前回号の続きです。

■勝ち組と負け組の価格戦略は真逆です。

市場が飽和した日本のマーケットにおいては、モノやサービス
を安く買おうとするエネルギーが蔓延しています。モノやサー
ビスを提供する企業サイドも、その趨勢に迎合することで、自
社の売上を確保しようと考える傾向が強いようです。

一方、十分な利益を確保できる価格設定を行ったうえで、隆々
と経営を続ける企業もたくさんあります。当然、たくさんの顧
客に支えられているはずです。

前者と後者、雑駁に分類するなら負け組と勝ち組です。
前者(負け組)が4割、後者(勝ち組)が2割、中間が4割、
このような分類になりそうです。

◆前者(負け組)企業の価格戦略は…

「価格(安売り)を売るための道具」だと思っています。
「価格は安い方が売れる」と思っています。
「価格は、できるだけ安めに設定するべき」と思っています。
「価格が高すぎて売れない」ことを過度に嫌います。
「売れないより、薄利でも売れた方がよい」と考えています。
※うまく行ってたくさん売れても「繁盛貧乏」に陥ります。儲
からないのに忙しい状態でバランスしてしまいます。後は頑張
って・頑張り続けて…現状維持が関の山です。

◆後者(勝ち組)企業の価格戦略は…

「価格を売るための道具には使わない」との信念を持っていま
す。
「価格が安くても売れるわけではない」と思っています。
「価格は、できるだけ高く設定すべき」と思っています。
「(仮に)高すぎて売れないことが有っても仕方ない」と思っ
ています。
「薄利で売るよりも、売れない方がよい」と考えています。
※うまく行けば、たくさん売れて儲かる「繁盛高収益」の状態
になれます。利益で次の投資ができ、さらなる成長を目指せま
す。うまく行かなければ、「閑散貧乏」の状態です。やり直せ
ます。

■価格に対する二つの潮流…

モノやサービスを安く買おうとする潮流に巻き込まれることは
得策ではありません。もう一つの潮流、「良いモノ・必要なモ
ノが欲しい。対価は払う」に乗せましょう。気を付けてくださ
い。前者の潮流の方が目立っています。後者は静かに流れてい
ます。値上げは粛々と実施されます。

■もう一度「価格戦略=値決め」を再考してください。

「値決め」は経営の要諦です。であるにも関わらず、値決めに
掛ける手間暇が少なすぎると思っています。総じて安く付けす
ぎているとも思っています。間違えた「値決め」が経営に与え
るダメージを過小評価してはいけません。

事業は付加価値を求めつづけることでのみ継続できます。値決
めは重要な経営判断です。安売りは悪です。利益を計り、利益
を求めてください。また、コストは自然に膨らみます。意識し
て抑え込んでください。高収益(Profitable)な企業体作りを
強く意識してください。

◎「価格戦略=値決め」は、経営成績に甚大な影響を与えてい
ます。勇気をもって「価格戦略=値決め」をご再考ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です