創業・起業時の資金調達手段として最もポピュラーなのは、日
本政策金融公庫の創業融資や信用保証協会の創業保証です。一
定の要件を満たせば誰でも利用できる制度であり、創業・起業
時の資金調達環境は比較的整っていると感じます。

しかし、創業融資を受けて無事に開業できても、事業を継続し
成長させていくのは容易ではありません。廃業してしまう事業
者と長期的に存続できる事業者の違いはどこにあるのでしょう
か。長年の経験から、事業の存続と成長の鍵は、創業融資の次、
2回目の融資を受けられるかどうかだと感じます。

2回目の融資を受けられる時期は、1期目ないし2期目の決算
が終わった辺りですが、2回目からの融資は、創業融資のよう
に要件の充足ではなく、業績(実績)が重視されます。

2回目の融資で最も重視される業績は売上です。創業して1年
ないし2年が経っても一定の売上が立たない場合は、経営者の
実力が不足している、もしくは提供している商品やサービスが
市場から必要とされていないと考えられます。よって、2回目
の融資を受けるためには売上が必須です。売上が立てば、一般
的には月商の2カ月程度の融資を受けられる可能性が出てきま
す。

売上が立ったけれど赤字の場合はどうでしょうか。赤字の額に
もよりますが、赤字だからといって絶対に融資を受けられない
訳ではありません。損益分岐点に届かなかったため赤字だが、
融資金によって損益分岐点を超える売上を獲得できると判断で
きれば融資をしてもらえるはずです。

創業時にありがちなミステイクの一つは、本当は利益が出てい
るのに納税を嫌って意図的に業績の悪い決算にすることです。
決算内容を悪くすることで、2回目の融資を断られたり、融資
額が少額に留まってしまうと、攻める経営ができない⇒低成長
⇒さらに融資も出なくなる、という悪循環に陥り、事業の拡大
どころか段々と資金が細り遂には廃業ということになりかねま
せん。

一方、納税を受け入れて利益をしっかり出した企業は、2回目
のファイナンスにより事業を成長させることができ、その成長
が更に大きな融資を呼び込みます。1期目もしくは2期目の決
算処理を誤ることで、その後の姿が大きく変わるので気をつけ
てください。

創業・起業された方は、最初の目標を「2回目の融資を受ける
事」に設定することで生き残れる可能性がぐんと高まります。
2回目の融資を受けるために必要なことをひとつひとつ学んで
いきましょう。

このアプローチは、単に事業を存続させるだけでなく、持続的
な成長を実現するための重要な戦略となります。2回目の融資
獲得に向けて計画的に事業を運営することが、財務基盤の強化、
経営スキルの向上、そして市場での競争力強化につながります。
これらの要素が相まって、長期的な事業の成功確率を高めるこ
とができます。

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