…前回からのつづきです。

自社の経営をより良くするためには、今のビジネスモデルに新
しいアイデアを付加することが一つの道です。そのためには、
様々な経営の法則を一つでも多く頭に入れてください。
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほ
んの一部を紹介します。

■儲かる会社にするためには…(SP経営協会)

1.売上が伸びても、原価や販管費がそれほど伸びないビジネ
スモデルにする。

○売上が伸びても、原価や販管費がそれほど増えない会社は高
収益企業になります。

・売上が伸びた時、原価が比率として下がる、スケールメリッ
トを享受できるビジネス
・売上が伸びた時、追加の原価をあまり必要としないコンテン
ツビジネス
・売上が伸びた時、販管費があまり増えない非労働集約型ビジ
ネス
・原価や販管費の伸びに比して、単価が高いビジネス

○一方、売上が伸びる時、原価や販管費が売上の伸びに追従し
て膨らむビジネスは高収益企業には成り得ません。

2.売上高・粗利益・販管費、この三つのバランスを計り、タ
イミングよく三つの関係を見直すための経営管理を確実に行え
ている会社は利益を出せます。

仮に同じ戦力で事業を行っても、その「ビジネスモデルや事業
立地」(どのようなビジネスを、どのように行うか?)によっ
て結果は大きく変わります。雲泥の差です。社長は、常に自社
の「ビジネスモデルや事業立地」を磨き込むことに最善を尽く
さねばなりません。また、「進め方の程度加減」を計らねばな
りません。これが経営管理です。
正しい目標「ビジネスモデルや事業立地」に向かって、「進め
方の程度加減」を計りながら経営を進めていく指揮官が社長で
す。

■強烈な当事者意識は社長に必要な資質の一つ目です。
(ロバート・シュラー氏)

社長に必要な資質をひとつだけあげるなら、私は当事者意識を
選びます。社長には強烈な当事者意識、たとえ何が起きても、
それが不条理や不運であっても、その運命も含めて100%自
分の責任と瞬時に思えるそれが必要です。

◆以下、アメリカの著名な牧師、ロバート・シュラー氏の言葉
を著書から引用します。

・もしこれが駄目なら、他にどんな方法があるかを検討しよう。
すべての可能性を調査しよう。
・自分のゴールまでの道、あるいはもう一つの残された道や可
能性を自分で決定しよう。
・自分の決断に責任をもとう。
・自分の運命に責任をもとう。
・自分はあやつり人形ではない。単なるスーパーコンピューター
をはるかに越える魂をもった生き物が、己の意志で判断する、
これが人間というものだ。そして、これがリーダーシップだ。
自分のことは自分で考えよう。
・必要があれば、自分の精神構造や情緒パターンも積極的に変
えていこう。
・リーダーシップを、他人やほかの権力に売り渡すのはやめよう。
・消極的な思考に負けて、自己決断の責任を放棄するのはやめよう。
・いちばん先頭に立とう。自分の人生のリーダーは自分なのだ。
・権力におびえて、逃げ出すのはやめよう。
・いつまでも自分の魂の航海のキャプテンでいよう。席を離れ
たすきに、誰かが舵を奪い取って、あなたの肉体や心や永遠
の魂まであやつってしまうことのないように注意しよう。

■I型社長ではなくT型社長に…専門性の他に幅広い知見を!
(SP経営協会)

◆I型社長…ある分野のスキル・専門性のみを有する社長
◆T型社長…ある分野のスキル・専門性に付加して、幅広く経
営に関する知見を有する社長

○技術のみでは経営はうまくいきません。

・優秀な設計技術者でありながら、経営がうまくいかない社長
がおられます。
・優秀なパティシエでありながら、経営がうまくいかない社長
がおられます。
この様な例は枚挙にいとまがありません。

○設計事務所の経営がうまくいくためには、二つの条件が必要
です。

1.設計技術が優れていること。
2.設計事務所の経営力が優れていること。

○同様に、ショップ経営がうまくいくためには、二つの条件が
必要です。

1.パティシエとしての腕が良いこと。
2.ショップの経営力が優れていること。

1.のみ優れた社長は、冒頭のように、技術は優秀でも経営は
うまくいきません。考えてみれば当たり前で、設計技術を持ち
合わせていないのに設計事務所を開業する社長は居ません。ま
た、製菓技術を習得せずにショップを開業する社長もいません
が、経営に関しては全く事前勉強することなく、かつ、経営を
始めても学ばない社長も少なくありません。故に、2.に関し
ては生涯素人のままの状態で社長を続けることになります。経
営がうまくいかないはずです。

○I型社長ではなくT型社長を目指してください。
中小企業、特に創業期や創業初期においては、その代表者のス
キル・専門性がその会社のすべてです。このスキル・専門性の
度合いで、その事業の成否の半分は決まります。一方、企業経
営を行うためには、スキル・専門性の他に、企業経営に関する
知見が必要です。

…次回につづく

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