新規事業を開始する際には、自社でゼロからビジネスを構築す
る方法と、M&A(合併・買収)を利用して事業を開始する方
法があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、これ
らのアプローチを比較検討することで、自社の資源、市場環境、
目標に最も適した戦略を選択する必要があります。
※昨今M&Aを選択する会社様が増えてきました。
■1.自社でゼロからビジネスを構築する方法
◆長所
1.完全なコントロール下に置ける
自社で事業を立ち上げる場合、製品開発からマーケティング戦
略、営業活動に至るまで、全ての決定において自由に選択でき
ます。これにより、企業のビジョンに沿った製品やサービスを
市場に導入することが可能です。
2.コストが節約できる
既存の事業を買収するよりも、ゼロから新規事業を構築する方
が、初期投資を抑えることができる場合があります。特に、リ
ソースを段階的に投入することが可能です。
3.イノベーションの促進
新しいアイデアや技術を市場に導入する自由度が高く、革新的
なソリューションを開発することで市場に新たな動きを生み出
すことができます。
◆短所
1.リスクが大きい
新規事業は、市場の受け入れが未知数であり、成功するまでに
時間とコストがかかることが多いです。また、失敗のリスクも
高くなります。
2.市場への進出時間が長い
製品開発から市場調査、販売チャネルの構築に至るまで、すべ
てを自分たちで行う必要があるため、市場への導入まで時間が
かかります。
3.資源の制約がある
特に中小企業の場合、必要な資金、技術、人材が限られている
ことが多く、これが事業のスケールアップを妨げることがあり
ます。
■2.M&Aを利用して事業を開始する方法
◆長所
1.即時性がある
M&Aにより、既存の事業を買収することで、製品やサービス
を直ちに市場に提供することができます。これにより、市場進
出の時間を大幅に短縮することが可能です。
2.既存の顧客基盤とリソースを活用できる
買収した事業には、既に確立された顧客基盤、サプライチェー
ン、人材が含まれていることが多いため、これらを活用して迅
速に事業を展開することができます。
3.リスクが低減できる
既に市場での実績がある事業を買収するため、新規事業をゼロ
から立ち上げるよりもリスクが低い場合があります。
◆短所
1.高額な初期投資を要する
M&Aは高額な買収コストを伴うため、大きな初期投資が必要
になります。また、適切な買収対象を見つけるための費用もか
かります。
2.統合に課題がある
異なる企業文化の融合、システムの統合、人員の調整など、買
収後の統合作業には多大な労力とコストがかかります。
3.隠れた問題が存在する可能性がある
買収する事業には表面上見えない問題が潜んでいることがあり、
これが後に大きなコストを発生させる原因となることがありま
す。
■結論
自社で新規事業をゼロから立ち上げる方法とM&Aを用いる方
法は、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらの
アプローチを選択するかは、企業の戦略、資源の可用性、市場
の動向、リスク許容度によって異なります。経営者はこれらの
要因を総合的に考慮し、企業の長期的な目標と合致する最適な
選択をする必要があります。