前回号の続きです。

〔※ビジネスモデル俯瞰図とは、ビジネス全体の構造や流れを
把握し、事業の構造や事業の特徴、損益構造などをわかりやす
く整理した図表のことを指します。〕

事業全体の活性化や事業立地の付加・転換など、事業自体をそ
の本質から見直そうとするときは、ビジネスの全体像を現した
ビジネスモデル俯瞰図を作ってみるとわかりやすいです。
ビジネスモデル俯瞰図を使って、事業の活性化を図りたいとき
の着眼点を整理いたします。

■着眼点17:
サブスクリプション(定額課金)商品・サービスの開発を!

●サービス提供側の視点でサブスクリプションモデル(定額課
金モデル)を検証してみましょう。今までは多くの企業が、自
社の商品やサービスを売切りで販売してきました。企業側は売
った時に対価を回収し、ビジネス上は一旦検収を上げます。済
です。もちろんアフターサービスやメンテナンスサービスなど
を行いますが、それらはあくまでも別物です。
また、販売する商品やサービスの内容は確定しており、この確
定したそれらに対する対価として売上が立ちます。
一方買い手側は、買い取った商品やサービスを資産として保有
し、利用しながら償却していきます。途中で不要になってもや
めにくい、放棄しにくい構造です。
サブスクリプションモデル(定額課金モデル)は、売切りでは
なく月額定額制で商品やサービス等々を提供するビジネスの型
です。提供側からすると、うまく行けば長期間継続的に売上が
立ち、経営が安定します。利用する側は、いやなら簡単にやめ
られるメリットがあります。

◆売り切り(買い取り)からサブスクリプションモデル(定額
課金モデル)への移行が進んでいます。自社の商品やサービス
も、売り切りからサブスクリプションモデル(定額課金モデル)
への転換を検討してみてはいかがでしょうか!

以下、【(2018年株式会社矢野経済研究所:サブスクリプショ
ンサービス市場に関する調査)】から公開情報を抜粋して引用
させていただきます。

『…2018年度のサブスクリプション(定額)サービス国内市場
規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで、
5,627億3,600万円であった。サブスクリプション(subscription)
は元来、新聞などの定期購読を意味する英語であるが、サブス
クリプションサービスとは会員制・定額制サービスにおける
「定期的に利用料等を徴収する販売方式」を意味する。サブス
クリプションサービス普及の背景には、ECサイトが流通チャネ
ルの一つとして成長するなか、顧客(ユーザー)の購入履歴が
利活用されるようになったことがある。ECサイト利用時のレコ
メンド(推奨)機能など、顧客情報や閲覧・購入履歴等を利用
することで、顧客の潜在需要を顕在化させ、定期購入などの消
費を促すといった施策を提供する事業者が増えたことがサービ
ス普及の一因である。また、消費者のモノの所有から利用へと
消費行動が変化するなかで、シェアリングサービスの普及もあ
るものとみる。こうしたなかで、定額でモノやサービスを利用
できるサブスクリプションサービスへの需要の高まりもあるも
のと考える。…2023年度のサブスクリプション(定額)サービ
ス国内市場規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額
ベースで8,623億5,000万円を予測する。国内は少子高齢化の
進展などから、多くの市場において成長率が鈍化してきており、
当該市場分野においては新規需要や販路の開拓が課題となって
いる。なかでもサブスクリプションサービスを先行していたア
パレル分野は所有からサービス利用へといった消費者動向を踏
まえ、主要企業においてはこうした需要の開拓に成功している。
また、自社製品やサービスをサブスクリプションサービスに活
用しようとする企業の追随する動きもみられる。こうした動き
はアパレル分野以外でも想定されることから、今後もサブスク
リプションサービス市場は好調に推移するものと考える。…』

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