資金繰り表の見方について、ここまで三週続けてお話ししてき
ました。
今回は、資金繰りが悪化しやすい会社に共通して見られる考え
方を整理します。
資金繰りが苦しくなる原因は、突発的な事故のように語られる
ことがあります。
・取引先の倒産
・急な売上減少
・想定外の支出etc
もちろん、外部要因が引き金になることはあります。
ただ、実務の現場で見ていると、資金繰りが崩れる会社には、
事前に共通した考え方が存在しています。
最も多いのは、黒字であれば問題ないという認識です。
損益計算書が黒字であれば安心できる。
この考え方が、資金繰りの確認を後回しにします。
黒字と資金の余裕は別物です。
売上が伸びる局面では、売掛金や在庫が増え、資金は外に出て
いきます。
決算書上は良く見えても、預金残高は静かに減っていきます。
次に多いのは、資金が減ってから対策を考える姿勢です。
資金繰りが厳しくなった段階で、銀行に相談する。
経費削減を検討する。
こうした対応は、選択肢がかなり限られた状態での判断になり
ます。
資金に余裕があるうちであれば、
・借入条件の調整
・投資時期の見直し
・支出の分散
といった柔軟な手を打つことができます。
余裕がなくなってからでは、選べる道は大きく狭まります。
もう一つ注意したいのは、感覚による判断です。
・今月は大丈夫そう
・しばらくは問題なさそう
こうした感覚は、資金繰りが安定している時期ほど当たりにく
くなります。
売上が順調なときほど、判断は楽観的になります。
その結果、資金の減少に気づくタイミングが遅れます。
資金繰りが安定している会社は、特別なことをしているわけで
はありません。
資金の動きを定期的に確認し、先の数字を見たうえで判断して
います。
良いときほど慎重に、悪くなる前に手を打つ。
この積み重ねが、結果として会社を守ります。
資金繰りは、管理能力の差よりも考え方の差が表れやすい分野
です。
考え方が変われば、行動も自然に変わります。
