税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。前回
に続いて、一部をご紹介させていただきます。

■Q11:
「新しい投資計画書を示しながら新規の融資を打診したが、計
画書の内容を確認するまでもなく、『融資は難しいです。(銀
行担当者)』」と言われた。

◆A11:
精魂込めて作り上げた投資計画書を確認してもらえない段階で、
融資を断られたことに納得がいかない様子の相談者様でしたが…
金融機関は、新規の融資を検討する時、まず、直近の決算書
(及び試算表)を確認します。この決算書と足元の推移が健全
であると判断した時に、新規融資の検討を開始します。健全で
なければ、新規融資の検討自体を行いません。

○直近の決算書(及び試算表)の確認方法は…

1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+
減価償却費)を確認します。この簡易キャッシュフローの金額
が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件です。

2.債務超過でないことが必要です。

※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保があ
る場合など、上記の限りではありません。上記はあくまでも簡
易的な診断です。実際には、突っ込んだ財務分析を行います。

○1と2を満たす時、現時点においては健全である…と判断さ
れて、新規融資の検討、投資計画書の確認を始めます。直近の
決算書の確認で融資できないとなれば、当然投資計画書の確認
は行いません。

◎当事務所にて、診断を行った結果、新規融資を受けられる可
能性は極めて低いことがわかりました。相談者様に対しては、
融資を受けられない理由、どうなれば融資を受けられるのかを
ご説明して納得いただきました。

■Q12:
「リスケジュールの交渉中だが、直近に借入れた銀行分だけは、
返済額も少ないので返済を続けようと考えていたが、他の金融
機関が強硬に反対してきた。ダメなのか?」

◆A12:
数カ月前に融資を受けたばかりの金融機関にリスケジュールの
相談をしたら、厳しい口調で叱責されたそうです。であるなら
ば、その金融機関に対しては返済を続けて、他の金融機関には
リスケジュールをお願いしようと他の金融機関に相談したら、
他の金融機関に断られた、との相談です。

○融資の借入れを行ってすぐに返済猶予を求めることは、そも
そも返済できないことがわかっていたのに借入れを行ったので
はないか、との疑念を生みます。返済できないことがわかって
いて借入れを起こす行為は、信義に反します。程度加減によっ
ては法律に違反する犯罪行為になります。新規借り入れ直後の
返済猶予は認められないケースがあります。

○金融機関に対して返済猶予などの金融支援を依頼する時は、
衡平でなければならないとするルール「衡平性の原則※」
(=すべての金融機関に対して衡平に金融支援を受ける。)が
適用されます。ある金融機関にのみ返済を続ける、このような
例外は原則成立しません。この場合は、返済猶予依頼先の金融
機関の同意が得られません。
このままでは、すべての借入れに対してリスケジュールができ
ません。※一部例外があります。

◎当事務所にて、状況の確認を行った結果、当該事象は、直近
借入後の予見不可能な緊急事態による急激な業績の悪化が原因
であり、借入れ時においては予見が難しかった旨を、対象金融
機関に丁寧に説明しました。一部担保(実質価値は小さい)を
追加で提供して了解を得ました。(これも厳密に言うと「衡平
性の原則」から外れますが。)借入先の全金融機関からリスケ
ジュールの承諾を得ることができました。
当事務所が、モニタリングを継続し、会社様のサポートと金融
機関への窓口業務を担っています。

「事業計画書で融資が決まる」と言われるとおり、実体を伴っ
た事業計画書は融資審査を良い方向に導きます。しかし、事業
計画書だけで融資が決まることはありません。事業計画書より
前に、多くの審査ポイントがあります。

事業計画書は、企業理念に始まり、会社概要、事業内容、組織
体制、市場分析、財務分析、中長期経営目標、中長期数値計画、
単年度経営目標、単年度数値計画等で構成しているのが一般的
です。

良い事業計画書は、単なる説明や数字の羅列ではなく、最初の
ページから最後のページまで矛盾の無いストーリーで繋がって
います。また、ストーリーの背景には経営者の熱い思いが込め
られており、理論だけで無く感情にも訴えかける魅力があります。

しかし、どんなに素晴らしい計画書を作成しても、実体を伴っ
ていなければ評価は限定的です。いくら将来的に大きな利益が
上がる計画であっても、現在の実績が悪すぎれば信憑性が低く
なります。どんなに立派な経営理念や目標があっても、現在の
管理体制がずさんであれば実行力が伴っていないと判断されま
す。

また、融資のためだけに作成された立派すぎる事業計画書も問
題です。特に、第三者が作成したテクニカルな計画書は、経営
者が自分の言葉で説明できないため、金融機関から悪い印象を
持たれてしまうことすらあります。

中小企業にとって、事業計画書を運用するのは、作成すること
よりも更に困難です。企業経営に関する知見や財務の知識が要
求されるのはもちろん、日々の営業活動など、管理よりも優先
して取り組まなければならないことがたくさんあるためです。
よって、金融機関も事業計画書を絶対的な融資の判断材料とは
していません。

事業計画書を作成して運用することはもちろん大切ですが、融
資を申し込むにあたっては、将来の事業計画よりも、現在の利
益や資金繰りの状況がわかる「試算表」や「資金繰表」をしっ
かりと作成することが優先です。融資審査のポイントを間違え
ないようにしてください。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。前回
に続いて、一部をご紹介させていただきます。

■Q9:
『融資依頼を行ったら銀行の担当者に「役員報酬が少ない。」
と言われた。役員報酬が少ないと借入れが受けられないのか?』
(相談者様)

◆A9:
融資依頼をするために決算書を提示した時に、出入りの銀行の
担当者が「役員報酬が少ないですね。」と言ったそうです。併
せて、新規の融資に難色を示されたので、相談者様は役員報酬
が少ないと借入れが受けられないのか?との疑問を持たれたよ
うです。

○金融機関が新規の融資を検討する時には、まず現状の財務の
健全性を確認します。
・簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認
します。
・この簡易キャッシュフローの要素となる税引き後利益を確認
するために、販売管理費も確認します。
・この時、役員報酬が過少であれば、本来はもっと役員報酬が
必要となるため、税引き後利益が少なくなるのではないか?と
考えたと推測できます。
・金融機関が考える役員報酬額に置き換えた時、簡易キャッシ
ュフローが極小であったため、新規融資に難色を示されたよう
です。

○役員報酬の多い・少ないではなく、実態の税引き後利益がポ
イントです。

※融資審査時の財務診断は他にもあります。簡易キャッシュフ
ローの診断はほんの一部です。

◎当事務所にて、診断を行った結果、奥様の所得が給与に計上
されており、社長様の役員報酬は過少であっても、世帯所得は
常識の範囲内である、役員報酬額の是正(税引き後利益の減額
補正)は必要ない旨を、銀行担当者に説明することで、理解を
得ました。誤解を解きました。金融機関との折衝は、当事務所
が行いました。必要な金額の新規融資を調達できています。

■Q10:
「雨が降ってきたから傘(お金)は貸さない、晴れている時は
傘(お金)を貸す」と言う銀行とはどんなところだ?(憤り)

◆A10:
6か月前に融資を受けませんかとの提案をいただいたそうです。
その時は断ったが、その後、主要な取引先との取引がなくなっ
て、業績が悪化して赤字に転落しています。(試算表ベースで
大赤字です。)同じ銀行に融資依頼を行うも、「融資できない
(銀行担当者)」との回答だったそうです。

○金融機関は総じて、「雨が降っている時には傘を貸しません。
晴れたら傘を貸しに来ます。」金融機関にあるのはすべて「日
傘」ですから当然です。金融機関にある傘はすべて「日傘」で
あって「雨傘」ではないことを理解してください。金融機関対
応はこの趨勢を理解して行わないと本事案の様な間違えを起こ
します。

※「雨傘」は、国策としての制度融資や制度保証として時々貸
し出される例外です。

◎当事務所にて財務診断を行いましたが、足元の業績の悪化が
顕著で、新規借り入れの返済原資となるキャッシュフローの見
込みが立ちません。新規の借入れは無理です。

・経営改善計画書を作成して既存借入れのリスケジュール(返
済金額0円)を即座に実行しました。
・資金繰りシミュレーションを継続的に行いながら、資金ショ
ートの回避と収支バランスの改善に、財務部長として継続して
ご支援させていただいています。
当事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス(財務部長の代
行業務)」を導入いただいています。社長様の経営改善を資金
繰り・財務面で継続的にサポートできています。収支改善の目
途が付けばいち早く、資金調達にもチャレンジします。(この
時は、リスケジュールを同時に解消します。)

※本事案においても、6か月前に提案された融資を受けておれ
ば、経営改善のための手持ち資金に余裕が持てたはずです。本
事例については、是非記憶に留めてください。

先日、5年ほど前に知り合った社長様と久しぶりにお会いする
機会がありました。お会いした当時はいつも資金繰りが厳しい
とおっしゃっていた社長様ですが、現在は資金繰りも楽になっ
たようです。要因をお聞きしたところ、「節税をやめたら楽に
なりました。」とおっしゃいます。

その社長様はウェブサイトの制作事業で起業しましたが、ある
大手企業をクライアントに持っていたため、設立当初からまと
まった売上が立っていました。しかし、当時の内情を改めてお
聞きすると、節税をすることが正しいと考え、1億円の売上が
出来れば、9,990万円の費用を使うようにしていたそうです。

「税金とどう向き合っていくか。」というのは、経営の大きな
テーマのひとつです。納税が資金繰りを圧迫することもありま
すし、税金に対する過度な意識が、会社の成長を妨げることも
あります。同社は後者のケースです。

キャッシュフローを最大化することが本来の目的であるはずな
のに、節税に意識が行き過ぎると、税金を出来るだけ払わない
ことが目的になってしまいます。利益を出さないように費用を
使えば、税金を少なくするという目的は達成できますが、手元
にキャッシュは残りません。財務内容も悪くなり借入もままな
らないため、資金繰りは当然厳しくなります。

同社の社長様も、「節税を止めた途端に銀行が積極的に融資を
してくれるようになりました。1,000万円近くの税金を支払っ
ても億単位の資金を調達できるので資金に余裕ができました。」
と言っていましたが、まさにその通りです。

税金は最大でも利益の40%程度です。利益以上に税金を払うこ
とは決してありませんので、税金が原因で倒産することは理論
上ありません。ただ、税金の支払いが利益の受取よりも先に来
る場合は支払が苦しくなります。この場合の問題は税金ではな
くファイナンスです。税金を払わないことに一生懸命になるよ
り、ファイナンスを適切なタイミングで行い、税金を無理なく
支払えるようにすることの方が重要です。

節税をしているのに資金繰りが苦しいと感じておられる社長様
は、是非ご相談ください。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。前回
に続いて、一部をご紹介させていただきます。

■Q7:
『創業融資依頼時点ですでに支払いを済ませた店舗保証金分の
領収書を提示したが、これでは自己資金の証明にならないと、
公庫担当者に言われた。』(相談者様)

◆A7:
日本政策金融公庫の創業融資の要件の中に、自己資金を有する
こと「…創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己
資金を確認できる方。」とする項目があります。

○ポイントは自己資金の出所の証明です。
・この資金は、確実に当該事業の資金として利用されること
・短期的な返済等を必要とする資金でないこと
・創業者が自分自身で蓄積した資金が好ましい
とされています。
※長期間に渡る計画的な貯蓄等は、創業者の堅実性の証明にも
なります。

○短期的に資金を借入れなどで調達し、それを自己資金と称し、
日本政策金融公庫から融資を受けた資金で返済する、このよう
なことにならないために確認されます。
・領収書は支払いの証明書であり、その資金の出所の証明には
なりません。
・求められているのは、出所の証明です。支払いの証明ではあ
りません。

◎当事務所にて、当該資金の出所のエビデンス、本案件の自己
資金は、親御さんからの支援が大半を占めており、その親御さ
んの銀行口座の残高の確認、その残高蓄積の経緯、その資金が
相談者様に移行したエビデンスを準備して公庫の融資依頼資料
として提示し、その詳細を説明することで、理解を得ました。
金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の創
業融資を調達できました。
※親御さんからの援助資金を自己資金とするとき、その資金の
エビデンスに当たる親御さんの預金通帳等の開示も求められます。

■Q8:
『信用保証協会の保証付き融資、新たな借入れを依頼したら、
「前回の借入れが資金使途違反に当たるので、新たな保証は出
来ないと保証協会に指摘された。前回融資分の完済も依頼され
た。(銀行担当者)」』(相談者)

◆A8:
該当する融資の詳細を確認したところ、
・当該融資は設備投資資金
・借入金額と投資資金の金額は同額、問題なし
・借入れ日の前に当該資金を支払い済み、これが資金使途違反
に当たります。
※大変厳しいように感じますが、信用保証協会の保証付き設備
投資資金は、当該資金の入金後に、当該設備投資費用を支払う
必要があります。この順番が逆転した領収書で指摘を受けてい
ます。

○信用保証協会の保証付き設備投資資金は、その保証金額と投
資金額の整合性だけでなく、その支払い時期についても、厳格
なルールがあります。

○(参考)日本政策金融公庫の設備投資資金は、
・その金額が1,000万円以下の時は、決算書提出時に結果
をトレースされます。
・その金額が1,000万円超の時は、投資実行後にその結果
をトレースされます。
・支払日については、その期間の幅を認めてくれます。
※設備投資資金として調達した資金を、他の用途に利用するこ
とは出来ません。少なくとも、次回以降の融資が受けられませ
ん。本来は完済を求められます。

◎当事務所にて、支払い時期ずれについてその悪意がない旨を、
銀行を通じて信用保証協会にお伝えすると同時に、当該銀行の
協力を得られたので一旦完済した後に、再度必要資金の調達を
行うことができました。信用保証協会の寛容な判断、銀行の協
力、何よりも会社様の業績が極めて良好であったことが、解決
できた理由です。
その後、資金繰りシミュレーションの継続と、タイムリーな資
金調達を行う当事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス
(財務部長の代行業務)」を導入いただいています。社長様の
営業戦略を資金繰り・財務面で継続的にサポートしながら、こ
の様な金融事故を未然に防ぐこともできています。

営業が深夜に及ぶ飲食店経営者にとって新店舗出店に伴う銀行
対応は非常に大変です。個人事業主として飲食店を経営するW
氏が、2店舗目出店資金1,200万円を調達した事例をご紹介し
ます。

■ 関与先様の概要
事業主名:W氏
業種:飲食店経営
業歴:創業4年目
直近年商:1,800万円

■ ご相談の経緯
弊所関与先であるW氏より、「2店舗目の出店を考えているが、
毎日深夜まで現場に入っており銀行対応の時間が取れないので、
資金調達のサポートをお願いしたい。」との依頼がありました。

■ 必要調達金額の算出
W氏が想定している出店費用と、必要と思われる運転資金の額、
可能と思われる借入額をすり合わせていった結果、備品を含む
設備投資金額が1,300万円、運転資金が300万円、計1,600万
円の投資計画となりました。調達は自己資金が400万円、残り
1,200万円を金融機関からの借入で調達する予定です。

■ 調達先の選定
W氏の直近年商は1,800万円です。新店舗出店資金とはいえ、
1,200万円の借入は若干重たいと感じます。よって、1行から
の調達ではなく2行に分けて調達をすることにしました。協調
融資です。

■ 開業計画書の作成
W氏と打ち合わせた内容を基に開業計画書を作成しました。事
業主の概要に始まり、投資及び調達の計画、資金繰り計画等、
金融機関の審査ポイントを押さえた計画書です。

■ 調達先の選定
今回は協調融資ですので、弊所が日ごろから懇意にしている日
本政策金融公庫とA信用金庫に相談することにしました。日本
政策金融公庫と信用金庫の担当者、及び弊所にて合同ミーティ
ングを行い、日本政策金融公庫が900万円、A信用金庫300万
円の融資を検討するという方向で決まりました。

最終結果は、ミーティングで取り決めたとおり、日本政策金融
公庫が900万円、A信用金庫が300万円、満額1,200万円の調
達となりました。W氏からは、「金額がやや大きかったので心
配していたのですがやはりプロですね。2行を巻き込んで協調
で融資を受けるというアイデアは私にはありません。1行に申
し込んで融資額を減額されていたら投資計画から変更しないと
いけないところでした。また、銀行対応の殆どを引き受けてい
ただけたので、私は店舗営業に専念できました。」とのお言葉
を頂戴しました。

現場に時間を取られる中小企業にこそ財務部長が必要だと感じ
ます。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。前回
に続いて、一部をご紹介させていただきます。

■Q5:
『新しい設備の投資を検討しているが、その投資規模を決める
ために、当社が借入可能な金額を知りたい。いくらまで借りら
れるか教えて欲しい。』(相談者様)

◆A5:
金融機関から新しい借入れを行う時には、まず現状の確認が必
要です。

○最初に現状の確認を行います。

1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+
減価償却費)を確認します。この簡易キャッシュフローの金額
が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件
です。

2.債務超過でないことが必要です。
※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保があ
る場合など、上記の限りではありません。上記はあくまでも簡
易的な診断です。実際には、突っ込んだ財務分析を行います。
1と2を満たす時、現時点においては健全である…と判断され
て、新規の借入れを受けられる可能性が高くなります。

○次に、検討中の設備投資を行った時の収益を見積もります。

3.新しい借入れの返済を、新しい設備投資を行った収益で賄
えること。

4.現存の収益と新しい収益で、既存の借入れと新しい借入れ
の返済を賄えること。
3または4の時、理論的には借入れが可能です。
※新しい設備投資から生まれる収益を、過度に大きく見積もる
と、その蓋然性の説明が難しくなります。注意が必要です。

○上記の検証を行いながら、最適な投資額を決めます。金融機
関には、最適な計画書を作成して、新規の融資を依頼します。

◎当事務所にて、決算分析・設備投資計画書(返済計画書)を
作成し、金融機関に対して借入れの申し込みを行いました。金
融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要で最適な新規
の投資資金を調達できました。

■Q6:
『ネット通販会社から300万円の広告の提案をもらった。こ
の投資を行うべきか悩んでいる。相談に乗って欲しい。』(相
談者様)

◆A6:
「今回の広告を行うことで、短期的に大きな売上をあげたい、
また、その後の売上の底上げも目論みたい。」相談者様のご意
向です。この会社様は、前金で仕入れてネットで販売する業態
です。売上を伸ばすためには、先んじて仕入れ資金が必要にな
ります。

○現時点から今回の広告を実施した後、さらに、その半年後ま
での資金繰り計画を立案します。
・売上予測が最大の時、仕入れ額も最大とします。
・売上予測が最小の時、仕入れ額を最大とします。
・売上予測が最小の時、仕入れ額を最小とします。
…等々
社長様と共に、様々な資金繰りシミュレーションを行います。
資金繰りが逼迫することがはっきりわかりました。当所で資金
調達の可能性についても検証します。

○結果、最初に仕入れ資金の調達を行い、成功後に300万円
の広告を実施、仕入れ額の増額を行うことになりました。

◎当事務所にて、決算分析・資金繰り計画書を作成し、金融機
関に対して借入れの申し込みを行いました。金融機関との折衝
は、当事務所が行いました。必要な新規の仕入れ資金(運転資
金)を調達できました。また、資金繰りシミュレーションの継
続と、タイムリーな資金調達を行う当事務所のサービス「資金
繰り円滑化サービス(=財務部長の代行業務)」を導入いただ
いています。社長様の営業戦略を資金繰り・財務面で継続的に
サポートできています。

労働生産性の向上が見込まれる設備投資を行った際に、新規取
得した設備の固定資産税の課税標準が、3年間にわたってゼロ
~1/2の間で軽減される制度をご紹介します。

「生産設備等導入計画」とは、中小企業者が、労働生産性の向
上を設備投資により図る場合に、所在の市区町村で計画の認定
を受けることで、税制支援などの支援措置を受けることができ
る制度です。

制度利用のポイントは下記の2つです。

1.「導入促進基本計画」の同意を受けた市区町村に所在して
いる中小企業者であること。
制度を利用するには、所在の市区町村がこの制度の支援措置を
講じている必要があります。

2018年8月31日現在のデータですが、こちらで確認できます。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/2018/180904koteishisan.pdf

2.事前確認を受けた計画が対象
認定支援機関で予め計画の確認を受けている必要があります。

税制措置以外にも計画実行のための支援措置が受けられます。
1.税制措置・・・認定計画に基づいて取得した設備について、
固定資産税の特例措置を受けることができます。
2.金融支援・・・民間金融機関の融資に対する信用保証に関
する支援を受けることができます。
3.予算支援・・・一部の補助事業において優先採択を受ける
ことができます。

先端設備等導入計画の作成にはいくつかの記載要件があります。
1.市区町村が作成する導入促進基本計画で定められた期間で
計画を策定します。
2.労働生産性が年平均3%以上向上する計画を策定します。
3.対象設備は、原則、機械装置、測定工具及び検査工具、器
具備品、建物附属設備、ソフトウェアとなります。

設備導入により労働生産性の向上を図りたいと考えておられる
経営者様は、ご相談ください。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。前回
に続いて、一部をご紹介させていただきます。

■Q3:
『新店出店資金として2,000万円の調達を希望する旨を、
保証協会付融資で取引のある某銀行に依頼したが、新店出店の
ための希望調達額2,000万円に対して、保証協会から
1,000万円の保証しか取れない(※事前相談時の非公式な
コメントと推測できます。)、とする某銀行担当者のコメント
が返ってきた。』(相談者様)

◆A3:
決算書と足元の業績を確認させていただいたところ、確かに資
金調達はできそう、一方、2,000万円の希望金額は金額が
大きく容易ではないことが想定できました。また、某銀行は規
模の大きい銀行であり、この会社様がプロパー融資を受けるこ
とが難しいことも推測できます。

○現状は…
・希望調達額2,000万円、調達候補先は保証協会保証付き
某銀行からの融資…1,000万円
○当事務所で、融資の戦略を練り直します。
・保証協会保証付き某信用金庫からの融資…1,000万円
・同じ某信用金庫プロパー融資…300万円~700万円
・日本政策金融公庫からの融資…700万円~300万円
ポイントは、保証協会付融資に付加してプロパー融資を引き受
けてくれそうな信用金庫(信用組合)を探して、さらに、日本
政策金融公庫にもお願いして、上記の3つの引き出しから合計
2,000万円を調達する協調融資を目論むことです。

◎当事務所にて、決算分析・出店計画書(返済計画書)を作成
し、某信用金庫と日本政策金融公庫に対して、合計2,000
万円の調達に動きました。当事務所が主体的に対応しています。
結果、合計2,000万円の出店資金の調達に成功しました。
希望通りの新店出店が実現しています。新規の借入れができそ
うな状況にあっても、その借入希望額が大き過ぎる?と想定さ
れるとき、この協調融資は大変有効です。当事務所では、多数
の実績をあげています。

※『協調融資』とは、複数の金融機関から、同時に同じ目的の
資金を合算して調達する資金調達手法です。一般的に言われる
『シンジケートローン』とは異なります。

■Q4:
『二期連続赤字ですが、今期期中の足元の業績は急回復してい
ます。返済のみが長期間続いていて、資金繰りが厳しくなって
きました。今期決算は相応の黒字を計上できそうですが、決算
を待たずにこの段階で新規の借り入れは出来ないでしょうか。
金融機関の担当者に相談したら、決算が締まるまで待ってくだ
さい、と言われました。』(ご相談者様)

◆A4:
金融機関の貸出しの判断は、原則論として決算書を基準に行い
ます。期中の試算表で収益の改善を示しても、決算まで待って
ください、となるケースは少なくありません。ただ、期中であ
っても、その業績の改善が顕著で、その改善状況をはっきりと
説明できれば、日本政策金融公庫や、信用保証協会の保証付き
融資を受けられる可能性があります。

○ご相談者様のケースでは、
・決算後9カ月が経過しており
・その収益改善の方法が明確であったこと
・その簡易キャッシュフローの額が、総借入額と比して大きか
ったこと(債務償還年数は約6年)
・明らかに債務超過でないこと
上記の事実を踏まえて、精度の高い試算表を整備して解説する
ことで、ご相談者様が希望される金額の融資を受けることがで
きました。

◎当事務所にて、決算分析・資金繰り表(実績と見込み)を作
成し、某信用金庫と日本政策金融公庫に対して、運転資金の調
達に動きました。金融機関対応は、当事務所が主体的に行って
います。財務目線で信憑性のある試算表作りと、資金繰りの実
態と予測をできるだけ正確に提供することが、融資成功のポイ
ントです。

※試算表の精度は総じて低い、金融機関はこのように考えてい
ます。作る側も「とりあえず…」と考え、費用や売上の計上漏
れを容認しているケースも少なくありません。金融機関に対し
て、経営の進捗状況を報告する資料であるならば、上記の緩さ
は看過できません。当事務所では、試算表を財務目線でより正
確に作成し、その分析資料を金融機関目線で作成・解説するこ
とで、クライアントの経営品質の高さを金融機関にご理解いた
だきます。上記のことが、二期連続赤字企業様が、期中で新規
融資を受けられた要因の一つです。

金融機関はいくつかの種類に大別でき、特性がそれぞれ違って
います。しかし、金融機関の種類について深く考える機会はあ
まりないため、経営者様の多くは、何となくご縁があった金融
機関とお付き合いをしているというのが実情ではないでしょう
か。

◆政府系金融機関
最も有名な政府系金融機関は日本政策金融公庫です。預金取引
は行わない融資取引のみの金融機関で、信用力が低い創業時か
らお付き合いできる数少ない金融機関です。企業規模に関わら
ず、事業資金の融資相談に乗ってもらえます。

◆メガバンク
明確な定義はありませんが、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井
住友銀行の3行を3大メガバンク、りそな銀行を加えた4行を
4大メガバンクと表現することが多いようです。規模が大きく
全国に支店があるため、口座を持っているという方も多いとは
思いますが、事業資金のプロパー融資取引となると、規模の小
さな中小企業にとっては、少し敷居の高い金融機関です。

◆地方銀行
各都道府県に本店があり、地域経済の発展に尽力している金融
機関です。地域経済に大きな影響力を有する企業や地場産業を
営んでいる企業を中心として、主に地域の中小企業向けに融資
取引を行っています。メガバンクとは違った役割を担っていま
すが、「銀行」ですので、審査の傾向はメガバンクと似ていま
す。

◆信用金庫
地域経済の発展に尽力している点においては地方銀行と同じで
すが、地方銀行よりも、さらに地域の細部に根付いています。
経営形態も銀行とは違い、企業が出資者となって相互扶助を目
的とする協同組織型の金融機関です。よって、まず出資をして
会員とならなければ融資取引をしてもらえません。小規模の
事業者にとっては身近な存在です。

◆ノンバンク
預金の受け入れは行わず、融資取引のみを行う金融機関をノン
バンクと言います。信販系やリース系の金融機関もノンバンク
に分類されます。金利は高いものの手軽に利用できるメリット
があります。

他にも農協等の協同組合や、信託銀行等の金融機関もあります。
事業資金の融資を受ける場合は、金融機関のネームバリューで
はなく、特性を理解して選定することをおすすめします。