■以下の言葉を肝に銘じてください。

『一時の感情で行動しない!感情や感覚を判断基準にして行動
しないでください!』

少なくない経営者が、いや人々が、一時の感情に走って人生を
大きくロスしています。時に台無しにしています。

■経営の判断基準の優劣を、稲盛和夫先生(京セラ名誉会長)
は、講演で以下のように述べておられます。

『感情、感覚、理性(論理)、魂の順番にレベルが向上する。
最も程度の低い判断基準は感情である。経営者は、感情や感覚
に判断基準をゆだねず、理性をベースにして、魂にその判断を
ゆだねなさい。(後略)』

■感情的判断には2つのパターンがあります!

◆1.(短期的)瞬間的に心が乱れて感情的になる。
◆2.(慢性的)長い間心が病んで感情的になる。

◆1.(短期的)瞬間的に心が乱れて感情的になる…の処方箋!

瞬間的に怒りの感情がこみ上げることがあります。この時は、
自分が正しくて、相手に非があると思っています。感情的な言
葉を発すると、吐いた言葉は戻ってきません。相手の心には生
涯残るかもしれません。
瞬間的に感情がこみ上げてきたときには、まずは心の中に留め
てください。そして、この怒りを持ち帰ってください。一晩、
できれば数日温めても、この感情が抜けなければ、そこから対
応を考えましょう。この手の感情の大半は、数日以内に消え去
ります。であるなら、数日前に感情的な言葉を発さなかったこ
とが正になります。

◆2.(慢性的)長い間心が病んで感情的になる…の処方箋!

長い期間試練にさらされた時、その試練の絶対量が経営者のキ
ャパシティーを超えた時に発症します。『そうならないように
無理をし過ぎない。』『サポートを依頼する。』ことも必要で
す。病気として病む手前、この状況が一番危険です。正常と考
えて経営判断を行ってしまうためです。

自分の心を完全にコントロールできる人はほとんどいません。
というより皆無でしょう。この前提で、経営に取り組んでいか
ねばなりません。

(短期的)瞬間的に心が乱れて感情的になったときは、言葉を
吐かずに時間を稼いでください。また、この状況下での判断は
行わず、先送りしてください。時間が解決してくれることでし
ょう。

(慢性的)長い間心が病んで感情的になったら、これはかなり
重症です。このような状況に自分自身を追い込まないように用
心しましょう。そうなってしまったら、誰かのサポートを受け
てください。

◎自分の心を大切に労わりながら生きてください。経営は、人
生は、短距離走ではなく長距離走です。

金融機関は「晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘をとりあげる。」
と言われるとおり、元来救済機関ではありません。業績が苦し
い企業に赤字補填資金を提供するのではなく、黒字の企業をよ
り伸ばすために資金を提供するのが本来の役割です。民間金融
機関は営利企業であり、預金者から預かった資金を運用してい
ることを考えれば当然です。

よって、有事の際には、日本政策金融公庫や保証協会等の国の
機関が政策に則ってセーフティネット融資を行います。現在、
コロナ関連融資が発動されていますが、これは通常の融資では
なくセーフティネット融資であることをしっかりと認識しまし
ょう。

先日ご相談に来られた企業様のケースです。(借入の相談では
なかったのですが)試算表を見ると年商規模は5,000万円であ
るのに対して社長への貸付金が1,000万円発生しています。お
聞きすると、「コロナの影響は実際あまり受けていないが銀行
から提案があり、日本政策金融公庫と保証付き融資で2,000万
円の融資を受けた。口座に置いていても仕方がないので1,000
万円を知人が始めた新規事業に出資した。」とおっしゃいまし
た。具体的な回収の計画もないようです。

ここまで極端な例は少ないと思いますが、お金をたくさん持つ
と使いたくなる経営者は結構いらっしゃるようです。しかし、
借りたお金を深く検討せずに流出させるのは大変危険です。
今後の経営を限りなく難しくします。

コロナ関連融資は雨の日にしか出ない特殊な融資です。通常の
融資は金融機関が審査を行い返済可能な金額を融資しますが、
コロナ関連融資は特殊な融資ですので、ある程度返済能力を無
視して融資を行っています。

ご相談に来られた企業様も、現在のキャッシュフローでは到底
返済できないコロナ関連融資を受けており、現状のままでは返
済が始まる3年後に資金が回らなくなる可能性があります。さ
らに、調達した資金を本業以外に使ってしまっているため、今
後の資金調達も望めません。

コロナ関連融資を利用して実力以上の借入をすることは問題で
はありません。使い方に注意が必要です。調達した資金は遅れ
て出てくるコロナの影響に備えて保有しておくか、検討に検討
を重ね、3年後にキャッシュフローを倍増させるための投資に
使うのが有益です。決して安易に使ってはいけません。

前回号の続きです。

■勝ち組と負け組の価格戦略は真逆です。

◆市場が飽和した日本のマーケットにおいては、モノやサービ
スを安く買おうとするエネルギーが蔓延しています。モノやサ
ービスを提供する企業サイドも、その趨勢に迎合することで、
自社の売上を確保しようと考える傾向が強いようです。

◇一方、十分な利益を確保できる価格設定を行ったうえで、隆
々と経営を続ける企業もたくさんあります。当然、たくさんの
顧客に支えられているはずです。

◆前者と◇後者、雑駁に分類するなら負け組と勝ち組です。
◆前者(負け組)が4割、◇後者(勝ち組)が2割、中間が4
割、このような分類になりそうです。

◆前者(負け組)企業の価格戦略は…
・「価格(安売り)を売るための道具」だと思っています。
・「価格は安い方が売れる」と思っています。
・「価格は、できるだけ安めに設定するべき」と思っています。
・「価格が高すぎて売れない」ことを過度に嫌います。
・「売れないより、薄利でも売れた方がよい」と考えています。
※うまく行ってたくさん売れても「繁盛貧乏」に陥ります。
儲からないのに忙しい状態でバランスしてしまいます。後は頑
張って・頑張り続けて…現状維持が関の山です。

◇後者(勝ち組)企業の価格戦略は…
・「価格を売るための道具には使わない」との信念を持ってい
ます。
・「価格が安くても売れるわけではない」と思っています。
・「価格は、できるだけ高く設定すべき」と思っています。
・「(仮に)高すぎて売れないことが有っても仕方ない」と思
っています。
・「薄利で売るよりも、売れない方がよい」と考えています。
※うまく行けば、たくさん売れて儲かる「繁盛高収益」の状態
になれます。利益で次の投資ができ、さらなる成長を目指せま
す。うまく行かなければ、「閑散貧乏」の状態です。やり直せ
ます。

■価格に対する二つの潮流…

◆モノやサービスを安く買おうとする潮流に巻き込まれること
は得策ではありません。
◇もう一つの潮流、「良いモノ・必要なモノが欲しい。対価は
払う」に乗せましょう。

気を付けてください。◆前者の潮流の方が目立っています。
◇後者は静かに流れています。

■もう一度「価格戦略=値決め」を再考してください。

「値決め」は経営の要諦です。であるにも関わらず、値決めに
掛ける手間暇が少なすぎると思っています。総じて安く付けす
ぎているとも思っています。間違えた「値決め」が経営に与え
るダメージを過小評価してはいけません。

事業は付加価値を求めつづけることでのみ継続できます。値決
めは重要な経営判断です。安売りは悪です。利益を計り、利益
を求めてください。また、コストは自然に膨らみます。意識し
て抑え込んでください。高収益(Profitable)な企業体作りを
強く意識してください。

◎「価格戦略=値決め」は、経営成績に甚大な影響を与えてい
ます。勇気をもって「価格戦略=値決め」をご再考ください。

ある顧問先様から「実は試算表の見方が良く分かっていないの
ですが・・・」と告白されました。経営の経験が10年近くにな
る社長様でしたが、よく考えると試算表の見方を知識として習
得する機会はそれほど無いことに気づかされます。

試算表からは経営に必要な様々な情報が読み取れます。知れば
知るほど奥行きがありますが、まずは業績管理の資料として損
益計算書を毎月確認することから始めるのが良いと思います。

■ 確認ポイント1「売上高」
売上高の確認が必須です。単純に結果だけを見るのではなく、
前年同月や前月などと比較して見ることが重要です。比較して
見ることで増減の要因やトレンドを把握することができます。

■ 確認ポイント2「粗利率」
売上高から原価を差し引いたものを粗利益と呼び、粗利益が売
上高に占める割合を粗利率と言います。売上だけしか見ていな
いと、利益を度外視した売上至上主義に陥ってしまいますので、
売上高とセットで粗利率も必ずチェックしましょう。頑張って
売上を伸ばしたにも関わらず赤字になったという事態に陥らな
いよう気をつけてください。

試算表を経営に活かしたいと考えているならば、目標数値を売
上高ではなく粗利額とし、売上高と粗利率をコントロールして
粗利額の極大化を目指してはいかがでしょうか。粗利額を目標
とすることで、営業一辺倒の施策だけでなく、仕入や外注の効
率化による原価低減や商品やサービスレベルの向上による付加
価値のアップなど、経営施策の選択肢が広がります。

試算表に頼らず経営をしていらっしゃる経営者もたくさんいら
っしゃいます。しかし、自身の頭の中だけでは把握できないぐ
らいの規模に事業を成長させるためには、試算表を活用できた
方が間違いなく有利です。

税理士さんから受け取った試算表を机の上に置きっぱなしにせ
ず、まずは売上高と粗利率を確認する習慣を身に着けてはいか
がでしょうか。

前回号の続きです。

『値決めこそ経営』(京セラ名誉会長、稲盛和夫先生)、この
言葉を肝に銘じてください。どんなに良いものを創りだしても、
その値決めを間違えると台無しになります。故に、値決めは大
変難しい最高レベルの経営判断事項です。であるにもかかわら
ず、値決めを安易に、どちらかというと安めにつけてしまう経
営者は少なくありません。松下幸之助先生はその著書の中で、
パナソニック(当時松下電器)は、相当大きくなるまで、松下
幸之助先生自身が値決めの最終決裁をされていた、と語ってお
られます。

「自社の値決めが正しいのか?」この解は誰にもわかりません
が、少なくとも多くの手間暇と知恵を最大限投入して、悩んで、
悩んで、悩み抜いて決める…この習慣を持っていただきたいと
思っています。

過去(この数十年)において、日本の企業の多くが、どちらか
というと安すぎる値決めを繰り返してきたために、今の経済の
停滞(デフレ)を招いたのではないかとの仮説を持っています。
特にこの傾向は中小企業に顕著です。

以下、【安売り症候群】という疾病を整理いたします。自社・
ご自身にあてはめてご確認ください。

■【安売り症候群】という疾病の正体は…(有病率50%)

◆価格を売るための道具に使うと「繁盛貧乏」になります。

「値決め」は経営の要諦です。であるにも関わらず、値決めに
掛ける手間暇が少なすぎると思っています。総じて安く付けす
ぎているとも思っています。間違えた「値決め」が経営に与え
るダメージを過小評価してはいけません。
経営者は閑散な状態を嫌います。故に、安すぎる「値決め」を
して、貧乏しても繁盛したいと考える傾向があります。「繁盛
貧乏」がはびこるのはこのためでしょう。
経営者は楽な道を選びます。苦労して付加価値を積み上げるよ
りも、価格を低く抑えて価値とバランスしようと考えてしまい
ます。価格を売るための道具に使ってしまいます。
安売り戦略の大罪は、良いものを創り出そうとする知恵を奪い
取ることです。この愚策を長年続けている集団から、新たな商
品やサービスを創り出す創造力は生まれません。商品やサービ
スの価値と価格のバランスは、その価格を下げて市場に合わせ
るのではなく、その価値を向上させることで調整してください。
多くの偉人たちが語る経営の王道です。

◆「値決め」が弱気で利益を出せない経営体、さらに、新しい
価値を生み出す創造力を無くしてしまった経営体を『安売り症
候群』と呼びます。

◆『安売り症候群』の経営体には、以下のような症状が現れま
す。

□1.頑張っているのに儲からない。
□2.新しい商品、サービスを創造できていない。
□3.利益は出なくて良い、と思うことがある。
□4.値上げをしたいと思っていてもできない。
□5.ぎりぎりの経営をしていると感じる。
いかがでしょうか?

◆病名:『安売り症候群』を整理します。

値決めに対する姿勢が弱気で、利益管理も曖昧になる病です。

●原因

安くないと売れないとの思い込みが原因です。良いものには相
応の値段を(それなりのものはそれなりの値段を)付けてくだ
さい。良いものを安く売る必要はありません。原価が上がれば
価格を見直す、この当たり前の企業行動を取らなければ、利益
がどんどん減ります。利益が薄くなればなるほど、良いものを
作ろうとする知恵や創造力を失います。最後は、薄利は善、利
益は悪の心境に陥ります。こうなると末期です。

●症状

二つのレベルに分かれます。繁盛貧乏のレベルが第一段階です。
このレベルは頑張っているのに値決めを間違えていて儲からな
い状況です。この段階では価格の見直しを行えば容易に治癒で
きます。第一のレベルを続けていると、頑張っても儲からない
と思い込み、頑張る意欲、より良いものを創造しようとする力
を失くしてしまいます。最後には、儲からない自分を正当化す
るために、儲けは悪、儲からないことが善、ビジネスそのもの
を否定するようになります。

『値決めこそ経営』(京セラ名誉会長、稲盛和夫先生)です。
「値決め」には、多くの手間暇と知恵を最大限投入して、悩ん
で、悩んで、悩み抜いて決める…この習慣を持っていただきた
いと思っています。「値決め」は現場ではなく、トップが決め
るべき事項です。

新規資金調達と既存借入の借り換えにより、リスケジュールを
回避した事例をご紹介します。下記A社は、「資金繰りが厳し
いので借入のリスケジュールを検討している。どのように進め
ればよいか?」というご相談で来所されました。

会社名:A社(仮称)
事業内容:広告デザイン業
営業年数:22年
資本金:2,000万円
直近売上高:約1億円
直近純利益:約▲300万円
有利子負債総額:約3,400万円
自己資本:約200万円

まず直近の決算書を拝見したところ、売上高が急激に落ち込ん
でおり、純利益は2期連続で赤字という状況でした。しかし、
足元の試算表を確認すると、9か月経過時点で424万円の経
常利益が出ています。人員を減らすなど、固定費削減努力の効
果のようです。

当初はリスケジュールのご相談でしたが、リスケジュールはデ
メリットもあるため出来れば避けたい手段です。足元の利益が
継続できれば、新たな資金調達と既存借入の返済期間を長期化
することで資金繰りが改善できると考えました。

早速説明資料を作成し、ある信用金庫の担当者に借り換えの相
談をしました。財務状況にいくつか問題点はあるものの、毎月
70万円を返済してきた実績を評価していただき、前向きに取
り組んでいただくことになりました。結果は次のとおりです。

【既存借入の状況】
・K銀行保証付融資残高27,674千円(返済額374千円)
・日本政策金融公庫残高6,300千円(返済額300千円)
・合計借入残高33,974千円(合計返済額674千円)

【借り換え後】
・H信金保証付融資11,202千円(返済額133千円)
・H信金プロパー融資16,472千円(返済額196千円)
・日本政策金融公庫10,000千円(返済額142千円)
・合計借入残高37,674千円(合計返済額471千円)

新規の資金調達が3,700千円できた上で、毎月の返済額を203
千円引き下げることができました。

H信金の担当者によると、「直近の決算が赤字の場合、新規で
取り上げるのは通常難しいが、返済が可能であることを資料で
丁寧に説明いただいたことが良かった。」と仰っておられまし
た。リスケジュールをする前に、借り換えという選択肢も検討
してみてください。

■『値上げ』はこのような環境下でも粛々と実施されています。

◆「ブルボン/「アルフォート」など大袋商品を減量
(2020年5月25日)

ブルボンは5月26日出荷分より、「アルフォート」などファミ
リーサイズの大袋商品の一部を規格変更する。諸原料の価格高
騰が続いており、同社の使用する原材料および運送費などにつ
いても値上がりが継続している。生産設備の改善・更新による
生産性の向上や経費の効率的な使用などにより、商品の内容量、
価格の維持に努めてきたが、自助努力のみではコストを吸収す
ることが困難であると判断し、コスト上昇の影響が大きい一部
商品の内容量を減少させる。内容量変更の平均改定率は一般ル
ート商品約4.4%、コンビニエンスストアルート約3.4%とした。
(後略)」(出所:流通ニュース)

◆「はなまるうどん/「かけうどん」値上げ、小は150円から
220円に(2020年5月19日)

はなまるは5月19日、「かけ(温)」を値上げすると発表した。
小は税別150円から220円、中250円から320円、大350円から
420円とする。これまで、おいしい讃岐うどんを日常食として
気軽に食べてほしいという思いにより、「かけ」(小)を150
円(税抜)で提供。しかし、昨今のマーケットや飲食業界を取
り巻く環境の急激な変化で、企業努力のみでは現行価格で提供
を維持することが困難なため、価格を改定する。(後略)」
(出所:流通ニュース)

■価格転嫁してください。

◆原価が上昇すれば販売価格に転嫁する、これが常道です。
(×)価格に転嫁できるかどうかで悩む。
(○)どうすれば転嫁できるかで悩む。
後者で悩んでください。

○原価・仕入れ価格が上昇しても売価に転嫁できない、と結論
付ける経営者は少なくありません。これは安易すぎます。思考
放棄です。

○価格に転嫁しても、売上(利益)を落とさない方法を探す、
こう考えるべきではないでしょうか。原価・仕入れ価格の上昇
を売価に転嫁しながらも、売上(利益)を落とさない方法を考
える、このためには相応の努力が必要です。A案、B案、C案、
それらの組合せなど、創意工夫と知恵が必要です。

■価格転嫁する、この選択をすることで、付加価値アップの必
然性が生まれます。

◆物流費などのコスト上昇局面において、価格転嫁を前提に創
意工夫を重ねていく会社様と、価格転嫁できないことを前提に
創意工夫を怠る会社様に分かれてしまうのでしょう。

○価格への転嫁は付加価値アップの試練を与えます。商品やサ
ービスへの創意工夫が求められます。

○価格の据え置きは、付加価値アップの意欲を奪います。コス
トに対する過度の忍耐から、知恵の創造・付加価値アップは生
まれません。

◎5年後・10年後、前者と後者には大きな差が生まれます。

■過去におけるこの考え方の差が、現時点の企業の優劣に表れ
ています。

価格の上昇に消極的な判断を続けてきた会社は、付加価値アッ
プへの挑戦を怠り、結果、価格を上げると売れない実態を余儀
なくされています。 一方、価格の上昇に積極的に取り組んでき
た会社は、それに見合う付加価値アップへの挑戦を繰り返して
きました。結果、価格を上げても売上を落とさない企業力を構
築できています。

■自社の過去を振り返り、今後の価格戦略を構築してください。

1.原価や仕入れ価格の上昇分は、確実に価格転嫁してくださ
い。
2.価格転嫁するために、様々な創意工夫を行ってください。
この創意工夫こそが経営そのものです。
3.価格を上げることに積極的な経営を行ってください。

価格転嫁を行わない消極的な経営ではなく、より良いものを創
り出して単価アップを狙う経営を目指していただきたいと思っ
ています。後者の方が上手くいくことを、少なくとも歴史と統
計は証明しています。この機会に、自社の価格政策についても
ご再考いただければ幸いです。

物の本によると、倒産とは、「企業が債務の支払不能に陥った
り、経済活動を続けることが困難になった状態を指す。法的倒
産と私的倒産の2つに大別され、法的倒産では再建型の会社更
生法と民事再生法、清算型の破産と特別清算に4分類される。
私的倒産は、銀行取引停止と内整理に分けられる。」と定義さ
れています。

しかし、厳しい状況に追い込まれながらも倒産を選択せずに事
業を継続している社長様もいらっしゃいます。家賃や人件費が
払えない、返済ができないからと言って倒産するとは限りませ
ん。基本的には、経営者の意思で法的整理や私的整理等の行動
を起こしてはじめて倒産となります。倒産するかどうかは経営
者次第です。

この社長様の事例です。第三者から資金支援を受けて事業拡大
に挑戦しましたが、出店した新店舗が軌道に乗らず会社全体の
資金繰りが悪化してしまいました。やむを得ず新店舗の撤退を
決断したところ、スポンサーから支援の打ち切りだけでなく、
これまで受けた支援資金の返済を執拗に迫られるようになりま
した。

資金繰りが厳しいうえ、契約書をしっかりと交わしていなかっ
たため裁判を起こされたり、違法な取り立てを受けたりしたた
め精神的に参ってしまい、「今後どうすれば良いのか。倒産し
なければならないのか?」というご相談で来所されました。

こちらの社長様も、家賃や返済が出来なくなれば「倒産しなけ
ればならない」と勘違いしていたようです。倒産するかどうか
は社長様次第であることや、法的整理やM&A等の選択肢につい
ても説明した結果、「今が楽になっても今後の収入がなくなる
のは困る。止めるのはいつでも出来るのでもう少し頑張ってみ
よう。」という結論に至りました。

継続を前提として資金繰り予測を立てたところ、銀行と大家さ
んの協力があれば何とか資金が回ることが確認できたため、計
画書類を作成して銀行と大家さんのところに出向きました。大
家さんは延滞分の分割支払い、銀行には返済猶予に快く応じて
いただきました。

それから約1年後、売上規模は大きく落ちましたが黒字決算と
なりました。スポンサーからの嫌がらせも徐々に収まってきて
いるようです。社長様は、「この調子でいけば少しずつ債務の
返済ができそうだ。あの時は現状から逃げることばかり考えて
いたが逃げなくて良かった。おそろしい程メンタルが強くなっ
ただけかもしれないが今考えると何てことはない。」と笑って
おられました。

この選択が正しかったかどうかは分かりませんが、倒産しない
というのも一つの選択肢かもしれません。

事業体は変化に対応し、進化・発展を繰り返しながらその命を
つないでいます。一方、進化・発展を続けることは容易ではあ
りません。今回は、ビジネスを進化させるための一つのコツを
お伝えします。

■自社ビジネスに旬を掛け算する!

●例えば、前回号でお伝えした【D2C】や【C2M】、【ク
ラウドファンディング】を研究してください。一方、自社にお
ける今までの売り方と突合してください。今までの自社の売り
方と、新しい旬のビジネスモデル【D2C】や【C2M】、
【クラウドファンディング】を掛け算して、自社にとってのこ
れからの売り方を築きあげてください。

●例えば、今までの課金方法(マネタイズ)を確認してくださ
い。一方、旬の課金方法である【サブスクリプション】モデル
を研究してください。その上で、自社にとっての新しい課金方
法にチャレンジしてください。

●例えば、今までの業務フローを確認してください。一方、旬
の【デジタル化】ビジネスモデルを研究してください。その上
で、自社にとってのデジタルシフトを作り上げてください。

●例えば、自社のビジネスの型を整理してください。一方、旬
の【プラットフォーム】ビジネスモデルを研究してください。
その上で、自社ビジネスのプラットフォーム化に取り組んでく
ださい。

…等々

■上記のように、新しいビジネスモデルを創造しましょう。で
きれば、ルールメーカーを目指しましょう。さらに、正しいビ
ジネスの型で世の中に浸透させましょう。

◆1:新しいルール、ビジネスモデルを作り上げた企業は、
『ルールメーカー』として隆々と生きています。

◆2:誰かが作ったルール、ビジネスモデルにいち早く適合し
た企業は、『準ルールメーカー』としてうまく経営できていま
す。

◆3:その他の企業は、昔から存在するルール、ビジネスモデ
ルに従う『ルールの適合者』です。『ルールの適合者』は、そ
のマネージメントやマーケティングが相対的に優れている時に
のみ、一定の規模と利益を享受できます。

優良企業や、特に新規上場を果たすような企業群は、そのほと
んどが『ルールメーカー』又は『準ルールメーカー』です。
ルールの適応範囲の大小にかかわらず、新しいルールを構築で
きた企業群に対して、世間は高い評価を与えます。それが高い
利益率であり、高額な企業価値(時価総額)です。
※ここで言うルールとは、消費者に提供する新しい価値のこと
を指します。企業側から考えると、新しいビジネスモデル、事
業立地を創造することです。今まで世の中に存在しなかった製
品やサービス、提供方法のことです。

企業経営の良し悪しは、そのマーケティングやマネージメント
の上手下手の前に、ビジネスモデルの良し悪しで決まります。
大半の企業は、大きな戦略論である事業立地を含むビジネスモ
デルの議論を放棄して、戦術論であるマーケティングやマネー
ジメントの議論に終始しています。
上記のことを踏まえて、自社の事業立地・ビジネスモデルをし
っかり見直してください。そして、ルールメーカーになってい
ただきたい。中小企業でも、小さなルールの創造者、『スモー
ルルールメーカー』にはなれます。

◎自社ビジネスに旬を掛け算することで、独自のビジネスモデ
ルを創造しましょう。そのためには、旬のビジネスモデルを研
究してください。

どこに給油ポイントがあるか分からないことが経営を困難にし
ています。ガソリンがどれぐらい持つか分からない、どこに給
油ポイントがあり、給油ポイントがあったとしてどれぐらい給
油できるかも分からない、という条件で目的地に辿り着くのは
至難の業です。経営とはそれ程困難な挑戦だと感じます。

目的地に辿り着ける経営者とそうでない経営者の最大の違いは、
言うまでもなく給油(借入)に頼らない自家発電力(利益)を
より多く有しているか否かです。しかし、一切の給油(借入)
を行わずに事業を大きく成長させられることは稀です。そうで
あれば、自社が、「いつ」、「どのような状態であれば」、
「どれぐらいの資金調達ができるか」を知っている方が断然有
利です。

最初の借入可能なポイントは創業時です。創業時の資金調達は
自己資金の2~3倍、かつ2,000万円未満が目安です。よって、
創業までにどれぐらい自己資金を貯めることができるかで資金
調達力が変わります。

次の借入可能なポイントは1期目ないし2期目の決算が終わった
時点、かつ黒字を確保できたタイミングです。裏を返せば創業
から黒字化までの間に借入可能なポイントはありません。創業
融資で調達した資金で黒字化できなければ、新たな融資を受け
られず、事業継続を断念することになります。創業3年以内に7
割の方が事業継続を断念していると言われますが、創業後の給
油ポイントを知らずにアクセルを踏み込みすぎたことが要因の
ひとつだと推測できます。事業を3年以上継続できるかどうか
の最大のポイントは、2回目の資金調達を成功させられるかど
うかです。

3回目以降は売上と利益の成長に合わせて資金調達可能な金額
が決まります。よって、基本的には赤字の場合は資金調達が困
難になります。先行投資をしなければ事業を成長させることは
できませんが、先行投資をし過ぎると赤字になり資金調達がで
きなくなります。そのバランスを取りながら経営のかじを上手
く取ることができるかがポイントです。大変高度な経営センス
を要求されます。

ある日突然資金が不足するという事態に陥らないため、経営の
目的地に辿り着くまでの間、どこでどれぐらいの資金調達を行
うかを書き記したロードマップを作成してはいかがでしょうか。
そのためには、自社がどのタイミングでどれぐらいの資金調達
を行えるかを知ることから始めなくてはなりません。

是非ご相談ください。