中小企業の成長は、社長の資金調達能力にかかっていると言わ
れます。では、資金調達力を向上させるには、どのような能力
が求められるのでしょうか。以下で解説します。
■ 資金調達力とは
資金調達力とは、必要な資金を適切なタイミングで確保し、そ
の資金を効果的に活用して事業を展開する能力を指します。成
長資金の確保だけでなく、適切なタイミングでリスケを行い、
手元資金の調整を行うことも資金調達力と考えられます。
■ 資金調達力を身につけるためには
中小企業の資金調達先は銀行等の金融機関が主となるため、金
融機関と円滑な関係を構築することが最も重要な方策となりま
す。資金の出し手となる金融機関と決して敵対してはいけませ
ん。
■ 金融機関との円滑な関係の築き方
1)経営者の魅力:金融機関は経営者の人物像を見ています。
礼儀やマナーに気をつけるのはもちろん、事業に対する情熱、
真摯で前向きな姿勢を金融機関に伝えることが大切です。
2)信用履歴の構築: 金融機関は信用履歴を重視します。定期
的に融資返済を行い、支払いを滞らせないことで、良好な信用
履歴を築くことができます。
3)財務内容の健全性: 金融機関は財務内容を重視します。業
績はもちろん、社長への貸付金など、不健全な資金の使い方を
していると信用を失います。バランスシートや損益計算書を健
全に保つことが求められます。
4)資金繰り管理: 金融機関は手元資金が少なすぎる企業を敬
遠します。そのため、資金計画をしっかりと立て、常に資金に
余裕を持った経営を行う必要があります。
5)最低限の財務管理品質:金融機関が望む資料をどれぐらい
迅速に提出できるかも重要です。主に試算表ですが、依頼され
た時に、少なくとも前々月までの分はすぐに提出できるように
しておくと良いでしょう。
6)適切な金融機関選び: 自社のニーズに合った金融機関を選
ぶことが重要です。各金融機関の融資条件や金利、サービス内
容を比較し、自社のビジネスモデルや成長戦略に最適な金融機
関を選択しましょう。
お客様のほとんどは、資金調達のニーズが発生してからご相談
に来られます。ご自身でそれなりの準備をしてこられた方は問
題ありませんが、中には準備をすることなくご来所される方も
おられます。受験の準備を全くしていない方から「明日の受験
に受かる方法を教えてくれ」とご相談されるようなものですの
で、その場で対応するのは難しくなります。ただ、明日の受験
は無理でも、来年の受験に受かる方法をお伝えすることはでき
ます。資金調達の必要性が生じてからではなく、日常的に資金
調達に備えることが、資金調達力を強化する秘訣です。
○金融機関対応に関するご相談は、銀行融資プランナー協会
正会員事務所にて承っております。お気軽にご相談ください。