資金調達のご相談の中には、「もう少し早くご相談して頂けれ
ば…」というものが多くあります。適切な対処をしていれば、
そもそも問題すら起きなかったかもしれない事案です。今回は、
財務無策が招いた資金繰り悪化の実例をご紹介します。

■ 財務無策とは

財務活動には「キャッシュフロー管理(資金繰り管理)」
「ファイナンス(資金調達)」「資産運用」の3つの要素が含
まれます。中小企業にとって特に重要なのは「キャッシュフロ
ー管理」と「ファイナンス活動」です。しかし、中小企業の多
くはこれらの分野において必要な知識やスキルが不足しており、
財務活動に無策の状態と言えます。

■ 財務無策が招いた資金繰り悪化の事例

事例1:余裕資金を持たずに経営を行っているケース

商売がそれなりに順調で、毎月の資金繰りも何とか回っている
ため、資金の調達を怠っている企業様がいらっしゃいます。
「不測の事態により売上が減少し、慌てて銀行に融資を依頼し
たが断られてしまった…」と言うご相談です。お聞きすると、
過去には銀行の方から借りて欲しいとの依頼があったとのこと。
「銀行を儲けさせるだけなので断っていた。」とのことですが、
中小企業の信用力は決して高くありません。不測の事態を想定
し、資金に余裕を持たせておくことは、財務戦略の基本です。

事例2:キャッシュフローの管理ができていないケース

「売上が急激に伸びたため、社員をどんどん増やしていたら、
突然資金繰りが厳しくなってしまった。慌てて資金調達に動い
たが銀行から良い返事が得られない・・・」と言うご相談です。
突然資金繰りが厳しくなるような、資金管理がまともにできて
いない企業への融資は不安ですので、銀行の対応は当然ネガテ
ィブになります。売上が伸びて忙しくなる事は本来良いことで
すので、計画的に資金調達に動いていれば、スムーズに調達出
来ていたはずです。わずかな事で資金不足に陥りがちな中小企
業にとって、キャッシュフローをしっかり管理することは、必
須の財務活動です。

事例3:実力以上の返済を行っているケース

本業の稼ぎ以上の返済を行っている企業様も多く見られます。
手元資金が減少していきますので、当然資金繰りが厳しくなり
ます。問題は「自社の返済能力の限界を知らないこと。」「借
入を早く返したいという意識が強すぎること。」「返済のピッ
チをなだらかにする方法を知らないこと。」などが挙げられま
す。手元資金が不足してからアクションを起こすのではなく、
自社の返済能力を知り、事前に借入金をコントロールしておけ
ば、何ら問題は起きなかった事案と言えます。

中小企業は資金力が限られており、わずかなことで資金繰りが
悪化するリスクを抱えています。しかし、財務活動を適切に行
うことで、多くのリスクを回避できます。財務無策からの脱却
を目指しましょう。お手伝いしますので、お気軽にご相談くだ
さい。

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