経営判断、与信判断、節税の判断は、経理の成果物である財務
諸表を基に行います。経理業務は直接収益をあげることはあり
ませんが、決して疎かにしてはいけない業務です。数字の管理
が雑な企業とそうでない企業では、経営成績にも相関関係があ
るように感じます。

■ 経理の目的は利益状況を正確に把握することです。
経理の主な仕事は、企業活動で発生する様々な取引を1円単位
で正確に記録することです。小さな記録の集合体が試算表や決
算書といった財務諸表になります。取引記録の漏れや間違いが
一つでもあれば正しい利益を把握することはできません。経理
の担当者には漫然と業務にあたらせるのではなく、「正しい経
営状況を把握する。」という目的を明確に示す必要があります。

■ あらゆる判断は財務諸表を基に行われます。
経営者、金融機関、税務署等は、それぞれ財務諸表に基づいて
経営に重大な影響を与える判断を下します。お手元にある試算
表や決算書が正確でなければ、その資料を基に下した判断も当
然間違ったものになります。経理はあらゆる判断の基礎となる
重要な業務を担っています。

■ 経理が弱いと資金調達が難しくなります。
「融資を断られた。」というご相談をお受けすることがありま
すが、中には「断られた。」のではなく、「検討しようがなか
った。」というのが正確なケースが多数あります。「試算表を
作成していない。」「不正確な試算表を作成している。」とい
う場合、正確な利益状況が分からないため、金融機関は断る以
前に検討のしようがありません。実際、一度断られた企業様で
も、正確な試算表を作成することで融資を受けられたケースが
あります。中小企業が本来受けられるべき融資を受けられてい
ない要因のひとつは、経理面が弱いことです。

大企業と中小企業では、経理業務に対する取り組み方が大きく
違います。大企業だから経理業務に力を入れているのではなく、
伸びる企業は共通して経理業務(数値管理)を大切にしていま
す。経理業務の質をあげることが、中小企業からの脱却の糸口
になるかもしれません。

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