■ツキについて考えてみましょう。
ツキと上手に付き合うことは経営にとって大変重要なことです。
例えが少々不謹慎かもしれませんが、学生時代にかなりはまっ
ていたマージャンを思い出します。
マージャンには二つの鉄則があります。
○マージャンは確率論です。
可能な限り自分の手が揃いやすいように牌を集めるとともに、
可能な限り捨てた牌が相手に当たらないように捨てる、この二
つのこと(矛盾)を、確率を考えながら随時進めることが基本
です。
○ツキを考えて打ち方を変える。
不思議なもので、ツキはメンバーの四人をぐるぐる回っていま
す。このツキが来たときに攻めて、ツキが無いときは引く、具
体的に言うと、前者のときには自分の手作りを優先します。一
方、ツキの無いときは相手に振り込まないことを優先します。
この加減、ツキの見極めが重要です。
確率論に沿った打ち方が出来ない人は勝てません。確率論とい
う基本を知らないこと、言い換えるとミスを多発しているわけ
ですから、ツキも回ってきません。確率論に沿って打つための
訓練が必要です。また、ツキが来ているときにミスをすると、
不思議とツキは逃げていきます。不思議ですが事実です。確率
論が理解できていても、熱くなってツキの来ていないときに攻
める人も勝てません。我慢できないからです。流れが読めない
からでしょう。
『基本に忠実に胆力を維持しながら丁寧に一手一手打ち続ける。
ツキが無いときは無理をしないで他人の勝ちを容認する。(無
理して勝ちを狙わない。)ツキが来たら基本を厳守しながらも
強気に攻める。』
◎経営も同じです。
■ツキと上手に付き合うことは経営にとって大変重要なことで
す。
100品種の商品を扱う小売店があるとします。この店の売上が
昨年対比で90%とします。この店は全体では売上を10%落と
していますが、100品種の商品を一品毎見ていくと、必ず伸び
ている商品があります。この伸びている商品がツキのある商品
です。
厳密に分類すると、伸びている(ツキのある)商品群、落ちて
いる商品群、どちらでもない商品群、この三つに分かれます。
伸びている(ツキのある)商品群を更に伸ばすことが売上アッ
プのポイントです。そのためには、落ちている商品をはずすこ
とが必要です。
『伸びている(ツキのある)商品群を伸ばすことに躍起になっ
て、落ちている商品群をはずすことを忘れがちです。まずはは
ずしてみましょう。不要な商品群をはずすことで、伸びている
(ツキのある)商品群が羽を伸ばしてその力を発揮してくれま
す。はずすことからはじめましょう。』
■何もかも、可能な限り多くを手に入れようとする考え方は、
今後のビジネスにおいては難しいようです。
・得手、不得手があります。
・好き、嫌いがあります。
・向き、不向きがあります。
・理由のある分野、関連の薄い分野があります。
・伸びているもの、そうでないものがあります。
『後者に多くのエネルギーを掛けすぎています。前者に回るそ
れが少なくなっています。後者が多すぎて、前者との区別が付
きにくくなっています。後者が前者を邪魔しています。』
■ツキについてまとめてみます。
ツキは経営の道しるべです。常にツキの存在を意識し、徹底的
に付き合っていく心構えが重要です。ツキは身の回りにたくさ
ん存在します。それらを見つけることが経営者の仕事です。
・経営指標をよく検証しましょう。ツキを探し出してください。
・現場をよく見てみましょう。ツキを探してください。
・従業員の話をよく聞いてみましょう。ツキを探してください。
・取引先の意見も聞いてみましょう。ツキを探してください。
・さらに、世の中を見まわしてみましょう。ツキを探してくだ
さい。
『ツキを見つけたら、そのツキに沿って経営の舵を切ってくだ
さい。そのツキを追い回してください。成功者はこれをやって
います。容易ではありませんが意識してください。きっと上手
くいきます。』
◎ツキを探して、ツキと付き合う、ご再考ください。