■「力相応攻める」・「己の今の実力を知る」、経営者が常に心掛けねばならない事柄です。近未来の大きな夢と今日の現実は、明確に区分して考えねばなりません。将来大化けする確信を持っていても、今は今、現実を踏まえた経営判断が必要です。

◆自己資金が100万円しかないのに、3,000万円の資金を必要とする事業を起こそうとする社長様も少なくありません。
「こんなにすごいアイデアがある。お金さえあれば…」との思いは理解できますが、「お金がない」のですから仕方ありません。「お金さえ…」ではなく、「(致命的な)お金がない…」のです。

○100万円の自己資金しかなければ、最大でも1,000万円の事業総予算を組んで創業してください。これでもぎりぎりです。
○3,000万円を必要とする事業を始めたいなら、自己資金を最低でも1,000万円は準備してください。これでもぎりぎりです。
○100万円の自己資金しかないのに、3,000万円の事業総予算の事業は始められません。これが現実です。受け入れてください。

◎大きな山を一度に超えることはできません。力相応の小さなステージを一つ一つ越えた後に、大きな夢を実現できます。

◆自社商品やサービスは、まず小さくても成功実績を作ってから、その後に優良な販路を求めてください。
「こんな商品・サービスを作りました。売ってくれる会社を紹介してください。」、突出してすごいものでない限り、この要望には応えられません。

○自社の商品やサービスは、まずは自分の力で販売実績を作ってください。売れている実績を示しながら、より優良な販路を開拓してください。
○実績のない商品やサービスを、優良企業は導入しません。
○実績のない商品やサービスを、第三者が斡旋することもありません。
※斡旋しても成就しません。

◎まずは自力で小さな販売実績を積み上げる以外に方法はありません。当初は、だれにも頼らず自分の力で小さな実績を積み上げてください。

◆優秀な人材が集まらないと嘆く社長様も少なくありません。
自社や自分の現状を棚にあげて、優秀な人材を求める社長様がいますが、これも無いものねだりです。

○良い会社になった時に、優秀な社員が入社します。
○今の実力相応の社員が入社してきます。鏡の原理です。
○まれに、将来性に賭けて入社してくれる人もいます。

◎優でない企業が優の人材を求めても無駄です。これも達観が必要です。まずは優のレベルになること、そうすれば優の人材が入社してきます。

■本当に何もなければ創業してはいけません。

金・人・モノ・販路…創業は、すべてないところから始まると言われますが、本当はそうではありません。本当に何もなければ創業してはいけません。

◆創業資金、これは絶対に必要です。借入金も含めて(自己資金の方が当然ベターですが)一円でも多い方が成功確率は向上します。間違えありません。
◆人、これは創業者自身を指します。ご自身の知見です。他に頼れる人は当面現れません。自分自身を唯一の人材と定義して、しっかり頑張っていきましょう。
◆モノ、これも創業者が創造できるモノでなければなりません。他には当面見つかりません。自らが創造していきましょう。
◆販路、これも最初はご自身で開拓してください。

創業は何もないところから始めるのではなく、自分以外には何もない、から始めてください。自分も含めて何もなければ始めることすらできません。故に、資金がなく、自分が頼りにならない創業は上手くいきません。

日本政策金融公庫の創業融資要件の本質はここにあるように思います。よくできた要件です。
※日本政策金融公庫の創業融資要件は以下です。
◎自己資金要件
◎経歴要件
○事業計画の蓋然性
○事業総予算の妥当性

創業の第一歩の踏み出し方は極めて重要です。
当事務所にご相談ください。

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