商工中金で取り扱っている新型コロナウ
イルス感染症特別貸付(コロナ実質無利子・無担保融資)の申
込期限が6月末まで継続延長されています。

この借入制度は、既存借入の借換も可能であるため、現在の借
入を無利子化するという目的で利用できます。日本政策金融公
庫や商工中金で既に借入があり、要件を満たす方はご確認くだ
さい。

■ 実質無利子化について

個人小規模企業者・・・要件なし
個人中小企業者・・・売上高▲20%以上
法人小規模企業者・・・売上高▲15%以上
法人中小企業者・・・売上高▲20%以上

※小規模企業者とは
卸・小売業、サービス業は常時使用する従業員の数が5名以下、
それ以外の業種は20名以下の企業をいう。

※売上高要件
(1)最近1カ月の売上高または過去6カ月の平均売上高を、
前4年のいずれかの年の同期と比較
(2)業歴が3カ月以上、1年1カ月未満の場合等は、最近1
カ月の売上高または過去6カ月の平均売上高を、次のい
ずれかと比較
・過去3カ月(最近1カ月含む)の平均売上高
・令和元年12月の売上高
・令和元年10~12月の平均売上高

■ 金利引き下げ・実質無利子化の限度額
日本政策金融公庫中小事業 3億円
日本政策金融公庫国民事業 6,000万円
商工中金 3億円

■ 借換限度額
日本政策金融公庫中小事業 6億円
日本政策金融公庫国民事業 8,000万円
商工中金 6億円
※限度額は新規融資と公庫等の既往債務借換の合計額

新たな資金需要がなくても、金利負担を減らすことを目的と
して、利用を検討されてはいかがでしょうか。

少なくない日本企業の事業モデルは昭和の中期生まれです。で
あるにも関わらず、多くの経営者は、その事業モデルの管理の
強化や改善に明け暮れています。本当に必要なのは、事業の再
構築、言い換えるとイノベーション(=新・結合)です。

中小企業を含む多くの事業者が、事業モデル自体を刷新し始め
た時、日本の経済は再生するのではないでしょうか。まずは、
新しいビジネスの型を学び知り、自社の事業に掛け合わす【新
・結合】に挑戦しませんか?

経済産業省(国)が推奨する事業再構築(補助金)は、一つの
解の提案です。補助金を受ける、受けないに関わらず、その主
旨で謳われている「新分野展開、業態転換、事業・業種転換、
事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った
事業再構築」を今こそ断行しましょう。
以下、数字で見る日本の生産性について、その事実を受け止め
ましょう。〔公益財団法人日本生産性本部、労働生産性の国際
比較2021年度版より引用〕

◆日本の時間当たり労働生産性は、49.5ドル。OECD加盟38カ
国中23位。

・OECDデータに基づく2020年の日本の時間当たり労働生産性
(就業1時間当たり付加価値)は、49.5ドル(5,086円/購買力
平価(PPP)換算)。
・前年と比較すると、実質ベースで+1.1%上昇している。経
済が大きく落ち込む中で政策的に雇用維持をはかったことが労
働生産性を下押しする要因になったが、飲食店や宿泊業、生活
関連サービスなどを中心に営業時間の短縮や営業自粛の動きが
広がり、全体でも労働時間短縮が進んだことが結果として労働
生産性を押し上げた。
・日本の労働生産性は、米国(80.5ドル/8,282円)の6割
(61.4%)の水準に相当し、これは1988年とほぼ同じ水準。
主要先進7カ国でみると、データが取得可能な1970年以降、
最下位の状況が続いている。OECD加盟38カ国の中でも23位
(2019年は21位)となり、1970年以降最も低い順位になって
いる。
※実質経済成長率(前年比-4.6%),就業者数(同-0.7%),
購買力平価レート(2019年:103.63円→2020年:102.84円),
労働時間(同-5.2%)

◆日本の一人当たり労働生産性は、78,655ドル。OECD加盟38
カ国中28位。

・就業者一人当たりでみた2020年の日本の労働生産性(就業者
一人当たり付加価値)は、78,655ドル(809万円/購買力平価
(PPP)換算)。
・日本の一人当たり労働生産性は、ポーランド(79,418ドル/
817万円)やエストニア(76,882ドル/791万円)といった東
欧・バルト諸国と同水準となっており、西欧諸国と比較すると、
労働生産性水準が比較的低い英国(94,763ドル/974万円)や
スペイン(94,552ドル/972万円)にも水をあけられている。
・前年から実質ベースで3.9%落ち込んだこともあり、OECD加
盟38カ国でみると28位(2019年は26位)と、1970年以降最も
低い順位になっている。就業1時間当たりと同様、就業者一人当
たりでみても、主要先進7カ国で最も低い水準となっている。

◆日本の製造業の労働生産性は、95,852ドル。OECDに加盟する
主要31カ国中18位。

・日本の製造業の労働生産性水準(就業者一人当たり付加価値/
2019年)は、95,852ドル(1,054万円/為替レート換算)。
日本の労働生産性水準は、米国(148,321ドル)の65%に相当
し、ドイツ(99,007ドル)をやや下回る水準。
・OECDに加盟する主要31カ国の中でみると、18位であった。
1995年及び2000年をみると主要国で最も労働生産性が高かった
ものの、2005年は9位、2010年は10位、2015年には17位と年
を追うごとに後退している。その後順位がやや改善したものの、
2018・2019年は18位になっている。

◆コロナ禍における労働生産性の動向

・主要国の労働生産性(2021年4~6月期)を「コロナ前」と比
較すると、OECD加盟主要35カ国中19カ国でプラスとなった(実
質ベース・2019年4~6月期対比)。日本は-2.8%で、35カ国
中32位。
・米国は、2021年4~6月期の労働生産性が「コロナ前」を5.6%
上回っている。しかし、足もとでは経済の正常化に伴って雇用が
回復しつつあることが生産性上昇を下押しする要因になり、労働
生産性上昇率が鈍化してきている。
・一方、英国やフランスの2021年4~6月期の労働生産性は、
「コロナ前」を回復できていない。ただし、足もとをみると両国
の実質経済成長率は日本を上回っており、労働生産性も前年同期
を上回るようになっている。ドイツは、日本と比較的近い推移を
たどっている。
・日本の労働生産性は、2020年後半をみると英仏より回復が先行
していたが、2021年に入ってから停滞基調に転じている。
2021年7~9月期の労働生産性は、前年同期を0.9%上回っている。

セーフティネット保証4号の指定期間が令和4年6月1日に延
長されています。5号と併用もできますので、該当する方は制
度の活用をご検討ください。

■セーフティネット保証とは
売上が減少している中小企業者への資金繰り支援を目的とした
信用保証協会の保証制度です。

〇セーフティネット保証4号
自然災害等を含む突発的災害の発生により売上が減少した場合
に利用できる制度です。コロナウィルス感染拡大の影響を受け
た場合も4号に該当します。

売上高が前年同月比▲20%以上減少していることが要件です。

〇セーフティネット保証5号
業況の悪化している業種に属する中小企業者が利用できる制度
です。

下記指定業種に該当していること、売上高が前年同月比▲5%
以上減少していることが要件です。

※セーフティネット保証5号の指定業種一覧
(令和4年4月1日~同年6月30日)
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2022/220311_5gou.pdf
4号、5号ともに無担保の保証限度額は8,000万円です。
4号と5号は併用することもできますが、同じ枠になりますの
で、合算で8,000万円が上限となります。

指定業種に該当すれば、5号認定の方が売上高の減少要件はク
リアしやすいです。ただ、4号の保証割合が100%であるの
に対して、5号の保証割合は80%ですので、金融機関の審査
は厳しくなります。

売上高が▲20%以上減少していれば、4号を優先して利用す
ることをおすすめします。

…前回号からのつづきです。

加減して働かないでください!好む好まざるにかかわらず、人
生の多くの時間を費やす仕事に対する向き合い方について考え
てみましょう。

仕事が下手なのはつらいですね。リストラの恐怖も払拭できま
せん。仕事はできるだけ若い時に上手になった方が得です。自
分自身の人生を守れます。そして、身に付けた力は、生涯自分
自身の財産として使えます。
◆常に最善を尽くして働く人と、働き方を加減する人がいます。

この仕事に取り組む姿勢の差が、時間を経て実力の差になりま
す。雲泥の差です。人は多くの場合、自分の力を過信し、自分
の力を実力以上に評価しています。(これは必ずしも悪いこと
ではありません。)更に、自分に対する評価に合わせて働こう
とする人がいます。(これが問題です。)この二つが相まって、
自分の得ている対価に及ばない仕事で満足してしまいます。そ
して、『私は自分の得ている対価以上の仕事をしている』と胸
を張っています。『対価に対して十分貢献しているのだから、
これ以上は働かない』こんな考えに至ります。

仮に、現時点で成果が対価を大きく上回っていたとしても、仕
事のペースを落とすのは自分にとって得ではありません。これ
は、最低年俸のプロ野球選手が、自身の打率やホームランの本
数を意図的に制限し、『俺は最低年俸だから、打てるホームラ
ンも見送って、一定数以上は打たない』と決意しているような
ものです。現状の年俸が最低であっても、可能であれば30本で
も、40本でもホームランを打てば良いはずです。また、加減し
ていると、本当に打てなくなってしまいます。至極当然のこと
ですが、この理屈が理解できない人も少なくありません。

『働き方を加減しないでください。実際の給与の3倍もらって
いて、役職も2階級上のつもりで仕事に取組むことがコツです
よ。』と、繰り返し言い続けるようにしています。成果と対価
の関係は、短期間では見合っていないこともありますが、中期
的には必ず合致してくるからです。

◎常に最善を尽くして働く。働き方を加減しない。
◎実際の給与の3倍もらっていて、役職も2階級上のつもりで
仕事に取組む。
◎そして、すべて自分自身のためです。成果は必ず自分に返っ
てきます。
◆公私混同出来ない人は、ビジネスマンとして大成できません。
公私混同してください。

●時間を公私混同してください。継続が重要です。継続して考
えるから新しいものを生み出すことができます。継続して考え
るから難題を解決できます。

休日に思考を完全に切ってしまう人に、大きな仕事は成し遂げ
られません。継続して考えられないからです。休日には休めば
いいと思っています。時間を有効に使って、体をいたわり、気
分を晴らしながらでも、考えることをすべて中断してはいけま
せん。継続が重要です。

●仕事に投資してください。必要な費用があれば、たとえ経費
で認められなくても身銭を切ってください。

仕事に必要な書籍があれば、どんどん買って勉強しましょう。
仕事に必要な道具があれば、出来るだけ揃えましょう。
勉強になる場所があるなら、自費ででも訪れましょう。
自宅には、考え事が出来るスペースを準備しましょう。

仕事に一切私費を充てようとしない人がいます。会社のためだ
けにお金を使うのではないのです。自分自身の知恵の磨き込み
のため、自分自身の仕事の成功のためにお金を使うのです。こ
れがわかっていないのでしょう。仕事のために身銭を切ってく
ださい。何十倍、何百倍になって戻ってきます。

◎身銭と時間の投資を自分自身に行ってください。何倍にもな
って戻ってきます。

仕事はできるだけ若い時に上手になった方が得です。自分自身
の人生を守れます。そして、身に付けた力は、生涯自分自身の
財産として使えます。会社のためだけではないのです。

(※新入社員に伝えてあげてください。)

建設業を営むA社長からの相談です。「融資を申し込んだとこ
ろ、工事台帳の提出を求められた。作成したことがないので手
伝って欲しい。」という内容でした。

金融機関から見て建設業の決算書は実態を把握しづらい要素が
いくつかあります。建設業独特の勘定科目である完成工事未収
入金や未成工事支出金です。

建設業は1工事あたりの金額が大きく、毎月の売上も変動する
ため、完成工事未収入金や未成工事支出金も大きく変動します。
中には、その特性を利用して粉飾決算をしている企業もあるた
め、金融機関は融資に慎重になります。

金融機関の不安を払拭するのに有効な資料が工事台帳です。金
融機関が工事台帳から読み取りたい内容はいくつかあります。
例えば、工事ごとの利益状況です。各工事の利益率と決算書の
利益率が大きく乖離していないことを示せば、決算書は正しい
と納得してもらえます。また、工事のスケジュールも重要です。
将来に渡って、工事がどのように進行し、どのタイミングで売
上が立つかを示せば、今後の業績が順調に推移することを理解
してもらえます。

今回のご依頼は工事台帳の作成でしたが、資金繰り表もあわせ
て提出するとより効果が高くなります。工事台帳はあくまでも
工事に関する情報がメインであるため、工事以外のお金の流れ
は分かりません。建設業は決算書の損益とキャッシュの動きに
乖離がありますので、販売管理費や借入の返済を含めた全体の
お金の流れを示すのが親切です。

■ 建設業の融資申し込みのポイントをまとめます。

・建設業は決算書の提出だけでは不十分です。
・工事台帳で工事ごとの利益率を示し、決算書の正確性を補足
しましょう。
・工事スケジュールを示し、現在の受注残と今後の売上見込み
を説明しましょう。
・資金繰り表を作成し全体のお金の流れを説明しましょう。

A社は運転資金の調達が目的でしたが、設備資金の場合、さら
に事業計画書が必要になります。融資申込資料は単に作成すれ
ばよいということではありません。金融機関の意図をくみ取っ
た資料を作成しないと融資を受けられる確率が下がってしまい
ます。

融資申込資料の作成に悩まれたら是非ご相談ください。

…前回号からのつづきです。

■52枚のトランプを無作為に観客に並べ替えてもらった後に、
『種も仕掛けもありません。』と一通り(数秒間)観客にカー
ドの表を見せます。この時に52枚のトランプの並びをすべて
暗記してしまうそうです。後は、自分でトランプを繰り返し並
べ替えますが、どう並べ替えたかはすべて手の感覚で頭に入っ
ているそうです。何枚目に何があるのか、すべてです。観客が
『ストップ』と言って止まった場所のカードは、把握できてい
ます。さらに並べ替えながら、一枚ずつめくるカードを言い当
てます。トランプを使ったプロマジシャンの、種も仕掛けもな
いマジック?です。暗記力と正確な手さばき、まさに訓練の賜
物です。資質の問題もあるでしょうが、とんでもない努力を長
期間続けてこられたのでしょう。3年、5年、いや、10年以
上でしょうか。

■マラソンの世界記録ホルダーは、42.195キロメートル
を2時間1分強、時速20キロメートルを超えるスピードで2
時間走り続けています。資質の問題もあるでしょうが、とんで
もない努力を長期間続けてこられたのでしょう。3年、5年、
いや、10年以上でしょう。

■1万時間の法則があります。The New Yorkerの
スタッフライターであるマルコム・グラドウェル氏が提唱し始
めた、『集中して1万時間努力を継続できれば、その分野では
ある程度以上のレベルに到達できる』とする法則です。ダラダ
ラではなく集中して、これが条件です。

小学校1年生から野球を始めて、365日毎日3時間ずつ集中
して練習を継続できれば、高校1年生の夏に1万時間の壁を越
えられます。夏の甲子園で注目されるような選手は、皆1万時
間を越えているはずです。

■ビジネスマンにとって、1万時間の対象は何でしょうか?そ
の対象は、今の仕事そのもの、または、関連性の強い分野に絞
るべきです。

勤務時間をすべてカウントするならば、1日8時間、250日
で2,000時間、5年で1万時間に到達します。確かに、5
年も社会人を経験すれば、殆どの人はそれなりに仕事を覚えま
す。自宅での週末学習や、勤務後の自己学習に時間をつぎ込め
る人は、1日10時間、330日で3,300時間、3年で1
万時間に到達します。期間を集中している分、習得レベルも格
段に向上するはずです。年長者は、さらに、勤務時間を積み上
げているわけですから、いずれにしても1万時間の壁は越えて
いるはずです。

■仕事に対しては、プロ(を目指す)意識が重要です。

プロのマジシャンは52枚のカードを瞬時に暗記して自在に扱
えます。一流のマラソン選手は、時速20キロメートル前後で
二時間強走り続けることができます。プロの野球選手は、時速
150キロメートルの白球を打ち返すことができます。…等々

■ビジネスマンである貴方は、何ができますか?何ができるこ
とを目指しますか?

今取り組んでいる業務分野において、徹底的にプロ化を図るべ
きではないでしょうか?

営業職であるならば、日常の業務に百%のエネルギーを投入し
ながら、併せて、営業に関する様々な自己研鑽に励むことでし
ょう。関連書籍を読み漁ったり、音声で学んだりしながら、日
々の業務で仮説と検証を繰り返しながら、予算の達成に邁進す
るのでしょう。この様な姿勢で1万時間超の時間を過ごすこと
ができたなら、営業のプロとして立派に人生を送れるはずです。

経理職であるならば…
技術職であるならば…
等々、すべて同じです。

■プロとセミプロの間には、大きな壁があります。プロは、道
を究めた専門家です。セミプロは、良く知っている便利な人で
す。プロとセミプロの間には大きな壁があります。貴方がプロ
であるならば、貴方の食い扶持は生涯確保されるはずです。職
を求めて苦労することはありません。貴方がセミプロであるな
らば、運が悪ければ職を失います。

希望したのか?または、必然なのか?は別にして、今の仕事で
プロになりましょう。
会社のためだけではありません。自分のためにです。

…次回号につづく

ある社長様と決算対策のお打ち合わせをした際、「税金を減ら
す方策はないか?」とご相談がありました。資金調達が上手く
いかないという理由で今期よりお付き合いを始めた社長様でし
たので、「納税額を減らすこと」と「資金調達を成功させるこ
と」のどちらを優先しますかと聞き直したところ、両方だとお
答えになられました。

納税額と資金調達額はトレードオフの関係です。納税額を減ら
せば資金調達は難しくなり、資金調達を成功させようと思えば
納税額を増やさなくてはなりません。このシンプルな原理原則
に逆らって、決算前に利益を一生懸命削り、決算後に一生懸命
資金調達に動いている社長様が多くいらっしゃいます。

先述の社長様にも説明し、再度どちらを優先させるかお聞きし
たところ、「税金を払うと資金面で苦しくなる。利益を出せば
本当に資金調達は可能になるのか?不安だ。」とおっしゃいま
した。

同社は増収増益で推移しており、このまま決算を迎えることが
できれば、融資を受けられる可能性は非常に高いと考えており
ましたが、社長様の不安を払拭するために、決算前に納税資金
500万円の資金調達を行いました。

その後、節税のことは考えず決算月まで精一杯営業活動を行っ
た結果、大幅な増収増益で決算を迎えることができました。そ
の決算を持って資金調達に動いた結果、総額で8,000万円
の資金調達に成功しました。社長様は、「銀行の対応が今まで
と全然違う。どうしてこんなに融資をしてくれたのでしょうか
?」と嬉しそうでした。

節税よりも調達を優先した社長様が口を揃えておっしゃるのは、
「利益を出せば融資を受けられるのは何となく分かっていたが、
思ったよりも大きな金額を調達することができた。」というこ
とです。想定以上の融資を受けられる理由は、利益に対するレ
バレッジ効果が働くためです。

融資の上限はキャッシュフロー(純利益+減価償却費)に年数
をかけて算出します。キャッシュフローが100万円であれば、
7年分で700万円が融資の上限です。キャッシュフローが
500万円であれば7年分で3,500万円となります。
400万円の利益の差で、資金調達力は2,800万円違って
きます。

税金面から考えても同様です。実効税率35%と仮定した場合、
100万円の利益で35万円、500万円の利益で175万円
の税金です。140万円の税金の差で、資金調達力は
2,800万円も違ってきます。

100万円の利益の圧縮が、700万円から1,000万円の
資金調達の機会を失わせています。融資を活用してダイナミッ
クな経営をしたいとお考えの経営者はご相談ください。

○金融機関対応に関するご相談は、銀行融資プランナー協会
正会員事務所にて承っております。お気軽にご相談ください。