銀行対応で差が出るのは、話し方よりも相談のタイミングです。
今回は、銀行に相談するタイミングをどう考えるかを整理しま
す。
銀行に相談する場面は、大きく二つあります。
・資金が必要になったとき。
・資金が必要になりそうなとき。
経営に効いてくるのは後者です。
資金が足りなくなってからの相談は、選択肢が少なくなります。
融資の審査時間を確保しづらくなり、資料準備も慌ただしくな
ります。
銀行側も、状況が切迫しているほど慎重になります。
結果として、条件面でも不利になりやすくなります。
相談のタイミングを判断する基準として、キャッシュポジショ
ンを使う方法があります。
最低でも月商一か月分以上のキャッシュを維持する。
この基準を下回りそうな段階で、銀行に状況を共有する。
この動き方ができると、余裕を持って選択肢を整理できます。
例えば、今は月商一か月分以上のキャッシュがあるとしても、
数か月後に賞与や納税、設備投資が重なり、残高が基準を下回
る見込みがある。
この段階で相談しておけば、借入の要否、借入額、実行時期を
落ち着いて検討できます。
銀行にとっても、余裕がある段階の相談は好まれます。
資金繰りを管理している会社として受け止められます。
先に共有があると、銀行側も社内調整を進めやすくなります。
一方で、資金が厳しくなってからの相談は、説明の焦点がずれ
やすくなります。
・なぜ今のタイミングになったのか。
・手元資金がどこまで減ったのか。
・今後の入金見通しはどうか。
こうした確認が中心になり、事業の将来よりも、目先の資金繰
りの話に偏りがちです。
相談のタイミングが早い会社は、会話の質も変わります。
資金繰り表を見ながら、次の三点を整理して伝えられます。
・基準を下回る見込みがいつ頃か。
・下回る原因は売掛金、在庫、投資、返済、季節要因のどれか。
・対策として何を検討しているか。
この整理ができていると、銀行側は判断しやすくなります。
融資の相談でありながら、経営の管理体制を評価してもらう場
にもなります。
銀行への相談は、困ったときの駆け込みではなく、経営判断の
一部として組み込む方が安定します。
月商一か月分というキャッシュの基準は、相談のタイミングを
決めるうえでも有効です。
基準を守るために早めに動く。
この姿勢が、銀行との関係を長期的に安定させます。
