少なくない中小企業のビジネスモデルは、成熟期後期から斜陽
期にあります。このステージにある事業体に必要なのは、マネ
ージメント強化ではなく事業開発です。耐久年数を超えたマシ
ーン(事業)をいくら磨き込んでも限界があります。新たなマ
シーン(事業)を開発するか、大きな改良を加えなければ経営
は良くなりません。従業員の頑張りのレベル=マネージメント
ではなく、事業開発=経営の問題です。

マネージメントの強化ではなく、事業開発が必要です。
以下、事業開発を行うときの要諦(主にマネタイズについて)
を整理しました。

◆1:売り切りではなく継続的な売上を確保する。

売上を大きく分類すると、売り切りの売上と継続課金のそれが
あります。できるだけ継続課金の売上比率を高く設定しましょ
う。経営のすべてが楽になります。
サブスク(2.0)のビジネスモデルを研究してください。

◆2:売り先の集中を避け、販売先を分散させましょう。

過度の売り先の集中は下請化と同じです。売り先は広く分散さ
せる、集中しているなら自社独自の製品・サービスを開発して
広く販売しましょう。
D2C(C2M)のビジネスモデルを研究してください。

◆3:販管費ミニマム経営、持たざる経営を行いましょう。

費用は販管費ではなく、売上に紐付く原価で賄いましょう。
人件費ではなく外注費で、社員ではなく業務委託費で収支設計
を行ってください。
原価もできるだけ従量課金にならない設定で契約しましょう。
持たない経営、新時代のマネージメントを実現しましょう。

◆4:限界費用ゼロモデルに挑戦しましょう。

限界費用ゼロとは、売上が伸びても費用が伸びないビジネスモ
デルです。動画配信事業ネットフリックス等はその代表例です。
リアルビジネス運営者には難しいですが、その時は、自社の有
するノウハウを活用した同業者支援ビジネスが有効です。同業
者支援モデルはIT化できます。

また、コンサル系等の知的財産を提供するビジネスは、労働集
約型を改めて、非労働集約型への転換を図る必要があります。
IT活用で実現できます。

斜陽期を迎えた事業をマネージメントで活性化するのには限界
があります。事業そのものを抜本的に見直す、作り直す…事業
開発が必要です。また、新しい事業は、上手く行ったときには
とんでもなく素晴らしい事業になるように、当初から設計して
ください。

◆事業開発・新規事業の目標

◎継続売上比率50%を目指す!
◎売り先集中比率30%以上はNG!脱・下請け!
◎販管費(固定費)ミニマム経営、持たざる経営の実現!
◎限界費用ゼロモデルへの挑戦!

繰り返しますが、耐久年数を超えたマシーン(事業)をいくら
磨き込んでも限界があります。新たなマシーン(事業)を開発
するか、大きな改良を加えなければ経営は良くなりません。
従業員の頑張りのレベル=マネージメントではなく、事業開発
=経営の問題です。

素晴らしい事業を構想して、3年後5年後には完成させましょ
う。そのために、今すぐ始動してください。

数年ぶりに保険を見直してみると、思わぬ無駄が見つかること
があります。銀行借入も同じく、定期的に見直すことにより、
借入を最適化することができます。

借入の見直しを行うためには、借入残高一覧表を作成すると便
利です。借入残高一覧表とは、銀行名、借入額、金利、借入時
期、返済年数、毎月の返済額と借入残高が一目で分かるように
まとめられた資料です。

例えば、返済期間が残り2年を切った下記の借入が2本あると
します。

A:借入残高300万円 毎月返済額10万円
B:借入残高250万円 毎月返済額10万円

A,Bの借入を返済する前提で、新たに1,000万円の借入
を返済期間5年で行うと、手元資金が450万円増加したうえ
で、毎月の返済額が約3万円下がります。

もちろん、Aだけ、Bだけでも、借り換えにより、返済額を増
やさずに手元資金を増やすことができます。ポイントは、例え
ば5年返済の3年目、10年返済の5年目など、返済期間の半
分を経過している借入が検討の対象となります。

また、簡単ではありませんが、保証付き借入をプロパーにまと
めることができれば、保証協会の枠が空くとともに、既存借入
の保証料が戻ってきます。

借入残高一覧表は、自身で使うだけでなく、金融機関との金利
交渉にも役立ちます。他金融機関よりも飛びぬけて金利が高い
金融機関がある場合は、一覧表で他行の金利水準を示して交渉
するのがスマートです。

複数本の借入があり、定期的な借入の見直しを行っていない企
業様は、是非ご相談ください。

弊所にて借入の最適化をご提案させていただきます。

少々偏見も混ざっているかも知れませんが、社長…についてお
話しします。この機会に考えてみてください。

◆1.社長の勘違い(その1)!
幹部との立場の違いを間違える!

◎幹部(No.2)でも、社長とは全く立場が異なります。

1.社長は、責任100%、成果も本当は100%!
2.自分は破産、その他は失業が最大リスク!
3.幹部も含めて常識的に働いてもらう!
4.会社には、自分とその他大勢、この2種類しかいない!

◆2.社長の勘違い(その2)!
過度に従業員に期待する!

◎従業員に求めすぎです。

1.普通の給料(薄給)で優秀な人を求める!
2.分不相応な人材を求める!
3.過度に高度な能力を期待する!
4.従業員の役割を間違える!
決められたことを普通にやる⇒及第点
5.大事な仕事も任せたがる!

◆3.社長の勘違い(その3)!
マネージメントだけが経営ではない!

◎マネージメント偏重型社長が多い!

1.マネージメントは重要ですが…
2.経営不振、低生産性はすべて経営問題!
3.経営の本質は、事業立地や座組の改革!
4.社員教育重要ですが、社長の学び、さらに重要!

◆4.社長の勘違い(その4)!
現場主義もほどほどに!

◎現場偏重社長が多い!

1.現場は重要ですが…
2.経営の本質が、現場に居るから見つかる訳ではない!
3.過度な現場志向は目先問題偏重を招く!
4.出社する…この呪縛から自分を開放する!

◆5.社長の勘違い(その5)!
社長の仕事、この定義を間違える!

◎生涯目先問題から抜け出せない経営者も少なくない。

1.目先のお金・人・事業(売上・利益)問題は、本来の社長
の仕事ではない!
2.近未来の事業(売上・利益)問題こそ社長の仕事!

◆6.社長の勘違い(その6)!
忙しいは美しくない、みっともない!

◎時間に余裕を持ってください。

1.忙しいとは…
自分でコントロールできない時間が多い!
急ぎでない重要な仕事ができない!
2.余計なことをしない習慣!
忙しさに安心感を求めない!

◆7.社長の勘違い(その7)!
自己責任の範囲を間違える!

◎1ミリも欠けることのない完璧な当事者意識!

1.自分の周りに起きること、そのすべて百%が自己責任!
2.法律や道理に沿った責任を追及しても無意味!
3.隕石が降ってきて自分に当たっても百%自己責任!

◆8.社長の勘違い(その8)!
お付き合いもほどほどに!

◎群れない・つるまない!

1.お付き合いの呪縛から解放する!
2.仮説を持ってお付き合いする!
3.一人で束縛されず自由に生きる
※脱・お人よし!

上記がすべて正しいと断言するつもりはありません。ただ、社
長様ご自身の考え方を見つめ直してもらえれば幸いです。

数値計画書というと、売上と利益が分かる損益計画書が一般的
ですが、場合によっては、キャッシュの収支が分かるキャッシ
ュフロー計画書の方が有益な場合があります。

■ 事業計画書の問題点
顧問先さまから「利益目標と言われても実はピンと来ない…」
とお聞きすることがあります。

利益の難しいところは、赤字だからと言ってすぐに倒産はしま
せんが、反対に黒字なのに倒産する場合があります。また、赤
字でも金融機関の融資を受けられる場合もあるなど、その重要
性を真に理解するのは容易ではありません。

よって中小企業にとっての数値計画書とは、(銀行用などに)
形式的に作成するもの、もしくは、作成しても活用していない
というのが実態ではないでしょうか。

■ キャッシュフロー計画書とは
キャッシュフロー計画書とは、売上や利益の計画では無く、売
上金の回収、借入、設備投資等、あらゆる事業活動の資金の計
画です。利益では無く、営業キャッシュフローの黒字化や資金
の増加額を目標とします。

■ キャッシュフロー計画書の特徴
キャッシュフロー計画書を作成することにより、売上や利益が
どれくらい必要かということはもちろん、売上の回収期間を短
期化すべき、借入の返済期間を長期にすべき、無駄な資産を売
却してキャッシュを獲得すべき…など、やるべきことがより明
確になります。

<キャッシュフロー計画書の優位点>
・実際のキャッシュの出入りに基づいているため、事業計画書
よりも分かりやすい。
・利益では無く、毎月のキャッシュの残高を管理するため倒産
しにくくなる。
・事業計画書では把握できない、取引条件の変更、借入の返済、
設備投資等も網羅している。

当事務所が、利益よりもキャッシュフローを重視したコンサル
ティングを行っているのは他にも理由があります。例えば、将
来の結婚や葬式のために積立金を預かる互助会や、チケットを
事前に販売する業態は、売上よりも先にキャッシュが入ってく
るため資金が潤沢になります。資金調達力が弱い中小企業が大
きくビジネス展開をするためには、単なる利益だけではなく、
この様なキャッシュを増やす工夫も必要だと考えるからです。

是非、キャッシュフロー計画の作成に取り組んでみてはいかが
でしょうか。

『A社の社長は営業部長、B社の社長は財務(管理)部長、C
社の社長は人事部長…中小企業経営者は、自分の得意な分野・
必要と思う分野・認識できる分野でのみ仕事を行っています。
多くの中小企業では、機能が欠落したまま経営が行われ続けて
います。』(SP経営協会)

冒頭の文章は、経営は総合格闘技であり、状況に応じて、優先
順位の高い打ち手を放ち続けることが必要ですが、その打ち手
が偏っていることを示唆しています。

中小企業は、
社長が営業型であれば、いかなる時も売ることで経営課題を解
決しようとしがちです。
同様に、職人型であれば製品・サービスの開発で、財務型・管
理型であれば財務や管理で、人事型であれば人で、ストラテジ
ー型であれば戦略で解決しようとしがちです。
本来は、状況に応じて総合的に解決することが重要です。

事業体に必要な様々な機能は、トップマネージメントの役職に
使われる以下の機能を当てはめると分かり易いです。

●CEO(Chief Executive Officer)
…経営全体のトップマネージメントを担当し、企業全体の長期
的な経営戦略を策定する。

●COO(Chief Operating Officer)
…CEOに次ぐナンバー2としてその戦略を具体的な戦術に。

●CFO(Chief Financial Officer)
…財務・経理、資金調達や運用を担当。

●CSO(Chief Strategy Officer)
…経営陣と共に企業の戦略立案を行い、実行プロセスを構築。

●C〇O(Chief 〇 Officer)…等々

企業規模に関わらず、上記の機能はどんな会社にも必要です。
また、中小企業では、多くの機能を社長自らが兼任するか、ま
たは、手つかずの状態です。
手つかずの状態で、かつ、その認識すらない社長には、それを
充足することができません。長期間(一生涯)機能が欠落した
状態が続きます。

CSO機能が存在しない会社に、新しい事業を創造することはで
きません。
CFO機能が存在しない会社は、生涯財務無知での経営を余儀な
くされます。

【自分の得意な分野】【必要と思う分野】【認識できる分野】
のみで仕事をしないでください。

◎総合的であってください。
◎特に、ストラテジー(戦略発想)の欠落を認識し補ってくだ
さい。

社長様、あなたの経営は偏っていませんか?

資金をガソリンに例えると、どこに給油ポイントがあるか分か
らないことが、スタートアップの経営を困難にしています。ガ
ソリンがどれぐらい持つか分からない、どこに給油ポイントが
あるか分からない、給油ポイントがあったとしてどれぐらい給
油できるかも分からない、という状態で目的地に辿り着くのは
至難の業です。

まずは一般的なスタートアップ企業の資金調達の実態を知りま
しょう。創業時は、日本政策金融公庫や信用保証協会で創業融
資が用意されています。要件さえ満たせば、比較的簡単に融資
を受けることが出来ます。

最初は自己資金で創業し、お金が足りなくなったら借りに行こ
うという方もおられますが、上手くいかないことが分かった時
点で融資を申し込んでも、断られる可能性が高くなります。創
業時に立てた計画通りに進捗することは殆どありませんので、
上手く行かないことが露呈する前、創業時に最大限の調達をし
ておくことがポイントです。

ただ、本当の勝負は2回目の借入です。創業融資は比較的誰で
も借りることができましたが、2回目の融資は審査が厳しくな
るため、その融資を受けられるかどうかで命運が分かれます。

2回目の融資を受けられる時期は、1期目ないし2期目の決算
が終わったあたりです。裏を返せば、創業から1~2年は自己
資金と創業融資で頑張らなくてはならないということです。ま
ずは給油ポイントまでの1~2年間を何としても生き延びなく
てはなりません。

しかし、単に生き延びただけでは融資を受けるのは難しいかも
しれません。2回目の融資からは業績が重視されるため、売上
や利益といった結果が必要になります。それなりの業績を残さ
ないと次の扉が開かない仕組みです。

2回目の融資は簡単ではないことを理解してもらえたと思いま
すが、本当は利益を出せるのに、納税を嫌い、敢えて業績の悪
い決算を組む創業者の方も少なくありません。事業を拡大した
いと考えているならば、絶対に避けたいミステイクです。

2回目の融資を断られる、もしくは少額に留まってしまうと、
前に攻めることができない⇒低成長⇒さらに融資も出なくなる
という悪循環に陥り、事業の拡大どころか、会社の維持が精一
杯という状態に陥ってしまいます。

一方、納税を受け入れて利益をしっかりと出した企業は、2回
目のファインナンスにより企業を成長させることができ、その
成長が更に融資を呼び込みます。

1期目もしくは2期目の決算処理を誤ることで、5年後の姿が
大きく変わることを知ってください。

■日本企業のUNIQLO〔ファーストリテイリング社〕がほぼ世
界一のアパレルメーカーになりました。日本人として誇らしい
ことですね。

成熟したアパレル業界で、約30年前から快進撃を始めて勝ち取
った世界一、私見ですが、この差は益々顕著になるはずです。
UNIQLO〔ファーストリテイリング社〕というより、柳井社長
が圧勝するはずです。

成熟化した業界でも、ルールの創造者が生まれる余地が十分に
あることを同社は証明してくれました。

そもそも、アパレル企業の多くは、次のシーズンの流行・売れ
筋予測をします。これが当たれば大儲け、外れたら大損、春夏
商戦と秋冬商戦を繰り返しています。売れ残れば叩き売るか廃
棄するか、博打的要素の強いビジネスです。

この予測レースに一石を投じたのがZARA〔インディテックス
社〕の創業者オルテガ氏でした。流行を予測する時期を後送り
することで、予測の精度を上げる、そのために、発注から納品
までの納期を短くする仕組み(サプライチェーン)を構築しま
した。ファストファッションと言われるビジネスモデルです。
H&Mやフォーエバー21もこのモデルの追従者として、ファス
トファッションモデルを作り上げました。
ただ、このモデルのゴールは、短期・少量生産、高速物流です。
「ファスト」を目指すほど短納期を強いられ、一部のファスト
ファッションメーカーは空輸を常態化する状況でした。ロスは
減らせても、そもそもの原価が高くなりすぎるジレンマに陥っ
ています。

一方、UNIQLO〔ファーストリテイリング社〕は、需要予測競
争には参加しませんでした。衣料品を「ライフウェア」と定義
して、それを定番化する方向に舵を切ったようです。「ファス
ト」ではなく「超スロー?」ファッションです。東レと素材か
ら開発したヒートテックは、今年で10年目、多分十億枚以上の
累計販売数を誇るはずです。
肌着から部屋着、そしてライフウェア…ユニクロの「超スロー
?」ファッションモデルは益々躍進するように思えて仕方あり
ません。

■経営者の視座、これがビジネスの明暗を分けます。

【並みの視座】
多くのアパレル企業経営者は、ファストとか、スローとか…こ
んな概念すら持ち合わせていません。ただただ、今まで受け継
いできたやり方を踏襲する、改善することに躍起になるだけで
す。並みの経営者です。

【高い視座】
ZARA〔インディテックス社〕の創業者オルテガ氏は、予測の
精度を上げるために、作る時期を後送りにする、それを可能に
するためのサプライチェーンを作り直しました。すごい経営者
です。

【高い視座】
UNIQLO〔ファーストリテイリング社〕の柳井社長は、予測す
る必要のない、流行に左右されない衣料品分野を創造しました。
すごい経営者です。

■具体事例を抽象化し、その上で、自社に当てはめるために具
体化してください。

上記の事例は、アパレル業界だけの話ではありません。すべて
の業界、経営者に当てはまる内容です。この具体事例を一旦抽
象化して理解し、自身に当てはめて具体化して活用してくださ
い。

◎貴殿は高い視座を持っていますか?
◎高い視座を持とうとしていますか?
◎自身に当てはめて、自分の視座を確認してください。

創業当初から関与しているA社の事例です。5期目の決算が終
わったところですが、売上高が7億円と順調に成長しています。

A社は外部からの借入が無く、代表者個人からの借入金1億円
で資金を繰り回しています。創業時に借入をおすすめしました
が、借入はしないという経営方針であったため、弊所が得意と
している財務面の関与はありませんでした。

その後、売上高が伸びるにつれ、年々役員借入金も増加し、つ
いに借入残高が1億円を超えた時点で、社長よりお電話があり
ました。

・いよいよ自己資金も尽きてきたので借入れを考えたい。
・金額は、今後事業をさらに伸ばすための資金で1億円、個人
で貸している分を返してもらうために1億円、あわせて2億
円を調達したい。
・預金取引をしている信用金庫に行って融資を依頼したが、短
期で1,000万円しか融資ができないと言われた。
・税務だけでなく資金調達を含めた財務面も見てもらえないか。

どちらの金融機関も新規取引は特に慎重になります。A社は融
資取引が全くありませんので、すぐに2億円を調達するのは簡
単ではありません。まずは、今期中に1億円、次の決算後に1
億円を調達する計画で資金調達を開始しました。

まず、I地銀に保証協会とプロパー融資の打診をしました。I
地銀は保証協会から無担保枠一杯の8,000万円の事前承認
を取り付けてくれたものの、「プロパーは来期の決算後に・・
・」という回答でした。保証協会の8,000万円だけで終わ
っては困るため、I地銀には、5,000万円だけ保証付融資
を申し込み、3,000万円の保証枠を残すことにしました。

次にBメガバンクに保証協会とプロパー融資の打診をしました。
保証協会で3,000万円の承認がおりている旨を説明し、追
加でプロパー融資もいくばくか出して欲しいと依頼したところ、
保証付融資3,000万円とプロパー融資2,000万円で提
案をいただきました。

2行で今期の調達目標額1億円は達成しましたが、本来は2億
円が調達目標であるため、日本政策金融公庫にも打診しました。
日本政策金融公庫は、「通常は2,000万円が無担保枠の上
限だが、制度融資によって4,800万円まで利用できるもの
がある。そちらを利用して4,000万円でどうか。」という
提案をくれました。

続いて商工中金、中小企業事業にも打診を考えており、順調に
いけば今期中で2億円の調達が見えてきました。

本来は1億円以上の調達ができる実力があるにも関わらず、社
長様が信用金庫に行くと1,000万円の短期融資しかできな
いと言われたのはなぜでしょうか。答えは単なる説明不足です。

A社は、売上高は順調に推移してきたものの、利益が出始めた
のは2期前からであり、表面は債務超過です。実質自己資本と
見做せる代表者からの借入金が1億円ありますが、30代で1
億円の個人資産を持っているのは逆に不審に思われることもあ
ります。

弊所は、社長の略歴、企業の沿革、資金繰りの状況と計画、利
益の状況と計画を整理して金融機関に説明しただけです。決し
て金融機関と特別なパイプがある訳ではありません。

説明の仕方ひとつで結果が大きく変わったという事例です。

OMO(Online Merges with Offline)とは、オンライン事業
とオフライン事業が融合することを意味しますが、多くのケー
スで、その主役はオンライン企業になりそうです。

■代表的な事例がアマゾンです。

アマゾンは、OMOを着実に進めてきました。
・2015年、リアル書店、アマゾンブックスをオープン
・2017年、食料品チェーン、ホールフーズを買収
・2018年、自動コンビニ、アマゾンゴーをオープン
・2020年、スーパーマーケット、アマゾンゴーグローサリー、
アマゾンフレッシュをオープン
・2021年、百貨店をオープンすると発表

※本年6月までの一年間の全米小売り売上高では、アマゾン
(67兆円)がウォルマート(62兆円)を抜いて初めて1番にな
りました。尚、ウォルマート(SM)が百貨店シアーズの売上
高を抜いたのは1990年でした。百貨店⇒スーパーマーケット⇒
EC&リアルに小売業の覇者が変化しています。

アマゾンは、オンラインでEC市場を構築しながら、オフライ
ン市場にも実店舗を展開しています。オンライン事業とオフラ
イン事業の融合ですが、併せて、オフライン企業を凌駕してい
ます。

ネット企業がリアル小売り企業等を駆逐することを「アマゾン・
エフェクト」と呼んできましたが、これは【ネット】VS【リア
ル】、【オンライン】VS【オフライン】を指します。

一方、OMOは、ネット企業が直接リアルに参入することであ
り、上記とは意味が異なります。リアル企業にとってはより深
刻です。

オフライン事業は、そのオペレーションがオンラインに対して
複雑だと言い切って支障ないと思います。故に、オンライン事
業者のオフライン事業への参入は容易ではないと考える説も根
強くあります。
一方、オンライン事業者はオフライン事業をゼロから構築する
必要はなく、必要な事業を部分的に買収して事業を組み立てて
行くはずです。
また、オフライン事業者がオンライン事業を融合する折には、
現存するオフラインの不要な部分を切り捨てる必要があり、こ
の経営判断を行うことに耐えられる経営者はほとんどいないは
ずです。(社長任期6年程度のサラリーマン社長には難しいは
ずです。)

故に、ほとんどのOMOの勝者は、オフライン企業ではなく、
オンライン企業になると推測します。

■金融・保険・物流…すべての分野でOMOが始まっています。

業界の構造が、パワーバランスが、何もかもが、急激に変わり
ます。これが二十数年前に始まったIT革命のゴールです。

近い将来、メガバンクまでもが、どこかのIT企業(アマゾン)
か、ひょっとすると、freee株式会社当たりの軍門に下る日が来
るかもしれません。

■我々中小企業経営者は…

持たざる者、小回りが利くことをそのメリットと捉え、事業改
革に取り組むしか方法はありません。事業立地の変更、プロダ
クトの創造、マネタイズの変更…DXを経営課題に掲げて、全
身全霊とりかかる時期が来ました。
幸いなことに、大企業でない多くの中小企業に必要な売上は、
ほんの数億円~数十億円であるはずです。

◎隆々と生き残り、成長する企業体を作りましょう。作れます。

1.昭和のルールにとらわれず、
2.強烈な同質化・価格競争を回避し、
3.新しい事業立地やビジネスの型を理解して導入し
4.できれば、新しいルールの創造者としての地位を確保する

◎SP経営!=脱・昭和、令和の経営!
令和企業に転身しましょう。

決算書や試算表を受け取った時、多くの経営者様は主に売上高
や利益をチェックしていると思います。もちろん間違いではあ
りませんが、是非、自己資本にも注目してください。

自己資本は貸借対照表の右下に表示され、純資産、株主資本等
と呼ばれることもあります。広辞苑では、「資産総額から負債
総額を差し引いた資産価値総額」と説明されていますが、簡単
に言うと資本金と累積損益の合計値です。

自己資本が重要だと言われる理由は、自己資本が大きければ大
きいほど安全性が高いと考えられるからですが、少し面白い見
方をすることもできます。

ともに設立10年目のA社とB社の比較です。両社とも自己資
本の額は3,000万円で同じですが、A社の資本金は100万円、
B社の資本金は2,500万円です。

事業を始める時に用意した種銭が資本金ですので、A社は100
万円の種銭で事業をスタートし、10年で2,900万円の利益を獲
得したことになります。一方B社は、2,500万円の種銭でスタ
ートしたものの、10年で500万円しか利益を獲得できなかった
ことになります。

B社の社長様が役員報酬を高く設定していて会社の利益を最大
限減らしている場合もありますが、一般的には少ない元手で多
額の利益を上げるA社の社長様の方が、高い経営手腕を有して
いると評価されます。

累積利益を極大化するためには下記の対策が必要です。

1.節税重視型経営からの脱却
累積利益は、毎年の「税引き後利益」の積み上げですので、極
端に節税志向の会社は、いつまで経っても累積利益は積み上が
りません。家族経営で銀行筋から資金調達を行うつもりもなけ
れば問題ありませんが、そうでなければ自己資本重視型の経営
に切り替える必要があります。

2.投資のコントロール
次から次に投資を行っているためずっと赤字という企業様があ
ります。株式公開を志向していてベンチャーキャピタル等から
資金を集められる企業以外は、投資をコントロールし、少なく
とも1年おきには利益を出せることを証明する必要があります。
また、より少ない投資で利益を獲得できるよう努力することも
重要です。