経営は時折、厳しい試練に立たされます。特に資金不足や経営
の難題に直面した際、融資はその解決策の一つとして考えられ
ます。しかし、融資を受けたことで、本来取り組まなくてはな
らない抜本的な改革が先送りされてしてまうケースもお見受け
します。融資を単なる「延命策」として利用することは、いく
つかの危険が伴います。

第一に、融資は一時的に資金不足を解消できても、根本的な問
題の解決にはなりません。問題は後でさらに深刻化する可能性
があります。また、融資は必ず返済しなければならないことを
忘れてはなりません。今回のコロナ融資のように、返済が始ま
ることで再び資金不足に陥る可能性があるのです。したがって、
融資を延命策として利用する場合、一時の安心感に陥らず、大
変厳しい道のりのスタートラインに立ったと自覚し、抜本的な
改革に取り組む覚悟が必要です。

延命目的の融資を「戦略的な資金投入」に変えるためには、明
確な目的を持つことが不可欠です。融資は赤字の補填ではなく
事業の発展に向けた投資と考えます。そして融資金は、生産性
の向上、市場の拡大、新商品の開発など、将来の成長につなが
るプロジェクトに投資します。同時に、経営の改革も行います。
効率化やコスト削減、競争力の向上を図り、将来の繁栄に向け
た基盤を築きましょう。

また、リスクマネジメントも忘れてはいけません。融資に伴う
リスクを理解し、リスクマネジメント策を練ります。具体的に
は、バックアッププランを用意することで、未来の不確実性に
備えることができます。

最後に、経営者としての心構えも極めて重要です。危機に直面
しても、希望を失わず、問題に立ち向かう決意を固めましょう。
融資は学びと成長の機会でもあります。多くの経営者が、融資
を利用して危機を克服し、その後にビジネスを成功に導いてい
ます。

融資は、たとえ苦しい状況であっても、未来への投資の手段と
して捉え、計画的かつ戦略的に利用すべきです。絶望的な状況
から抜け出すための道として活かし、ビジョンを実現するため
に賢明に運用しましょう。目先の資金を得たからといって漫然
と赤字を出し続けるのではなく、高い志を持ち、成功を信じて
行動を起こしましょう。

○金融機関対応に関するご相談は、銀行融資プランナー協会
正会員事務所にて承っております。お気軽にご相談ください。

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