銀行融資プランナー協会は、不測の事態に備えてキャッシュポジションを高く取る財務戦略を

提唱していますが、これは倒産を予防するという第1ステージの目標です。

第1ステージの目標をクリア出来たら、次は事業を成長させることを考えなくてはなりません。

第2ステージです。

最近驚いた話ですが、「公庫さんから資本性ローンを調達したものの、1年近く手をつけずに

そのまま置いている。」という経営者様に2回も遭遇しました。どちらの経営者様も、「手元

キャッシュを減らすのが不安だという理由もあるが、そもそも使うあてがない。」といった主旨の

お話をされていました。創業してまだ1、2年の企業様で、年商規模も数千万円ですが、

小さいながらも資金繰りが黒字化したことが要因だと考えられます。

 

「キャッシュポジションを高く取って不測の事態に備える。」という守りの姿勢は重要ですが、

キャッシュを後生大事に抱えていても、わずかな金利が得られるだけです。事業の成長を

促すためには、「一定のリスクを冒してでも、新たな資金需要を自ら生み出す。」という攻めの

姿勢が必要です。

もちろん、新たな資金需要を自ら生み出すのは簡単ではありません。ただ、「新たな商品や

サービスを開発する。」といった大掛かりなことだけが新しい資金需要の創出ではなく、現在の

状態を進化発展させるために、小さな投資を積極的に行うことも立派な資金需要の創出です。

 

例えば、現在は黒字なので現状維持でも問題はないが・・・

・もっと大きな利益を狙って営業人員を強化しよう。

・作業効率を上げるためにIT投資をしよう。

・生産性を上げるために大手企業から工場長を招聘しよう。

・事業シナジーを狙ってM&Aをしかけよう。etc

成長を促すために、自ら資金需要を創出すべきことはたくさんあります。むしろ、たくさん

有り過ぎる一方で、資金は有限ですので、優先順位の決定に悩み続けるぐらいです。

 

経営者様の役割は、有限である資金を、どこに分配すれば最も効率よく事業が成長するかを

見極めることです。

よって、一定の安全性を確保した後は、分配の原資となる成長資金の獲得に積極的に

取り組みましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です