前回号の続きです。

イノベーションは、『技術革新』ではなく『新結合』です。

■イノベーションは誰にでもできます。

イノベーションを『技術革新』と定義してしまうと、多くの中
小企業には敷居が高くなり、自社には無関係の代物に思えてき
ます。一方、イノベーションを『新結合』と定義しなおすと、
イメージが湧いてきます。

イノベーションの父と言われる経済学者、ヨーゼフ・アロイス
・シュンペーターは、1912年に著した『経済発展の理論』の
中で、イノベーションの定義を「これまで組み合わせたことの
ない要素を組み合わせることによって新たな価値を創造するこ
と」=『新結合』と言っています。

イノベーションは、『技術革新』ではなく『新結合』なんです。
まずは、定義を改めましょう。

■イノベーションを起こすとは、『新結合』を起こすこと、す
なわち、結合の相手を探すことが近道です。

前回号で解説した、

◆一つ目は、既存事業を守りながら、経営原則に当てはめて修
正する、令和の経営原則を知り、自社の実態との齟齬を認識し
て修正することです。修正しようとするプロセスでイノベーシ
ョンが生まれます。

◆二つ目は、事業開発を行い、事業を付加(掛け算)する、新
しいビジネスモデル(広義)を知り、自社に導入することです。
導入するプロセスでイノベーションが生まれます。

上記2つの指針に沿って、イノベーションに挑戦してください。

■イノベーションに関するピーター・ドラッカー氏からのメッ
セージ

ドラッカー氏は、マネージメント・エッセンシャル版(ダイヤ
モンド社)の中で、イノベーションに関する示唆に富む言葉を
数多く残されています。初版が発行された1973年当時の言葉
と思うとやはりすごすぎる先生です。以下、ご紹介します。

「現代というイノベーションの時代において、イノベーション
のできない組織は、たとえいま確立された地位を誇っていても、
やがて衰退し、消滅すべく運命づけられる」
「管理的な目標や基準とは別に、イノベーションのための目標
と基準の必要を知れ」
※補足:新規分野の事業に関する計画立案、執行、運営に関す
る指針です。新規事業は先が読み切れないので柔軟に対応しな
さい、と私は解します。

「新しいものの創造と既存のものの面倒は、同時に行えない」
※補足:新規事業は、既存事業と分けて取り組め、と言ってお
られます。

「イノベーションは常に市場に焦点を合わせなければならない。
市場ではなく、製品に焦点を合わせたイノベーションは、新奇
な技術は生むかもしれないが、成果は失望すべきものとなる。」

■多くの中小企業にとって必要なのはイノベーションです。

以下をもう一度ご確認ください。

『多くの並みの中小企業のビジネスモデルはありきたりです。
また、成熟期後期から斜陽期を迎えています。事業をマシーン
に例えると、マシーン自体が2世代前の代物で老朽化していま
す。この状況下においても、ほとんどの経営者は【管理的機能
の強化・改善】に終始しています。本当に必要なのは管理機能
の強化ではなく【事業開発≒イノベーション】です。』
(SP経営協会)

【管理的機能の強化・改善】ではなく、【事業開発≒イノベー
ション】を断行してください。

…次回号に続く

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