■成長局面の会社様、売上をしっかり伸ばしましょう。

ただし、

○粗利益率の管理をしっかり行ってください。

○固定費の管理をしっかり行ってください。

成長局面の一年間で、売上高が前年比40%増、粗利益率が▲8%、

固定費が40%増…大幅な赤字に陥った会社様もあります。

 

企業経営は、売上高・粗利益率・固定費、この三つの要素で構成されています。

この三つをバランスよく組み合わせることができた時、成長と高収益を実現できます。

このケースでは、売上高を優先し過ぎたために、粗利益率を過度に犠牲にしてしまいました。

結果、大幅な赤字転落となりました。

売上高の伸びを少し抑えて、同時に固定費の伸びも少し抑えて、粗利益率を守る戦略を

立案できておれば、このようなことにはなっていなかったはずです。

当該年度のスタート時に、社長様は、「とにかく売上高を伸ばす」と考えておられたことでしょう。

そうではなく、例えば、「売上は伸ばしたいが、粗利益率は横ばいを維持する、固定費は

20%以上膨らまさない。売上高は20%ぐらい伸ばす。」この様な決意で臨んでおれば、

このような大幅赤字には転落しなかったはずです。

業績は社長の想いの結果です。ある意味、社長の想いが実現したようです。

 

■成長局面の会社様、管理体制の整備をお願いします。

○品質管理の徹底をお願いします。

○労務管理の徹底をお願いします。

○取り扱うサービスや商品数の管理の徹底をお願いします。

 

創業から急激に成長する過程において、事業立ち上げを最優先して行った結果、

品質問題での取引先トラブル、労務問題の発生、品ぞろえの拡大による利益率の

急激な低下に陥った会社様もあります。

 

成長のスピードが速ければ速いほど、会社は様々なトラブルに遭遇します。

ある種の必然であり、悲観する必要はありませんが、一つ一つ解決していかねばなりません。

解決できないままで、さらに加速を続けると、致命的な問題を起こしてしまいます。

成長スピードが実力と比して過度に速ければ…

○サービスや商品の品質トラブルを起こします。

品質を守るための仕組みや投資が必要です。

○多忙な業務を現従業員の頑張りのみに長期間依存しておれば、必ず労務問題が発生します。

社内からだけではなく、監督官庁からの厳しい罰則を受けるかもしれません。

未経験の方にはわかりにくいかも知れませんが、労務問題のダメージは強烈です。

○また、一点特化ではなく、面を拡大しながらの成長は、生産性の悪化を招きがちです。

次の成長のための停滞も、時には必要です。

 

■成長局面の会社様、経営を管理してください。

経営には、管理できることと、管理できないことがあります。

管理できる重要なことを管理して、管理できない重要なことをリスクとして認識し

備えることが重要です。

○会社には各社特有の要諦があります。管理すべきこと、リスクと捉えるべきことは、

この要諦です。見つけ出して、管理項目に、リスク項目にあげてください。

○各社共通で管理すべき項目は、

・資金繰り

・(結果としての)売上高

・粗利益率

・固定費

・生産性

・利益

等々です。

動きの速い会社様ほど、管理は重要です。実行してください。

 

伸ばせる時に伸ばさなければ会社は成長しません。

時には、少々無理をしてでも伸ばすことも必要でしょう。

一方、会社がリスクに遭遇するのは、停滞期や衰退期よりも、成長期であることもご認識ください。

 

伸ばす時、伸びている時ほど心配して備えることが必要です。

成長局面の会社様の更なるご発展を祈念いたします。

ご自身で融資を受けに行って断られた案件でも、弊所が関与することで

融資を受けられたケースが多数あります。

お客様は一様に驚かれますが、不思議なことではありません。

融資を受けられる力を元々有していたのはお客様自身であり、

弊社はそのことをしっかりとご説明しただけです。

そこに人脈や裏技などありません。

 

■ 融資審査上、絶対に不可欠な要件とは

融資審査を行う上で、絶対に明確にしなくてはならないポイントがあります。

「借したお金を確実に返してもらえるかどうか」です。

いくら審査部長と親しくても、この点を理論的に説明できなければ融資を

受けることはできません。

 

インターネット上には「赤字でも融資を受けられた!」

「債務超過でも融資を受けられた!」などの表現が氾濫しています。

本来は融資を受けられない企業が、裏技を使うことで融資を受けられたような

印象を抱かせますが、最も重要なポイントは、赤字や債務超過ではなく、

「返済できるかどうか」です。

返済できることが明確に説明できれば、赤字や債務超過であっても

普通に融資を受けることが可能です。裏技でも何でもありません。

 

■ 金融機関が融資を断る一番の理由は

審査のポイントはご理解いただけたと思いますが、実は、金融機関が融資を断る

一番の理由は審査に必要な情報の不足です。

「返済できる」ことを明確に説明することが難しいようです。

金融機関の主な情報源は決算書しかありません。

最短でも2か月前、最長だと1年以上も前の情報に基づいて審査をしています。

よって、企業側が正しい情報を適切にディスクローズできなければ、

金融機関は実態と違った回答を出してしまいます。

 

■ 新・税理士事務所の役割

新・税理士事務所とは、税務+財務・金融のスキルを有した税理士事務所です。

税理士事務所は金融機関が知りたい情報を多く持っていますが、これまでは

税務のためだけにしか使われてきませんでした。

新・税理士事務所では、これらの情報を財務・金融にも活用します。

数字が表している意味を金融機関と同じ目線で理解していますので、

金融機関が欲しい情報を適切にディスクローズすることができます。

また、客観的な立場で会計数値にコミットしている点も、金融機関にとっては

大きな安心材料のようです。

 

「返済できる自信があるのに金融機関に融資を断られた・・・」等、

お心当たりのある方は、弊所にご相談ください。

 

■年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けることをご提案します。

※有り余るほどの現預金がある会社様・社長様は除きます。

・年商5億円の社長様、追加で5,000万円の運転資金を持ち続けませんか?

・年商2億円の社長様、追加で2,000万円の運転資金を持ち続けませんか?

・年商5,000円の社長様、追加で500万円の運転資金を持ち続けませんか?

 

 

■年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けることの長短を考えてみましょう。

○短所は…

・借入金利を2%とすると、経常利益が0.2%ダウンします。

・その他の短所は見つかりません。

借入れと合わせて現預金も増えます。実質の借入金額は増えません。

また、返済の原資はこの借入金です。

借入れ前の資金から返済するわけではありません。

返済しながら現預金も減少しますが、その分借入残高も減少します。

 

○長所は…

・余裕資金を持つことで、資金繰りの苦労から解放されます。

・経営上の安全率が向上します。万が一に備えられます。

・投資などの必要な資金需要に素早く対応できます。(投資に使ったら別途資金調達が

必要になりますが、一刻を争う時はこの資金を利用できるとの意味です。)

慢性的に資金繰り業務に追われておられる社長様は少なくありません。

この資金繰り業務を極小にして、本来の社長業務に専念できます。

 

借入れに対する非論理的な嫌悪感から、ご自身の大切な時間を、

資金繰りという非建設的な活動に費やしていないでしょうか?

・社長様の大切な時間、気苦労が、少しばかりの借入れ金利に劣るとは思えません。

・経営上のまさかに対処できる経営資源の一つ目は資金です。

資金によって時間がかせげます。時間をかせぐことで、経営上の対応が可能になります。

 

■どうすれば、年商対比で今より10%多い現預金を持ち続けることができるのか?

業績の良い時に運転資金の借入れを最大限行ってください。

約定返済付きの運転資金は、返済が伴います。

時間の経過に伴って、現預金残高=借入金残高も自然に減少します。一定間隔で、

借り換え、巻き直しを継続して行います。

◆『借りられる時に借りられるだけ借りる。』

◆『返済分を一定期間ごとに借り替え・巻き直しで補い続ける。』

長期間に渡り、戦略的に資金調達と巻き直しを、さらには金融機関対応を丁寧に行うことで、

ある程度の業績が伴えば実現できます。

 

■中小・零細、小規模企業、個人事業者様が行う財務戦略は上記です。

与信力の小さな会社様が、手持ち資金を極小にして、金利負担を低減しようとする行為は

高いリスクを伴います。

また、極小の資金で、日々資金繰りに気を使いながら貴重な社長の時間を浪費することも

正しくありません。

 

■世の中には、間違えた常識がはびこっています。

・『借り入れは出来るだけ行わない方がよい。』…

財務基盤の弱い会社様には、真逆の指針です。明らかに間違えです。

・『無借金経営を目指そう。借入れは止めよう』…

正しくは、『無借金経営を目指そう。それが実現できるまでは、借入れ で備えよう。』です。

・『資金が必要になったら金融機関に融資を申し込もう。』…

金融機関は、返済原資を有する会社にのみ融資を実行します。

金融機関が貸し出す基準は、その会社の資金需要の有無ではなく、返済原資の有無です。

会社側のニーズとは一致しません。

金融機関は『日傘』しか有していません。『雨傘』はありません。

※一部の制度保証・制度融資のみ例外です。

 

■お金の心配ではなく、経営の心配をしませんか。

・社長は、売上・利益を作ることに集中しましょう。

・社長は、マネージメントに集中しましょう。

・資金繰りは、非建設的な業務です。出来るだけ心配しないように備えましょう。

 

■『お金の心配をしない経営』を目指してください。

金融機関対応を含む財務は、資金需要のある時にのみ行うスポット業務ではありません。

長期目線で戦略的に行う継続業務です。

中小・零細、小規模企業、個人事業者様の多くは、この財務機能が欠落しています。

故に、

・資金繰りが厳しくなってあわてて資金調達に走る

・日々、資金繰り業務に追われる事になっています。

 

■年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けることをご提案します。

社長の毎日が、経営が…大きく変わるはずです。

財務のご相談に来られるお客様の大多数は、新しいビジネスプランに取り組むための

資金調達を望んでおられます。

これまで多くの新規ビジネスに財務面で関わらせていただきましたが、

1年程度で一気に年商数億円の規模にスケールアップする事業もあれば、

中々立ち上がらない事業もあります。

これらの違いを財務面から検証してみます。

 

比較的スケールアップの早い事業は、「キャッシュの回りが良い」、もしくは

「利益率が高い」という共通点があります。

創業初年度で3億円の売上高を計上した企業の取引条件は、売上金が末締め翌月末回収、

外注費の支払いが20日締め翌々月5日となっています。

支払日を入金日の5日後に設定することで、支払いを気にすることなく売上を伸ばすことが

できます。

在庫も持たないビジネスですので、資金が在庫に寝ることもありません。

 

また、新規事業としてネット販売に取り組み、初年度で1億円の売上高を計上した企業の場合は、

まず、現金で仕入を行い、仕入れた商品を平均1か月弱で販売し、販売後1か月弱で代金を

回収するという流れです。

仕入から代金の回収まで、約2か月弱の期間を要しますが、粗利益率が80%と高いため、

仕入から回収までの1サイクル毎に、(再投資)に回せる資金がどんどん膨らみます。

 

逆に立ち上がりの遅いビジネスの特徴は、受注から納品までの仕掛かり時間が長い、

仕入から代金回収までの期間が長い、利益率が低い、といった点が挙げられます。

いくら営業力があっても、資金がボトルネックとなって、スケールアップの速度が遅くなります。

 

新規事業はリスクが高いため、金融機関の融資姿勢は消極的です。

多くの融資は望めませんので、調達できる金額の範囲内で事業を軌道に乗せることが

極めて重要になります。

創業を含め、これから新規事業に取り組まれる方にとって、そのビジネスが軌道に乗るまでに、

一体どれぐらいの資金が必要になるかを、正確に見極めることが重要です。

その事業は、(銀行借入を含む)自身の資金力で軌道に乗せられるものかどうかを、

慎重に検討しましょう。

 

新規事業が上手く行かない要因として、営業力の不足がよく挙げられますが、

「思った以上に資金が必要なビジネスだった・・・」という資金の見込み違いが

案外多いように思います。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有することを宣言する当事務所には、

様々な相談が寄せられます。

前回に続いて、一部をご紹介させていただきます。

 

Q13:

「売上が安定しない。いつも不安がつきまとう。」

 

A13:

「売上が安定しない。いつも不安がつきまとう。」創業当初から順調に業績を伸ばされ、

初年度から2億円近い売上(税引き前利益は700万円超です。)を計上された社長様からの

ご相談です。

極めて順調な立ち上がりですが、300万円の資本金と、創業融資700万円、売上の割には

小資本とも言えます。

 

○「再来月の売上が読めない。万が一、売上が急激に減少すれば倒産するのではないか?

日々不安だ。」とおっしゃっておられます。

 

・売掛金の回収サイトを、買掛金の支払いサイトよりも早く設定することで、増加の運転資金を

伴わない成長を実現されています。

・月末の現預金残高は多いように見えますが、月中は極小になっています。不安なはずです。

 

○近未来の資金繰りシミュレーションを当事務所で実施しました。

※この「近未来の資金繰りシミュレーション」については、随時対応させていただきます。

ご相談ください。社長様の安心材料になります。または、問題点が確認できます。

 

・最悪な状況、売上高が前年比で通年20%ダウン(社長様コメント)した時の

近未来の資金繰り状況は?

 

(結果)

赤字転落しますが、一年以内に資金繰りが切れることはない。

・粗利益率が2%上がった(当事務所提示)時の資金繰り状況は?

(結果)

社長様の想定以上に資金繰り・利益が増えることの気付き。

・当事務所より、資金調達計画を提示して、即刻資金調達できる(可能性大)旨を伝えて、

この資金調達計画を資金繰り計画に織り込みます。

(結果)

社長様の不安の払しょくと、成長への確信を持たれる。

・新規の雇用計画、固定費増を織り込んで、近未来の資金繰り計画を立案しました。

(結果)

売上10%増、粗利益率2%増、固定費1,000万円増…、資金調達3,000万円

 

○資金調達と継続的なフォローが重要です。

・上記計画に対する進捗管理を毎月行います。計画にずれがあれば、都度社長様と対応を

協議します。

・必要な資金調達に関しては、当事務所が窓口になって適時行います。

・資金のダムを作って、そのダムの高さを維持し続けています。常に、月商の数か月分の資金を

有しています。

・トラブルで、受注が一定期間滞った期間がありましたが、資金余力があったために、慌てずに

対応することができました。

 

◎当事務所は、上記の様なサービスをご提供できます。

税務に付加して、金融機関対応を含む財務の機能を提供する

「資金繰り円滑化サービス=財務部長の代行業務」です。

 

Q14:

「資金繰りに時間が取られる。いつも気を使っている。」

A14:

余裕資金をほとんど持ち合わせていないために、月中の資金繰りを行っておられます。

10日の入金を15日の支払いに…、日々の資金残高を気にしながらやりくりされておられます。

当所で診断した結果、借入れ余力は十分にあります。

 

○借入れ余力があるにもかかわらず、手持ち資金を極小にして、その結果資金繰りに時間と

神経を使っておられる社長様は少なくありません。

・借入れに対する過度の嫌悪感がそうさせているのでしょうか?

・資金繰りを行うことも社長の仕事だと考えておられるのでしょうか?

・金利のコストが、社長の手間暇、社長が神経をすり減らすことより高いと考えて

おられるのでしょうか?

・何かが起これば、最悪倒産の危機を迎えます。このリスクをどう回避するのでしょうか?

 

◎月商の2か月分程度の資金を、通年を通して持ち続ける資金計画を作成し、

運転資金の調達、継続管理、借換えの継続実施を当事務所が行っています。

今では、「常に資金繰りを気にしながら生きてきた…早くこうすべきだった。」(社長様)と

おっしゃっておられます。

平成28年度第1四半期分(4月~6月)、セーフティネット保証5号の指定業種が

発表されました。

セーフティネット保証5号とは、業況の悪化している業種を営む中小企業に対して、

信用保証協会の保証限度額の別枠化等を行う制度です。

信用保証協会の一般保証制度は、無担保で8,000万円以内ですが、

セーフティネット保証制度は、さらに別枠で8,000万円の保証枠が設けられます。

※あくまでも利用可能な限度額であり必ず8,000万円の保証がもらえるということでは

ありません。

 

◆セーフティネット保証の利用要件は以下になります。

1.ご自身の運営する事業が指定業種に含まれていること。

※以下経済産業省のHPにてご確認願います。

http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160322006/20160322006-b.pdf

2.かつ、最近3か月の売上高が、前年同期比5%以上減少していること。

 

通常の融資審査は業績が悪いと通りませんが、本制度は業績が悪くなければ利用することが

出来ない制度です。

また通常の金利は、業績が悪くなるほど高くなりますが、本制度は低い金利で利用することが

出来ます。

業績が悪くなることを歓迎したくはありませんが、そうなった場合には利用したい制度です。

 

・足元の売上は減少しているが通期の売上高は増加見込みである。

・複数の事業を営んでいる場合はどうなるのか。etc

 

本制度の利用についてご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。

指定業種は3か月毎に変更されます。

また、いつの時点の売上高を昨年と比較するかで利用の可否が変わりますので、

タイミングを逃さないよう気を付けてください。

税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有することを宣言する当事務所には、

様々な相談が寄せられます。

3回前に続いて、一部をご紹介させていただきます。

 

Q11:

「新しい投資計画書を示しながら新規の融資を打診したが、計画書の内容を確認するまでもなく、

『融資は難しいです。 (銀行担当者)』」と言われた。

 

A11:

精魂込めて作り上げた投資計画書を確認してもらえない段階で、融資を断られたことに納得が

いかない様子の相談者様でしたが

…金融機関は、新規の融資を検討する時、まず、直近の決算書(及び試算表)を確認します。

この決算書と足元の推移が健全であると判断した時に、新規融資の検討を開始します。

健全でなければ、新規融資の検討自体を行いません。

 

○直近の決算書(及び試算表)の確認方法は…

1.直近の決算書から簡易キャッシュフロー(税引き後利益+減価償却費)を確認します。

この簡易キャッシュフローの金額が、現時点の借入総額の10分の1以上であることが最低条件です。

2.債務超過でないことが必要です。

※1又は2が突出して優良な時、または、提供できる担保がある場合など、

上記の限りではありません。上記はあくまでも簡易的な診断です。

実際には、突っ込んだ財務分析を行います。

 

○1と2を満たす時、現時点においては健全である…と判断されて、新規融資の検討、

投資計画書の確認を始めます。

直近の決算書の確認で融資できないとなれば、当然投資計画書の確認は行いません。

 

◎当事務所にて、診断を行った結果、新規融資を受けられる可能性は極めて低いことが

わかりました。

相談者様に対しては、融資を受けられない理由、どうなれば融資を受けられるのかを

ご説明して納得いただきました。

 

Q12:

「リスケジュールの交渉中だが、直近に借入れた銀行分だけは、返済額も少ないので

返済を続けようと考えていたが、他の金融機関が強硬に反対してきた。ダメなのか?」

 

A12:

数カ月前に融資を受けたばかりの金融機関にリスケジュールの相談をしたら、厳しい口調で

叱責されたそうです。

であるならば、その金融機関に対しては返済を続けて、他の金融機関にはリスケジュールを

お願いしようと他の金融機関に相談したら、他の金融機関に断られた、との相談です。

 

○融資の借入れを行ってすぐに返済猶予を求めることは、そもそも返済できないことがわかって

いたのに借入れを行ったのではないか、との疑念を生みます。

返済できないことがわかっていて借入れを起こす行為は、信義に反します。

程度加減によっては法律に違反する犯罪行為になります。

新規借り入れ直後の返済猶予は認められないケースがあります。

 

○金融機関に対して返済猶予などの金融支援を依頼する時は、衡平でなければならないとする

ルール「衡平性の原則※」(=すべての金融機関に対して衡平に金融支援を受ける。)があります。

ある金融機関にのみ返済を続ける、このような例外は原則成立しません。

この場合では、返済猶予依頼先の金融機関の同意が得られません。

このままでは、すべての借入れに対してリスケジュールができません。※一部例外があります。

 

◎当事務所にて、状況の確認を行った結果、当該事象は、直近借入後の予見不可能な

緊急事態による急激な業績の悪化が原因であり、借入れ時においては予見が難しかった旨を、

対象金融機関に丁寧に説明しました。

一部担保(実質価値は小さい)を追加で提供して了解を得ました。

(これも厳密に言うと「衡平性の原則」から外れますが。)

借入先の全金融機関からリスケジュールの承諾を得ることができました。
当事務所が、モニタリングを継続し、会社様のサポートと金融機関への窓口業務を担っています。

融資が通るケースと通らないケースの違いはどこにあるのでしょうか。

先日あった大変めずらしいご相談を紹介します。

飲食業で独立を考えているAさんは、日本政策金融公庫に融資を申し込み、700万円の融資を

受けました。

しかし、出店を予定していた物件が獲得出来なかったため、融資金を一旦全額返済しました。

それから数か月して新たな物件が見つかったため、再度融資を申し込んだところ、

今度は融資を断られたそうです。

2回目の申込額が1,000万円に増えてはいますが、それでも数か月前には融資に通った人物が、

なぜ今回は通らなかったのでしょうか。

融資審査が通る要件について考えてみます。

融資審査は、ポジティブな要因がネガティブな要因を上回った時に「可決」となります。

Aさんの場合を考えます。

 

◆1回目の申し込み

<ポジティブ要因>

・飲食業のキャリアが長い。

・人気の高いショッピングセンターへの出店である。

<ネガティブ要因>

・自己資金が80万円と少ない。

・自己資金の額に比べて借入申込額が700万円と大きい。

 

◆2回目の申し込み

<ポジティブ要因>

・飲食業のキャリアが長い。

<ネガティブ要因>

・自己資金が80万円と少ない。

・自己資金の額に比べて借入申込額が1,000万円と大きい。

 

Aさんには、元々「自己資金が少ない」という大きなネガティブ要因があります。

1回目の申し込み時は、「人気の高いショッピングセンターへの出店」というポジティブな

要因があり、総合的にポジティブな要因が上回りました。

しかし、2回目の申し込み時は、立地条件が前回よりも劣っていたため加点要素がなく、

かつ申し込み金額も増加したため、ネガティブな要因の方が大きく上回ってしまいました。

 

天秤に乗せたバスケットに、ポジティブな材料とネガティブな材料をそれぞれ入れていき、

最終的にポジティブな材料が重くなれば「可決」になる。という考え方は、創業融資だけに

限ったものではありません。

これから融資にチャレンジしようと考えている方は、この考え方を参考にしてください。

創業(開業)初期には、創業赤字が発生します。

創業日当日は赤字でしょう。創業月も赤字でしょう。

赤字期間は資金が沈み続けます。

資金が底をつくまでに、黒字に転換しなければ、事業は継続できません。

(※財務的な黒字と資金の黒字とは、厳密にはイコールではありません。

ここでは資金黒字、資金赤字を指します。)

 

○では、いつ黒字になるのでしょうか?

○何を基準に赤字・黒字を判断するのでしょうか?

 

■創業に必要な最低限の「事業パッケージ」を決めることから始めましょう。

〔例〕

・従業員は2名必要…人件費

・事務所は10坪必要…保証金や備品

・自身の費用は月にいくら必要…役員報酬(生活費)

・その他費用は…

等々

必要な初期投資とランニング費用が算出されます。

必要資金と月次の損益分岐点がわかります。

自分自身が設計した「事業パッケージ」に沿って、事業の黒字ラインが決まります。

 

■創業事業計画は、「事業パッケージ」の設計に力点を置いてください。この、創業に必要な

最低限の「事業パッケージ」、これは創業の成否を決める大きな要因になります。

1.この「事業パッケージ」が大きすぎて、黒字化するまで資金が持たない、または、

実力不足でいつまでも黒字化できない。

2.この「事業パッケージ」が小さすぎて、事業が立ち上がらない。

前者が多いのですが、案外後者も少なくありません。

 

○月商400万円が月次損益分岐点売上高の飲食店、十分な経験がなければ、決して容易な

売上高ではありません。相応のメニュー・立地・マネージメントが必要になります。

初めて飲食店を開業される方には、重すぎる「事業パッケージ」です。

初めて飲食店を開業されるのなら、半分以下の損益分岐点を想定される方が

よいでしょう。(上記1)

 

○スタッフを3人雇って開業する○○コンサルティング、相応の事務所を構えて、広告にも費用を

かける、月次損益分岐点売上高は350万円になります。

相応の実績や経験がなければ、損益分岐点売上高としては小さくない計画です。

スタッフを3人雇うので、当初から受注が必要、故に、広告にも大きな費用を投入する、

このような論理で費用は膨らみます。

スタッフ1名から始めることができれば、損益分岐点売上高は、100万円程度引き下げることが

できます。(上記1)

 

○逆に、事務所も置かず、人も雇わず、1円創業・一人開業の●●コンサルタント、

営業費用もかけずに足で稼ぐ、月次の損益分岐点売上高は50万円になります。

スタート時はこれでよいとする考え方もありますが、相応の顧客を獲得することもできず、

鳴かず飛ばずで終わることも少なくありません。

お金をかけなければ良い、こんな単純な話でもありません。(上記2)

 

■「計画通りに進まない」この達観が必要です。

売上の主体は他人・世間です。自分の思い通りに行かないことが多いものです。

一方、費用や投資は、自分自身が主体者ですので思い通りに進みます。

創業計画の内、費用や投資は計画通りに執行されますが、売上は予定通りには上がらない、

これがそもそも計画と言うものです。そんなものです。この達観が必要です。

 

思い通りに行かない計画を軌道に乗せるためには、努力を継続する時間を稼ぐしか

他に方法はありません。粘ることです。粘るためには、当然資金が必要になります。

実力以上の大きな損益分岐点売上高を自らが設定して、粘る時間を敢えて短くする必要は

ありません。また、創業初期には、この粘る時間を少しでも稼ぐために、積極的に資金調達に

動くべきです。

 

■創業時には…

○自分自身にとって最適な「事業パッケージ」を設計してください。

○「計画通りに進まない」この達観を持って、「計画通りに進まない」ことに備えてください。

備えるために資金調達に励んでください。

 

創業融資サポートの詳細についてはこちら>>

http://www.kagawa-keiri.com/230/

 

ある関与先様との雑談です。毎月のお金のやりくりに結構な神経を使っているとのことです。

多忙な毎日において、「10日の入金を15日の支払いに充てて・・・足りない分の支払いは

月末に回して・・・」といった事を考えるのが面倒くさいとおっしゃいます。

 

○以下が同社のバランスシートの一部です。年商は約1億円です。

現預金   700万円 / 借入金 2,000万円

売掛金 1,200万円 / 買掛金   600万円

 

毎月末日の現預金残高は700万円程度残っていますので、根本的に資金繰りが回っていない

訳ではありません。ただ、月初から月中にかけて支払いが先行しますので、

月中の資金が一時的にタイトになるようです。財務内容は健全で調達余力のある会社です。

なぜ借入を活用しないのか不思議に思ったため、率直にお聞きしたところ、

社長は驚いた顔をして、「資金繰りが回っているのに借りる必要がなぜあるのか?」と

おっしゃいました。

社長のお考えは、「借入をしたら返さなくてはならないし金利も発生する。やりくりをすれば

資金は回るのだし、わざわざ借入をする必要はない。」とのことです。

確かに正しいお考えですが、違った考え方もできます。

「金利は発生するが、自己資金で返す必要のない借入なので借りておいた方が良い。」と

いう考え方です。

 

日繰りから解放されるために2,000万円を借りた場合のバランスシートを想像してみます。

 

○2,000万円を借りた場合のバランスシート

現預金 2,700万円 / 借入金 4,000万円

売掛金 1,200万円 / 買掛金   600万円

 

借入金残高が2,000万円増えていますが、同じく現預金も2,000万円増えていますので、

実質的な借入金の増加額は0円です。翌月の月中は一時的に現預金が減少し、

「現預金<借入金」という状態になりますが、月末には「現預金=借入金(実質無借金)」の

状態に戻ります。

「自己資金で返す必要がない。」というのは、約定返済毎に現預金と借入金が同時に減って

いくためです。単に借りたお金から返しているだけですので、約定返済が進んでも

「現預金=借入金(実質無借金)」の状態はずっと継続します。

いつでも一括返済できる現預金を有していますので、返済をそこまで意識する必要はありません。

もちろん金利は必要です。

仮に2,000万円を2%で調達したとして、年間40万円、毎月3万円強の金利です。

但し、社長が日繰りから解放され、より生産性の高い経営に専念できることを考えると、

決して高くはないはずです。

 

関与先様も、「借入は出来るだけしない方が良いという固定観念があり、日繰りを行うのが

当たりまえの日常になっていた。」とおっしゃっていました。

 

今では、キャッシュポジションを高く取る経営を実践し、

日繰りから解放されて経営に専念しておられます。