■創業時には、適切と考える固定費を算出して、その固定費を稼ぐための損益分岐点売上高を

見つけてください。粗利益率も想定してください。

・適切と考える固定費

・想定した粗利益率

・必要な損益分岐点売上高

まずは、固定費を無駄に膨らませない、粗利益率を安易に落とさないで、必要な売上高を

確保することに集中しましょう。

そして、この損益分岐点売上高を確保できるまでの赤字期間をしのげるだけの資金調達を

継続して行いましょう。

さらに、この期間の資金繰り計画を立てて管理してください。

 

■ここからが本題ですが…

○短期間で破たんする創業者の特徴は、

・上記の計画を持っていない

・上記の計画を立案すると、整合性がそもそも取れていない

(計画がないから気付かないが、上手く行っても破たんしていた。)

・損益分岐点売上高を安易に達成できると思い込む

・適切と考える固定費が高すぎるために、損益分岐点売上高が実力に対して高すぎる

創業融資の計画等で、金融機関が確認したいのは、上記の事柄です。

 

○従って、創業融資の計画書では、以下の事を織り込みます。

・損益分岐点売上高の実現可能性の確認(実現できる蓋然性が高いこと)

・計画上の整合性の確認

・計画が遅れた時の備え(資金余力)

創業計画は、利益計画よりも、資金繰り計画を立案すべきです。

 

■ここからがさらに本題ですが…

○そもそも計画通りに事業が立ち上がるのか?

・もちろん計画次第ですが、計画通りに進まないのが事業です。計画通りに立ち上がらないことを

想定内として事業を開始すべきです。

・計画通りに立ち上がらないことへの備えは、資金的な余力を持つことしかありません。

・もちろん、永遠に立ち上がらない事業なら早めに手仕舞いすべきですが、事業に自信が

あれば粘るべきです。そのためには資金が必要です。

 

○過度に保守的になって、必要な投資や経費を掛けられない創業者も事業を立ち上げられません。

・事業に応じた投資や経費は投入しないと事業としての体を成しません。これができないために

立ち上がらない事業もあります。

○計画は計画、適時見直しも必要です。

・やってみないとわからない、これも事業の本質です。

・当初の計画にとらわれ過ぎず、適時修正を加える判断も重要です。

 

■いよいよ本題ですが…

「現実的には、ある程度先を考えておきながら適時対応していくことになるだろう」

「実現された戦略は最初から明確に意図したものではなく、行動の一つひとつが集積され、

その都度学習する過程で戦略の一貫性やパターンが形成される」

〔『戦略サファリ』(ヘンリー・ミンツバーグ氏著・齋藤嘉則訳)より引用〕

※ヘンリー・ミンツバーグ氏は、カナダのマギル大学経営大学院のクレゴーン記念教授、

およびINSEADの組織理論学の教授。古典的な経営理論を批判する異色の経営学者、

欧米ではピーター・ドラッカーと並び称される経営学の大家です。

 

計画がなければ始められません。進むべき大体の方向、道しるべが必要です。

また、どれぐらいのペースで進めば、主に資金が足りるのか、一つの基準としても計画は有効です。

一方、近未来を完全に予見できる程の知見を持ち合わせている人は稀有です。

また、日々の経験と成長は、新しい気付きをもたらします。当初計画へ固持し過ぎると、

新しい気付きを反映できなくなります。

計画の必要性を認識しながらも、当初の計画にとらわれ過ぎない経営が必要です。

ヘンリー・ミンツバーグ教授のメッセージを、再度ご確認ください。

 

「現実的には、ある程度先を考えておきながら適時対応していくことになるだろう」

「実現された戦略は最初から明確に意図したものではなく、行動の一つひとつが集積され、

その都度学習する過程で戦略の一貫性やパターンが形成される」

 

創業融資サポートの詳細についてはこちら>>

http://www.kagawa-keiri.com/230/

マイナス金利政策の導入に伴い、貸出金利引き下げの動きが見られます。

借入の活用を考えている経営者様も多いと思いますが、借入による調達と資本による調達の

効果的な使い分けについて解説します。

会社の総資本は、借入(他人資本)と資本(自己資本)から成り立っています。

費用の観点から見ると、借入は固定的な利息の支払いが発生し、資本は業績変動により

配当が発生します。

 

■ 総資本が1,000万円の下記2社を比較します。

・A社は、総資本の100%が資本です。借入はありません。

・B社は、資本が200万円で借入が800万円です。 (借入金の金利は3%)

 

両社ともに80万円の営業利益を出した場合、A社の税引き前利益は80万円となりますが、

B社は約24万円の利息が発生しますので、税引き前利益は56万円となります。

しかし、資本で稼いだ税引き前利益の割合で考えると、A社の資本利益率は8%であるのに

対して、B社の資本利益率は28%となります。B社の方がA社よりも資本効率が20%高く

なっています。

このことから、借入を活用した方が、自己資本だけで事業を行うよりも、資本の効率が高くなる

ことが分かります。

これを財務レバレッジと呼んでいます。

 

ただ、逆に営業利益が20万円に減少した場合、A社の税引き前利益は20万円と変わりませんが、

B社は、利息の支払い約24万円により、税引き前利益が▲4万円となります。

この場合の資本利益率は、A社が2%であるのに対して、B社は▲2%です。

財務レバレッジは、プラスだけでなくマイナスにも大きく作用することを忘れてはいけません。

利益が確実に獲得できる状況であれば、借入を積極的に活用することで、効率よく大きな利益を

獲得できます。

一方、利益があまり取れない状況であれば、反対に、借入利息が利益を圧迫してしまいます。

 

自社が成長段階にある場合は、借入の積極的な活用を検討してみる価値がありそうです。

しかし、新規事業への取組等、赤字が見込まれる場合は、借入よりも資本の活用が適しています。

日本政策金融公庫が取り扱う資本性ローン等にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有することを宣言する当事務所には、

様々な相談が寄せられます。

前回に続いて、一部をご紹介させていただきます。

 

Q9:

『融資依頼を行ったら銀行の担当者に「役員報酬が少ない。」

と言われた。役員報酬が少ないと借入れが受けられないのか?』(相談者様)

A9:

融資依頼をするために決算書を提示した時に、出入りの銀行の担当者が

「役員報酬が少ないですね。」と言ったそうです。

併せて、新規の融資に難色を示されたので、相談者様は役員報酬が少ないと借入れが

受けられないのか?との疑問を持たれたようです。

○金融機関が新規の融資を検討する時には、まず現状の財務の健全性を確認します。

・簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。

・この簡易キャッシュフローの要素となる税引き後利益を確認するために、販売管理費も

確認します。

・この時、役員報酬が過少であれば、本来はもっと役員報酬が必要となるため、

税引き後利益が少なくなるのではないか? と考えたと推測できます。

・金融機関が考える役員報酬額に置き換えた時、簡易キャッシュフローが極小であったため、

新規融資に難色を示されたようです。

○役員報酬の多い・少ないではなく、実態の税引き後利益がポイントです。

※融資審査時の財務診断は他にもあります。簡易キャッシュフローの診断はほんの一部です。

◎当事務所にて、診断を行った結果、奥様の所得が給与に計上されており、

社長様の役員報酬は過少であっても、世帯所得は常識の範囲内である、

役員報酬額の是正(税引き後利益の減額補正)は必要ない旨を、銀行担当者に説明することで、

理解を得ました。誤解を解きました。

金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の新規融資を調達できました。

 

Q10:

「雨が降ってきたから傘(お金)は貸さない、晴れている時は傘(お金)を貸すと言う」銀行とは

どんなところだ?

A10:

6か月前に融資を受けませんかとの提案をいただいたそうです。

その時は断ったが、その後、主要な取引先との取引がなくなって、業績が悪化して

赤字に転落しています。(試算表ベースで大赤字です。)

同じ銀行に融資依頼を行うも、「融資できない(銀行担当者)」との回答だったそうです。

○金融機関は総じて、「雨が降っている時には傘を貸しません。晴れたら傘を貸しに来ます。」

金融機関にあるのはすべて「日傘」ですから当然です。

金融機関にある傘はすべて「日傘」であって「雨傘」ではないことを理解してください。

金融機関対応はこの趨勢を理解して行わないと本事案の様な間違えを起こします。

※「雨傘」は、国策としての制度融資や制度保証として時々貸し出される例外です。

 

◎当事務所にて財務診断を行いましたが、足元の業績の悪化が顕著で、

新規借り入れの返済原資となるキャッシュフローの見込みが立ちません。

新規の借入れは無理です。

・経営改善計画書を作成して既存借入れのリスケジュール(返済金額0円)を即座に実行しました。

・資金繰りシミュレーションを継続的に行いながら、資金ショートの回避と収支バランスの改善に、

財務部長として継続してご支援させていただいています。

当事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス(財務部長の代行業務)」を導入いただいています。

社長様の経営改善を 資金繰り・財務面で継続的にサポートできています。

収支改善の目途が付けばいち早く、資金調達にもチャレンジします。

(この時は、リスケジュールを同時に解消します。)

 

あるお客様との会話です。「『財務』という単語を日常使っているが、よくよく考えると

『財務』とは何かが分かっていない。

何となく『財務分析をするようなこと』と理解しているが正しいか?」とのご質問がありました。

確かに一口に「財務」といっても広範囲に渡るため、言葉の定義が人それぞれ違っている

可能性があります。

辞書で「財務」と調べても、「財政に関する事務」となっており明確な定義は分かりません。

財務の定義を明確にするために、まずは目的から考えてみます。

財務の究極の目的は、「資金に困らないこと」です。

よって、

資金に困らないために行う活動を「財務」と定義すると分かりやすいのではないでしょうか。

 

資金に困らないために行う代表的な活動は、「ファイナンス(資金調達)活動」です。

ファイナンス活動とは、単に銀行に融資を申し込むことではありません。

銀行から融資を受けやすくするために、常日頃から行う以下の活動もファイナンス活動に

該当します。

 

■ 具体的なファイナンス活動の例

・会計数値をタイムリーかつ正確に集計する。

・集計した財務諸表を見て財務状態をチェックし、改善を促す。

・資金繰り表を作成して資金管理を行う。

・事業計画書を作成して財務目標を明確にする。

・銀行に対するディスクロージャーを継続的に行って信頼関係を構築する。

・資金が必要な時には資金使途と返済原資を明確にした資料を作成し、金融機関に案件説明を

行う。etc

 

人材の少ない中小企業は営業活動が最優先ですので、ここまでのファイナンス活動を

実施している会社は殆どないと思います。

しかし、営業活動をしっかりやられている会社ほど、財務活動に力を入れると大きな効果を

得られます。

弊所が提供している「財務部長代行サービス」を導入いただいたお客さまの感想を紹介します。

 

■ 財務をプロに任せると・・・

・運転資金に余裕ができ資金面の不安が減りました。/加工業S社

・企業規模に比べて大きな資金調達が成功し、保証金の高い好立地の物件を取得することが

できました。経営のステージが変わったと感じます。/飲食業A社

・資料の作成など、銀行対応に費やしていた時間が削減できました。/建設業M社

・銀行の対応ががらりと変わり、お付き合いがうまくいくようになりました。/卸売業K社

 

もちろん、営業活動をしっかりやっていれば最低限の融資を受けることはできます。

しかし、金融機関との信頼関係が強固ではありませんので、事業をスケールアップするための

融資に難色を示されたり、少し赤字を出しただけでネガティブな対応を取られたりします。

財務は、お金の心配をせずに、落ち着いて経営に専念できる環境をもたらします。

弊所の財務部長代行サービスにご興味のある方は、是非、お問い合わせください。

 

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有することを宣言する当事務所には、

様々な相談が寄せられます。

前回に続いて、一部をご紹介させていただきます。

 

Q7:

『創業融資依頼時点ですでに支払いを済ませた店舗保証金分の領収書を提示したが、

これでは自己資金の証明にならないと、公庫担当者に言われた。』(相談者様)

A7:

日本政策金融公庫の創業融資の要件の中に、自己資金を有すること

「…創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方。」とする

項目があります。

 

○ポイントは自己資金の出所の証明です。

・この資金は、確実に当該事業の資金として利用されること

・短期的な返済等を必要とする資金でないこと

・創業者が自分自身で蓄積した資金が好ましいとされています。

※長期間に渡る計画的な貯蓄等は、創業者の堅実性の証明にもなります。

 

○短期的に資金を借入れなどで調達し、それを自己資金と称し、

日本政策金融公庫から融資を受けた資金で返済する、

このようなことにならないために確認されます。

・領収書は支払いの証明書であり、その資金の出所の証明にはなりません。

・求められているのは、出所の証明です。支払いの証明ではありません。

 

◎当事務所にて、当該資金の出所のエビデンス、本案件の自己資金は、

親御さんからの支援が大半を占めており、その親御さんの銀行口座の残高の確認、

その残高蓄積の経緯、その資金が相談者様に移行したエビデンスを準備して

公庫の融資依頼資料として提示し、その詳細を説明することで、理解を得ました。

金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の創業融資を調達できました。

※親御さんからの援助資金を自己資金とするとき、その資金のエビデンスに当たる

親御さんの預金通帳等の開示も求められます。

 

Q8:

『信用保証協会の保証付き融資、新たな借入れを依頼したら、

「前回の借入れが資金使途違反に当たるので、新たな保証は出来ないと

保証協会に指摘された。前回融資分の完済も依頼された。(銀行担当者)」』(相談者)

A8:

該当する融資の詳細を確認したところ、

・当該融資は設備投資資金

・借入金額と投資資金の金額は同額、問題なし

・借入れ日の前に当該資金を支払い済み、これが資金使途違反に当たります。

※大変厳しいように感じますが、信用保証協会の保証付き設備投資資金は、

当該資金の入金後に、当該設備投資費用を支払う必要があります。

この順番が逆転した領収書で指摘を受けています。

 

○信用保証協会の保証付き設備投資資金は、その保証金額と投資金額の整合性だけでなく、

その支払い時期についても、厳格なルールがあります。

○(参考)日本政策金融公庫の設備投資資金は、

・その金額が1,000万円以下の時は、決算書提出時に結果をトレースされます。

・その金額が1,000万円超の時は、投資実行後にその結果をトレースされます。

・支払日については、その期間の幅を認めてくれます。

※設備投資資金として調達した資金を、他の用途に利用することは出来ません。

少なくとも、次回以降の融資が受けられません。本来は完済を求められます。

 

◎当事務所にて、支払い時期ずれについてその悪意がない旨を、銀行を通じて

信用保証協会にお伝えすると同時に、当該銀行の協力を得られたので一旦完済した後に、

再度必要資金の調達を行うことができました。

信用保証協会の寛容な判断、銀行の協力、何よりも会社様の業績が極めて良好であったことが、

解決できた理由です。

その後、資金繰りシミュレーションの継続と、タイムリーな資金調達を行う当事務所の

サービス「資金繰り円滑化サービス」を導入いただいています。

社長様の営業戦略を資金繰り・財務面で継続的にサポートしながら、

この様な金融事故を未然に防ぐこともできます。

先日、

「現在リスケジュール中だが、金利の支払いが厳しいため、金利を引き下げたい。

良い方法はないか?」

とのご相談がありました。

業績の良し悪しに関係なく、誰もが金利を引き下げる方法について興味があるのでは

ないでしょうか。

金利決定のメカニズムは単純です。ある企業に対して、貸したいと思う銀行が多ければ

金利競争が発生して金利は低くなります。

反対に貸したいと思う銀行が少なければ金利競争は発生しませんので金利は高止まりします。

また、銀行は融資先を財務内容によってランク付をしており、ランク毎に目安となる金利を

設定しています。

財務内容が良い企業は金利が安く、財務内容が悪い企業は金利が高くなるよう、

銀行内のルールで事前に金利が決められていることを考えると、

金利交渉の余地はあまりないことが分かります。

弊所が財務部長を代行している企業様の例ですが、2.5%の金利で7,000万円の

手形割引を行っている銀行が、自ら、手形割引の代わりに使って欲しいといって、

1%弱の金利で長期融資を提案してきたことがあります。

金額にして年間100万円以上の金利減です。

このようなことが起きる背景は、第一に業績が良くなったこと、

それから複数行と融資取引を開始したことが挙げられます。

まずは、業績が良くなければ、そもそも銀行は魅力を感じてくれません。

次にライバルとなる銀行の存在です。1行取引では競争原理が働きませんので、

複数行と融資取引を行い、お互いが切磋琢磨してもらえる環境を作り出すことで、

こちらが働きかけることなく、先方が進んで低い金利を提示してくれるようになります。

では、現在リスケジュール中の企業が金利を引き下げることは可能でしょうか。

お分かりのとおりほぼ不可能です。

リスケジュールを受け入れている銀行は、これ以上融資をしたいと考えてはいません。

むしろ、早く融資を回収したいと考えています。

金利を下げる動機、必然性がありませんので、基本的には難しいと考えるのが自然です。

金利は財務内容に連動すると説明しましたが、

「業績が悪化した際に利用するセーフティネットは金利が低いではないか。」

と考えた方もいらっしゃると思います。

同じ銀行が提案に来るため紛らわしいのですが、セーフティネットは国の政策であり、

民間金融機関が営利目的で行っている融資とは根本が違います。

営利企業である民間金融機関が、救済目的で低い金利を提案することは、預金者や株主の手前、

許されません。

 

金利はあくまでも貸し手の条件です。貸し手の間で競争が起きなければ金利は下がりませんので、

まずは貸し手にとって魅力のある財務内容を目指しましょう。金融機関が評価する財務の

ポイントについて、個別でご相談をお受けしております。

もちろん無料ですので、お気軽にお問合せください。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有することを宣言する当事務所には、

様々な相談が寄せられます。

前回に続いて、一部をご紹介させていただきます。

 

Q5:

『新しい設備の投資を検討しているが、その投資規模を決めるために、

当社が借入可能な金額を知りたい。いくらまで借りれるか教えて欲しい。』(相談者様)

A5:

金融機関から新しい借入れを行う時には、まず現状の確認が必要です。

○最初に現状の確認を行います。

1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。

この簡易キャッシュフローの金額が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが

最低条件です。

2.債務超過でないことが必要です。

※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保がある場合など、

上記の限りではありません。上記はあくまでも簡易的な診断です。

実際には、突っ込んだ財務分析を行います。

1と2を満たす時、現時点においては健全である…と判断されて、新規の借入れを受けられる

可能性が高くなります。

○次に、検討中の設備投資を行った時の収益を見積もります。

3.新しい借入れの返済を、新しい設備投資を行った収益で賄えること

4.現存の収益と新しい収益で、既存の借入れと新しい借入れの返済を賄えること

3または4の時、理論的には借入れが可能です。

※新しい設備投資から生まれる収益を、過度に大きく見積もると、

その蓋然性の説明が難しくなります。注意が必要です。

○上記の検証を行いながら、最適な投資額を決めます。金融機関には、

最適な計画書を作成して、新規の融資を依頼します。

 

◎当事務所にて、決算分析・設備投資計画書(返済計画書)を作成し、

金融機関に対して借入れの申し込みを行いました。

金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要で最適な新規の投資資金を調達できました。

 

Q6:

『ネット通販会社から300万円の広告の提案をもらった。この投資を行うべきか悩んでいる。

相談に乗って欲しい。』(相談者様)

A6:

「今回の広告を行うことで、短期的に大きな売上をあげたい、また、その後の売上の

底上げも目論みたい。」

相談者様のご意向です。

この会社様は、前金で仕入れてネットで販売する業態です。

売上を伸ばすためには、先んじて仕入れ資金が必要になります。

○現時点から今回の広告を実施する後、さらに、その半年後までの資金繰り計画を立案します。

・売上予測が最大の時、仕入れ額も最大とします。

・売上予測が最小の時、仕入れ額を最大とします。

・売上予測が最小の時、仕入れ額を最小とします。                                                     …等々

社長様と共に、様々な資金繰りシミュレーションを行います。

資金繰りが逼迫することがはっきりわかりました。

当所で資金調達の可能性についても検証します。

○結果、

最初に仕入れ資金の調達を行い、成功後に300万円の広告を実施、

仕入れ額の増額を行うことになりました。

 

◎当事務所にて、決算分析・資金繰り計画書を作成し、金融機関に対して

借入れの申し込みを行いました。

金融機関との折衝は、当事務所が行いました。

必要な新規の仕入れ資金(運転資金)を調達できました。

また、資金繰りシミュレーションの継続と、タイムリーな資金調達を行う当事務所のサービス

「資金繰り円滑化サービス」を導入いただいています。

社長様の営業戦略を資金繰り・財務面で継続的にサポートできています。

資金繰りが苦しいというご相談が増えています。

同様の状況にある経営者様は、是非ご一読ください。

業績の悪化により資金繰りが苦しくなり、かつ新規の融資も受けられない場合は、

金融機関にリスケジュールを申し出ます。

仮に、毎月50万円の返済を1年間0円にしてもらった場合、1年間で600万円の

キャッシュアウトを防ぐことができます。

600万円を新たに借り入れたのと同じ効果がありますので、その資金を前向きな投資に

振り向けて業績を改善します。リスケジュールの最高のシナリオです。

しかし、最高のシナリオを描けるのは、本業の収支が黒字の場合のみです。

そもそも本業の収支がマイナスに陥っている場合は、返済を止めたところで

手元資金は増加しません。

本業の収支マイナスを補うための資金繰り作業は依然として続きます。

リスケジュール実行中の資金繰り作業は大変困難です。

新たな融資を受けられませんので資金繰りの施策は限定的になります。

 

■ 仕入等の支払いをジャンプする。

支払うお金がない場合は仕入先に支払いを待ってもらうしかありません。

しかし、信用に関わりますので何度もお願いすることはできず、また、そもそも本業が

赤字ですので一時的に待ってもらっても資金繰りが改善する見込みはありません。

 

■ 固定費を抜本的に見直す。

資金流出を食い止めるためには、とにかく本業の収支を合わせなくてはなりません。

売上は自分の意志では上げられませんので、自分の意志で削減できる固定費を

抜本的に見直します。

縮小均衡策ですので、負のスパイラルに陥る可能性もありますが、

目先の倒産を避けるためにはやむを得ません。

しかし、リスケジュールの実行時に手元資金の余裕があれば、そこまでの大手術をせずに済みます。

手元資金を多く残してリスケジュールをスタートするためには、当然ながらリスケジュールを

早い段階で決断することです。

本業の収支が赤字の場合、手元資金が枯渇しそうになって初めてリスケジュールを決断しても、

既に身動きが取れない状況です。

 

資金繰りが苦しいとのご相談に来られる経営者様の命運を分けているのは、

経営が悪化し始めた時の決断力、実行力のようです。

殆どの経営者様が最終的には正しい判断を下されますが、

その決断がほんの少し遅れてしまった経営者様は、素早く決断した経営者様とは

全く違った結果を迎えています。

早期に対応すれば防ぐことができます。資金繰りに不安を感じている経営者様は、

是非、早い段階でご相談ください。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有することを宣言する当事務所には、

様々な相談が寄せられます。前回に続いて、一部をご紹介させていただきます。

 

Q3:

『新店出店資金として2,000万円の調達を希望する旨を、保証協会付融資で取引のある

某銀行に依頼したが、新店出店のための希望調達額2,000万円に対して、保証協会から

1,000万円の保証しか取れない(※事前相談時の非公式なコメントと推測できます。)、と

する某銀行担当者のコメントが返ってきた。』(相談者様)

A3:

決算書と足元の業績を確認させていただいたところ、確かに資金調達はできそう、

一方、2,000万円の希望金額は金額が大きく容易ではないことが想定できました。

また、某銀行は規模の大きい銀行であり、この会社様がプロパー融資を受けることが

難しいことも推測できます。

○現状は…

・希望調達額2,000万円、調達候補先は保証協会保証付き

某銀行からの融資…1,000万円

○当事務所で、融資の戦略を練り直します。

・保証協会保証付き某信用金庫からの融資…1,000万円

・同じ某信用金庫プロパー融資…300万円~700万円

・日本政策金融公庫からの融資…700万円~300万円

ポイントは、保証協会付融資に付加してプロパー融資を引き受けてくれそうな

信用金庫(信用組合)を探して、さらに、日本政策金融公庫にもお願いして、

上記の3つの引き出しから合計2,000万円を調達する協調融資を目論むことです。

◎当事務所にて、決算分析・出店計画書(返済計画書)を作成し、某信用金庫様と

日本政策金融公庫様に対して、合計2,000万円の調達に動きました。

当事務所が主体的に対応しています。

結果、合計2,000万円の出店資金の調達に成功しました。

希望通りの新店出店が実現しています。

新規の借入れができそうな状況にあっても、その借入希望額が大き過ぎる?と想定されるとき、

この協調融資は大変有効です。

当事務所では、多数の実績をあげています。

※『協調融資』とは、複数の金融機関から、同時に同じ目的の資金を合算して調達する

資金調達手法です。一般的に言われる『シンジケートローン』とは異なります。

 

Q4:

『二期連続赤字ですが、今期期中の足元の業績は急回復しています。

返済のみが長期間続いていて、資金繰りが厳しくなってきました。

今期決算は相応の黒字を計上できそうですが、決算を待たずにこの段階で新規の

借り入れは出来ないでしょうか。金融機関の担当者に相談したら、決算が締まるまで

待ってください、と言われました。』(ご相談者様)

A4:

金融機関の貸出しの判断は、原則論として決算書を基準に行います。

期中の試算表で収益の改善を示しても、決算まで待ってください、となるケースは

少なくありません。

ただ、期中であっても、その業績の改善が顕著で、その改善状況をはっきりと説明できれば、

日本政策金融公庫や、信用保証協会の保証付き融資を受けられる可能性があります。

○ご相談者様のケースでは、

・決算後9カ月が経過しており

・その収益改善の方法が明確であったこと

・その簡易キャッシュフローの額が、総借入額と比して大きかったこと(債務償還年数は約6年)

・明らかに債務超過でないこと

上記の事実を踏まえて、精度の高い試算表を整備して解説することで、

ご相談者様が希望される金額の融資を受けることができました。

◎当事務所にて、決算分析・資金繰り表(実績と見込み)を作成し、

某信用金庫様と日本政策金融公庫様に対して、運転資金の調達に動きました。

金融機関対応は、当事務所が主体的に行っています。

財務目線で信憑性のある試算表作りと、資金繰りの実態と予測をできるだけ

正確に提供することが、融資成功のポイントです。

先日いただいたご相談です。

リスケジュールをしているが、仕入資金の支払いができないため、

新たな融資を受けたいとのことです。

詳しい状況は以下となります。

 

・ある認定支援機関の指導のもと、昨年リスケジュールを実行した。

その際、経営改善計画策定支援補助金を受けた。

・現状利益は出ていないが、コストカットを中心とした経営改善策を実行し、

現状の売上高を維持できれば利益を出せる目途が立っている。

しかし、現状の売上高を維持するためには今回の仕入が必要。

・よって認定支援機関に新たな資金調達を相談したが、

「リスケジュールで仕事は終わっている。」と断られた。

・仕方なく別の認定支援機関を頼ったところ、

「返済が0円では良くないので少しでも返済をした方が良い。」とのアドバイスを受けた。

アドバイスに従い毎月30万円ずつ返済を開始したが、仕入資金の調達に関しては、

「金融機関への申し出はご自身で行ってください。」と急に言われた。

既に別の認定支援機関で補助金を受けていることが分かったからではないか。

・どのように対処すべきか分からないまま時間が過ぎ、

いよいよ今月末に支払期限が迫ってしまった・・・

 

社長の側からだけのお話しですので真相は分かりませんが、大変気の毒な状況です。

まず、経営改善計画策定支援事業はリスケジュールを実行するだけが仕事ではありません。

リスケジュール実行後のフォローアップも含んでいます。

リスケジュールを実行すると、新たな融資を受けることが困難になりますので、

むしろフォローアップの方が重要です。

弊所では、リスケジュール実行後も、資金繰り状況を注視しながら、

可能な限りのフォローをしています。

具体的には、保証協会の借入をリスケしているお客様に対して、

日本政策金融公庫からの資金調達をお手伝いしたり、担保の解除と売却資金の

一部利用などを、金融機関にご納得いただいたりしています。

次に、リスケジュールをするならば、弊所では、返済額は原則0円にすることを提案しています。

少しでも返済した方が金融機関の心象が良いのは当然です。

しかし、一旦リスケジュールを行うと、新規の融資を受けることは困難になります。

融資を受けられないのであれば、手元資金を厚くし、自己防衛をしなくてはなりません。

できもしない約束をして倒産する方が、よほど金融機関に迷惑をかけます。

また、少しでも返済をした方が、融資が受けやすくなるというのは明らかに違います。

元々100万円を返済していた企業が30万円だけ返済したところで、

新たな融資をしようという動機になるはずがありません。

新たな融資を受けられるかどうかは、その後のキャッシュフローの回復次第です。

十分にキャッシュフローが回復すれば、それまでの返済が0円であっても新規融資を

受けることは可能です。企業の存続に関わる話です。

決して間違えないようにしてください。

今回は残念ながらご相談いただいた時期が遅すぎました。

キャッシュフローの回復が十分ではありませんので、新規融資を受けるのは困難です。

まずは返済を止め、更なるコストカットや仕入先との交渉が、生き延びるための現実的な手段です。

誤った情報に振り回されて、大切な資金と時間を失わないように気をつけてください。