貴社の経営は、本当はもっともっとうまく行くはずです。貴社
の経営にブレーキをかけている何か(疾病)があるはずです。
それらを見つけ出して、このブレーキ(疾病)の治療・予防の
方針を学ぶ事ができれば、明日からの経営が激変するはずです。
経営がうまく行かない理由…企業が患う5大疾病について言及
いたします。

■病名5:【お人好し症候群】という病は…

創業者~中小企業までの経営者は、社長でありかつ現場のリー
ダーです。大企業の社長とは違います。その指示・命令は、概
念的な「フワッとした」曖昧な内容ではなく、明瞭でなければ
なりません。指示の曖昧な社長は少なくありません。また、頼
まれ事に「NO」と言えない(断ることができない。)社長も
少なくありません。さらに、従業員に嫌われたくないとの思い
からか、その距離を詰め過ぎる社長、嫌ごとや厳しい事を言え
ない社長も少なくありません。
この様なトップの率いる経営体は、組織自体がすべてにおいて
緩く・甘くなっています。

■この様な、緩い・甘い経営体を『お人好し症候群』と呼びます。

【お人好し症候群】の経営体の経営者は、以下のような状況です。
1.自分の判断は、どちらかというと甘いと思う。
2.自分の判断は、どちらかというと曖昧だと思う。
3.自分はNOと言いにくい性格だ。
4.自分は自分に甘いようだ。
5.自分は従業員に甘いようだ。
6.従業員は他の従業員に甘いようだ。
7.自分はお人好しだと思う。

いかがでしょうか?

■病名:『お人好し症候群』を整理します。

○判断が総じて甘く・緩くなる病です。

○原因
胆力の欠落と人の好さが原因です。胆力は長期間、長時間は継
続できません。また、人の好さが災いして、嫌なことを先送り
しがちです。胆力の維持できる範囲内で判断する、嫌なこと、
厳しいことを臆さずはっきり口に出す、これを意識しないと、
甘い・緩い経営になってしまいます。

○症状
すべてが緩慢になっています。仲良し倶楽部になっています。
早期の治療が必要です。
※企業経営はぴりぴりと張り詰める緊張感の中で行うものです。
一つ一つの判断が生死を分け、どちらかというと楽しいことよ
り嫌なこと、厳しいことが多いはずです。

■『お人好し症候群』への対応は…
人の好さは、会社に『甘さ』『緩さ』を蔓延させ、会社を破滅
に導きます。心に一匹の鬼を持って経営判断を行ってください。
厳しいことを臆さずはっきり口に出す、NOならNOとはっき
り言える経営者であってください。また、数値管理を最小単位
まで落とし込んでください。数値を判断基準にすると、曖昧さ
は減少します。

○対策
経営判断を明確(Clearly)にしてください。
1.経営判断に『甘さ』『ゆるさ』を持ち込まないでください。
2.NOといえる経営者になってください。
3.数値(目標、結果)管理を最小単位で徹底してください。

■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。
◆病名1:分散症候群  …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:財務無策症候群…有病率70%
◆病名4:前のめり症候群…有病率40%
◆病名5:お人好し症候群…有病率60%

◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。

【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:手持ち資金を潤沢(Ample)に維持すること。
◆第4条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体を
維持すること。
◆第5条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。

2016年に施行された「中小企業等経営強化法」について、
現在の状況を解説します。

中小企業等経営強化法とは、製造、卸・小売、外食・中食、宿
泊、医療、介護、保育、貨物自動車運送業船舶、自動車整備等
の事業分野ごとに、各事業の所管大臣が示した経営力向上のた
めの取組(顧客データの分析、ITの活用、財務管理の高度化、
人材育成等)に基づいて計画を立て、認定を受けることにより、
税制面の支援等を受けられるという仕組みです。

中小企業庁によると、平成30年6月30日現在の認定件数は
63,469件ですので、認定を受けている中小企業は、まだ
まだ少ない状況ですが、設備投資を予定している企業にとって
は次のメリットがあります。

◆ 経営力向上計画の認定を受けるメリット
1.計画に基づいて行った設備投資について、固定資産税が3
年間半分になります。

2.計画に基づいて行った設備投資について、全額を即時に償
却することができます。もしくは、設備投資額の10%の
税額控除を受けることができます。

3.日本政策金融公庫、及び商工中金による低金利融資、信用
保証協会の保証枠の拡大が受けられます。

税金が安くなることは中小企業にとって大きなメリットです。
設備投資を行う予定があるならば、利用することをおすすめし
ます。具体的な流れは次のとおりです。

1.工業会等による証明書や、経済産業局による投資利益率に
関する確認書を取得します。
2.当該設備を利用し生産性を上げるための「経営力向上計画」
を策定し、各事業分野の担当省庁から認定を受けます。
3.認定を受けた計画に基づき、当該設備を取得します。

2で策定する「経営力向上計画」が大変そうだと思われたかも
しれませんが、「経営力向上計画」は、A4サイズの申請書が
2枚だけです。それほど大変な作業量ではありません。

500万円の設備投資を行ったと仮定すると、即時償却の場合
は、当期の法人税を150万円(実効税率30%とした場合)
削減することができ、税額控除を選択した場合は、法人税を
50万円削減したうえで、減価償却も通常通りに行うことがで
きます。

ご自身で計画の策定が難しい場合は、認定支援機関の支援を受
けて策定することもできますので、弊所までご相談ください。

貴社の経営は、本当はもっともっとうまく行くはずです。貴社
の経営にブレーキをかけている何か(疾病)があるはずです。
それらを見つけ出して、このブレーキ(疾病)の治療・予防の
方針を学ぶ事ができれば、明日からの経営が激変するはずです。
経営がうまく行かない理由…企業が患う5大疾病について言及
いたします。

■病名4:【前のめり症候群】という病は…

創業者~中小企業まで、その大半は小資本、過小資本で経営し
ています。少しのミスが致命傷になります。この実態を謙虚に
受け止めて、(資本を積み上げるまでは)出来るだけリスクを
取らない経営を行うしか他に方法はありません。
過少資本である現実を無視して、大きく攻め込んでしまう経営
者は危険です。少しばかりうまく行ったから・うまく行きそう
だと考えて、安易に人を増やす、事業所を拡大する、事業領域
を広げる等々、この判断とタイミングを間違えると命取りにな
ります。
このステージでは、行き過ぎるデメリットは、遅れるデメリッ
トよりもはるかに大きくなります。小資本、過小資本の会社は、
少し遅れながら攻めてください。
※攻めるためには余力が必要です。自己資本の充実や財務戦略
が重要です。

■この様に、実力以上に攻め込む経営体を『前のめり症候群』
と呼びます。

【前のめり症候群】の経営体には、以下のような症状が現れます。
1.ぎりぎりの経営をしていると感じる。
2.毎日が緊張の連続で疲れる。
3.少し売上が落ちるとすぐに経営が厳しくなる。
4.資金繰りに追われている。
5.攻めすぎているかも、と感じることがある。
6.攻めすぎたと反省している。

いかがでしょうか?

■病名:『前のめり症候群』という疾病を整理します。

○会社の実力以上に事業を攻めすぎる、組織を大きくし過ぎる
病です。
○攻めるタイミングが、攻める規模が、自社の資本力・体力に
比べて早すぎる、大きすぎることが原因です。また、財務無
策や緩慢な経営管理が気付きを遅らせています。

○症状
持ち合わせた経営資源のすべてを出し切って、ぎりぎりの経営
を行っています。ひとつ判断が狂うと、一挙に経営の根幹が揺
らぎかねない状況に陥ります。企業経営においては、どうして
もこのステージを避けられないこともありますが、可能な限り
回避すべきです。それを恒常的につづけていると、会社も社長
も疲れ果ててしまいます。極めて危険な状況です。早期の治療
が必要です。

■『前のめり症候群』への対応は、事業の速度を落とすこと、
後退させることで、前のめりの角度を緩やかにすることです。
一方、財務戦略を確立することで補うことができます。
また、自己資本の充実や財務戦略をしっかり確立するまでは、
出来るだけリスクを取らない経営を行うしか他に方法がありま
せん。

○対策
変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体を維持して
ください。
1.事業を攻め過ぎないでください。
2.ビジネスモデルを早期に固め過ぎないでください。
3.経営の推移を小まめに把握してください。

■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。
◆病名1:分散症候群  …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:財務無策症候群…有病率70%
◆病名4:前のめり症候群…有病率40%
◆病名5:お人好し症候群…有病率60%

◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。

【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:手持ち資金を潤沢(Ample)に維持すること。
◆第4条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体
を維持すること。
◆第5条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。

…次回号につづきます。

関与先様の紹介で来所されたA社の事例です。資金繰りが厳し
いとのご相談でしたが、決算から11か月が経過しているにも
関わらず、試算表を作成していなかったため、明確な状況を把
握出来ませんでした。ヒアリングによると、「今月末の資金が
不足しており、一応B銀行に融資を申し込んでいる」ことが判
明しました。

しかし、必要な資金の額を把握しなくては、果たして新規の融
資を受けるべきか、リスケジュールをするべきかが分かりませ
ん。よって、大まかな利益状況を調べることにしました。

利益状況を調べている最中に、「B銀行から2,000万円の
融資がおりたので借入をする。」との連絡が社長からありまし
た。まだ調査中でしたが、その時点で、足元の赤字が1,000
万円以上になっていることは確実で、さらに毎月の約定返済額
300万円を考慮すると、本当に2,000万円で足りるかは
疑問でした。しかし、B銀行の融資は数日後に実行されました。

その後、完成した資金繰予定を確認すると、2,000万円の
融資を受けたうえで、翌々月には資金がショートすることが判
明しました。現状の利益では、新規融資は見込めませんので、
リスケを依頼するしかない状況です。

社長は、「B銀行だけ返済して、その他の銀行をリスケすれば
良いのでは?」とおっしゃいますが、リスケジュールは、すべ
ての債権者に平等に対応しなくてはならず、特定の借入だけを
返済することはできません。足元の状況を調べなかったB銀行
にも落ち度はありますが、返済できないことを分かっていて、
融資を受けたと取られると、心証面でこじれてしまい、リスケ
ジュール全体に影響を与える懸念が生じます。

そのような状況の中、メインの銀行、サブの銀行、日本政策金
融公庫の順にリスケの依頼を行いました。どちらの金融機関も、
「他行も同様の条件であればリスケジュールに協力します。」
という返事でした。協力的な姿勢ではありましたが、「他行も
同様であれば」という条件付きです。もし、B銀行がリスケに
応じない場合は、法的整理も視野に入れなくてはなりません。

最後にB銀行と面談してリスケの意向を伝えたところ、担当者
は感情をあらわにして、不動産売却による返済を迫ってきまし
た。たった1回しか返済していない状況でのリスケの依頼です
ので、担当者が怒るのも当然です。しかし、不動産は売却代金
を資金繰りに充てようと考えていたため、担保も内入れも応じ
られないとお断りすると、ついに「何とかしてもらわないと困
る。」と泣きついてきました。上司からも相当責められている
ようです。

協議した結果、担保余力のない不動産に2番抵当をつけること
で最終的にリスケに応じてもらえました。これにより、無事に
すべての金融機関でリスケの承認を得ることができました。

リスケジュールは全金融機関の足並みを揃えなくてはなりませ
ん。一行でも反対があると難しくなりますので、慎重に進める
必要があります。直近借入があるなど、懸念材料がある場合は
事前にご相談ください。

貴社の経営は、本当はもっともっとうまく行くはずです。貴社
の経営にブレーキをかけている何か(疾病)があるはずです。
それらを見つけ出して、このブレーキ(疾病)の治療・予防の
方針を学ぶ事ができれば、明日からの経営が激変するはずです。
経営がうまく行かない理由…企業が患う5大疾病について言及
いたします。

■病名3:【財務無策症候群】という病は…

創業者~中小企業まで、その過半は財務機能を有していません。
また、間違えた考え方を鵜呑みにしておられる経営者も少なく
ありません。
○資金調達のための与信力が低いにもかかわらず、資金のダム
を作って備えようとしません。
○(日傘しかない)金融機関に、資金が不足した時に融資を受
けに(雨傘を借りに)行こうと考えています。
○利益は納税額だけではなく、今後の資金調達力を決めること
になる、これを理解せず、目先の過度な節税を目指します。
※借入れ(融資)可能額は、簡易キャッシュフロー(税引き後
利益+減価償却費)を基準にその概算が判定されます。
これらの財務無知から来る財務無策は、『お金に苦労する経営』
という結果を招くことになります。

■この様に、財務に対する備えが希薄、または、間違えた考え
を持っている経営体を『財務無策症候群』と呼びます。

【財務無策症候群】の経営体には、以下のような症状が現れま
す。
1.金融機関との継続的な関係を築けていない。必要な時のみ
頼る。
2.資金繰りに苦労をしても、借入れは少ない方がよいと考え
ている。
3.資金繰りの余裕が少ない。
4.支払金利に(過度に)敏感である。
5.継続的に資金繰りを管理する仕組みを持ち合わせていない。
6.そもそも『財務』の概念を知らない。

いかがでしょうか?

■『財務無策症候群』という疾病を整理します。

○財務戦略がないために、お金に苦労する経営体に甘んじる病
です。

○原因
財務無知、または、財務無策です。

○症状
手持ち資金が極小であっても、資金繰りに苦労しても、とにか
く借入れを減らして(行わずに)経営を続けようとします。
また、貸し手である金融機関の都合を理解できず、自社の都合、
必要な時に必要な金額だけ貸して欲しいとの借り手の都合で行
動します。少しでも歯車が狂えば、途端に危機的な状況に陥っ
てしまいます。早期の治療が必要です。

■『財務無策症候群』への対応は、財務の機能を持つことです。
中堅以上の企業には、必ずこの機能があります。

○対策
1.金利を気にせずに『借りられる時に借りられるだけ借りる。』
2.『貸し手の論理』(借り手の論理ではなく)に沿って資金
調達を継続する。
3.納税を恐れずに利益をだす。
自己資本の充実と簡易キャッシュフローの最大化を図る。
4.精度の高い6カ月~1年先までの資金繰り計画を持ち続ける。
5.金融機関との継続的な関係を構築する。

■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。

◆病名1:分散症候群  …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:財務無策症候群…有病率70%
◆病名4:前のめり症候群…有病率40%
◆病名5:お人好し症候群…有病率60%

◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。

【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:手持ち資金を潤沢(Ample)に維持すること。
◆第4条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体
を維持すること。
◆第5条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。

…次回号につづきます。

大きな事業を目指せば目指すほど資金は必要になります。経営
者にとって、資金の供給面で最大の事業パートナーとなるのは
金融機関です。パートナー選びを間違わないようにしましょう。
より多くの資金調達を目指す場合の正しい金融機関選びをご紹
介します。

地域により目安となる年商規模が変わる可能性はありますが、
下記は、年商に応じた取引金融機関のイメージです。

■ 創業から年商3億円程度までのステージ
・日本政策金融公庫からの融資
・信用金庫、信用組合からの保証協会保証付き融資
・信用金庫、信用組合からのプロパー融資

■ 年商3億円程度から年商10億円程度までのステージ
・日本政策金融公庫からの融資
・信用金庫、信用組合、地方銀行からの保証協会保証付き融資
・信用金庫、信用組合、地方銀行からのプロパー融資

■ 年商10億円超のステージ
・日本政策金融公庫からの融資
・信用金庫、信用組合、地方銀行、メガバンクからの保証協会
保証付き融資
・信用金庫、信用組合、地方銀行、メガバンクからのプロパー
融資

審査の難しい順で並べると、最も融資を受けやすいのは日本政
策金融公庫で、次に保証協会保証付き融資です。続いて信金信
組プロパー融資、地方銀行プロパー融資、メガバンクのプロパ
ー融資となります。

資金戦略上最も重要なポイントは「保証協会保証付き融資をど
この金融機関に割り振るか。」です。保証協会とは、その名の
とおり保証をする機関であり、直接融資をすることはありませ
ん。保証協会の保証があれば、例え創業したばかりの企業でも
メガバンクから融資を受けることができますが、保証付き融資
を利用する金融機関選びは重要です。

メガバンクからプロパー融資を受けられる基準にない企業が、
保証付き融資をメガバンクで利用したケースを考えてみます。
メガバンクとの関係は、あくまでも保証付きが前提ですので、
いざと言う時にプロパー融資をお願いしても門前払いです。
その時に慌てて信金信組に駆け込んでも、初めてお付き合いす
る相手にいきなりプロパー融資を出す可能性は低くなります。
また、信金信組の立場からすると、「メガバンクが安全性の高
い保証付き融資なのに、なぜうちだけがリスクの高いプロパー
融資を出さなくてはならないのか?」となります。

別の見方で検証します。貴社が年商3億円の企業と仮定した場
合、超大手企業をメインの取引先としているメガバンクにとっ
て、貴社はあまり重要でない顧客です。形式上の担当者か、も
しくは担当すらつかないこともあります。一方、地域密着型で
比較的小規模の事業者を取引先としている信金信組では、貴社
は重要な顧客として迎え入れられる可能性があります。エース
級の担当がつき、プロパー融資も含めて資金面を支えてもらえ
る確率が高まります。

より多くの資金調達を目指す場合、いかに早いステージでプロ
パー融資を調達できるかどうかが重要になります。いきなりプ
ロパー融資を受けられるケースは少なく、一般的には保証付き
融資からスタートして信用を積んだ後、少しずつプロパー融資
を受けられるようになります。保証協会の保証枠には上限があ
りますので、最もプロパー融資を出してくれる可能性の高い金
融機関で保証付き融資を利用するのが最善です。

貴社の経営は、本当はもっともっとうまく行くはずです。貴社
の経営にブレーキをかけている何か(疾病)があるはずです。
それらを見つけ出して、このブレーキ(疾病)の治療・予防の
方針を学ぶ事ができれば、明日からの経営が激変するはずです。
経営がうまく行かない理由…企業が患う5大疾病について言及
いたします。

■病名2:【安売り症候群】という病は…

「値決め」は経営の要諦です。であるにも関わらず、値決めに
掛ける手間暇が少なすぎると思っています。総じて安く付けす
ぎているとも思っています。間違えた「値決め」が経営に与え
るダメージを過小評価してはいけません。
経営者は閑散な状態を嫌います。故に、安すぎる「値決め」を
して、貧乏しても繁盛したいと考える傾向があります。「繁盛
貧乏」がはびこるのはこのためでしょう。
経営者は楽な道を選びます。苦労して付加価値を積み上げるよ
りも、価格を低く抑えて価値とバランスしようと考えてしまい
ます。価格を売るための道具に使ってしまいます。
安売り戦略の大罪は、良いものを創り出そうとする知恵を奪い
取ることです。この愚策を長年続けている集団から、新たな商
品やサービスを創り出す創造力は生まれません。商品やサービ
スの価値と価格のバランスは、その価格を下げて市場に合わせ
るのではなく、その価値を向上させることで調整してください。
多くの偉人たちが語る経営の王道です。

■この様に、「値決め」が弱気で利益を出せない経営体、さら
に、新しい価値を生み出す創造力を無くしてしまった経営体を
『安売り症候群』と呼びます。

【安売り症候群】の経営体には、以下のような症状が現れます。
1.頑張っているのに儲からない。
2.新しい商品、サービスを創造できていない。
3.利益は出なくて良い、と思うことがある。
4.値上げをしたいと思っていてもできない。
5.ぎりぎりの経営をしていると感じる。

いかがでしょうか?

■【安売り症候群】という疾病を整理します。

○値決めに対する姿勢が弱気で、利益管理も曖昧になる病です。

○原因
安くないと売れないとの思い込みが原因です。良いものには相
応の値段を(それなりのものはそれなりの値段を)付けてくだ
さい。良いものを安く売る必要はありません。原価が上がれば
価格を見直す、この当たり前の企業行動を取らなければ、利益
がどんどん減ります。利益が薄くなればなるほど、良いものを
作ろうとする知恵や創造力を失います。最後は、薄利は善、利
益は悪の心境に陥ります。こうなると末期です。

○症状
二つのレベルに分かれます。繁盛貧乏のレベルが第一段階です。
このレベルは頑張っているのに値決めを間違えていて儲からな
い状況です。この段階では価格の見直しを行えば容易に治癒で
きます。第一のレベルを続けていると、頑張っても儲からない
と思い込み、頑張る意欲、より良いものを創造しようとする力
を失くしてしまいます。最後には、儲からない自分を正当化す
るために、儲けは悪、儲からないことが善、ビジネスそのもの
を否定するようになります。

■【安売り症候群】への対応は…「繁盛貧乏」から抜け出すこ
とです。『高収益化(Profitable化)』と定義します。

○対策は…高収益(Profitable)を目指す、ここから始めてく
ださい。
1.値決めを再考ください。値上げを検討してください。
2.付加価値の向上を目指してください。
3.利益管理を徹底してください。
4.コストを抑えてください。

■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。

◆病名1:分散症候群  …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:財務無策症候群…有病率70%
◆病名4:前のめり症候群…有病率40%
◆病名5:お人好し症候群…有病率60%

◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。

【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:手持ち資金を潤沢(Ample)に維持すること。
◆第4条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体
を維持すること。
◆第5条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。

…次回号につづきます。

金融機関はいくつかの種類に大別でき、それぞれ特性が違って
います。しかし、金融機関の種類について深く考える機会はあ
まりなく、経営者様の多くは、何となくご縁があった金融機関
とお付き合いをしているというのが実情ではないでしょうか。
企業にとって密接な関係のある金融機関についてまとめます。

◆政府系金融機関
最も有名な政府系金融機関は日本政策金融公庫です。預金取引
は行わない融資取引のみの金融機関で、信用力が低い創業時か
らお付き合いできる数少ない金融機関です。企業規模に関わら
ず、事業資金の融資相談に乗ってもらえます。

◆メガバンク
明確な定義はありませんが、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三
井住友銀行の3行を3大メガバンク、りそな銀行を加えた4行
を4大メガバンクと表現することが多いようです。規模が大き
く全国に支店があるため、口座を持っているという方も多いと
は思いますが、事業資金のプロパー融資取引となると、規模の
小さな中小企業にとっては、少し敷居の高い金融機関です。

◆地方銀行
各都道府県に本店があり、地域経済の発展に尽力している金融
機関です。地域経済に大きな影響力を有する企業や地場産業を
営んでいる企業を中心として、主に地域の中小企業向けに融資
取引を行っています。メガバンクとは違った役割を担っていま
すが、「銀行」ですので、審査の傾向はメガバンクと似ていま
す。

◆信用金庫
地域経済の発展に尽力している点においては地方銀行と同じで
すが、信用金庫は、地方銀行よりも、さらに地域の細部に根付
いています。経営形態も銀行とは違い、企業が出資者となって
相互扶助を目的とする協同組織型の金融機関です。よって、ま
ず出資をして会員とならなければ融資取引をしてもらえないの
が一般的です。小規模の事業者にとっては、身近な存在です。

◆ノンバンク
預金の受け入れは行わず、融資取引のみを行う金融機関をノン
バンクと言います。信販系やリース系の金融機関もノンバンク
に分類されます。金利は高いものの手軽に利用できるメリット
があります。

他にも農協等の協同組合や、信託銀行等の金融機関もあります。
事業資金の融資を受ける場合は、金融機関のネームバリューで
はなく、特性を理解して選定することをおすすめします。

貴社の経営は、本当はもっともっとうまく行くはずです。貴社
の経営にブレーキをかけている何か(疾病)があるはずです。
それらを見つけ出して、このブレーキ(疾病)の治療・予防の
方針を学ぶ事ができれば、明日からの経営が激変するはずです。
経営がうまく行かない理由…企業が患う5大疾病について言及
いたします。

■病名1:【分散症候群】という病は…

経営体(そもそも世の中)の諸々はすべて、時間の経過ととも
に複雑な方向に、増える方向に動きます。世の中のベクトルは
複雑化・増加であって、単純化・減少ではありません。従って、
自然に物が増え、書類が増え、手続きが複雑になり…高コスト
になります。品揃えが増え、在庫が増え…総花的になります。
弱くなります。人は仕事が増え(自らが増やし)…多忙になり
ます。故に、強烈に意識しない限り、時間が経過するごとに会
社はややこしくなります。弱くなります。長時間労働や生産性・
収益性の低さの主たる原因の一つはこれだと思っています。

■この様に、複雑化・増加のベクトルに巻き込まれ、対応でき
ていないがゆえに生産性・収益性の低さを招いている状況の経
営体を【分散症候群】と呼びます。

【分散症候群】の経営体には、以下のような症状が現れます。
1.社内の動きが遅く(悪く)なる。
2.オペレーションのミスが多くなる。
3.経営コストが割高になる。
4.商品、サービスが総花的で特徴がない。
5.頑張っているのに儲からない。
6.新しい商品、サービスを創造できない。

いかがでしょうか?

■【分散症候群】という疾病を整理します。

○商品やサービスの幅を広げ過ぎて、マーケティングが曖昧に
なる病です。誰に・何を売るかがぼやけてしまっています。

○原因
商品の品揃えやサービスの幅を持たないと売れないとの思い込
みが原因です。企業は何もないところから始まります。このス
テージでは品揃えの強化や幅が必要です。しかし、一定のレベ
ルを越えたあたりから、商品の品揃え、サービスの幅、事業領
域を絞りながら成長を遂げるべきです。拡大は面を広げること
ではなく、面を狭めて深堀することです。このあたりが誤解さ
れています。だからこの病気が蔓延するのでしょう。

○症状
経営資源が分散され、社内のありとあらゆるものが複雑になる
ため、動きが悪くなります。対応が遅くなり、ミスが多発し、
全体にコスト高になります。各商品やサービスの磨きこみも十
分でなく、総花的な品揃え、サービスを提供しており、これと
いった強みもありません。

■【分散症候群】への対応は…止めて・減らして・集中して・
尖ることです。これを『単純化(Simple化)』と定義します。

○対策は…すべてを単純化(Simple化)することです。
1.減らすことです。絞り込むことです。
2.自社の強み(ツキ)を探して特化することです。

■経営体は大きく5つの疾病を患っていると思っています。
その有病率は決して低くありません。

◆病名1:分散症候群  …有病率50%
◆病名2:安売り症候群 …有病率50%
◆病名3:財務無策症候群…有病率70%
◆病名4:前のめり症候群…有病率40%
◆病名5:お人好し症候群…有病率60%

◎これらの疾病に対する処方箋が以下です。

【SP(Simple&Profitable)経営 基本方針】
◆第1条:すべてを単純(Simple)にすること。
◆第2条:高収益(Profitable)な企業作りを目指すこと。
◆第3条:手持ち資金を潤沢(Ample)に維持すること。
◆第4条:変化に対応できる柔軟性(Flexible)のある企業体
を維持すること。
◆第5条:経営判断を明確に(Clearly)にすること。

…次回号につづきます。

平成30年7月~9月のセーフティネット保証5号の指定業種
が発表されました。セーフティネット保証5号とは、業況の悪
化している中小企業が利用できる保証制度です。指定業種に含
まれていなければ利用できない制度ですので、まずはご自身の
業種が指定業種に含まれているか、下記中小企業庁のホームペ
ージにてご確認ください。

◆指定業種一覧
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2018/18062025gou.pdf

ご自身の業種が指定業種に含まれていたら、次に、直近3ヶ月
間の売上高を前年同期間の売上高と比較します。もし、売上高
が5%以上減少していれば対象となりますので、セーフティネ
ット保証制度に申し込むことが可能です。(指定業種かつ売上
減少が要件です。)

具体的な申し込みの流れは、まず市区町村長の認定を受け、そ
の後、銀行等金融機関に認定書を持ち込みます。認定の受け方
については中小企業庁のホームページでご確認ください。

◆認定の受け方(中小企業庁HPより引用)
対象となる中小企業の方は、法人の場合は登記上の住所地又は
事業実体のある事業所の所在地、個人事業主の方は事業実体の
ある事業所の所在地の市町村(または特別区)の商工担当課等
の窓口に認定申請書2通を提出(その事実を証明する書面等が
あれば添付)し、認定を受け、希望の金融機関または所在地の
信用保証協会に認定書を持参のうえ、保証付き融資を申し込む
ことが必要です。(引用終わり)

信用保証協会では、中小企業が利用できる保証限度額が無担保
で8,000万円と定められています。あくまでも利用可能な枠の
ことであり、必ず8,000万円の保証を受けられるということで
はありませんが、セーフティネット保証制度は、さらに別枠で
8,000万円の保証枠が設けられます。

通常の融資審査は業績が悪いと通りませんが、本制度は業績が
悪くなければ利用することができません。また通常の金利は、
業績が悪くなればなるほど高くなりますが、本制度は低い金利
で利用することができます。業績が悪くなることを歓迎したく
はありませんが、そうなった場合には利用したい制度です。

「足元の売上高が一時的に減少しているだけでも利用できるか
?」「売上高は落ちているが利益が出ている場合は?」「売上
高が伸びている事業と落ちている事業がある場合は?」等、本
制度の利用についてご質問やご相談があれば、お気軽にお問合
せください。