ある社長様が資金調達の相談で来所されました。
「日本政策金融公庫に融資を申し込んだが断られた。このままでは資金が枯渇してしまう。何か良い方法はないか。」とのご相談です。
詳しくお話をお聞きしたところ、「創業して約1年が経過したが、未だ黒字化しておらず、役員報酬も殆ど取れていない。
創業融資については、当初は資本金だけで十分黒字化できると考えていたため、利用しなかった。」とのことでした。
創業した社長様から、このようなご相談をお受けすることは少なくありません。
しかし、残念ながら、赤字で資金繰りが苦しい時ほど資金調達は難しくなります。
創業時であれば、計画だけで創業融資を受けることができましたが、1年が経過し、上手く行かないことが判明した今となっては、
日本政策金融公庫や保証協会でさえ、簡単に融資はしてくれません。
新設企業は3年で約70%が廃業するとも言われています。大変難しい挑戦です。
「独立開業時にどれだけの資金を用意すべきか」という議論は、
目の前に広がる広大な砂漠を横断する時に、「どれだけの水を持っていくべきか」という議論に似ています。
過酷な環境の中、手持ちの水が減ってゆく恐怖を想像すれば、「持てる限りの水を持って行こう」と考えるのが自然ではないでしょうか。
独立開業は、多くの方が失敗している大変難しいチャレンジです。
自己資金だけで挑むより、創業融資も利用して、できるだけ多くの資金を用意して独立しましょう。
そうすれば、創業者の廃業率はもっと低くなるはずです。
また、創業後のお金の使い方も大切です。同社の人件費、福利厚生費、広告費、接待交際費を見てみると、
明らかに売上とバランスが取れていませんでした。
従業員のモチベーションアップのための飲み会、広告宣伝活動、お客様との飲食等、その重要性は分かりますが、
資金が無くなれば全て終わりです。
軌道に乗るまでは、最低限の資金で運営することを心掛けましょう。
同社も、固定費を見直して損益分岐点を大きく引き下げました。
創業予定、創業後間もない方で、創業融資を受けておられない方は、是非、早い段階で弊所にご相談ください。