良くあるご相談のひとつに、「創業融資を受けて創業したけれど、追加融資が必要になった。」と

いうものがあります。創業前の創業融資は、要件を満たせば比較的容易に借入できますが、

実際に事業を始めてからの創業融資、追加融資は、少し難しくなります。実際の事例に沿って

ご説明します。

 

◆お客様の概要

・会社名:A株式会社

・事業内容:ホームページ制作業、インターネット通販事業

・1期目業績:売上高約3,000万円、経常利益トントン

資本金300万円で創業し、創業融資600万円を受けて事業を開始しました。しかし、当初予定

していたホームページ制作業では思ったように売上が立たず、途中でインターネット通販事業を

開始しました。結果、初年度売上高3,000万円のうち、2,500万円が通販売上高と

なりました。利益はトントンです。1期目の決算直後、日本政策金融公庫に追加融資を

電話で打診したところ、「据え置き期間があり、返済開始から1年経過していないので追加融資は

難しいと思いますが・・・」という反応でした。しかし、とりあえず説明だけでも聞いて欲しいと

お願いをしてアポイントを取りました。

数日後、初年度の決算書、創業融資申し込み時に提出した計画書、過去1年間の資金繰り表、

向こう1年間の資金繰り計画表、を持って訪問しました。そして下記の流れで説明を行いました。

・創業融資を申し込んだ際は、ホームページ制作を主事業と考えていたが、服飾品を取り扱う

取引先より商品を売って欲しいと依頼があったため、ネット通販事業を開始した。

・当初計画ではホームページ制作により売上高2,000万円を見込んでいたが、ネット通販に

主事業が変わったため、売上高は3,000万円に増加して着地した。

・利益面では仕入が発生したため当初計画を大幅に下回った。

・しかし、いま仕入資金を300万円増やせば、今期の売上高は5,000万円を見込むことが

でき、これに伴って200万円の経常利益を確保できる。

・よって、仕入資金と事業拡大に伴う人員の増加資金として、合計500万円の追加融資を

お願いしたい。公庫さんの追加融資に関する基本的な考え方は、「本来は創業融資で事業を

軌道に乗せなくてはならない。追加融資が必要になるということは、当初の計画どおりに進捗して

いないと考えられる。」とのことでした。しかし本件については、「事業内容の変化により、当初は

予定していなかった仕入資金が必要になったもの。ネガティブな理由で追加資金が

必要になった訳ではない。また、初年度で約3,000万円の売上実績を作ったことはポジティブに

評価できる。」として500万円の追加融資を承認してくださいました。

 

創業時に提出する計画書は、追加融資を受けることなく軌道に乗る計画になっているケースが

多いと思います。よって、追加融資を受ける場合は、今回の説明だけでなく、前回提出した

計画書から説明し、状況がどのように変化したかを説明する必要があります。

 

創業融資サポートの詳細についてはこちら>>

http://www.kagawa-keiri.com/230/

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