…前回号からのつづきです。

■52枚のトランプを無作為に観客に並べ替えてもらった後に、
『種も仕掛けもありません。』と一通り(数秒間)観客にカー
ドの表を見せます。この時に52枚のトランプの並びをすべて
暗記してしまうそうです。後は、自分でトランプを繰り返し並
べ替えますが、どう並べ替えたかはすべて手の感覚で頭に入っ
ているそうです。何枚目に何があるのか、すべてです。観客が
『ストップ』と言って止まった場所のカードは、把握できてい
ます。さらに並べ替えながら、一枚ずつめくるカードを言い当
てます。トランプを使ったプロマジシャンの、種も仕掛けもな
いマジック?です。暗記力と正確な手さばき、まさに訓練の賜
物です。資質の問題もあるでしょうが、とんでもない努力を長
期間続けてこられたのでしょう。3年、5年、いや、10年以
上でしょうか。

■マラソンの世界記録ホルダーは、42.195キロメートル
を2時間1分強、時速20キロメートルを超えるスピードで2
時間走り続けています。資質の問題もあるでしょうが、とんで
もない努力を長期間続けてこられたのでしょう。3年、5年、
いや、10年以上でしょう。

■1万時間の法則があります。The New Yorkerの
スタッフライターであるマルコム・グラドウェル氏が提唱し始
めた、『集中して1万時間努力を継続できれば、その分野では
ある程度以上のレベルに到達できる』とする法則です。ダラダ
ラではなく集中して、これが条件です。

小学校1年生から野球を始めて、365日毎日3時間ずつ集中
して練習を継続できれば、高校1年生の夏に1万時間の壁を越
えられます。夏の甲子園で注目されるような選手は、皆1万時
間を越えているはずです。

■ビジネスマンにとって、1万時間の対象は何でしょうか?そ
の対象は、今の仕事そのもの、または、関連性の強い分野に絞
るべきです。

勤務時間をすべてカウントするならば、1日8時間、250日
で2,000時間、5年で1万時間に到達します。確かに、5
年も社会人を経験すれば、殆どの人はそれなりに仕事を覚えま
す。自宅での週末学習や、勤務後の自己学習に時間をつぎ込め
る人は、1日10時間、330日で3,300時間、3年で1
万時間に到達します。期間を集中している分、習得レベルも格
段に向上するはずです。年長者は、さらに、勤務時間を積み上
げているわけですから、いずれにしても1万時間の壁は越えて
いるはずです。

■仕事に対しては、プロ(を目指す)意識が重要です。

プロのマジシャンは52枚のカードを瞬時に暗記して自在に扱
えます。一流のマラソン選手は、時速20キロメートル前後で
二時間強走り続けることができます。プロの野球選手は、時速
150キロメートルの白球を打ち返すことができます。…等々

■ビジネスマンである貴方は、何ができますか?何ができるこ
とを目指しますか?

今取り組んでいる業務分野において、徹底的にプロ化を図るべ
きではないでしょうか?

営業職であるならば、日常の業務に百%のエネルギーを投入し
ながら、併せて、営業に関する様々な自己研鑽に励むことでし
ょう。関連書籍を読み漁ったり、音声で学んだりしながら、日
々の業務で仮説と検証を繰り返しながら、予算の達成に邁進す
るのでしょう。この様な姿勢で1万時間超の時間を過ごすこと
ができたなら、営業のプロとして立派に人生を送れるはずです。

経理職であるならば…
技術職であるならば…
等々、すべて同じです。

■プロとセミプロの間には、大きな壁があります。プロは、道
を究めた専門家です。セミプロは、良く知っている便利な人で
す。プロとセミプロの間には大きな壁があります。貴方がプロ
であるならば、貴方の食い扶持は生涯確保されるはずです。職
を求めて苦労することはありません。貴方がセミプロであるな
らば、運が悪ければ職を失います。

希望したのか?または、必然なのか?は別にして、今の仕事で
プロになりましょう。
会社のためだけではありません。自分のためにです。

…次回号につづく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です