前回号の続きです。

■着眼点18:クラウドソーシングを活用して事業を運営する!
正社員を減らす、雇用しない経営!

●フリーランス(個人事業者等)を業務委託先として活用する
インフラが整ってきました。

以下、当該事業の代表格のランサーズ株式会社様HPから引用
させていただきます。
https://www.lancers.co.jp/

『クラウドソーシング(crowdsourcing)とは、仕事を依頼し
たい企業と仕事を受けたい個人をオンライン上でマッチングす
るウェブサービスです。企業がアウトソーシングをする際に抱
える「予算が限られているので外注コストを抑えたい」「納期
が短く依頼できる外注先がない」「人を介してのやりとりだと
納品物の品質が心配」といった悩みを、企業と実績・スキルの
ある個人を直接つなぐことで解消できるのが、クラウドソーシ
ングのメリットです。

Web制作やデザイン、ライティング、システム開発などの専門
スキルの必要な仕事だけでなく、群衆(crowd)に業務委託
(sourcing)するという語源が指すように、データ入力などの
大量単純作業を不特定多数の人々に依頼することでハイスピー
ドに完了することができるため、大企業からスタートアップ企
業まで幅広い活用が広がってきています。

一方、受注者側としても、専門スキルを活かして直接企業から
発注をうけることが可能となり、クラウドソーシングのみで生
計を立てる地方在住のフリーランスや、家事や育児の合間に在
宅ワークを行う主婦など、時間と場所にとらわれない新しい働
き方として注目されています。

クラウドソーシング「ランサーズ」は、日本初・日本最大級の
クラウドソーシングサービスです。実績とスキルのあるデザイ
ナー・エンジニア・ライターが多数登録しているため、安心し
てご利用いただけます。依頼したい仕事に合わせて、依頼方式
をコンペ・プロジェクト・タスク方式から選択でき、コンペ方
式で多くの提案を比較したり、プロジェクト方式で多数の見積
もりから検討することも可能です。是非、「ランサーズ」でク
ラウドソーシングを体験してみてください。』

◆多様な働き方が進むことは、同時に企業経営における多様性
も創出します。悪いことではありません。正規社員または非正
規社員という選択肢の中でのみ企業運営を行うのではなく、企
業の運営の在り方を抜本的に見直す選択肢の一つがフリーラン
スの活用です。

フリーランスは正社員と比して割高なのか?
フリーランスは正社員と比して信頼できないのか?
フリーランスは正社員と比して使い勝手が悪いのか?

これらの疑問に対して解を提供してくれるのが「ランサーズ」
の提供するサービスです。

フリーランスに直接発注…Lancers
厳選フリーランスを紹介…Lancers Pro
常駐ITフリーランスを紹介…Lancers Argent
ディレクターへ一括業務委託…Lancers Outsourcing
オンラインチームが業務代行…Lancers Assistant
社外人材活用ソリューション…Lancers Enterprise

◎経営者は、時短・働き方改革への対応策として、【正社員を
減らす、雇用しない経営】を考えるべきタイミングかも知れま
せん。

一方、働く人達は、容易ではありませんが【自分自身の価値観
と市場価値に合った生き方を求められる】ことになります。

◎クラウドソーシングは、今後の企業のマネージメントに、働
く人達の働き方に、新しいメッセージを投げかけているように
感じます。

…次回につづく

数百万円の資金を元手に行うビジネスより、数千万円の資金を
元手に行うビジネスの方が、より大きなリターンを得ることが
できます。思い切った資金調達を行い、事業を拡大できた飲食
店様の事例を紹介します。下記A社は、「もっと大きな店舗を
経営したい。当社は最大どれぐらいの資金調達が可能なのか?」
というご相談で来所されました。

会社名:A社(仮称)
事業内容:飲食店3店舗経営
営業年数:9年
資本金:300万円
直近売上高:6,400万円
経常利益:14万円
長期借入金:1,600万円
純資産:339万円

年商1,000万円のBARを2店舗、年商4,400万円の
レストランを1店舗運営していましたが、経常利益は14万円
と低い利益状況に苦しんでいました。社長様は、1,000万
円規模の小規模店舗では利益が稼げないため、BAR2店舗を
閉めて、出来るだけ大きな店舗を新たに1店舗出店したいと考
えていました。

決算状況を分析した結果、返済原資となる簡易キャッシュフロ
ーは102万円と弱含み、また、売上高の25%の借り入れが
既にあり、新規で調達を行うためには、事業計画書を丁寧に作
りこむ必要がありました。

早速事業計画書の作成に取り掛かった結果、社長様がイメージ
している年商5,000万円の店舗を出店するためには、
2,000万円の借入が必須であると判明しました。目標調達
額は2,000万円です。

A社の利益状況、財務状況から判断すると、2,000万円と
いう目標額は簡単な金額ではありません。1金融機関に相談し
ても、「金額が大きすぎる。」と断られる可能性がありました
ので、各金融機関の負担が軽くなる協調融資で調達することに
しました。日本政策金融公庫さんと地域の信金さんにお声かけ
し、3者で協議を行った結果、下記のとおり、満額の資金を獲
得することができました。

【資金調達内訳】
・日本政策金融公庫 1,000万円
・信金保証付融資 500万円
・信金プロパー融資 500万円

A社は、調達した資金で立地の良い場所に出店を行い、業績を
順調に軌道に乗せることができました。2店舗を閉めたにもか
かわらず、翌期の決算では売上高が1億円を超え、約700万
円の経常利益を計上しています。

前回号の続きです。

■着眼点17:
サブスクリプション(定額課金)商品・サービスの開発を!

●サービス提供側の視点でサブスクリプションモデル(定額課
金モデル)を検証してみましょう。

今までは多くの企業が、自社の商品やサービスを売切りで販売
してきました。企業側は売った時に対価を回収し、ビジネス上
は一旦検収を上げます。済です。もちろんアフターサービスや
メンテナンスサービスなどを行いますが、それらはあくまでも
別物です。
また、販売する商品やサービスの内容は確定しており、この確
定したそれらに対する対価として売上が立ちます。

一方買い手側は、買い取った商品やサービスを資産として保有
し、利用しながら償却していきます。途中で不要になってもや
めにくい、放棄しにくい構造です。

サブスクリプションモデル(定額課金モデル)は、売切りでは
なく月額定額制で商品やサービス等々を提供するビジネスの型
です。提供側からすると、うまく行けば長期間継続的に売上が
立ち、経営が安定します。利用する側は、いやなら簡単にやめ
られるメリットがあります。

◆売り切り(買い取り)からサブスクリプションモデル(定額
課金モデル)への移行が進んでいます。自社の商品やサービス
も、売り切りからサブスクリプションモデル(定額課金モデル)
への転換を検討してみてはいかがでしょうか!

『…2018年度のサブスクリプション(定額)サービス国内市
場規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額ベース
で、5,627億3,600万円であった。サブスクリプション(subsc
ription)は元来、新聞などの定期購読を意味する英語であるが、
サブスクリプションサービスとは会員制・定額制サービスにお
ける「定期的に利用料等を徴収する販売方式」を意味する。

サブスクリプションサービス普及の背景には、ECサイトが流
通チャネルの一つとして成長するなか、顧客(ユーザー)の購
入履歴が利活用されるようになったことがある。ECサイト利
用時のレコメンド(推奨)機能など、顧客情報や閲覧・購入履
歴等を利用することで、顧客の潜在需要を顕在化させ、定期購
入などの消費を促すといった施策を提供する事業者が増えたこ
とがサービス普及の一因である。

また、消費者のモノの所有から利用へと消費行動が変化するな
かで、シェアリングサービスの普及もあるものとみる。こうし
たなかで、定額でモノやサービスを利用できるサブスクリプシ
ョンサービスへの需要の高まりもあるものと考える。
…2023年度のサブスクリプション(定額)サービス国内市場
規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで
8,623億5,000万円を予測する。国内は少子高齢化の進展など
から、多くの市場において成長率が鈍化してきており、当該市
場分野においては新規需要や販路の開拓が課題となっている。
なかでもサブスクリプションサービスを先行していたアパレル
分野は所有からサービス利用へといった消費者動向を踏まえ、
主要企業においてはこうした需要の開拓に成功している。また、
自社製品やサービスをサブスクリプションサービスに活用しよ
うとする企業の追随する動きもみられる。こうした動きはアパ
レル分野以外でも想定されることから、今後もサブスクリプシ
ョンサービス市場は好調に推移するものと考える。…』

【(2018年株式会社矢野経済研究所:サブスクリプションサー
ビス市場に関する調査)】から公開情報を抜粋して引用させて
いただきます。

…次回につづく

新型コロナウィルス感染症による経済への影響が続いています。
じりじりと資金繰りが厳しくなり、借入金の返済負担が大きい
と感じる企業様も多いと感じます。

借入は将来の利益を先んじて現金化していると言えます。予想
通りに利益が出るならば、てこの原理で効率よく資金を膨らま
せることができます。しかし、一度赤字に転落してしまうと、
逆にその返済負担が資金繰りを大きく圧迫します。

資金繰りが厳しいと感じた時、第一に取る行動は新たな資金調
達です。新たな資金調達ができなかった場合、もしくは資金調
達が十分でない場合は、借入の返済を止めてもらうこと(リス
ケ)を検討しなくてはなりません。

リスケの決断は簡単ではありませんが、決断が遅れると命取り
になります。まずは固定費の削減努力をしたうえで、それでも
1年以内に資金が枯渇する恐れがあるならば、余裕があるうち
にリスケを決断してください。

余裕を持ってリスケをした結果、資金繰り悪化が杞憂に終わっ
たとしても、杞憂だったと分かった時点で返済を開始すればよ
いだけです。新たな資金調達も可能になります。もし杞憂に終
わらなかった場合、リスケを決断した時には、既に資金が枯渇
している可能性が高いです。そのような状態でリスケをしたと
ころで、原状回復費すら用意できず、家賃を下げることもでき
ません。

「資金が十分にある状態ではリスケに応じてもらえないのでは
?」と思うかもしれませんが、経験上そのようなことはありま
せん。確かに、金融機関は手持ち資金が多いとリスケを渋る傾
向にあります。しかし、資金繰り計画表を作成して、近い将来
に資金が枯渇する恐れがあることを説明し、納得していただけ
れば応じてもらえます。

先行きはまだまだ不透明です。1年以内に資金がショートする
恐れがある企業様は早めにご相談ください。

前回号の続きです。

事業全体の活性化や事業立地の付加・転換など、事業自体をそ
の本質から見直そうとするときは、ビジネスの全体像を現した
ビジネスモデル俯瞰図を作ってみるとわかりやすいです。ビジ
ネスモデル俯瞰図を使って、事業の活性化を図りたいときの着
眼点を整理いたします。
■着眼点15:家庭に眠っているブランドバッグを借り受けて、
月額定額制(サブスクリプション)で第三者に貸し出すサービ
ス!
https://laxus.co/

●所有に対するこだわりが薄れ、必要なものを必要な時にのみ
借りて使う、手元にあるものが自分の所有物である必要はない、
と考える消費者が増えているようです。特に高額なハイブラン
ド商品などは買えない、所有できないが使ってみたいと思う潜
在ニーズがあったのでしょう。

一方、使い飽きたブランド品をタンスの肥やしとして眠らせて
いる所有者がいて、この眠っているブランド品を貸し出しても
よいと考える人もたくさんおられるようです。

ラクサス様は上記のニーズをマッチングさせることに成功しま
した。貸し出したい人から借り受けて、商品の補修・整備を行
い、借りたい人に貸し出します。貸出期間中は所有者に対して
貸出料を支払います。借りる人は月額定額制で必要なバッグを
借り続けることができます。
■着眼点16:契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫・
空き地・商業施設などの空きスペースを開拓して、時間貸しす
るサービス!
https://akippa.co.jp/

●月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設などの空きス
ペースは相当数存在します。これらの空きスペースのオーナー
が、決められた日時、時間に限定して利用希望者に駐車場とし
て貸し出します。この貸し手と借り手をマッチングさせるプラ
ットフォーマーがakippa株式会社様です。ITとスマホの普及で、
アナログでは到底対応できないきめ細やかなマッチングが可能
になりました。
◆シェアリングエコノミーがどんどん世の中を変えています。
自社流のシェアリングエコノミーを創造したいものです。

以下、シェアリングエコノミーに関する中小企業庁のレポート
を掲載します。その定義も含めてご確認ください。

◆シェアリングエコノミーの認知度と活用に向けた課題

『…近年、スマートフォンの普及等ITの利活用環境の変化に伴
い、シェアリングエコノミーが登場し、我が国経済の仕組みを
変えつつある。シェアリングエコノミーについては、様々な分
野で新たなサービスが開発されており、現時点で一義的に定義
を行うことは困難であるが、本項では「個人等が保有する活用
可能な資産等をインターネット上のマッチングプラットフォー
ムを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動」とし
て捉えることとする。資産の提供者である貸主は個人のことが
多いが、法人が貸主となることもあり、遊休資産の活用による
収入を得ることができる。他方、借主は所有することなく利用
ができることから既存のサービスと比較して利用コストを低く
抑えることができるというメリットがある。将来的には「所有
から利用へ」という発想転換が進み、新ビジネスが多数参画し
産業の新陳代謝が促進される可能性がある。代表的なサービス
としては、他人が所有する空き部屋や不動産を利用希望者に提
供する民泊サービス、個人の所有するモノを他人が利用するサ
ービス、個人の専門的なスキルを空き時間に提供するサービス
等が挙げられる…』(出所:中小企業庁)

…次回につづく

融資を断られる理由で最も多いのは、業績不振による赤字や債
務超過です。断られるのは残念ですが、やむを得ない理由であ
り納得はできます。しかし、業績が悪くないにもかかわらず、
融資を断られるケースがあります。

業績が悪いという理由で断られた場合は、業績が良くなれば融
資を受けることが出来ます。しかし、業績が悪くないにも関わ
らず融資を断られた場合は、何をどう改善すれば良いかが分か
りません。まずは融資を断られた原因を突き止める必要があり
ます。

業績や財務内容以外で断られる理由は下記が想定されます。

・前回の借入れから時間が経っていない。
・ノンバンク等から借入れがある。
・過去に延滞がある。
・事業計画に無理がある。
・決算書に疑義がある。Etc

中でも特に厄介なのは「決算書に疑義がある」とされた場合で
す。金融機関はお断りした記録を必ず残していますので、それ
を改善しない限り、以降審査が通ることはありません。決算書
そのものが信頼されていないとなれば、改善の方法が無くなっ
てしまうため、新たな融資を受けることが大変難しくなります。

利益が出ていないことを指摘された時に、本当は儲かっている
けど、わざと利益を減らしていますと答えたり、資産が少ない
ことを指摘された時に、資産は個人で持っているので決算書に
は載せていませんと答えたりする方がいらっしゃいます。審査
をクリアするため良かれと考えての回答だと思いますが、弊社
の決算書は出鱈目ですとお伝えしているようなものですので、
全くの逆効果です。

金融機関はあくまでも決算書で審査を行います。決算書の信頼
を取り戻すには複数年かかるかもしれませんが、それ以外に新
たに融資を受ける方法はありませんので、早期に決算書の改善
に取り組む必要があります。

業績が悪くないにも関わらず融資を断られた方は、是非、ご相
談ください。

前回号の続きです。

■着眼点14:シェア型キッチンを活用して、自店舗を持たず
にデリバリーサービスを展開するゴーストレストラン!

〔※食の世界をつなぐWebマガジンFoodist(飲食店.com提供)
の記事から一部を引用させていただきながらご紹介します。〕

●「Uber Eats」や「出前館」(その根底はITですが)は、
飲食業の姿も大きく変えました。デリバリー機能が飛躍的に発
展することで、デリバリー業態に無限の可能性を与えました。

自前で配達要員を持たなくても、紙のチラシを広く配布しなく
ても、デリバリービジネスを始めることができます。
一方、シェア型キッチンの誕生は、デリバリー専門飲食店の開
業を後押ししてくれます。

「…『キッチンベース』では約20坪の広さのスタイリッシュな
空間に、独立した4つの厨房設備や調理機材がある。日中は複
数のデリバリープラットフォームを活用したデリバリー専門店、
そして夜中から早朝にかけては宅配・仕出し弁当の仕込み場所
として活用していく。また、場所の提供のみならず、開業や運
営に必要となるデリバリープラットフォームの登録手続きをは
じめ、配達要員の確保や開業後のマーケティングサポートなど
もすべて運営側が行う。さらに、売上や客単価、リピート率な
ど、販売促進に必要となるデータを独自のシステムで算出し、
分析結果をシェフに提供するなど、「シェフがトライしやすい
環境」を目指した。今年2月(掲載年度の)、募集をかけたと
ころ、実に100人以上のシェフから応募があったという。…」
引用終わり。

※WebマガジンFoodist(飲食店.com提供)の記事から

◎複数のシェフ(ゴーストレストラン)が同じ場所に集まって、
切磋琢磨しながら料理を開発してデリバリーで販売できます。
実店舗を開業するのと比べると、その開業に関するコスト・手
間暇は圧倒的に軽減されます。接客サービスを必要としないの
で、料理の味の磨き込みに集中できます。デリバリーなので品
ぞろえを絞り込むことも、また、お隣さんとの組み合わせでメ
ニューの幅を広げることもできます。

開業や運営に必要となるデリバリープラットフォームの登録手
続きをはじめ、配達要員の確保や開業後のマーケティングサポ
ートなどはすべて運営側が行ってくれます。さらに、売上や客
単価、リピート率など、販売促進に必要となるデータを独自の
システムで算出し、分析結果を提供してくれます。

IT革命は世の中を大きく変えると言われだしてから20年が経
過しました。ITをベースに様々なソリューションが開発され、
そのソリューションを使ったさらなるソリューションが創造さ
れ続けています。

「Uber Eats」や「出前館」、シェアリングエコノミー、WEB
マーケティング…シェア型キッチンを活用して、自店舗を持た
ずにデリバリーサービスを展開するゴーストレストラン!とは、
これらの技術の融合の結果創造された、新しい飲食業の姿でし
ょうか。

◎おいしい料理を提供したいからお店を出店する…そのために
は物件を確保して、品ぞろえを広げ、スタッフを雇用して、で
きるだけ長時間営業して…別の選択肢が提供されています。

…次回につづく

中小企業の財務指針は、「借りられる時に借りられるだけ借り
ておき、常にキャッシュポジションを高くとることが最善」で
あると提唱しています。

コロナウィルスが本格的に経済に影響を与え始めてから、もう
1年以上が経過しました。弊所の関与先様も少なからず業績に
影響を受けていますが、従来から借入をしっかりと行い、資金
を潤沢に持っていたため、コロナ禍でも慌てることなく対処出
来ています。

元々、借入は嫌い、金利がもったいないと考えておられた経営
者様も、今回のコロナ騒動で、キャッシュポジションを高く取
ることの重要性を、身をもって理解することができたとおっし
ゃっていました。

しかし、ある金融機関の担当者からお聞きした話によると、今
まで最低限の資金しか保有していなかった企業にもコロナ融資
がばら撒かれた結果、余った資金で、いたずらに事業を拡大し
たり、効果の検証もせずに広告を出したり、接待交際費を増や
したり、金融商品を購入したり、他人に融資をしたりして、借
入によって逆に経営が傾いてしまった企業も多くみられるとの
ことでした。

借入で経営が狂う要因は財務指針の欠如だと考えます。弊所は、
最大限の借入を実施することを提唱している一方で、その目的
は手元資金を厚く維持することと強調しています。この財務指
針があれば、コロナ融資を安易に流用するようなことはなかっ
たはずです。

漫然と借りて漫然と使う経営は大変危険です。資金繰り状況を
管理予測し、自社の資金調達力に応じた調達計画を立て、最も
投資効果が高いと思われる事業にお金を使う習慣や仕組みがあ
れば、経営の質は上がります。

弊所は、中小企業に適した財務指針と財務管理手法を確立して
います。

財務を強化したいとお考えの経営者様は、是非、ご相談くださ
い。

前回号の続きです。

店を持たない、場所を決めない、メニューを絞る、営業時間を
短く…新しい飲食業の運営スタイルをお伝えします。貴社の事
業再構築のヒントにご活用ください。
■着眼点12:

出張料理サービスができるシェフのプラットフォームPRIME
CHEF(プライムシェフ)様を紹介します。

●PRIME CHEFは、シェフの出張料理サービスを提供するプラ
ットフォーマーです。自宅やオフィスなど指定場所にシェフが
やってきて、買出しから料理提供、お皿洗い等の後片付けまで
全て行います。目の前で調理をするのはもちろん、好き嫌いや
アレルギーにも対応しメニュー変更も可能です。離乳食対応が
可能なシェフも多数在籍しております。人数や金額感を1分で
設定するだけで、最大3人のシェフからあなたにぴったりのコ
ースの提案があります。検索不要で悩まずカンタンにご希望の
シェフが見つかります。

PRIME CHEF様のホームページ(令和元年11月6日)から引用さ
せていただきました。
https://www.primechef.cooking/

◎シェフと顧客のマッチングサービスです。得意分野、得意な
予算帯・人数をシェフが登録し、顧客はシェフや料理メニュー
に関するニーズを登録するとマッチングできる仕組みです。家
庭で、職場で、希望する料理をシェフに作ってもらえます。
■着眼点13:

店を持たず、一人で、受注に応じて、得意料理を提供できる新
しい飲食業の事例を紹介します。

●出店場所を探して、お店を作って、ある程度幅広くメニュー
を開発して、スタッフを雇用して…飲食業を開業するためには
多くのコストとリスクが伴います。一方、PRIME CHEFに登録
するシェフは、顧客の自宅(職場)で、提案する料理を、食材
を持ち込んで、先方のキッチンと食器を使って調理して提供し
ます。提供する料理はシェフの得意料理のみです。

PRIME CHEF様のホームページ(令和元年11月6日)から引用さ
せていただきました。
https://www.primechef.cooking/

◎おいしい料理を提供したいからお店を出店する…そのために
は物件を確保して、品ぞろえを広げ、スタッフを雇用して、で
きるだけ長時間営業して…別の選択肢が提供されています。

自慢のコース料理で、小資本(投資なし)で、自分だけで、依
頼された時間帯と場所でのみ、ガイヤの夜明け(2019年10月29
日放映済み)では、有名料亭からスピンオフしたシェフが紹介
されていました。
https://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber4/preview_20191029.html

◆出張料理サービスができるシェフのプラットフォームPRIME
CHEF(プライムシェフ)様は、新しいルールの創造者です。
料理人には新しい生き方を、お客様には新しい料理サービス
(出張料理サービス)の形を提供しています。大きく飛躍され
ることでしょう。

◆『おいしい料理を提供したいからお店を出店する…そのため
には物件を確保して、品ぞろえを広げ、スタッフを雇用して、
できるだけ長時間営業して…』この様などこにでもあるビジネ
スモデルの呪縛にとらわれないようにしましょう。やり方は色
々あるはずです。

…次回につづく

金融機関の担当者からお聞きした話ですが、業績の悪化により
会社を清算する企業が増えているようです。コロナウイルス感
染拡大が直接的な原因ですが、清算に至った企業の多くは、コ
ロナ以前から何らかの問題を抱えており、コロナウイルス感染
の拡大で資金繰りが決定的に行き詰ったそうです。

中には、「銀行がもっと貸してくれていたらこうはならなかっ
た。」と恨み言をおっしゃる経営者様もいらっしゃるとのこと
で、金融機関の担当者も大変辛い状況にあるようです。

あの時、銀行が融資をしてくれていたら・・・というセリフを
時々耳にしますが、経営の基本的なルールを誤って認識してい
ると感じます。もし、自己都合で資金がいくらでも調達できる
ならば、経営はもっと簡単です。相手(金融機関)都合の中で、
経営のかじ取りを行わなければならないから、経営は難しいの
ではないでしょうか。

相手都合でしか資金は調達できないという前提に立つなら、相
手がどういうルールで融資をしているかを知る必要があります。
そして、どのタイミングでどれぐらいの金額を調達できるか予
測を立て、その範囲内でできる事業を構築しなくてはなりませ
ん。銀行が融資をしてくれていたら・・・とおっしゃる経営者
様は、自身の事業計画に相手が合わせてくれると思い違いをし
てしまったのかもしれません。

また、金融機関の役割を誤って認識している経営者様も多くい
らっしゃいます。金融機関は、業績が悪化した時に助けてくれ
る救済機関だと考え、いざという時は融資を受ければよいとい
う甘い認識で赤字に対してあまり危機感を持たない経営者様で
す。コロナ融資など、救済を目的とした制度融資は確かに存在
します。しかし、これは政府が政策として行っている特殊な制
度融資です。金融機関には赤字企業を救済する融資は元々あり
ません。

金融機関が赤字救済をしない理由はシンプルです。連続赤字な
ど、慢性的な赤字体質に陥っている企業は、理論上、返済をし
続けることができないためです。裏を返すと、赤字が続けば、
仮に制度融資で調達できたとしても、いずれ経営が立ち行かな
くなる可能性が高いことを示唆しています。銀行が融資をして
くれていたら・・・とおっしゃる経営者様は、金融機関の役割
を誤って認識してしまったのかもしれません。

経営の基本的なルールと金融機関の役割を正しく認識できれば、
財務の重要性が見えてくるはずです。財務とは、利益管理はも
ちろん、中長期的に入ってくる資金と出ていく資金の予測を行
い、必要であれば金融機関から資金を調達するという活動です。
是非、ご相談ください。