…前回からのつづきです。

自社の経営をより良くするためには、今のビジネスモデルに新
しいアイデアを付加することが一つの道です。そのためには、
様々な経営の法則を一つでも多く頭に入れてください。
経営者として知っておくべき知見は星の数ほどありますが、ほ
んの一部を紹介します。

■成長限界の法則(SP経営協会)

経営者の器量と余力の有無が成長限界を決めています。事業体
は余力がなくなると停滞します。

◆総論として…
経営者の能力や想いの限界で成長は止まります。

○経営者は、自身の器量を大きくするための活動を続けなけれ
ばなりません。より上位の世界に対する知見の習得、師と友作
りです。同位以下との交流に明け暮れると、自身の器量を磨く
ことはできません。居心地の良い同位とのみ群れることが最悪
です。
○成長を望むならば、成長に対する願望を持ち、具現化するた
めの情報やスキルの習得に当たらねばなりません。想いの有無・
強さは、事の成否に大きな影響をもたらします。

◆各論として…
余力がない状態でバランスすると成長は止まります。
継続的な成長のためには、収益余力と資金余力が必要です。こ
れらを原資にして、経営者としての時間を確保する、人材を確
保する、開発を行うことが必須です。

◇余力を作るためには…

1.経営者として発想を転換してください。
器量を大きくするための生き方・努力、ライフスタイル自体も
変えねばならないかもしれません。

2.絞り込んでください。(Simple化)
力以上に広がってしまった事業領域・商品構成…等々を絞り込
んでください。分散は、事業体としての力を削ぎ、生産性の悪
化の元凶です。すべての余力を奪ってしまいます。

3.値決めを再考してください。(Profitable化)
安売りを止めて、高価格路線への転換を図ってください。価格
政策のミスは、資金余裕と収益余力をすべて奪ってしまいます。
場合によっては思い切った値上げを断行してください。停滞は
余力がないことの証です。さらなる成長のために余力を取り戻
してください。上記の三つに取り組んでください。

※継続的に成長できる事業体は、20%近い営業利益を上げてい
ます。この余力が成長の原資になっています。逆に考えると、
薄利の状態での成長は破綻の危機を招きます。薄利での拡大は
危険です。

■「経営は当たり前が難しい」(松下幸之助氏)

「いちばん危険なのは社長」社長の判断ミスは命取り、とおっ
しゃっています。「…雨が降れば傘をさすというようなことは
だれでも知っています。傘もささずにぬれ放題というものは、
よほど奇矯な人でもなければやりません。ところが、商売や経
営のこととなりますと、これがなかなか当たり前にはいかなく
なります。私心にとらわれて判断を誤り、傘もささずに歩きだ
すようなことを、しばしばしがちです。…」/「経営のコツこ
こなりと気づいた価値は百万両」PHP文庫・松下幸之助氏著

・利益が見込めないお店を出店しようとする社長様は少なから
ずおられます。
・本業不振で大きな赤字に転落して、返済猶予を受けながらも、
余剰人員の削減も行わずに、長期間粘り続ける社長様がおられ
ます。長年かけて蓄えた資産の底も見えてきました。
・門外漢の新規事業に大きな投資をして、上手く行かずに途方
に暮れる社長様もおられます。

経営者は、時に「傘もささずに歩きだす。」こんな判断をくだ
します。「商売や経営のこととなりますと、これがなかなか当
たり前にはいかなくなります。」ということでしょうか。

「…もし社長がちょっと見積もりを誤ったら、パーッと百億円
ぐらいは簡単に損してしまう。だから、会社にとっていちばん
危険なのは、社長だということになる。…」
〔松下幸之助氏・経営語録〕

■融資を受けるための数値計画作成のコツ
(銀行融資プランナー協会)

売上目標が大きすぎると、その蓋然性の説明に苦慮します。売
上目標が小さすぎると、その借入の返済ができません。
※自社の事業を広く世に問う、このような状況の事業(数値)
計画ではなく、金融機関向けの計画書を想定しています。

創業融資や設備投資、新店出店時の融資を受けるためには、金
融機関に提出する数値計画の作成が必要です。どのような計画
を作成するのか、コツをお伝えします。
売上目標が大きすぎると、その蓋然性の説明に苦慮します。一
方、売上目標が小さすぎると、その借入の返済ができません。
銀行融資プランナー協会の推奨する財務部長として当事務所が
作成する数値計画は、融資金額を返済するために必要な(返済
後)損益分岐点売上を基準にした資金繰り計画書です。資金が
適切に回るように逆算して作ります。単に融資のためだけの計
画にはなり下がりません。社長様に対して、最低限必要な売上
を示唆する目標計画としての役目を果たしています。

…次回につづく

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