優秀な人材を採用できない、人が定着しない、理由は明白です。
以下解説します。

■大企業と中小零細企業では背景が違います。

大企業は、従業員や就職希望者に対して、自社に対する愛社精
神、忠誠心、帰属意識等のブランドロイヤリティーを提供でき
ます。
相応のBIGカンパニーや著名なベンチャー企業は、社長個人
の魅力ではなく、このブランドロイヤリティーが、継続的な就
業や就職動機として機能します。
一方、中小企業、まして零細企業にブランドロイヤリティーは
存在しません。社長個人がこの役目を果たさねばなりません。
言いかえると、「社長自身の器量やポテンシャルを越える人材
は採用できない、仮に採用できても辞めてしまう」、というこ
とです。故に、より優秀な人材を採用したいのなら、社長自身
が自らの器量やポテンシャルを高めていく努力を続けていくし
か方法がありません。
悲観論ではなく、事実として認識してください。人事はこの認
識から始めなくてはなりません。この前提条件を踏まえて、以
下のテクニカルな話に言及します。

■雇用の安定のための人事における3つの最適化とは…

◆人事業務で一番大切なことは、最適化です。
すべてにおいて最適化のポイントを求め続けることこそ人事担
当者の仕事です。中小零細企業では社長の仕事です。最適化が
なされておれば、人は概ね辞めません。採用もできます。離職
率が極端に高いのは、人が採用できないのは、最適化できてい
ないからです。
離職率が高いからレクリエーションを充実させる…間違えでは
ありませんが、本筋ではありません。採用できないから上手な
キャッチコピーを考える、採用媒体を見直す…間違えではあり
ませんが、本筋ではありません。

◆最適化とは…
1.【従業員の市場価値】と【会社が支払う給与】
2.【会社が従業員に求める業務】と【会社が支払う給与】
3.【従業員の能力】と【その従業員に求める業務】
の三つをバランスさせることです。

1.給与はその従業員の市場価値に適合させることが重要です。
給与はその人の市場価値に対して、安すぎても、高すぎてもい
けません。

○優秀な従業員を安く使えている、これは長続きしません。ど
こかで辞表がでます。
○割高な給与を支払っている、これも長続きしません。どこか
で社長のストレスが爆発します。辞めさせる羽目になります。

2.求める業務に応じた給与を支払ってください。
給与は求める業務に対して、安すぎても、高すぎてもいけませ
ん。

○難解な業務を、薄給の人に求めてはいけません。どこかで辞
表がでます。
○安易な業務を、高給の人に割り当ててはいけません。どこか
で社長のストレスが爆発します。辞めさせる羽目になります。

3.従業員の能力に合わせて業務を割り当ててください。
割り当てる業務は、従業員の能力に対して、難しすぎても容易
過ぎてもいけません。

○能力の低い人に、難解な業務を背負わせてはいけません。ど
こかで辞表がでます。
○能力の高い人には、それ相応の業務を担ってもらいましょう。
有効に活用しましょう。

言うは易く行うは難し…ですが、事業体の人事の肝は上記です。
(程度加減の)正解はだれにもわかりませんが、そのゴールの
無い道をきわめることが人事です。
社長にとって大切なことは、上記の理屈を理解して、程度加減
を是正しながら判断・行動することです。

◆絶対にやってはいけないこと…
○よくできる人材を、薄給を承知で便利に使い続けること
ある日突然辞表がでます。適正な給与(地位)の是正を実施し
なかったことが原因です。

○道理を越えた高給を支払って雇用する、慰留すること
長続きしません。社長の、組織内のアンバランスが限度を超え
た時、辞めさせる羽目になります。そして、大きな罪を作りま
す。その人の人生を歪めてしまいます。

○能力の低い人に、(精神論として)高度な仕事を任せること
訓練の機会・期間を設けずに、業務を何段階もステップアップ
させること、これに耐え得るのはほんの少数です。大半の人は
挫折します。訓練の機会・期間を経ずにやってはいけません。

同様の理屈で…
○薄給で優秀な人材を求めること
○薄給で採用して高度な仕事を求めること
○ただただ高給を訴求して人を採用すること

■最後に二つ…

1.人事をある程度適正に行えば、人はそれ程辞めません。
小さな会社で人が次々に入れ替わるのであれば、それは人事が
なされていないからです。是正が必要です。一方、それでも一
定の比率で人は辞めます。会社への不満とか?ではありません。
人それぞれです。可能な限り円満に送り出してあげることが得
策です。

2.力不相応の人材を求めてもうまくいきません。
これも達観が必要です。まずは(今の)力相応の従業員を求め
ましょう。優秀な人材が集まらないと嘆く社長様も少なくあり
ません。自社や自分の現状を棚にあげて、優秀な人材を求める
社長様がいますが、これも無いものネダリです。

◎良い会社になった時に、優秀な従業員が入社します。良い従
業員が集まるから良い会社になるのではありません。
◎今の実力相応の従業員が入社してきます。鏡の原理です。
◎まれに、将来性に賭けて入社してくれる人もいます。(今の)
力不相応な従業員の雇用は、社長自身が一本釣りするしかあり
ません。これをやってください。できなければあきらめましょ
う。

貴社の人事に対する考え方を、この機会にご一考ください。

伴走型特別保証制度は、実質無利子で利用ができたコロナ融資
制度に代わって登場した保証制度です。「経営行動計画書」を
作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けるこ
とを条件に、借入時の信用保証料が大幅に引き下がるという特
徴があります。

■ 制度の概要は下記となります。
保証限度額:40,000千円
保証期間:10年以内
据置期間:5年以内
金利:金融機関所定
保証料率:0.2%(国による補助前は0.85%)
売上減少要件:▲15%以上
その他要件:
・セーフティネット保証4号、5号、危機関連保証のいずれか
の認定を受けていること
・経営行動計画書を作成すること
・金融機関が継続的な伴走支援をすること(原則四半期に1度)

〇制度概要「中小企業庁HPより」
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2021/210325hosyo01.pdf

「行動計画書」と聞くとたいそうな資料をイメージしてしまい
ますが、「事業者名等」「現状認識」「財務分析」「具体的な
アクション」等を1ページにまとめた簡単な計画書でよいよう
です。

〇行動計画書「中小企業庁HPより」
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2021/210325hosyo02.pdf

そろそろコロナ融資の返済が始まるころかと思います。返済負
担の増加により資金繰りが圧迫されることが想定されますので、
早めの対策を取るよう心がけてください。

■コロナ禍で苦しんだ18か月、少し出口が見えてきたようです。
一方、平時に戻ると、様々なセーフティーネットが解除されま
す。補助金・助成金が徐々に減少し、金融機関の「雨傘」も店
頭から消えます。コロナだから、この説明も説得力を失います。
徐々にですが…

コロナ禍の前後で、デジタル化によるビジネス習慣が大きく変
化するはずです。平時に戻って、得意先にアポイントを入れた
ら「来社せずにZoomで」と言われるかもしれません。従業員
に「以前通り毎日出社して」と指示したら、「では退社します」
と言ってくるかもしれません。

◎経営の最優先課題の一つは、デジタルシフトです。確実に取
り組んでください。

■多くの事業体にとって、デジタルシフトは共通のテーマです。

以下の4つについて整理いたします。
1.デジタルとリアル、その選別を!
2.売り方と業務のデジタルシフト!
3.働き方・雇い方のデジタルシフト!
4.デジタルシフト、このルールチェンジに乗り遅れないため
に!

●1.デジタルとリアル、その選別を!

最大限デジタルにシフトして、残りのリアルは高付加価値化を
図る、リアルはVIP&VVIPに限定して高付加価値化を図りましょ
う。平等主義から脱却しましょう。この選択肢が主流になりそ
うです。

(例)コンサート…廉価でオンライン配信、リアルは人数限定
で高価で最高の環境を提供する。
(例)プロ野球…廉価でオンライン配信(TVは無料)、リア
ルは人数限定で高価で最高の環境を提供する。
(例)アパレル…オンラインで販売、リアルでは現物確認と試
着を。
(例)セミナー…廉価でオンライン配信、リアルは人数限定で
高価で最高のサポートを行う

●2.売り方と業務のデジタルシフト!

自社媒体による直販体制(D2Cモデル)を構築しましょう。

〇デジタルの販売比率の向上を図る!
〇紙媒体からテキスト媒体、さらに音声・動画媒体への転換を
図る!
〇対面業務・営業からオンライン業務・営業への転換を図る!
(オンライン業務・営業が許容される環境が整いました。)

●3.働き方・雇い方のデジタルシフト

紙情報、決済(印鑑)等のボトルネックを無くしましょう。

〇紙情報をクラウド上のデータへ移す!
(アクセス可能な環境整備)
〇出社しての勤務からテレワークへ転換を図る!
〇総合型業務からジョブ型業務への転換を図る!
〇人事制度(雇用形態や評価制度)を大きく見直す!

●4.デジタルシフト、このルールチェンジに乗り遅れないた
めに!

デジタルシフトを大きな経営目標に掲げてください!

〇元に戻そうとする敗者の行動パターンを模倣しない!
〇できない理由ではなく、やり切る決意を持つ!
〇同業種上位20%以内のデジタルシフトを実現する!

近い将来、あの時(コロナショック、令和2年~3年)が自社
の転換点であったことに気づかれるはずです。多くの事業体に
とって、デジタルシフトは喫緊の重要な経営課題です。元に戻
そうとする敗者の行動パターンを模倣することなく、信念を持
って取り組んでください。

企業経営に関する書籍の中で、中小企業経営者がどれぐらいの
役員報酬や退職金を取るべきかという議論はあまり見かけませ
ん。中小企業の経営を指導する様々な立場の方も、社長の報酬
については腫物に触るような扱いです。銀行員の中には、多額
の役員報酬を取ることが、まるで悪い事のように言う方もおら
れます。

一方、そのような風潮の影響かもしれませんが、多額の役員報
酬を得ることに遠慮がちな社長様も少なくありません。「経営
の目的はお金ではない。」「従業員の給与は安いのに、自分だ
けたくさん取る訳にはいかない。」全てにおいて賛成ですが、
その結果、ご自身の老後の生活費に苦労するようなことがあっ
てはいけません。

中小企業の社長様は会社の借入に対して個人で保証をしていま
す。会社の資金繰りが厳しくなれば私財を投げ打って、また知
人に頭を下げて資金を工面します。従業員は会社の借入に個人
的な責任は負いませんし、資金繰りが厳しくなれば退職届を持
ってきます。従業員にとって、会社が危なくなれば次の職を探
すのは当たり前の行為です。役員報酬に消極的な社長様は、ご
自身が抱えているリスクを低く見積もっているか、会社が厳し
い時には、従業員が自分と同じように動いてくれるという甘い
期待を持っておられるのかもしれません。

役員報酬に対する消極性の最大の問題は、会社の利益目標も小
さくなってしまうことです。ご自身の経済的なバックボーンを
確立することが、より大きな社会的使命を果たすことに繋がり
ますので、まずは個人的な目標設定からスタートしてみてはい
かがでしょうか。

■ 役員報酬の目標額を設定する。
社長業を引退する時に、「気づいたら個人の口座に潤沢な資金
が蓄積されていた。」ということはありません。「引退するま
でにいくら稼ごう。」という強い意志が必要です。せっかくリ
スクを負って社長業をしておられるのですから、周囲の反応を
気にせず、大それた金額を設定してみてはいかがでしょうか。
大きな役員報酬を目標にすることで、おのずと事業の収益力を
高める必要性に迫られます。今までのビジネスモデルを大きく
進化発展させることは、会社にとっても社会にとっても良いこ
とです。

■ 資金計画を立てる。
目標額を決めたら次に計画を立てます。計画を立てる際の重要
なポイントは「利益計画ではなく資金計画を立てる。」と言う
ことです。利益計画は、株主や銀行に対する説明資料としては
最適ですが、会計上の利益と実際のキャッシュは連動しないこ
ともあります。ご自身のために計画を作るのであれば、「利益
ではなくお金をいくら手元に残したいか。」という生々しい資
金計画の方が適していると考えます。

当事務所は、大企業向けの教科書的で美しい経営理論、銀行の
考え方などを理解したうえで、中小企業の社長様が真に取るべ
き戦略を研究しています。大企業のような美しい事業計画書を
作成する前に、まずは個人的な計画から作成してみてはいかが
でしょうか。資金計画の作成は、当事務所の資金繰り円滑化サ
ービスが役立ちます。是非、お問い合わせください。

少なくない中小企業のビジネスモデルは、成熟期後期から斜陽
期にあります。このステージにある事業体に必要なのは、マネ
ージメント強化ではなく事業開発です。耐久年数を超えたマシ
ーン(事業)をいくら磨き込んでも限界があります。新たなマ
シーン(事業)を開発するか、大きな改良を加えなければ経営
は良くなりません。従業員の頑張りのレベル=マネージメント
ではなく、事業開発=経営の問題です。

マネージメントの強化ではなく、事業開発が必要です。
以下、事業開発を行うときの要諦(主にマネタイズについて)
を整理しました。

◆1:売り切りではなく継続的な売上を確保する。

売上を大きく分類すると、売り切りの売上と継続課金のそれが
あります。できるだけ継続課金の売上比率を高く設定しましょ
う。経営のすべてが楽になります。
サブスク(2.0)のビジネスモデルを研究してください。

◆2:売り先の集中を避け、販売先を分散させましょう。

過度の売り先の集中は下請化と同じです。売り先は広く分散さ
せる、集中しているなら自社独自の製品・サービスを開発して
広く販売しましょう。
D2C(C2M)のビジネスモデルを研究してください。

◆3:販管費ミニマム経営、持たざる経営を行いましょう。

費用は販管費ではなく、売上に紐付く原価で賄いましょう。
人件費ではなく外注費で、社員ではなく業務委託費で収支設計
を行ってください。
原価もできるだけ従量課金にならない設定で契約しましょう。
持たない経営、新時代のマネージメントを実現しましょう。

◆4:限界費用ゼロモデルに挑戦しましょう。

限界費用ゼロとは、売上が伸びても費用が伸びないビジネスモ
デルです。動画配信事業ネットフリックス等はその代表例です。
リアルビジネス運営者には難しいですが、その時は、自社の有
するノウハウを活用した同業者支援ビジネスが有効です。同業
者支援モデルはIT化できます。

また、コンサル系等の知的財産を提供するビジネスは、労働集
約型を改めて、非労働集約型への転換を図る必要があります。
IT活用で実現できます。

斜陽期を迎えた事業をマネージメントで活性化するのには限界
があります。事業そのものを抜本的に見直す、作り直す…事業
開発が必要です。また、新しい事業は、上手く行ったときには
とんでもなく素晴らしい事業になるように、当初から設計して
ください。

◆事業開発・新規事業の目標

◎継続売上比率50%を目指す!
◎売り先集中比率30%以上はNG!脱・下請け!
◎販管費(固定費)ミニマム経営、持たざる経営の実現!
◎限界費用ゼロモデルへの挑戦!

繰り返しますが、耐久年数を超えたマシーン(事業)をいくら
磨き込んでも限界があります。新たなマシーン(事業)を開発
するか、大きな改良を加えなければ経営は良くなりません。
従業員の頑張りのレベル=マネージメントではなく、事業開発
=経営の問題です。

素晴らしい事業を構想して、3年後5年後には完成させましょ
う。そのために、今すぐ始動してください。

数年ぶりに保険を見直してみると、思わぬ無駄が見つかること
があります。銀行借入も同じく、定期的に見直すことにより、
借入を最適化することができます。

借入の見直しを行うためには、借入残高一覧表を作成すると便
利です。借入残高一覧表とは、銀行名、借入額、金利、借入時
期、返済年数、毎月の返済額と借入残高が一目で分かるように
まとめられた資料です。

例えば、返済期間が残り2年を切った下記の借入が2本あると
します。

A:借入残高300万円 毎月返済額10万円
B:借入残高250万円 毎月返済額10万円

A,Bの借入を返済する前提で、新たに1,000万円の借入
を返済期間5年で行うと、手元資金が450万円増加したうえ
で、毎月の返済額が約3万円下がります。

もちろん、Aだけ、Bだけでも、借り換えにより、返済額を増
やさずに手元資金を増やすことができます。ポイントは、例え
ば5年返済の3年目、10年返済の5年目など、返済期間の半
分を経過している借入が検討の対象となります。

また、簡単ではありませんが、保証付き借入をプロパーにまと
めることができれば、保証協会の枠が空くとともに、既存借入
の保証料が戻ってきます。

借入残高一覧表は、自身で使うだけでなく、金融機関との金利
交渉にも役立ちます。他金融機関よりも飛びぬけて金利が高い
金融機関がある場合は、一覧表で他行の金利水準を示して交渉
するのがスマートです。

複数本の借入があり、定期的な借入の見直しを行っていない企
業様は、是非ご相談ください。

弊所にて借入の最適化をご提案させていただきます。

少々偏見も混ざっているかも知れませんが、社長…についてお
話しします。この機会に考えてみてください。

◆1.社長の勘違い(その1)!
幹部との立場の違いを間違える!

◎幹部(No.2)でも、社長とは全く立場が異なります。

1.社長は、責任100%、成果も本当は100%!
2.自分は破産、その他は失業が最大リスク!
3.幹部も含めて常識的に働いてもらう!
4.会社には、自分とその他大勢、この2種類しかいない!

◆2.社長の勘違い(その2)!
過度に従業員に期待する!

◎従業員に求めすぎです。

1.普通の給料(薄給)で優秀な人を求める!
2.分不相応な人材を求める!
3.過度に高度な能力を期待する!
4.従業員の役割を間違える!
決められたことを普通にやる⇒及第点
5.大事な仕事も任せたがる!

◆3.社長の勘違い(その3)!
マネージメントだけが経営ではない!

◎マネージメント偏重型社長が多い!

1.マネージメントは重要ですが…
2.経営不振、低生産性はすべて経営問題!
3.経営の本質は、事業立地や座組の改革!
4.社員教育重要ですが、社長の学び、さらに重要!

◆4.社長の勘違い(その4)!
現場主義もほどほどに!

◎現場偏重社長が多い!

1.現場は重要ですが…
2.経営の本質が、現場に居るから見つかる訳ではない!
3.過度な現場志向は目先問題偏重を招く!
4.出社する…この呪縛から自分を開放する!

◆5.社長の勘違い(その5)!
社長の仕事、この定義を間違える!

◎生涯目先問題から抜け出せない経営者も少なくない。

1.目先のお金・人・事業(売上・利益)問題は、本来の社長
の仕事ではない!
2.近未来の事業(売上・利益)問題こそ社長の仕事!

◆6.社長の勘違い(その6)!
忙しいは美しくない、みっともない!

◎時間に余裕を持ってください。

1.忙しいとは…
自分でコントロールできない時間が多い!
急ぎでない重要な仕事ができない!
2.余計なことをしない習慣!
忙しさに安心感を求めない!

◆7.社長の勘違い(その7)!
自己責任の範囲を間違える!

◎1ミリも欠けることのない完璧な当事者意識!

1.自分の周りに起きること、そのすべて百%が自己責任!
2.法律や道理に沿った責任を追及しても無意味!
3.隕石が降ってきて自分に当たっても百%自己責任!

◆8.社長の勘違い(その8)!
お付き合いもほどほどに!

◎群れない・つるまない!

1.お付き合いの呪縛から解放する!
2.仮説を持ってお付き合いする!
3.一人で束縛されず自由に生きる
※脱・お人よし!

上記がすべて正しいと断言するつもりはありません。ただ、社
長様ご自身の考え方を見つめ直してもらえれば幸いです。

数値計画書というと、売上と利益が分かる損益計画書が一般的
ですが、場合によっては、キャッシュの収支が分かるキャッシ
ュフロー計画書の方が有益な場合があります。

■ 事業計画書の問題点
顧問先さまから「利益目標と言われても実はピンと来ない…」
とお聞きすることがあります。

利益の難しいところは、赤字だからと言ってすぐに倒産はしま
せんが、反対に黒字なのに倒産する場合があります。また、赤
字でも金融機関の融資を受けられる場合もあるなど、その重要
性を真に理解するのは容易ではありません。

よって中小企業にとっての数値計画書とは、(銀行用などに)
形式的に作成するもの、もしくは、作成しても活用していない
というのが実態ではないでしょうか。

■ キャッシュフロー計画書とは
キャッシュフロー計画書とは、売上や利益の計画では無く、売
上金の回収、借入、設備投資等、あらゆる事業活動の資金の計
画です。利益では無く、営業キャッシュフローの黒字化や資金
の増加額を目標とします。

■ キャッシュフロー計画書の特徴
キャッシュフロー計画書を作成することにより、売上や利益が
どれくらい必要かということはもちろん、売上の回収期間を短
期化すべき、借入の返済期間を長期にすべき、無駄な資産を売
却してキャッシュを獲得すべき…など、やるべきことがより明
確になります。

<キャッシュフロー計画書の優位点>
・実際のキャッシュの出入りに基づいているため、事業計画書
よりも分かりやすい。
・利益では無く、毎月のキャッシュの残高を管理するため倒産
しにくくなる。
・事業計画書では把握できない、取引条件の変更、借入の返済、
設備投資等も網羅している。

当事務所が、利益よりもキャッシュフローを重視したコンサル
ティングを行っているのは他にも理由があります。例えば、将
来の結婚や葬式のために積立金を預かる互助会や、チケットを
事前に販売する業態は、売上よりも先にキャッシュが入ってく
るため資金が潤沢になります。資金調達力が弱い中小企業が大
きくビジネス展開をするためには、単なる利益だけではなく、
この様なキャッシュを増やす工夫も必要だと考えるからです。

是非、キャッシュフロー計画の作成に取り組んでみてはいかが
でしょうか。

『A社の社長は営業部長、B社の社長は財務(管理)部長、C
社の社長は人事部長…中小企業経営者は、自分の得意な分野・
必要と思う分野・認識できる分野でのみ仕事を行っています。
多くの中小企業では、機能が欠落したまま経営が行われ続けて
います。』(SP経営協会)

冒頭の文章は、経営は総合格闘技であり、状況に応じて、優先
順位の高い打ち手を放ち続けることが必要ですが、その打ち手
が偏っていることを示唆しています。

中小企業は、
社長が営業型であれば、いかなる時も売ることで経営課題を解
決しようとしがちです。
同様に、職人型であれば製品・サービスの開発で、財務型・管
理型であれば財務や管理で、人事型であれば人で、ストラテジ
ー型であれば戦略で解決しようとしがちです。
本来は、状況に応じて総合的に解決することが重要です。

事業体に必要な様々な機能は、トップマネージメントの役職に
使われる以下の機能を当てはめると分かり易いです。

●CEO(Chief Executive Officer)
…経営全体のトップマネージメントを担当し、企業全体の長期
的な経営戦略を策定する。

●COO(Chief Operating Officer)
…CEOに次ぐナンバー2としてその戦略を具体的な戦術に。

●CFO(Chief Financial Officer)
…財務・経理、資金調達や運用を担当。

●CSO(Chief Strategy Officer)
…経営陣と共に企業の戦略立案を行い、実行プロセスを構築。

●C〇O(Chief 〇 Officer)…等々

企業規模に関わらず、上記の機能はどんな会社にも必要です。
また、中小企業では、多くの機能を社長自らが兼任するか、ま
たは、手つかずの状態です。
手つかずの状態で、かつ、その認識すらない社長には、それを
充足することができません。長期間(一生涯)機能が欠落した
状態が続きます。

CSO機能が存在しない会社に、新しい事業を創造することはで
きません。
CFO機能が存在しない会社は、生涯財務無知での経営を余儀な
くされます。

【自分の得意な分野】【必要と思う分野】【認識できる分野】
のみで仕事をしないでください。

◎総合的であってください。
◎特に、ストラテジー(戦略発想)の欠落を認識し補ってくだ
さい。

社長様、あなたの経営は偏っていませんか?

資金をガソリンに例えると、どこに給油ポイントがあるか分か
らないことが、スタートアップの経営を困難にしています。ガ
ソリンがどれぐらい持つか分からない、どこに給油ポイントが
あるか分からない、給油ポイントがあったとしてどれぐらい給
油できるかも分からない、という状態で目的地に辿り着くのは
至難の業です。

まずは一般的なスタートアップ企業の資金調達の実態を知りま
しょう。創業時は、日本政策金融公庫や信用保証協会で創業融
資が用意されています。要件さえ満たせば、比較的簡単に融資
を受けることが出来ます。

最初は自己資金で創業し、お金が足りなくなったら借りに行こ
うという方もおられますが、上手くいかないことが分かった時
点で融資を申し込んでも、断られる可能性が高くなります。創
業時に立てた計画通りに進捗することは殆どありませんので、
上手く行かないことが露呈する前、創業時に最大限の調達をし
ておくことがポイントです。

ただ、本当の勝負は2回目の借入です。創業融資は比較的誰で
も借りることができましたが、2回目の融資は審査が厳しくな
るため、その融資を受けられるかどうかで命運が分かれます。

2回目の融資を受けられる時期は、1期目ないし2期目の決算
が終わったあたりです。裏を返せば、創業から1~2年は自己
資金と創業融資で頑張らなくてはならないということです。ま
ずは給油ポイントまでの1~2年間を何としても生き延びなく
てはなりません。

しかし、単に生き延びただけでは融資を受けるのは難しいかも
しれません。2回目の融資からは業績が重視されるため、売上
や利益といった結果が必要になります。それなりの業績を残さ
ないと次の扉が開かない仕組みです。

2回目の融資は簡単ではないことを理解してもらえたと思いま
すが、本当は利益を出せるのに、納税を嫌い、敢えて業績の悪
い決算を組む創業者の方も少なくありません。事業を拡大した
いと考えているならば、絶対に避けたいミステイクです。

2回目の融資を断られる、もしくは少額に留まってしまうと、
前に攻めることができない⇒低成長⇒さらに融資も出なくなる
という悪循環に陥り、事業の拡大どころか、会社の維持が精一
杯という状態に陥ってしまいます。

一方、納税を受け入れて利益をしっかりと出した企業は、2回
目のファインナンスにより企業を成長させることができ、その
成長が更に融資を呼び込みます。

1期目もしくは2期目の決算処理を誤ることで、5年後の姿が
大きく変わることを知ってください。